言い訳しますと、前回投稿した後に軽く模様替えしましたら、当該巻を無くしました
中々見つからず、仕方なくOVAを入手しました
はい、本当にすいませんでした
聖域条約機構が絃神島を破壊する事を決めた翌日のブルーエリジアムに、志緒と唯里、グレンダは居た。
ブルーエリジアムに居た理由は、ブルーエリジアムにある高度遺伝子研究施設で、グレンダの遺伝子を調べる為だった。
待ってる間、唯里と志緒はブルーエリジアムに居る水生魔獣の勉強をしたり、時折現れる野良魔獣を迎撃したりしていた。
そして、結果が出たのだが
「……これって……」
「ああ……グレンダは、何者かによって産み出されたか、遺伝子を組み換えられた形跡がある」
唯里と志緒は、二人してグレンダの検査結果が書かれた書類を見ていた。
簡単に言えば、グレンダの遺伝子は自然ではあり得ない構造になっており、明らかに人工的に組み換えられた形跡があると出ていた。
しかも、今の研究施設でも不可能な高度な遺伝子組み換え技術が使われている事を示している。
「誰が、何の為に……」
「……確か、龍は財宝を護る者という話しだったから、護る為に強くした、という事なのかもしれないが……」
二人は書類を見ながら、あーでもないこーでもないと会話しているのだが、当の本人たるグレンダは、呑気にプールで泳いでいる。
その時
「つっ!?」
「なんだ、この魔力は!?」
唯里と志緒は、空間を震わせる程の魔力を感知し、書類を放り投げながら立ち上がった。
そこに現れたのは、漆黒のスーツを着た長い黒髪が特徴的な偉丈夫の男だった。
「何者だ!?」
「この区画は今現在、獅子王機関が貸与しています!」
二人は問い掛けながら、六式改を構えた。
「私は、第一真祖。
「せ、セヴェリン侯!?」
「戦王領域議会議長が、何の用件か!?」
ヴェレシュ・アラダールの名前を聞いて、二人は驚愕していた。
ヴェレシュ・アラダールは戦王領域に於いて、第一真祖の腹心として知られた旧き吸血鬼の一人であり、その実力は真祖に迫る程と称されていて、今現在絃神島に居るディミトリエ・ヴァトラーと並んで諸外国にその名を轟かせる豪傑である。
「獅子王機関の降魔師2名に告げる……先日、聖域条約機構は絃神島並びグレンダを聖殲に関する特級危険因子と判断し、排除する事を決定した……故に、即刻グレンダを引き渡せ」
ヴェレシュ・アラダールの告げた内容に、唯里と志緒は息を飲んだ。
「排除するって……」
「どういう事か!?」
「絃神島に関しては、、多国籍連合艦隊を派遣し徹底的に破壊し、グレンダは動けないように再封印か、抵抗するならば解体する」
唯里と志緒からの問い掛けに、ヴェレシュ・アラダールは感情を感じさせない淡々とした口調で告げた。
しかし、唯里と志緒は
「例え聖域条約機構の決定であろうと、正式な書類も無しにグレンダを引き渡せる訳がないだろう!?」
「グレンダ! 明久君達の所に……絃神島に逃げて!!」
唯里と志緒の尋常じゃない気配に、グレンダは一瞬躊躇い
「しお! ゆいり!!」
と二人の名前を呼ぶが
「早く!!」
「行けぇ!!」
二人の言葉に、グレンダは涙を流しながら龍形態になり、ブルーエリジアムから離脱した。
ほぼ同時刻、絃神島
「……浅葱が居ないし……何やら、情報規制が掛けられたのか、ヴァトラーの事を調べられない……」
明久は凪沙や雪菜から、買い物に行った時に浅葱がヴァトラーの部下のトビアス・ジャガンと一緒に居たという話を聞いて、学校で聞こうと思っていたのに、その浅葱は欠席。
那月にヴァトラーの事を聞こうとしたら、那月ですら把握していないと言われ、携帯で調べようとしても、ヴァトラーの名前すら検索にヒットしない。
ここまで来たら、明久でも何かとんでもない事態が起きていると察していて、校舎裏で一人考えていた。
「なんだ……何が起きてる……」
と唸っっていたら、急に辺りが暗くなった。
「ん? なんだ? 今日雨だったっけ?」
そう呟きながら空を見上げた明久が見たのは、龍形態から人形態になりつつあるグレンダの姿だった。
「ちょちょちょっ!? グレンダ!? 待って!?」
明久は慌ててパーカーを脱ぎ、何とかグレンダを受け止めた。
「グレンダ、どうしたのさ!?」
「あきひさ! しおとゆいりが!」
明久はグレンダが泣きながら志緒と唯里の名前を言った事で、二人に何か起きたと察して
「二人がどうしたの!?」
とグレンダに問い掛けた。その時、頭上を低空で一機の飛行機が飛び去った。
「なんだ!?」
明久は反射的にその飛行機を目で追い掛けて、飛行機の側面にブルーエリジアムのマークがある事に気付いた。
「ブルエリの飛行機!? なんで……」
「少年……その少女を直ぐにこちらに引き渡せ」
その声に振り向くと、ヴェレシュ・アラダールが居た。
「いきなり何だ……」
「再度告げる。その少女を引き渡せ、少年」
明久はヴェレシュ・アラダールを睨み
「あんた……旧き吸血鬼か……」
その身から漏れ出ている魔力から、ヴェレシュ・アラダールが旧き世代の吸血鬼と察した。
そしてヴェレシュ・アラダールも
「ほう……少年も一般人ではないな……その魔力、相当の吸血鬼か……」
と明久が吸血鬼と気付いた。
その時、明久の背後の窓ガラスを突き破って雪菜が現れて
「先輩! ご無事ですか!?」
と雪霞狼を構えた。
「雪菜ちゃん! ……なんで体操着?」
「次が体育の授業だったんです! それより、あの
「分からない。急に現れて、グレンダを引き渡せって」
雪菜に答えながら、明久はグレンダを自身の背後に隠した。すると、ヴェレシュ・アラダールは
「ほう、それが獅子王機関の七式降魔機槍か……という事は、お前が獅子王機関が第四真祖の監視役……という事は、お前が第四真祖か」
と明久が第四真祖だと気付いた。
するとグレンダが
「あきひさ! あいつが、しおとゆいりを!!」
とヴェレシュ・アラダールを指差した。
「え!?」
「あいつが!? ……あんた、何者だ!?」
「ああ……名乗っていなかったな……私は第一真祖、
ヴェレシュ・アラダールが名乗ると、雪菜と明久は驚いた。
「ヴェレシュ・アラダール……セヴェリン侯!?」
「戦王領域の議会議長様が、何の用件だ!?」
「簡潔に告げよう。つい先日、聖域条約機構はこの絃神島とグレンダを聖殲に関する特級危険因子と判断し、破壊する事を決定した」
ヴェレシュ・アラダールが告げた内容に、明久と雪菜は驚愕しながら
「聖域条約機構が!?」
「何故!?」
「私は一足先に、聖域条約機構の決定を報せに来たのと、グレンダの回収に来たに過ぎん……だが、第四真祖が居るなら丁度良い……第四真祖よ、お前に決闘を申し込む」
ヴェレシュ・アラダールはそう言って、明久を指差した。
「決闘?」
「ああ……私が勝てば、グレンダを引き渡してもらう……そちらが勝てば、彼女達の身柄を返還しよう」
ヴェレシュ・アラダールはそう言って指を鳴らした。すると、空中から明久達の前に志緒と唯里のボロボロの六式改が落ちてきた。
「つっ! お二人の!!」
「二人はどうした!?」
「私の任務の邪魔をしたのでな……動けなくしてから、異空間に捕らえている。安心しろ、生きてはいる」
ヴェレシュ・アラダールはそう言いながら、僅かに異空間を開き、志緒と唯里の姿を見せた。
二人してボロボロだが、捕まっているのが見えた。
「あんたは!!」
「囀るな、第四真祖。そちらが勝てば無事に返還すると言った。私は約束は守る……さて、第四真祖よ。決闘は受けるか?」
どちらにせよ、明久に選択肢は無い。
絃神島を守る為にも、決闘を受けるしかないのだ。
「分かった、その決闘を受ける!」
「良いだろう……明日の夜十二時、この場所に来い……」
明久が答えると、ヴェレシュ・アラダールは懐から一通の封筒を取り出し、明久に投げ渡した。
そして、引き返してきた飛行機から垂れ下がっていた紐を掴み、ヴェレシュ・アラダールは離れたのだった。