雷帝に居たとされる側近筆頭の話(完結)   作:てきだんへー

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雷帝側近は今日で寝る

「ふぃー!帰ってきたあー!」

 

ホームで待っていたのはヒナとマコトとアコ。

 

「待っていましたよ。」

「どうだった?」

「良い人たちだったよ。みんな。はいヒナちゃん、快眠枕。アコちゃんには…はい。指紋採取キット。マコトちゃんにはこれ。猫!」

 

その瞬間、マコトは嬉しいとも悲しいとも言えないような表情をする。

 

「え?なに、どうしたの」

「私…猫アレルギー……」                             「(´◔ ڼ ◔`)」「あ……」

「しまったー!!!ごめんね!ごめんねマコトちゃん!!」

「いや構わない。軽度だから幾らでも愛でれる。」

 

そう言うとマコトは猫をケージから出してトコトコ走り去っていく。

 

私たちもその後をついてゲヘナ学園へと行く。

こんなに楽しい記憶をくれてありがとう。ヒナちゃん、マコトちゃん、アコちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「よう、雷帝」

「成果を言え」

「あぁ、エデン条約について、トリニティは段々と締結の姿勢を戻してきている。いい加減早くしないと連邦生徒会からお咎めを食らっても文句は言えないぞ。」

 

私がそう言う雷帝は椅子から立ち上がる。

 

「あぁそうか。聞いているのは違う、トリニティでどれだけ交友を広めてきた?だ」

「あぁ、そういうことね。かなり広めてきたよ。それで何か関係ある?」

「あぁ、ならば深めたそいつらを殺してやろうと思ってな。」

「そんなことする前に私が皆に連絡する。そうしたら、たとえお前だとしても正義実現委員会相手に有利に戦局を進められるとは限らない。それに、今のゲヘナの武装組織は内乱やら何やらで大分弱体してるだろう?」

「なぜお前がそんな心配をする?」

 

雷帝はこちらを見下すように睨む。

 

「は?何言ってんだ?」

「お前はその心配する前に死ぬんだ。杞憂というやつだ。」

「っ!?」

 

その瞬間私の入ってきたドアがバタンと閉まる。振り返るとその場に雷帝は居なかった。なぜ、?先程まで、確かにそ

こ回目の大粛清だ。プロトコル37を発動せよ」

 

雷帝がそう言うと、外から凄まじい足音が聞こえてくる。

 

(……ヒナ達が!!)

 

ドアは引き戸式で、こちらからはノブがなぬ開けれそうにない。ここ2階……窓を突き破る!

 

5点着地で着地し、ヒナ達の元へ走る。

 

道中、走る万魔殿の小隊が居たので隠れる。が、なぜかバレた。もしかするとGPSがつけられているのかもしれない。その証拠と言ってはなんだが、連中は高頻度でスマホを見ている。そしてスマホを見終えたら私の方向を向く。

 

「クソッ!!」

 

1つ20発のマガジンがスーツの裏に12個。ベルトに12個の計24個ある。480発、到底足りるとは思えないが、あるだけでもまぁいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「なっ!?」

「空崎ヒナを発見!!他の2人も一緒だ!!」

 

教室で雑談していた私達の元にそんな怒号が飛んでくる。皆が銃を構えて、突入してきた雷帝の私兵を撃ち倒して、マコトとアコを連れて部屋から飛び出る。廊下の前後からは既に敵が迫り来ている。

 

「ヒナ!後ろは任せておけ!キキキ…守ってもらってばかりじゃ癪だからな!」

「マコト……わかったわ。後お願いね。」

 

前方の敵は、私の機関銃で一掃される。あまり手応えはなく、もしかすると囮、もしくは偵察隊の可能性もある。だけど、後ろの方が意外と強かった。前が片付いたので急いでマコトの方へ支援に向かい、射撃を開始。だけど、ピンピンしてる奴らがまだまだ多くいた。

 

「撃ちながら下がるわよ!」

 

放送で流れたプロトコル37と

はこれのことかと思いつつ、5階から3階まで何とか降りる……が、そこから廊下にはすごい量の敵が居た。

 

「弾は持つかしら……」

 

射撃を開始するが、だめだ。敵の数が多すぎるし、防弾のものを持っているらしく、あまり効いている気配はなかった。徐々に前後から迫りくる敵。急速に近づいてくる死の壁に恐れそうになるも、気を取り直す。

 

(まだミズキが居るかも…)

 

マコトに敵の防弾装備の隙間を射撃させながら私も機関銃を連射する。下手な鉄砲も数撃てば当たると言うが、小さな小さな隙間に撃つのは難題だ。が、私は下手の鉄砲ではない。ほんの少しずつだが敵の進行速度が遅れてくる。

 

が、依然とまる気配は無い。そんな時だった。敵の頭上で、爆発が何回も起きる防弾装備がある。とは言う衝撃波に耐えられず、何人も一気に倒れていく。

 

「ヒナちゃん!!」

「なっ……ミズキ!?」

 

そう呼ぶのは1人しかいない。私達の表情がパッと明るくなる。

 

「一旦ここから脱出するよ!この量を相手にするのは無理だ!」

 

そう言うとミズキは私達の元へ辿り着き、階段を封鎖する敵を掃討し始める

 

敵のバイザーを掴んで上に持ち上げて、首を撃つ。それから、別の敵へつかんで回してできた防弾の隙に撃ち込む。それを素早く、一気に何度もこなしつつ、敵が固まる場所では、グレネードランチャーなど使用して一気に殲滅する。下の階では鬼方カヨコが戦っていたので、そこに合流。一緒に脱出することにした。

 

正門 裏門は100%全て封鎖されている。

ならば、どこかわかりにくいところから逃げ出すしかないが、実はこの大粛清が行われたのはこれで4回目。1回目の大粛清は私が食らった反

乱軍の殲滅。2回目3回目は私が粛清する側で参加したもの。3回も受けていたら事前に秘密の脱出路なんて作るに決まっている。それはゲヘナ廃校舎の排気ダクトを通った先にある。カヨコと共に作り上げたそれは、今この状況において、まさしく効果を発揮せんとしていた。

 

全員で廃校舎に向かって走るが、後ろからは車に乗った部隊が来ていた。

 

私はどちらにせよもう逃げられない。

 

「みんな!返事はしなくていい!はぁ…はぁ……カヨコ、皆を連れてあそこに逃げろ。私はこれ以上着いていけない…」

「どうして!?一緒に行くんじゃないの!?」

「私の体にはGPSか何かが埋め込まれてる。多分ね。だから……一緒に行けばみんなを苦しめるだけだから……だから!これを渡す。」

「カードキー?」

 

カードをカヨコに渡す。

 

「その電話番号に電話して!私の名前を言え!そうしたら…そうしたら一緒に戦ってくれるヤツが居るはずだから…そいつらと一緒に戦って!!」

 

マコトが走る速度を緩めるが、そんなマコトを前へ突き飛ばす。

 

「……私は今まで、48人の罪なき生徒を雷帝の意志だからといって殺した!その報いだ!受けなきゃいけない報いを受ける時が来ただけだから……!」

 

ヒナは少し後ろを振り返って機関銃を放つ。

 

「マコト!ミズキを連れて行って!」

「キキキ……お前だけ仲間外れとかはさせてやらないからな!」

「マコト!!」

 

「アコ!カヨコ!こいつら連れて走って!」

 

カヨコとアコは、決意した私の顔を見て静かに頷いて2人を引っ張って行った。

 

「私が誇れるようなゲヘナにしてね!雷帝みたいなやつを作り出させないでね!私との最初で最後の約束ねー!!」

 

担ぐアコとカヨコの背中を押して私はその場に留まる。背後からは戦車4両、装甲車7両。トラック23台。

 

全ての車両が停車して敵の部隊が降りてくる。

 

「ブラボー小隊、敵を確認!」

 

「私と本気でやり合う気か?」

 

「アルファ中隊よ

し!」

 

私は近くの鉄板を手に取り、盾のようにする。片手には拳銃。………覚悟は…できた。

 

今まで私は多くの人をこの手で"殺した"その報いが、誰かのために死ねることならそれは報いではなく報酬だ。神へ有難みと賛美の言葉を告げて戦闘準備へと入る。

 

「いいだろう!!骨の髄まで恐怖を染み込ませてくれる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ここ、早く入って。前に進めば近くの川に流れ出るように作ったから。」

 

カヨコの案内のお陰で私達は難を逃れた。けど、先程まで居たところでは拳銃の音と聞くに絶えない小銃の発砲音。戦車の砲撃音が響き渡り続ける。

 

その音が耳に入る度に、あの人が遠く離れていくような感覚で目眩を引き起こす。

 

「ヒナ、ミズキの犠牲を無駄にしない為にも…まずは雷帝を引きずり降ろさなければならない。行け。」

 

マコトにそう言われる。涙を堪えて、ダクトの中を進んでいく。

 

そこからは恐ろしい程に何も無くトントン拍子に上手くいった。それからトリニティ自治区に着いて、教えられた電話番号に電話をかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そこからはもう覚えていない。ミズキの死はゲヘナとトリニティ両校に暗雲をもたらした。

 

ミツキ生徒会長が兵力を出してくれて雷帝を失脚させることには成功したものの、トリニティはゲヘナがミズキを殺したと誤解。そんな考えに至ったトリニティにアコは激昂した。

 

私はとにかくその現場を抑えることに必死だった。雷帝が全て悪いことを必死に話したが、マコトは自分も悪いと考えて発言し、ハスミと対立。その際の罵倒の中にミズキを侮辱するとも捉えれる発言もあってマコトは反発。

そんな2人を私とカヨコは抑えて、雷帝失脚のために協力してくれたことに感謝しつつ帰還した。

 

もしかすると、ミズキが生きている可能性もあった。事実、トリニティの兵力がゲヘナを制圧した際、ミズキ

の亡骸は見つかっていなかった。私とマコト、アコは使える人材を全て使って捜索に当たったが、見つかったのはミズキの銃と焼けたスーツと焦げたマガジンだけだった。

 

 

 

混乱と憎悪を互いに抱いたまま、新たなエデン条約へと向かっていく両校。必死にミズキの死を仕事の多忙で忘れようと働くも、脳裏に焼き付いたあの銃声は頭から離れない。

 

大切な人と別れた翌日にその人が死んだと知ったトリニティの面々の気持ちはどれほどのものなのか。私達は互いの感情を理解することさえできないのかも知れない。

 

摩訶不思議で、とても短かかったような、とても長かったような1週間は、絶望と憎悪と共に幕を閉じた

 

 

 

3年生になった今年。始業式の空はいつものように曇っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________完____

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