ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

204 / 204
手立て

 

 

 

「ああ、もう!! 数多過ぎ!!」

 

「分かりますが、口よりも手を動かしてください!!」

 

明久が悪態を吐きながらマネキンや人形を破壊していき、雪菜は背中合わせで明久と共闘していた。

意識を失った店員を警備員に引き渡した後、明久達は脱出を目指していたが、余りにもマネキンや人形の数が多くて、中々進めなかった。

また一人、別の店員を助けて引き渡した時

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「凪沙!?」

 

気付けば、天井からマネキンが凪沙に襲い掛かろうとしていた。

明久と雪菜は助けようとしたが、横から飛び掛かってきたマネキンに邪魔され、間に合わないと思った。

まさにその時

 

「おらぁぁ!!」

 

と凪沙に襲い掛かったマネキンを、熊系の獣人が薙ぎ払って助けた。

 

「すいません! ありがとうございます!」

 

「良いって事よ! まあ、獣人化は緊急事態だから、お咎め無しみたいだしな。嬢ちゃん、大丈夫かい?」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

凪沙を抱えていた獣人にお礼を言い、獣人は凪沙を雪菜に引き渡した。

雪菜が凪沙を立たせ、周囲を見回した。

 

「ちいっ! 更にマネキン共が増えてやがる!! しかもこっちに来るぞ!」

 

「なんとか、離脱しないと……危ない!!」

 

気付けば、数体のマネキンが獣人に襲い掛かっていた。

 

「クソが! があっ!?」

 

「響よっ!!」

 

何体かは獣人が破壊したが、間に合わずに背中と足に組み付かれた。何とか雪菜が破砕したが、獣人は荒く呼吸していて

 

「クソ、不甲斐ない……!」

 

獣人は何とか動けるようだが、獣人の方に意識を向けた際に、更に数十体のマネキンの接近を許してしまった。

気付けば、逃げようと警備員の方に向かっていた凪沙と分断されてしまった。

 

「あ、明久くん! 雪菜ちゃん!」

 

「凪沙は先に離脱! 大丈夫、追い付くから!!」

 

「先に行って!!」

 

明久と雪菜の言葉に頷いて、凪沙は警備員と一緒に階段の方に駆けていった。

明久は更に獣人に群がろうとしたマネキンを破砕し

 

「大丈夫ですか?」

 

「悪いな、坊主……これ以上の獣人化は、難しそうだ……」

 

明久が近寄ると、獣人化が解除された。

どうやら、魔力の大部分が吸われたらしい。明久はそんな獣人を、何とかエレベーターに運び込み、屋上へのボタンを押して見送った。

そこに、雪菜が近寄り

 

「先輩! あそこを!!」

 

とある方向を指差した。

その先に居たのは、包帯だらけだが、間違いなく

 

「スワニルダか!?」

 

スワニルダが明久と雪菜を指差した瞬間、頭上から夥しい数のマネキンが襲い掛かり、明久は数に押されて吹き抜けに落ちた。

 

「先輩!!」

 

雪菜は手を伸ばしたが、間に合わず落下した。

だが、予想外に痛み等は無い。

 

「あれ、なんで……」

 

「間に合ったようだな」

 

聞き覚えのある声に振り向くと、那月とアスタルテの二人が居た。

 

「あ、那月ちゃんに助けられたのか……」

 

「お前に気付いたのは、アスタルテだがな」

 

そう言いながら、那月は明久をゆっくりと下ろした。そこに、雪菜も着地して

 

「先輩! 大丈夫ですか!?」

 

「うん、大丈夫」

 

明久が返答すると、那月とアスタルテに気付いたらしい。

 

「南宮降魔官」

 

「お前か……上はやはり、スワニルダが人形を操っているか」

 

「まるで、どこぞのB級ホラー映画だよ」

 

明久と雪菜はボロボロのスチールパイプを放り投げ、雪菜は雪霞狼を展開。明久は札から刀を取り出した。

 

「お前、その刀……」

 

「文句はバカ親父にお願いします」

 

今回明久が取り出したのは、小烏丸天国だ。漆黒の焔が揺らめき、近くに漂っていた霧が一気に晴れた。

 

「スワニルダは、屋上に向かいました……」

 

「目的は凪沙かな……行ったら、バレるよね……」

 

「バレますね……」

 

流石に今のまま行ったら、凪沙に気付かれるのは明白。

 

「さっき見た時、スワニルダから魔力の糸みたいなのがマネキンに伸びてた……」

 

「奴の体内に、傀儡創造があるからだな」

 

「人形遣いの魔導具……! スワニルダが持ってたのか!」

 

明久の言葉に那月が説明すると、明久は今回の犯人がスワニルダだと分かった。しかし、その目的が分からないでいた。

 

「人形師ってやつが命令したのかな?」

 

「……人形師様は、スワニルダにより殺害されていました」

 

「え、つまり……創造主を殺した事で暴走してるって事?」

 

明久としたら、近くに居るだろう人形師を捕まえて無力化し、命令を無効化させようとしたが、死んでるのでは無理と判断し、頭を掻いた。

 

「となれば、スワニルダを直接撃破するしかないかと……けど、バレない為にはどうすれば……」

 

「……アレ、使えるかもよ」

 

雪菜の言葉に、明久はある物を指差した。

どうやら、放り込まれたらしい着ぐるみを。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。