前世凡人 今凡神   作:カンピオーネ二次復権派

59 / 70
敗北勇者の大覚醒

 7月上旬。城楠学院は期末テストの時期で、護堂も他の生徒らと一緒に学習知識を問う試験を受ける。

 それなりに勉強をしているので、護堂としてはそこまで難しい試験でもない。けれどその手は途中で止まり、隣の席に眼を向けてしまう。

 

 誰もいない席がある。熊野美殊の姿はなく、伽藍洞の椅子が置かれているだけだ。

 ……彼女は学校に来ていない。今日だけでなく、ずっと学校には来ていない。なぜなら護堂に抱かれて、疲れて眠ったあの日から、まだ目覚めてはいないから──

 

 

 

 

 

 その日の試験が終われば、すぐに護堂は七尾神社に向かう。同級生らは最後の追い込みがあるので、遊びなどに誘われたりはしないのが都合良かった。

 神社までの移動方法は電車や歩きではなく、弓の権能を使う。本当は強風の化身を使うのが一番早いが、あれは美殊にもしもがあった時の手段として確保しておきたい。

 そんな思いから護堂は弓の力で大気を蹴り、ビルの壁を走り、電柱を渡って神社に急ぐ。

 

 普段であれば権能なんてよほどの理由が無ければ使わないが、今がそのよほどの事態だ。城楠学院から七雄神社までは十キロ以上離れているが、弓の力を使った護堂は音より速い。

 僅かな時間で境内に到着し、護堂は本殿の中に入るために入口に立つ。

 

「照合……完了。ようこそ草薙護堂様。中へお入りください」

「……なんどやっても慣れないな。見た目は本格的な御社なのに、SF映画みたいなオートロック構造は」

 

 元は普通の御社だったのに、美殊が魔改造と増改築を繰り返したせいで、妙なセキュリティーが大量に組み込まれている。

 許可のない対象が入れるのは、美殊が魔改造する前の本殿部分──木造の床や木張りの板があって、祭神を祀る神棚や簡素な神具が置かれているところだけだ。

 だが美殊が許可を降ろしていれば、彼女が本拠地とする異空間に到達できる。護堂は当然許可されているので本殿入口を抜ければ、見た目の数十倍は広大な広さを持つ内部に入り込む

 

 無駄に長い廊下を歩き、護堂が目指すのは美殊の寝室だ。地下には何層もの研究セクターなどがあると彼は聞かされたことがあるが、そちらには向かったこともないし今後向かう事もない。

 なぜなら護堂がこの神社を訪ねる理由は、ここの媛巫女を務める万理谷祐理に用事がある時か──

 

「ただいま……美殊はまだ起きてないんだな」

「おかえりなさい護堂さん……はい。まだお眠りになられたままです」

 

 ──布団に寝かされて穏やかな寝息を立てる、この神社の祭神(美殊)に会いたい時だけだ。

 先に転移で帰っていたのか、祐理が美殊の傍らに座って様子を窺っている。護堂も同じように座って──ではなく、美殊に添寝するように同じ布団に寝転がる。

 すると美殊の体が動き、護堂にしがみ付き彼の腕を枕にしてしまった。

 

「やっぱり、俺が近くにいると体の方は反応するんだな」

「……のようです。護堂さんと一緒にいることを、本能が求めている……安心感を求めているのと同時に、神殺し討滅の本能が、護堂さんを抑え込もうとしている。私にはそう感じられるんです」

「……最後の王としての防衛能力か」

 

 目を覚まさないことに最初は不安になった三人だが、美殊の寝息自体は酷く穏やかで乱れも無かったこと。それどころかある種の防衛本能は活動していて、神殺しである護堂が近づくと彼を探すように腕が彷徨ったりするのだ。

 これは美殊の討滅兵器としての本能が、最大の敵である神殺しの接近に反応しているのではないかと祐理が考察。

 ただ攻撃的な反応ではなく、迷子が親を探すような動きをしていたのが護堂には不思議だった。

 

 そこで護堂が近づき、ふと思いつきで添寝をしてみたところ、美殊は彼にしがみ付いて、穏やかな寝息から嬉しそうな寝息に変化した。

 これは神殺し抹殺兵器としての熊野鬼鏖大神尊は護堂を警戒しているが、美殊の理性は護堂好き好きで求めた結果、こうなったのではないか? とこれは恵那の考察。

 それ以来、護堂はこうやって美殊のために添寝したりしている。

 護堂としては祐理や恵那と同じ自分を愛しているとはっきりと口にして、それが嘘偽りではないぐらいには尽くしてくれている美殊のことが、なんやかんや心配なのだ。

 困らされることも多いが、その分公私ともに彼女が支えてくれていることぐらい護堂だって理解している。なんなら、過剰なぐらいなことも。

 

 

「早く起きろよ、美殊。俺や祐理、それと家の蔵に何か起こす手がないか、恵那が探してくれているんだ……いつまでも寝てたら、俺たちも呆れるぞ」

 

 柔らかい声をかけられた美殊は、ふにゅうと返答のような寝言を漏らす。

 

 ……それでも最後の王は深い眠りにつく。自らを()()()()()()()()、長い休眠時間を取って神力を内部で増幅させていく。

 それが必要なのだと、肉体は信じて──

 

 

 

 

 

 眠い。とても眠い。まるで全ての力を出し尽くしたかのように眠くて、意識は深い底なし沼から浮上しようとしているのに、この泥から出たい気持ちが湧いてこない。

 上も下もない、暗闇の世界。僕の眼でも見通せない闇に囲まれているのに、それを怖いと感じない。

 

 闇に触れた。闇に触る。闇と戯れる。

 ちょっとしたことなのに、それが無性に楽しい。そうやって闇とクルクル踊っていたら、それらは何処かに立ち去ってしまう。

 それが寂しくて、追いかけようとするけれど僕の脚より速く立ち去ってしまう。

 追いつけない……闇はどこかに行ってしまい、代わりに訪れたのは灼熱の世界。

 

 赤と紅と朱が支配する世界には、無数に、たくさんの溶けて赤熱に輝く『鋼』がある。それらに取り囲まれて、思わず僕は目を閉じてしまう。

 

焼かれる!!!

 

 ……そう思ったのに、溶けた『鋼』達は僕を襲わない。むしろ取り囲み、あらゆる障碍から守るように周りを覆ってしまう。

 

これ、なんなんだろう?

 

 どこを見ても『鋼』が空間を支配して、けれどそれらは僕を害そうとしない……ああ、そうかと気づく。

 害するも何も、これらは僕なんだ。この世に産まれるであろう、あるいは産まれたであろう……可能性を含んだ無数の兵器()の子ら。

 それは剣かもしれない。槍かもしれない。盾もあれば、兜もある。剣と呼ぶには不格好な青銅の塊が僕の前を通過し、僕に頬ずりするように鉛の弾丸が懐いてくる。

 

 この子らは僕から産まれる可能性であり、僕に統合されるであろう可能性の兵器()たち。

 剣のメタファーである『鋼の軍神』だけでなく、遍く可能性を秘めた系譜の子ら。

 母なる(大地)から採取可能な資源を使い、彼らは産声を上げて誕生する。彼らは僕であり、僕は彼らなのだ。僕を母として慕い、僕は彼らを導く大母として道を示してあげる。

 

 だから……あらゆる『鋼』は僕の従属神として、僕の神話に組み込まれる。なぜなら過去も未来も関係なく、彼らは僕の系譜だから。

 それが闇の代わりに遊んでくれて、楽しくて──でも、ここには僕が本当に欲しい物がない。

 無数の『鋼』は僕を母と呼び、どこまでも慕ってくれる。でも、違うのだ。

 彼らと戯れるのも楽しいけれど、ここには()がいない。彼ら『鋼』を使う僕はいるのに、『究極の鋼』()を使う人物がいないのだ。

 

 道具の本懐とは使われる事。僕を必要としてくれる、彼がここにはいない──ならばここは僕の居場所ではない。

 立ち去ろうとすると、(彼ら)から悲しそうな気配がし始める。それがどうにも後ろ髪を引いたので……そうだと僕は思い直す。

 ならこの子達を僕の中に納めて、持っていけば良いじゃないか。うん、そうしよう。

 僕がおいでと手招きしたら、彼らは喜んで僕の中に封印されていった。

 

 これでよし!

 

 そう思ったところで、意識はようやく浮上しきる──そここそが、僕の居場所で──

 

 

 

 

 

「変な夢」

 

 夢の内容ははっきりと覚えている。なぜ僕は、あんな訳の分からない夢を見たのだろうか?

 原因は良く分からないが、夢なんてただの夢さ! ……と片付けるには、僕にとって夢とは軽視出来るものではない。

 予知夢や正夢なんて言葉があるように、卓越した術師の見る夢は豊富な情報源となる。

 その理屈で言えば、僕は地球上で五指に入る術者。そんな僕の見る夢とは、確実に何かしらの意味を含んだもの。

 

 では先ほどの夢が何なのかを自分の中で思考してみるが──答えは出ない。

 

「ゆっくり考えたらいいや」

 

 それよりも、ここはどこだろうか? 僕の寝室……なのかな? そもそも、僕はどうして寝ているんだ?

 ……分からない。なんだか記憶が曖昧で、薄ぼんやりとしている。目をパチパチして見れば、意識そのものははっきりとしている。

 ただし目の前は暗い。漆黒の闇ですら見通す眼なのに、壁か何かに遮られて何も見えない。

 

 この壁……あ、これ護堂だ! どうやら護堂に抱きしめられながら、僕はスヤァーしていたようだ。

 胸に抱え込まれているので、護堂の匂いが鼻腔に充満する。別に臭いとかそんなことは無く、ちょっと汗の匂いがするぐらい。別に嫌いな匂いでは無い……どころか、嗅いでいると安心感に包まれる。

 

 しかしどうしたのだろうか? 護堂と一緒に御休みをするなんて。

 良く分からないけれど、こうしていると安堵するのは確かだ。

 匂いを嗅ぎながらもぞもぞしていたら、頭上から声をかけられた。

 

「起きたのか!?」

「──おはよう」

 

 胸から顔を上に向けたら、護堂が僕の顔を覗き込んでいた。やぁ、旦那は今日もそこそこのイケメンだね……なんかやつれてない?

 神殺しは頑丈な体の筈なのに、目の下に隈があるように見える。イメチェンした?

 

「護堂、なんだか疲れた顔をしてるね? どうしたの?」

「……覚えてないのか? それに、その眼は?」

「覚える? 眼?」

 

 はて、何のことだろうか? 護堂がお疲れなのは、僕が関係がある? 寝る前の記憶が無いので、そのせいか?

 

「……その様子だと覚えて無さそうだな。とにかく、一回起きて鏡を見てみたらどうだ?」

「はーい」

 

 と返事してから、護堂と一緒に起床する。見渡してみればやはり僕の寝室で、どうしてここにいるのか分からない。

 とりあえず、護堂が言うように鏡を見て──おや? 『盟約の大法』使用時、僕は右目の色が赤い眼──火のような灼眼に変化する。祐理さんが大母となったことで玻璃色の眼になったように、大法を使用すると僕の中の『鋼』が覚醒しきるのか外見に変化が生じるのだ。

 

 僕はいま大法を使っていないのに、右目がその時と同じ灼眼に変化している。

 

 そこで護堂にどうして僕は一緒に寝ていたのか聞いてみた……ふんふん……へぇ……え!?

 

「ぼ、僕、護堂にいっぱい、その、して貰って……それで護堂と本番エッ〇を?」

「そうだ。凄かったぞ、お前。ずっと俺の名前を呼んで」

「ぜ、全然覚えていない……監視映像を確認しなきゃ!」

 

 七尾の御社には自動警備システムを組み込んである。当然機械を使った監視映像や、呪術による撮影を行ってある。

 僕がシステムを起動させて、寝室の映像を呼び出すと──わぁお!!

 

「これほんとに僕ぅう!!? 護堂と本番したらこんな状態になるのぉ!?」

 

 護堂の愛撫で昇天しまくり、ずっと嬌声を叫び続ける僕。自分自身のことなのに、わぁ美少女が喘いでいるやみたいな感想が出てくる。

 それから……急激にスーパーモードみたいな状態に移行。護堂の『戦士』や恵那さんらの破邪の力を一瞬で粉砕。

 

 なにこれと問うてみたら、祐理さん曰く僕の本気は加算ではなく乗算なのではないからしい。

 え、つまり、普段の僕はフルパワーの1%も使えていないってこと? さ、流石は凡神。僕が思う以上に、僕は駄目駄目だったらしい。

 

 そんな僕を護堂は落ち着くまでずっと頭を撫でてくれて、ようやく僕の覚悟が決まったのか本番に至り……そこから千回以上は護堂に強請った。

 僕がふわふわタイムに至った回数なので、護堂の発射回数ではない。筈なのだが、気になったので映像を早送りにしてカウントしてみる。

 ……ひぇ!! スリーハンドレッドは、護堂の波動砲がセイフティーロック、解除。ターゲットスコープ、オープンしてる!?

 

「ご、護堂は体大丈夫なの!? こんなに僕と致したのなら、体に負荷が……もしかしてその隈は、僕のせいで!!」

 

 た、大変だぁ! 護堂と本番出来たのは嬉しいけれど、そのせいで負担をかけてしまうなんて。

 思わず心配してしまったが、その時の疲労はとっくの昔に抜けきったよと言われた……とっくの昔に?……え、そういうこと!?

 

「ぼ、僕、どのぐらいの間眠りこけてたの!? そもそも、今はいつ!?」

「今日は7月13日だよ」

「一カ月はお寝んねしてる計算だねぇ!?」

 

 護堂と本番エッ〇をしたのが6月14日の土曜日。とんでもない時間を僕はスヤスヤだ。な、なぜそんなに長時間寝てしまったんだろうか……

 

「お前が全く起きないから、俺も二人もずっと心配してたんだ。美殊が寝てから御社の内部時間も外と同じ流れになって、土曜日から日曜日、日曜日から月曜日になっても目を覚まさず……」

 

 護堂たちは僕の心配をしてくれたらしく、学校がある日もすぐに帰宅して、僕が起きないのかを見守ってくれていたらしい。土日も遊びに行ったりはせず見守ってくれていたと聞かされた。

 護堂が僕と添寝してくれていたのは、目を覚まさない僕が心配だった……からだとか。

 

「寝ている間、俺が近づくと手を彷徨わせてな。祐理に診て貰っても、体には異常はないと聞かされていたけれど……でも俺が手を繋いだり、さっきみたいに一緒に寝たら、すぐに落ち着いたんだ」

「……そっか。それで一緒に寝て──寝て無いんじゃないの? その眼の下の隈、もしかして──」

「──あんまりそう言う事を気にするなよ。俺がしたくてやったことなんだからな」

 

 護堂はそう言いながら頭を撫でてくるけれど、僕としてはやはり気になる。一月もの間、三人は僕を心配してくれていたのだ。

 ここには護堂しかいないけれど、そのことが嬉しくて、思わず護堂の頭をギュッと抱きしめてしまう。

 

「……ありがとう」

 

 こんな言葉だけでは伝えきれないけれど、少しでも僕の感情が伝われと願い言霊を口にして──

 

 ──ぎゅるるる。

 

 なぜか僕のお腹が鳴った。あれれ、おかしいな……どうしてか、非常にお腹が空いている。

 大地母神の体でお腹が減ることなんてない。それなのに空腹……どうしてかは分からないが、僕の体は外部からの栄養を求めている。

 ともかくこの空腹を治めたいので、僕はご飯にすることにした。

 

「ええと、ご飯を作るけれど、護堂も食べる?」

「病み上がりなのに大丈夫なのか?」

「うん! なんでかは分からないけれど、お腹の減り以外はすっごく体調が良いんだ……なんでだろうね?」

 

 護堂と一緒に首を傾げるけれど、とにかくまずはご飯の時間だ。僕は白米をたくさん炊いて、おかずもステーキ、から揚げ、ブリの照り焼き、ハンバーグ、きんぴらごぼう、ほうれん草のお浸し、具沢山の豚汁……大量のおかずを作っていたら、祐理さんと恵那さんも帰って来た。

 二人は僕がおはようしたことを喜んでくれて、復活祝いとして一緒に昼ごはんを食べることにした。

 

「ガツガツムシャムシャ……モグモグ……ガッガッガ!!! おかわり!!」

「師匠……それ、何杯目のご飯?」

「ええとね、21杯?」

「10合は米を喰ってるぞ、こいつ……」

 

 護堂と恵那さんは呆れているけれど、どれだけ食べてもお腹が膨れないのだ。祐理さんにお茶碗を差し出せば、白米が山盛りになって帰ってくる。

 それを食べ、おかずを口に運び、また御代わりして豚汁で米を流し込む。

 

 ……50杯はおかわりして、おかずを10キロ以上食べてようやく僕のお腹は満足感を覚えた。

 そんな僕に全員不思議そうな目を向けて──護堂がポツリと言葉を一言。

 

「俺が神殺しになった直後より食べているんじゃないか?」

「……言われてみればそうだね?」

 

 なぜ僕はこんなに食欲が湧いてきたのだろうか。不思議に思い、自分の内面を探って──さぐ──おやぁ? もしかして、そういうことなのか? だから僕の右目は灼眼のままになっている?

 僕がうんうん唸っていたら、どうしたの師匠? と恵那さんが疑問を口にした。

 

「いやぁ……僕がお腹ペコペコになった理由と、一カ月もお寝んねしてた理由。それが判明しちゃったんだ」

「そうなのか!? どうして美殊は、こんなに長い期間眠ることになったんだ?」

「それはねぇ……こうだよ!!!」

 

 僕が臍下丹田に呪力を集めて練り上げたら、一気に呪力が跳ね上がる。その量は、以前の()()()()。今までが一柱分ぐらいの呪力なのであれば、二柱分まで上がった計算だ。

 そんな僕を見て、全員がびっくりしている。驚くよね、僕だって驚いているもの。

 

「これ、なんで師匠の呪力がここまで増大してるの!? あの時の異常な力ほどじゃないけれど、それでもおじいちゃまの倍はありそうだよ!?」

「……うん。やっぱりだ。僕の力だけど、すごく増えてる。本当の能力が乗算なのであれば、それには遠く及ばないけれど……僕が想定していた、二柱の加算数値であれば、たぶん届いてる」

「……どうして、そんなことに? 美殊が寝ていたことに、関係があるのか?」

「──ある。さっき僕が乱れていた映像。あれを見て、今の僕がどんな状態なのか確かめたことで確信した……僕の体は神殺しに負けたことで敗北を悟り、強くなることを選んだんだ」

「──説明を」

 

 僕の体がやったことは単純だ。僕は神殺しの魔王の舌や手により、いっぱい絶頂させられた。その上あと一歩で純潔を奪われる寸前まで追い込まれた。

 それを打破するために、僕の体は僕の才能値を超えて上限まで能力を解放。

 しかし抵抗虚しく、僕の最後っ屁は通用せず魔王の手で純潔を散らされた……体の認識はこんな感じになる。

 しかもそのあと、抵抗も出来ずに僕は何度も何度も絶頂させられて、最後には満足して眠る(気絶)するまで神殺しに良いようにされてしまった。

 

 だから肉体は選んだのだ。今後はこんなことが無いよう、更なる力を手に入れんと僕を休眠状態にさせて、その間に扱える神力を増やせるように肉体を進化させようとした。

 その結果が右目の灼眼。今の僕の力は増大していて、その分が表側に力として出現しているのだ。

 お腹が空いていたのは、進化のためにエネルギーを使いすぎたから。外部から少しでも栄養を取り込むことで、早く肉体を最高潮に近づけようとしたのだろう。

 

「つまり……神殺し(護堂)とたくさんエッ〇したら、僕はなんか強くなったんだ!!!」

「……師匠の体質、一体どうなってるの?」

「……僕が聞きたいよ」

 

 なんで自分のことなのに、僕が逐一驚かないといけないんだ。初めて護堂に触って貰った時に感じた、とんでもない快楽ぐらいの驚きだ。

 ……待て待て。逆に考えるんだ。エッ〇して強くなったのであれば、ひょっとして僕は護堂に──神殺しとエッ〇すればするほど、強くなるんじゃないのか?

 だとすれば、護堂の役に立つ方法が増えることになる。なーんだ! そう考えたら、これは良いこと尽くめなんじゃないか! 僕は気持ちいい。護堂は気持ちいい。気持ちいいことをしたら、なんか戦力が増える。

 だから──

 

「僕は起きたばっかりだけど……これから護堂の更なる役に立つために、いっぱいエッ〇しようね!!」

「……そうか。俺の一月は思いのほか平和だったけれど……このための猶予(モラトリアム)だったんだな……はは……やってやるよ! 要は美殊とたくさんしたらいいんだろ!」

 

 護堂も気合い十分だ! 見たら祐理さんと恵那さんが護堂の肩に手を置いて、頑張ろうと表明している……ようし! これから色んなシチュエーションで護堂とエッ〇するぞ! それが僕らの未来に繋がる道になるんだ!





なんとなく作成した熊野美殊イメージ図


【挿絵表示】
 
【挿絵表示】
 
【挿絵表示】


次の話は夏休みまでのR18短編。その次がようやく原作4巻の夏休みイタリア編
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。