ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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解決

 

 

 

スワニルダを視認した明久と雪菜は、一直線には向かわずに、まず周囲のマネキン群を出来るだけ減らす事にした。

現在、視認出来る限りだが、マネキンは既に百体近く屋上に居る。

もし一直線にスワニルダだけを狙って攻擊したとして、幾ら明久と雪菜の二人でも、圧倒的物量に押し潰されるか、避難してきた一般人達に被害者が出てしまうだろう。

それは流石に、明久と雪菜も望まない。だから、先に出来るだけマネキン群の数を減らす。

その為に明久は、もう一本の刀を抜いた。

先に右手に握っていたのは、雷切。そして左手に握ったのは、鉋切長光だ。

今スワニルダは、人形遣いという魔導具を使って、膨大な数のマネキンを操っている。

ならば、魔殺しの太刀は有効と明久は考えたからだ。

因みにだが、那月とアスタルテは未だに地下や一階から屋上に向かう他のマネキン群を相手に大立ち回りをしていて、援軍には来れない状況だ。

 

(行くよ、雪菜ちゃん!)

 

(はい、先輩!)

 

念話による意思疎通で、二人はまるで踊るように、次々とマネキンを破壊して、道を作っていく。

スワニルダは表情は分からないが、その蜘蛛のような右腕を動かして、新たに夥しい数のマネキン群を二人に差し向ける。

だが、二人は慌てない。

雪菜は、雪霞狼を最大稼働させて、魔殺しの霊刃で付近のマネキン群を無力化し、明久は鉋切長光の魔殺しの概念で人形遣いの魔力糸を斬り裂き、更には雷切の雷光でマネキンを焼き尽くした。

その雷光を見たスワニルダは、恐怖からか数歩後退りし、その瞬間、マネキン群の動きも鈍った。

その僅かな隙を、明久と雪菜は見逃さなかった。

明久は縮地で、一足飛びにスワニルダに肉薄し、右肩から接続されている蜘蛛を彷彿させる腕を斬り落とした。

その直後、マネキン群の全てが音を立てて倒れた。

どうやら、蜘蛛のような腕が人形遣いの魔導具だったらしい。

明久はそのまま、雷切で攻擊しようとしたが、スワニルダは蜘蛛のような下半身の多足で攻擊してきた。

 

(くっ!?)

 

いくら明久とは言えども、多足による攻擊を防ぐのが精一杯だった。

しかし、スワニルダは忘れていた。

今この場には、明久以外にもう一人、凄腕の降魔官が居ることを。

身体強化を発動した雪菜は、あっと言う間にスワニルダの背後を取り、蜘蛛のような下半身に雪霞狼を突き刺した。

その一撃でその下半身の魔導具も機能を停止し、スワニルダは何とか脱出しようともがき始めた。

だが、ブクブクとまるで水膨れのようになった体では、機敏な動きなど出来よう筈が無かった。

明久は、雷切から雷光を迸らせ

 

(もう、暴走する必要はない……あの世で、作り手に可愛がってもらいな)

 

雷切を突き刺して、スワニルダを内側から一瞬にして焼き尽くした。

明久と雪菜が武器を下ろすと、それまで縮こまっていた一般人の一人が立ち上がり

 

「た、助かった……のか……?」

 

「タルタルーガ君と、マスクドバニーのおかげ……なのか……?」

 

と不思議そうにしていた。

その時明久と雪菜は、屋上の淵に居て

 

「タルタル!」

 

「では、私達はこれにて」

 

と短く告げると、飛び降りた。

数人が駆け寄るが、下には何も見えなかった。

実はこの時、飛び降りた二人を那月が空間魔術で回収していたのだ。

そして、元々の着ぐるみが置いてあった区画

 

「うへぇ……暑かったぁ!」

 

タルタルーガ君の着ぐるみを脱いだ明久は、アスタルテから飲み物と脱いでおいた服を受け取り、着替えていた。

それは雪菜も一緒で、明久からは見えない場所で着替えて

 

「これで、人形師の事件は終わりでしょうか。南宮降魔官」

 

「そうだな。今までの調査から鑑みるに、間違いなく解決だろう」

 

雪菜からの問い掛けに、那月は淡々と答えた。

その時、店舗側から

 

『只今、人工島管理公社から警備隊がやってきました! 避難していたお客様方は、警備隊の指示に従って、外に出てください! 後程、御詫びのクーポン等の配布を行います!』

 

という放送が聞こえてきた。

 

「……丁度いいな。お前達は、私達と一緒に警備隊の所に行くぞ。表向きには、私達が保護した、という事にしておく」

 

「了解」

 

「わかりました」

 

その後、明久と雪菜は凪沙と合流したのだが

 

「あ! これ、見て!」

 

と凪沙が見せてきたのは、着ぐるみを着た明久と雪菜がマネキン群とスワニルダを相手に戦闘している映像だ。

恐らく、避難していた一般人の誰かが撮影していたのだろう。それが既に、速報としてニュースサイトに挙げられていた。

 

「結局、誰だったんだろう? お礼言いたかったなぁ」

 

「あはははは……」

 

「はぁ……」

 

凪沙の言葉に、明久と雪菜は苦笑いと顔を赤くする事しか出来なかったのだった。

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