人生詰み級のバケモンだけど彼女いるから割と幸せ   作:懐紙

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ガチゴラスの色違いオヤブン全然出ねぇ·····!
作業ついでに書いた新作でしたが、感想頂いて超ウキウキで書き上げました。もう1つのヒロアカSSもよろしくね


負けられない理由のある男は最強

早くも半年が過ぎいよいよ雄英高校の一般入試の日である。

切奈が勉強をしっかり見てくれたお陰で過去問は合格ラインをしっかりと取れるようになっていた。推薦で早めに受験が終わってる頭のいい彼女がいるのは本当にデカかったな。1人じゃあ地頭の良くない俺は結構危なかったかもしれんしマジで頭が上がらねぇ何かお礼を考えないとな。

 

朝食を食べにリビングに向かえば父さんと母さんが居て挨拶をしてくれた。

「おはよう。珍しいな父さん休み?」

 

「·····まぁ、息子の激励くらいはな」

そう言いながら茶を啜る2メートル級の大男は俺の父親、怪魔牛頭(かいまごず)。寡黙であるが父親も俺ほど化け物では無いものの異形系で大きな角が生えている。なので結構気を使ってくれている。

個性は「牛鬼」蜘蛛のような爪を背中から生やしたり牛頭の大蜘蛛に変身したり出来る。山を幾つか所有しており私有地なのでそこで変身し図体を使って林業を営んでいる。山で見かけたら普通に腰抜かすとおもう。

 

「そうそう、父さん昨日は心配で寝れないって遅くまで起きてたんだから」

そうケラケラ笑いながら俺の分の朝食を運んでくれるのは母親の怪魔活根(かいまかつね)。プリンカラーのサイドテールで纏めたタッパデカめのヤンママって感じの見た目をしている。

小さい俺を連れて歩いて不躾な視線に少しでも晒されないように威嚇の意を込めて金髪に染め始めたらしいが今では結構気に入って好きで染めてるそうだ。

個性は「エナジー」なんかずっと元気らしい。これでも良家のお嬢様だったらしいんだが所作からそれを感じられたことは無い。

 

「んな心配する事ねぇのに。筆記も安定して合格ライン取れるし、実技はむしろ手加減しないとぐらいだろ何やるか知らねぇけど」

 

「フム·····」

 

「まぁそれでもあの雄英高校に息子が受験すんだもの、結構こっちも緊張すんのよ??」

 

「ふーん。ま、サンキュ!バッチリヒーロー科に合格してご近所でも自慢できる息子になって来るわ」

 

そう言って朝食をかっこみ出発の準備を整える。っし!気合い入れて行くかァ!

 

「気張れよ」

 

「頑張ってきな!」

 

「おう!行ってきます!」

 

駅に向かおうと足を進めると後ろから声がかかる。そこには切奈がいた。やっほと軽く挨拶をかわして俺の隣を歩き出す。

 

「おはよう。どうした用事?」

 

「はよ〜何言ってんの可愛い彼女が駅まで見送ってあげようって話じゃないっすか」

 

嬉しかろー?とにへらと笑う切奈。そんなん·····最高じゃあないっすか·····こんな幸せ許されてええんか???もしかしてコレ、合格したらほぼ毎日出来る·····??は?俄然燃えてきたが??思わぬ気付きでより合格の熱を燃やしながら取り留めない会話をしていたらもう駅に着いてしまった·····

 

「じゃ、頑張って。応援してるからさ」

 

「おう、気合い入れてくわ」

 

そう軽く挨拶をかわして改札へ向かおうとすると切奈に呼び止められ、振り向くと頬になにか柔らかなものが押し当てられる。顔にかかった緑髪とふわりと香る女子特有の甘い香りを脳が処理をするのに数秒を要してしまった

 

「ん?どうしたせつ·····な」

 

「ご、合格祈願·····的なやつ·····です!」

 

「あ·····ありがとうございます·····?」

 

俺の頬にそっと当てられた唇を離した切奈は顔を赤らめ少し上擦った敬語の彼女に俺も何故か敬語で返してしまった。

 

「合格出来たら!ご褒美も用意してる·····だから絶対合格してね」

 

「絶対合格します」

 

「うん·····じゃ、じゃあ行くね!?」

 

そう言って彼女は駆け足で去っていってしまった·····

この場で大咆哮を上げそうになる激情を俺は内に必死で抑え込みながら列車に乗る。朝だろうがギョッとした顔でモーセのように駅の人混みが割れるのはこの見た目の唯一と言っていい利点だ。

電車に揺られる俺の頭は受験の不安とか、ヒーロー科への憧れとか、もうそんな物はどうでもよかった。申し訳ないが俺だって中学三年生の男の子なのだ。

つまり今の俺は最強だということだ。勝つのは必然あんな応援を彼女に貰った男に敗北という概念は無い。

 

 

 

そうしてやってきたのは雄英高校の門前。倍率300はやっぱ伊達じゃない。見送りの保護者なんかも入れればもの凄い人の数だ。

そうなると当然異形系も多くなる訳なんだが、それでもやはり視線は俺に集中する。

実は俺の角センサーは、視界を初めとする五感的なもの以外にニュアンスくらいの精度で向けられる感情なんかも読める。

範囲はもちろん360°、距離はだいたい人の視界くらいだが俺にしっかり向けられてるなら多分キロ単位で読み取れるはずだ。

向けられた事は無いけど。ちなみにいまの種類は興味が大半だけど、憐れみと畏怖的な感情が若干いつもより多めな気がする。みんな緊張してるからかな?まぁ、そんなのは何時も慣れっこである為、俺はさっさと受験会場へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

筆記試験はとりあえず問題は全部埋められたしまぁ割と良い感じだと思う。集中も出来てたしな。次は実技ってことで試験内容の説明が行われる講堂に向かう。ちなみに筆記試験は俺は別室で1人で受けた。後ろどころか書いてる紙の音で分かっちゃうんだよな。事前に雄英高校に連絡して対応してもらったのだ。

少しして雄英高校の教師でもあるプロヒーロー、プレゼントマイクが試験内容の説明をしてくれる。

ふむ、ロボットの破壊·····か。コレはかなり俺に、というか戦闘系個性持ちに有利な試験内容だな。まぁ、ヒーロー科の試験だし当然っちゃ当然か。

説明が終わり、先生が質問の時間を儲けたら手を直角で聳え立たせたメガネの男の子が質問を投げかけると共に、前列にいたらしい緑髪くんに注意してた。

 

ヒョ、ヒョエ〜このシーンとした会場で声張って他人注意できるかね。すげーメンタルだわ。でもサンキュメガネくん。俺も気になってたんだわ。

 

 

そんな1幕はありつつ俺は試験会場へと進む。はいザワザワしない〜誰が試験用のヴィランだロボットって言われてただろうが話聞けよ。さて·····俺もスタート準備するかね

 

『はいスタート』

 

ん?今スタートって言った?

 

『おいおいー何呆けてんだ!?走れ走れ!』

 

少しザワついたあと先頭がダッシュをはじめ、それに釣られるように人の波がロボットに向かっていく。さて、俺も始めるかね·····

 

 

殴る蹴るで十分だろうがこの人数と競いながらチマチマ削るってのはぶっちゃけめんどくさい。

 

だから一気にやっちまおう。俺は『個性』を解放する。とにかく今回は『速さ』と『精密性』だな、『飛行』できると便利かもな·····っしゃ、んなもんだろ

 

「『適応』開始·····!」

 

 

 

ベキリと骨が軋み、ぐしゃりと肉が掻き混ざる

肉食恐竜のような首はより長く細く伸び顎と頭が流線型に尖る。前傾姿勢気味だった体躯はより前のめりに、背鰭のひとつが横向きになり、そして大きく平たくグライダーの羽のように広がる。そのほかの背鰭は少し下向きに傾き縦向きに展開し発光する

 

尾は薄く縦長に少し短く変わり、胸殼が格子状に軽い物に変形し、息を吸うごとにエネルギーを溢れさせ赤熱させ、背鰭にエネルギーを送り出す。両腕の甲殻はスリットから大きく棘が伸びた

 

「ふぅ·····『適応』完了。っし、行くかァ!」

 

 

俺の個性は『適応進化』俺が望んだように身体の機能を変更し必要な器官を生成する個性。

産まれた時はちょっと角が生えたガキ程度だったらしいんだが、母さん側の祖父と祖母に殺されかけた時に個性が発現してしまったせいで

・360°を見渡す高性能な知覚能力

・カーボンより軽くしなやかで強固な外骨格

・わざわざ個性を発動しなくても羆程度なら瞬殺する身体能力

と基本形態がこんな殺戮マシーンのようになってしまったって訳だ。

自分で言うのもなんだが、俺はちょっとやそっとじゃ傷つかない。だがそれは逆を返せばそんな身体を生成しなければいけないほどトラウマになっているということなのかもしれない。自分ではあんまりピンと来てないが、物心着く前くらいの事だからな。

 

そして今回は『素早さ』『精密』を重視した『飛行』形態になるためにジェットエンジン見てぇな身体になったって訳だな。

 

 

大きく息を吸い、踏み込むと同時にキィィィィン!とエンジン音を轟かせ瞬時に背鰭からエネルギーを爆発させ空へ飛び立つ。たちまち音速の壁を劈き、会場の上空へ駆け上がり、そのままビル群へと突撃する。建物の隙間をものすごい速度で通り抜け、すれ違いざまにロボたちを根こそぎ腕の棘で切り裂いて行く。

 

『モk』

 

『ブッ』

 

『死n』

 

ロボのセンサーが認識するよりも早く棘で、蹴りで、風圧で粉々にしまくる。ざっくり外周1回で単純計算32Pってところか?さらにギアを上げてくぜ·····!

 

 

しばらく狩りを続けて行けばどんどんロボの数が少なくなってきた。物陰なんかに潜んで奇襲をかけてくるようなのもいたが俺には関係ねぇ。見えてるからな。ビルの壁の向こうに居るロボの顔面を尾を伸ばして貫く。んーそろそろ終わりかな·····?もう少し狩るかと思い屋上にとまると、ズシンと少し遠くの方で振動を感じた。あー言ってたロボか?デカっ結構離れてるがここからでも見えるぞ·····

 

 

うぉっボサボサの緑髪君が顔面を殴り抜いて吹き飛ばした!すげえなおい·····ん?でも、あのままだとロボの残骸で潰れね?なのに両足と片腕がぐちゃぐちゃじゃねぇか。·····はぁーしゃーねぇーなぁ!ポイントはやり過ぎなくらい稼いだから助けてやるかぁ!あの距離でも減衰しない『遠距離火力』が欲しいな。『精密性』はこのままで、『飛行』と『速度』は戻して·····ヨシ!

 

「『適応』開始·····」

 

体を完全に四足歩行に切り替え、腕と脚が太く、棘が杭のように床に食い込む。尾と首までがピンと直線に伸び顔がバックリと四方向に展開し、顔の中心に巨大な目が生成される。視界以外の感覚が消え、落ちる緑髪くん、その近くの茶髪ちゃん、細かい残骸まではっきり見える。

背中には羽が背鰭へと戻り、大きく前方向に伸び帯電し始め「砲身」を形成した。胸のエンジンが先程とは別種のエネルギーを蓄えはじめ背中の砲身にチャージされた。

 

「完了·····!『エネルギートマホークミサイル』だ!」

 

凄まじい光量とエネルギーを帯びた無数の流星が巨大ロボの残骸に降り注ぎ、彼等の頭上に落ちそうだった物を粉々に砕いていく。それと同時に終了のアナウンスが流れた。終了か·····ま、手応えありって所だな。

 

あとは切奈と同じクラスになれたらいいんだけどな·····そんな事を考えつつ身体を元に戻し俺は会場を後にするのだった。

 

 




オリキャラ紹介
怪魔牛頭(かいまごず)個性:『牛鬼』
部分/全身と分けて変身可能。単純にして超強力。昔はヒーローを目指していたが戦闘訓練の時に軽く小突いた相手が緊急搬送された事がトラウマで実家の林業を継ぐ。見た目イメージは妖怪ウォッチの『破怪』

怪魔活根《かいまかつね》個性:『エナジー』
ずっと元気で疲れない。それだけだがヒロアカのSSまで手を伸ばしてるような読者様方ならこのヤバさが分かるはず。AFOさん垂涎の激ヤバ個性。原作にいたら間違いなくザワつかせる『ハエたたき』と同じタイプの個性。旧姓は『命脈(めいみゃく)』と言う。異形差別バリバリ因習村の一番偉いお家の長女だったが、旦那と結婚するために家出。しかし彼女の両親は諦めきれず捜索の後主人公を見つけて激昂しそのままぶち殺そうと襲いかかりそのまま逮捕






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