前世凡人 今凡神   作:カンピオーネ二次復権派

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大地母神の堕とし方

 七尾の御社のお風呂は広い。お風呂と言うよりも、浴場と呼ぶ方が相応しい。

 僕の趣味全開で造ったオール檜の浴場は、どこか老舗の旅館を思わせる出来栄えだ。

 常に暖かいお湯に満たされた魔法の湯舟に、消えることのない橙色の光が灯った吊るし灯篭。

 置いてある石鹸やシャンプーは、僕が錬金術で製作した肌と髪に優しい天然成分100%配合。

 まさに理想の檜浴場と呼んでも差し支えない。

 

 そんな浴場手前にある脱衣所も、相応の広さを持たせてある。四人同時に服を脱いでも、支障が一切ない。

 

 ……物理的な支障は無くとも、精神的な支障はあるようだが。

 

「ほ、ほ、ほ……本当に、その、護堂さんと一緒に湯浴みをするのですか!?」

「え、うん。全員で体を清めた方が、効率的でしょ?」

「こ、効率……それはそうだと思いますが……」

「祐理さん緊張してる?」

「当たり前です!? この後……この後護堂さんとその、あ、あんなことやそんなことをするのですよね……しかもその前に、全員で湯浴み。うう~、私達はとんでもないことをしようとしています……」

 

 祐理さんは頭を抱えるが、これは必要な行為だから諦めて欲しい。

 

 ……祐理さんと恵那さんをまつろわす儀式とは、言ってしまえば性行為だ。男性が女性を組み敷いて、雌に雄を刻む。

 古くから戦に負ければ、男は皆殺しか労働力。女子供は戦利品だ。大地母神が鋼に零落させられる一連の流れも、これを神話に落とし込んだ一例。鋭き武器を持った集団が襲撃し、力づくで全てを奪い取る。

 そうして多くの女性は『鋼』の男性の所有物となる。王の座から追い落とされ、男の妻や義理の娘の地位を得ていった。

 

「さっきも説明したけれど、今回護堂には『鋼』の配役をして貰う。その対象である祐理さんと恵那さんは、護堂に征服される『大地母神』。『鋼』に純潔や地位を奪われて、存在を貶められた旧き女王。彼女ら大母の女神は、そうして男性神にまつろわす女神として決定づけられた」

 

 僕が抹殺したアテナさんであれば、蛇を奪われて『鋼』の天空神であるゼウスに侍る娘の地位を与えられた。

 何かを奪われたからこそ、大地母神はまつろわす女神に変容する。

 今回の二人のケースであれば純潔──処女を奪うことによる、強奪の儀式。奪う行為そのものを『鋼』の征服による結果とし、護堂に侍る女神として神格を確定させる。

 

「それに性行為は、剣である『鋼』が大地である『地母神』を零落させる行為のメタファーになる。多くの竜蛇が剣で倒される──剣を突き刺す。竜蛇とは大地母神であり、それに突き刺す剣とは雄が持つそれ。またエクスカリバーやアレスの剣など、大地に突き刺さる剣の逸話は世界各地にある」

「だから王様が……『鋼の軍神』役をする王様が、恵那や祐理にお〇ん〇んを突き刺すことで、竜蛇退治の逸話も重ねてまつろわす行為を加速させる……だよね?」

「うん」

 

 竜蛇と大地母神はセットだ。ペルセウス・アンドロメダ型神話を持ち出せば、倒される悪竜がいて、救われる乙女がいる。そして英雄は竜を退治して、麗しき乙女を救い妻とする。

 非常に有名な神話構造であり、世界各地にこの類型として竜蛇退治の逸話が残っている。古老の八岐大蛇退治も、これの典型だ。

 この神話も重ねれば、晴れて祐理さんも恵那さんも、護堂のお嫁さんとして神格が安定する。全員ハッピーに終わる最良の結果だ。

 

「は、初めてが……四人でだなんて……」

「そこは僕としても、ごめんねとしか言えない……かな? まつろわす儀式の細かい調整は僕しか出来ないから……」

「……ん? そう言えば今更なんだが、どうして恵那も呼んだんだ?」

「それは、まぁ……今日から草薙ファミリーの正式メンバーになった祐理さんが、護堂の初めてを貰いますは……あとから問題になるかな~と思って」 

 

 本当は僕が護堂の初めてを貰い受けるつもりだったけど、それを待っていたら祐理さんも恵那さんもまつろわぬ身になってしまう。

 なのでグッと我慢し、祐理さんの前からずっと慕っていることを表明していた恵那さんが、護堂初めての本番相手をするのが望ましいと考えたのだ。

 

 それを聞いて恵那さんは師匠……と少し感動していた。これで僕への頭おかしい評価も、多少は改善されると期待したい。

 

「さぁさぁ時間がないから、全員で体を清めるよ~」

 

 僕がパンパンと手を叩いて促せば、観念したのか祐理さんが服を脱ぎだした。ただし手の動きは非常に緩慢だ。

 逆に恵那さんはそこまで抵抗はないのか、すぐにすっぽんぽんになってしまった。野生児は早い。

 ちなみに僕も脱ぐのは早い派。既に一糸纏わぬ姿だ。

 

「……俺も脱ぐか」

 

 既に覚悟の完了は済んでいるのか、護堂もいそいそとシャツを脱いで、ジーンズを畳む。

 裸になり地面で服を畳む護堂の背中を見て、恵那さんが物珍しそうに見ている。

 

「王様、凄く鍛えて──る……え!?」

「どうした、恵那?」

 

 ねと言いたかったのだろうか。最後まで言い切ることはなく、恵那さんの視線はジーンズを畳むために屈んでいて、立ち上がり露わになった護堂のそれに向けられている。

 恵那さんの驚きの声が気になったのか、ショーツを脱ぐか脱がないか悩んでいた祐理さんもそちらを向いて──目を丸くして驚いていた。

 

 二人の視線が向けられるのは草薙カリバー。この後二人を零落させるために振るわれる、命を産み出す霊験あらたかな剱だ。

 裸の女の子三人──祐理さんはまだショーツを履いているが、ブラまでは脱いでるから裸でいいだろ──を前にして、草薙カリバーは既に臨戦態勢になっている。

 強き力を宿した劔は脈々と波打っていて、怒張したその大きさは雄が雄である証。

 恵那さんは、初めて見るであろうそれに慄いてしまったのだろうか?

 

「お、男の子のそれって、そんなに大きいの!? あれが恵那と祐理の中に……入るの……」

 

 あ、そっちか。そっちで驚いてしまったのか。大きいよね、護堂の草薙カリバーは。

 流石に人外と言うほどではないけれど、初めて見たら圧倒されるサイズだ。成長期に僕の料理を食べさせまくった影響なのか、仮にゴムで避妊するならXLサイズじゃないと合わないぐらいにデカい。前世の僕が日本人の平均サイズだったのに対して、護堂のは二回りから三回りは大きい。

 恵那さんが護堂のそれにおっかなびっくり手を置いてサイズを測り、今度は自分のお腹に手をあて嘘……こんなに? と慄いた。

 

「安心して。護堂の草薙カリバーは大きいけれど、大地母神なら問題なく受け入れられるから! ……圧迫感とかはまぁ……たぶん……頑張って」

「師匠がボソッと、曖昧に何か怖いこと言ってる!?」

 

 ごめんねぇ、僕、まだ護堂とは本番したことないから、あれがぶち込まれたらどうなるのか分かんないの。

 それに今回は、確実に零落させるために僕のタントラを護堂にコピーさせる。つまり僕の父親みたいに、本当の意味で大地母神をアヒンアヒン言わせる最強の『鋼』になる。

 

 果たしてそんな快楽を叩き込まれたら恵那さんや祐理さんがどうなるのか不明だが、死ぬことは無い。大地母神は頑丈なのだ。

 

 全員素っ裸になれば、中々の壮観だ。二人とも元からけっこうなお乳の持ち主ではあったが、大地母神化したせいか若干大きくなっている。恵那さんは見た目の変化が無いと思っていたけれど、そこは変化するんだ……

 僕も含めて真っ白な肌の大地母神が三柱もいて、全員出るところは出て引っ込むところは引っ込む抜群のボディ。

 横を見れば護堂のカリバーは、早く出番を寄越せといきり立っておられる。もうちょっと待ってね~

 

 檜風呂で髪を洗って、体を洗うついでに護堂の背中を三柱で洗う事に。

 

「おい。それは別にいらないだろ」

「何をいってるんだい護堂は。せっかく美少女が三人もいるんだ。全員に甲斐甲斐しく世話されるのも、『鋼』には必要な行為なんだ。と言う訳で、祐理さんと恵那さんは、僕が今から手本を見せるから真似してね」

 

 胸で泡を立てて、そのまま護堂の背におっぱいを滑らせる。胸だけでなく、僕の全身を使って護堂の泡を広げていく。所謂泡踊りだ。

 背中から太もも、ふくらはぎ、足の指、手、大胸筋、お腹、そして草薙カリバーと丁寧に洗っていく。

 草薙カリバーをある程度綺麗にしたら、僕は大量の泡を口に含む。自然成分100%にして、甘い味に仕上げたお手製石鹸の泡なので、苦みなどは一切ない。

 態々泡を口に含んだのは、こうしないと唾液を薄められないから。僕の唾液にはタントラが宿り、原液そのままですると護堂が大変なことになる。護堂の後ろ側から上半身だけ前に回り、カリバーを僕の口で仕上げに行く。

 

「あ、ああ!!! あ、洗うと言うのは、口に含むことを指すのですか!」

「え…………あれが師匠の言う洗うなの………………」

 

 何やら恵那さんと祐理さんが驚いているが、このぐらいはお嫁さんや愛神を名乗るのであれば普通だろう。手で洗って終わりなんて、それは友達レベルのスキンシップだ。

 恋人とか妻を名乗るのであれば、これぐらいはしてあげないと。

 

 僕の口を砥石にして、護堂のカリバーを磨く。頭を小刻みに振って、刃を研ぎ澄ませる。

 護堂の刃が研ぎ澄まされる度に、彼の口から熱っぽい吐息が漏れる。ん~、ブルブル震えてるから、もうそろそろかな。僕の口には唾液がたっぷりで、泡で薄めていてもタントラは暴れ狂う。本気でやったら刺激が強すぎて、護堂でも10秒保たない。

 刃の下についている鞘袋を掌で撫でまわし、タントラの呪力を意図的に増幅。

 それで限界だったのか、護堂の剣は女神を穿つ白刃を放つ。それを口で真剣白刃取りして、泡と共に胃袋に収める。

 あとは血で汚れた刃を布で拭く様に、草薙カリバーを舌で舐めて綺麗にしたら完了。普通なら雑菌やらが付くだろうが、神の舌に菌などいない。アルコール除菌シートより清潔なのが女神のベロだ。

 

「はい。これがお手本だよ!」

「……む、無理です!! 無理です!!! 初手からそのような…………破廉恥です!!?」

「今のは…………恵那にもハードルが高いかなぁ……」

 

 おやぁ? 喉まで使うとかのちょっと難しいやつは捨てて、比較的初心者向きにはしたんだけど──

 仕方ないので今後に学びましょうという事で、普通に手で洗うだけに。それでも二人はけっこうおっかなびっくりだった。

 

「二人とも、やっぱりお嬢様だね。僕とは育ちが違うや」

「……俺には、美殊が特別に淫乱なだけとしか思えないぞ」

「またまたぁ~、こんなの大地母神界隈では標準装備だよ」

 

 護堂の全身を三人で綺麗にしたら、湯に浸かって300秒だ。広い檜の浴槽なので、全員で大の字に浮かんでも問題ない。恵那さんと一緒になって泳いでいたら、僕は護堂に沈められ、恵那さんは祐理さんに怒られた。

 

「……あ、そうだ。この後、僕を除いて初夜を迎えるわけだけど、二人とも大地母神になって、凄く孕みやすくなってるから気を付けてね」

「そうなの?」

「多産と繁殖が地母神(僕ら)の職能だよ。前々から恵那さんは護堂の胤を授かるんだとか気合を入れてたけれど、その気になれば護堂が一発出す度に孕むし、恵那さんが気合を入れたら赤ちゃんがお腹の中で人間の数百倍の速度で育って、一日で産まれてくるから。それも一人とか双子じゃなくて、一回の出産でサッカーや野球チームが組めるぐらい」

「サルデーニャで教えて貰ったから知っていたが、改めて聞かされるととんでもない体質だな。九人や十一人も産まれるとか……」

「そんなに私たちは孕むのですか!? そ、それにそんなにたくさんの赤ちゃんがお腹に宿ったら、私たちのお腹が破れたりしないのでしょうか?」

「大地母神の子宮は、人間やその他普通の動物が持つ臓器とは別物だよ。この御社みたいに、中は一種の異界になってる。仮に五人孕もうが、十人孕もうが、お腹のサイズは変わらない。僕も孕んだ事がある訳じゃないから断言は出来ないけれど、母様が僕を孕んだ時はそんなに膨れなかったらしいから」

「……母様が孕む、とはどう言う事でしょうか?」

「あ、そうか。これから一緒にやっていくなら、それを教えないといけないね」

 

 そう言えば、僕の産まれ事情とかまだ教えてなかったことを思い出す。

 これこれこういう生まれで、こんな過去があって、こんな事情を抱えているんだと説明したら、二人は──

 

「え!? 師匠の頭のおかしさは、まつろわぬ神様の性格が歪んだ事による物とかじゃなかったの!?」

「待って。恵那さんの僕に対する認知が、心底気になるんだけど」

「そ、そうだったのですね……それで大黒天様と熊野夫須美様の神力が、美殊様の中に感じられたのですか……」

「祐理さんの反応は、なんだか落ち着くなぁ」

 

 今度本格的に恵那さんとお話しようと決めながらも、話しを妊娠の問題に戻す。

 

「これは恵那さんにも覚えておいて欲しいけれど、子供を創るのは護堂が大学を卒業してから。これは護堂とも相談したことだから、覚えておいて欲しいんだ」

 

 いま子供が出来たりしたら、護堂の高校生活や恵那さん、祐理さんの学校生活もめちゃくちゃになる。なので大学を出て独り立ちするまでは、そういう行為をするにしてもちゃんと避妊しようと決めている。

 

「避妊……その……ゴムを付けられるのですね」

「ううん。僕が護堂の子種に干渉して、生殖能力を殺す。人間の造ったゴムだと、僕らの繁殖力を抑えられないよ」

「うう~……王様の胤は、数年後までお預けか。そうしないと王様に迷惑がかかるなら、仕方ないかな……気を付けてって言うのは、師匠がいないところで王様と寝たりしたら駄目って事かな?」

「うん。僕無しで行為に及べば、普通に二人とも百%妊娠するからね」

「百%か……三人ともがそうなったら、俺の子供は最終的に何人ぐらいまで増えてしまうんだろうな」

「そうだね…………僕ら三人が本気になれば、伊弉諾よろしく一日で千五百人は子供が産まれるよ。それを365日続けるだけで、54万人。千年単位で生きられることを考えたら、日本の人口全員護堂の血筋に書き換えられる」

 

 はは、まるで侵略的外来種だねと言ったら三人に嫌そうな顔をされた……確かにこの表現はないな。今後は封印しておこう。

 

「あーあとあれ。生理になることはもうないとか、老廃棄物が腸から出てこないとか、いろんな面で人の体とは違うことだらけだから、その辺で驚かないようにしておいて」

 

 女神の体は生物のそれとは訳が違う。僕は元人間……それも恵那さんや祐理さんのような超人とは違う、平凡な人間だったからこそ、人のそれとは性能がまるで違うことを実感してきている。

 なので伝えてみたのだが──

 

「生理が来ないのは楽そうだね。あれ、山籠もりの時に来ると中々処理するのが大変でさ」

「……そうなの? 僕は生まれてこの方、そっち方面で苦しんだことが無いから気になるんだけど……やっぱり辛い?」

「恵那はそこまでかな? 祐理は結構しんどいタイプなのは知ってるけれど──」

「恵那さん!? どうして美殊様はまだしも、護堂さんもいる場所でそのような赤裸々な事情を語られるのですか!!!?」

「え? だって、もう恵那も祐理も悩まされる事ないんだし、別にいいんじゃない?」

「そのような問題ではありません!?」

「……聞いていない振りしとこ」

 

 あっけからんとした恵那さんと怒る祐理さんに、この問題に関わるとやばそうと踏んだのか、護堂は湯舟の端っこに逃げて耳を塞いでいる。

 あれを賢明な判断と評価するべきなのか、それとも『鋼』らしくないと戒めるべきなのか僕には不明だ。

 

 そんなこんなで騒がしい清めの時間が終われば、ようやく本題。

 僕ら三柱はそれぞれ、白、ピンク、青の和服を着て、大きな布団の前で護堂を待つ。その間に、まつろわす大儀式に綻びなどがないか確認を済ませて、全部の準備完了。

 あとは護堂が来れば儀式に入れるのだが──そう思っていたところで、襖が開き護堂が入室。横で祐理さんがビクッと反応して、恵那さんはとうとう本当の意味で王様の女になるんだねと嬉しそうだった。

 普段通りの僕と、忠犬みたいになってる恵那さん。これでもかと緊張している祐理さんに対して、護堂は口を開いた。

 

「……こんな形とは言え、恵那と祐理を抱く以上、俺は絶対に二人を見捨てない。今日、二人をまつろわして……俺の女にする。その上で宣言しておく。二人とも知っているように、俺の道は闘いばかりだ。心配性な女神があれこれと戦いが楽になるように、あの手この手でサポートしてくれるが、それでも今回の爺さんみたいに出し抜かれる事もある。それがどんな致命的な事に繋がるのかは、その時にならないと分からない……俺の女になる以上は、何があるのか分からない道になる。だから……俺に命を預けてくれ。美殊がそうしたように、俺の生涯に侍ると。みんなで最後まで生きる為に、その全てを俺に捧げると約束してくれ」

 

 護堂はそう言って、祐理さんと恵那さんに近づいて抱きしめた。それに対して、二人は答えが決まっていたのかうんと頷いた。

 

「サルバトーレの王様の時。加護を貰った時に約束したもの。清秋院恵那は王様に全てを捧げるって。あの答えは変わってないよ」

「私は……私は護堂さんを信じています。他の神殺しの方とは違う。人を助ける善王だと。ならばその道を最期まで押し通すために、私は全力で御力となります」

 

 それが二人の答えだ。祐理さんは望まないが大地母神となった。恵那さんは自ら望んで女神になった。別々の思惑があろうとも、それは交差して一人の神殺しに繋がった。

 二人の視線と護堂の目は僕に向いたので、僕も改めて答えを口にだす。

 

「ならば僕は、二人の女神と一人の神殺しが進み運命()になる。僕以外の運命()は蹴散らそう。邪魔をするなら、護堂のように蹴り飛ばす。それでも立ち塞がるなら、最後の王としてそいつに最期をくれてやる。そのための宇宙兵器()は僕らにある」

 

 ……これが僕の答えだ。護堂が暴君に成らない限り、彼と彼に仕える大地母神二柱が最後まで添い遂げられるような道になる。全員で護堂の老衰を見守るのだ……それが何年後になるのかは、まだ分からないけれども。

 これが僕ら全員の答えだ。護堂と共に、最後まで戦い抜いてやるよ。神殺しは戦場で倒れるのが通例と言うのであれば、その当たり前を変えてやる。

 

 そうして意思表明をしたところで、護堂が僕に右手を伸ばす。僕はその意図を察して、同じように右手を伸ばして繋ぐ。それだけで護堂の右腕に眠る天叢雲を通して、護堂に僕のタントラがコピーされる。

 タントラがコピーされたと言う事は──護堂には尋常ではない性力が宿る。二人に対して優しい愛撫が始まったのだけれど、最初から祐理さんも恵那さんも声がおかしい。

 普通なら護堂の方が大地母神二人がかりの攻勢で根負けするのだろうが、タントラによるブーストがあるので一方的に圧倒する。

 特に右手で愛撫された時がやばい。右腕には天叢雲が仕込まれているせいか、右手は『鋼』として強い力を帯びている。そのせいで大地母神の性が負けかけるのか、左手で触れられるよりも右手の方が数倍以上快感なのだ。僕は当事者なのでよく知っている。

 

 しかも今の護堂には、タントラパワーも宿っている。恵那さんと祐理さんは、顔がトロトロになるほどの快楽に襲われている筈だ。実際に顔が蕩け切っているし。

 ……うわぁ、これで二人合わせて十回目だ。まだ始まって15分しか経っていないのに、何という事だろうか。僕にはコピー元であるタントラと、大黒天の純『鋼』があるからなんとかなっているが、大地母神しか持ってないとこうなるのか。

 恵那さんはまだカーリーが『鋼』の相を持つ分マシみたいだけど、それでもドロドロになっている。嘘だろ、これまだ前戯だよ?

 

 あ、護堂が祐理さんにとうとう草薙カリバーを突き刺して──

 ──ひぇ! んほおおおおおおとかほんとに声として出るんだ……タントラの力が宿った、女神を屈服させる雄の『鋼』。まさかこれほどとは……護堂が攻める度に、祐理さん果ててない、あれ?

 もはや何を言っているのか聞き取れないほどに、祐理さんの声がおかしくなってる。あれ、どれぐらいの快感が祐理さんを襲っているのだろうか……凄く気になる。もしも僕もあれを突き刺されたら──いかんいかん! それをしたら、護堂の方がまだ負けるんだ……でも僕のタントラが負けるほどに護堂が強くなり、屈服させられたその時には──いまの祐理さん以上に、僕は快楽の渦に叩き込まれて……

 

 ……ちょっと体が震えちゃった。その瞬間を想像して、一瞬どうなるんだろうと楽しみにしてしまった。本気で好きになった相手に、これ以上ないほどの快楽を強制的に捻じ込まれる。それを想像するだけでこうなるだなんて、僕は潜在的にはMなんだろうか?

 なんて考えていたら、護堂の性が解放される。これで祐理さんは護堂にまつろわす女神として確定した。祐理さんの儀式はこれで終わり、次は恵那さ──

 

「護堂さん……もっと……ください──」

 

 祐理さんがなんかめっちゃ催促してるぅ!! 護堂が離れようとしたら、腰に足を回してがっしりと掴み、手は護堂を求めて彷徨っている。

 その行動に護堂の動きがピタリと止まり、視線は恵那さんに向く。彼女はまだ護堂の愛撫から回復しきっておらず、荒い呼吸をしているところだ。それを確認した護堂は──祐理さん相手に続行を選んだ。

 

 そのままたっぷりと五回戦ぐらいまで行い、護堂の顔に疲労が滲む。タントラによる精力回復効果があるとは言え、連続五回は辛い筈だ。

 それでもなんとかやりきったところで──

 

「王様……恵那にも、頂戴……」

 

 恵那さん復活。護堂は馬鹿な……みたいな顔をしたが、それでも恵那さんが求める以上はやってやるよと続行し──八回戦まで進んだ。つまり護堂にとっては十三回連続だ。

 護堂の息が乱れている。性的興奮とかではなく、明らかに腰の動かし過ぎで。

 ……だが苦難はそこで終わりではない。これから始まるのだ。

 

「護堂……さん。私……まだ……」

「──そう、か…………はは…………どっちかの相手をしている間に、どっちかが復活するのか。大地母神は、再生力がすごいものな…………はは」

 

 護堂が渇いた笑いをする。もはや笑うしかないみたいな状態だ。神殺しの肉体は人間より遥かに頑丈で復活も早いが、大地母神はそれ以上だ。今の今まで、僕一人の相手をするだけでも護堂は半死半生だったのだ。

 僕相手だとタントラによるダメージがあるとは言え、それでも一人の相手で済む。

 

 だが、今は違う。

 

 大地母神が二柱もいるのだ。護堂が言うように、放っておいたら僕らはすぐに体力満タンに戻る。どれだけ責めたところで、護堂のお〇ん〇んは一本しかない。本当の意味で満足させようとしたら、それはどれだけの労力が必要になるのか──

 ついでに言えば、まだ二人。

 

「ねぇ、護堂。僕も……して欲しいな。儀式も終わったから……見てるだけじゃ寂しいよ」

 

 倍プッシュだ。タントラ持ちが追加されたことで、護堂の目が見開かれる。僕の相手をしつつ、恵那さんと祐理さんも夜伽に参戦する。それがどれだけ雄に雄であるかを要求するのか、理解した目つきだ。

 護堂の口がパクパクと動き……それから闘争心の輝く目つきに代わる。それは神を殺す者の目だ。この程度で負ける訳に行かない、神殺しの闘争本能。

 

「……いいぜ。やってやるよ。美殊も恵那も祐理も、全員相手をしてやる!」

 

 真っ先に崩すべきはタントラを持つ僕だと判断したのか、護堂に組み敷かれる。だが僕もただで負ける訳にはいかないので、呪力全開だ。護堂を本気で攻略するために、全力でタントラを回す。

 そんなこんなで数時間。僕を責め立て、祐理さんを攻めたて、恵那さん相手に全力で腰を振る。コピーした僕の権能を使うだけの呪力も切れたところで、ようやくお開き。

 

「……すごいね。タントラと神殺しの呪力が噛み合えば、護堂は連続で四桁近くまで発射できるんだ」

「護堂さん!! 大丈夫ですか、護堂さん!!!」

「王様!! ごめんね、王様!!! 恵那達が夢中になり過ぎたせいで、王様に無茶させちゃった!?」

「……………………」

 

 もはや喋る元気もないのか、護堂はひどく衰弱している。僕ら三人がかりで治癒の権能を使い、どうにか立てるまで快復させる。

 

「……今後は一人ずつにしような……今後は」

 

 今回得た教訓は、神殺しでも大地母神三柱同時は無茶だと言う結論だった。でも妊娠対策の避妊には僕が参戦しないといけないから、どっちにしろ二人は確定だよと伝えた。

 聞いた護堂は真顔だった。




なお、この儀式に使った時間は十日である(途中でみこっさんが御社の中の時間を調整した)
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