緋弾のアリア~Sランクの頂き~   作:鹿田葉月

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となった鹿(ろく)()()(づき)です。
いや~焦りました(汗)。また打ち直しするのかと思うと本当にキツいですねw自動保存様様です。

では、第14話、始まります。



ほっと一息……


14話~ゲーセン~

ヤァ(・ω・)ノどうも零だ。……なんかこの始まりかた定着してきたな。

今俺達は強襲科(アサルト)から出てきて自転車置き場のところにきている。と言っても俺はバイクをとりに来ただけだが。なんで自転車置き場の隣にバイク専用置き場があるの?意味不明すぎる。

まぁどうでもいいかと思いつつ、ゲーセンに行こうと思ったら門の前にアリアがいた。

アリアは俺達の姿を認めると、とてて、と小走りにやってきた。

そして俺達の間に入り、一緒に歩き始める。

 

「キンジ……アンタ、人気者なんだね。ちょっとビックリしたよ」

「あんな奴らに好かれたくない」

 

コイツ、本音で言っているな。

 

「アンタって人付き合い悪いし、ちょっとネクラ?って感じもするんだけどさ。ここのみんなは、あんたには……なんていうのかな、一目置いてる感じがするんだよね」

「それはなアリア、皆キンジの入試のことを覚えているからだよ。コイツは入試の時、他の受験生を全員すぐに倒して、さらに教官5人も――」

「やめろ零、どんどん鬱になってくる」

アリアに教えようと思ったらキンジが止めてきた。キンジにとっては黒歴史なのだろう。仕方ない、言わないでおくか。

 

「あのさキンジ」

「なんだよアリア」

「ありがとね」

「何を今さら」

 

小声ながらもアリアがキンジに言う。その声はどこか嬉しそうだ。

 

「勘違いするなよ。俺は『仕方なく』強襲科(アサルト)に戻ってきただけだ。事件を一件解決したらすぐ探偵科(インケスタ)に戻る」

「分かってるよ。でもさ……」

「なんだよ」

強襲科(アサルト)の中を歩いているキンジ、みんなに囲まれててカッコよかったよ」

「……」

 

返答に詰まったな、キンジ。

 

「あたしになんか、強襲科(アサルト)では誰も近寄ってこないからさ。実力差がありすぎて、誰も合わせられないのよ。だから『アリア』だったのよ……零に再会するまでは」

「『アリア』?」

 

アリアが自分の名前を普段とは違うイントネーションで呼んだことに、キンジは首を傾げる。

 

「『アリア』って、オペラの『独唱曲』って意味でもあるのよ。一人で歌うパートなの。一人ぼっち――あたしはどこの武偵高でもそう。ロンドンでも、ローマでもそうだった……でも、今は零がいるから『デュエット』かな?」

 

そう言って笑うアリア。その話を聞いて、もっと早く会ってあげられたらな……と思った。

 

「で、ここで俺をドレイにして『デュエット』からさらに『トリオ』になるつもりか?」

 

キンジがそう言ったことに対し、アリアはクスクスと笑った。

 

「フフ……アンタも面白いこと言えるんじゃない」

「面白くないだろ」

「いやキンジ、俺も結構面白いって思ったぞ。なあアリア?」

「ねー、零」

「お前らのツボは分からん……」

「やっぱりキンジ、強襲科(アサルト)に戻ったとたんにちょっと活き活きし出した。昨日までのアンタはなんか自分にウソついてるみたいで、どっか苦しそうだった。今の方が魅力的よ」

「そんなこと……ないっ」

 

いやいやキンジ、アリアの言ったことは結構合っているぞ。今の方が少し良い雰囲気になってる。

 

「俺と零はゲーセンに寄っていく。お前は一人で帰れ」

「いやよ、なんでアンタの言うこと聞かなきゃいけないのよ?それより『ゲーセン』って何?」

「ゲームセンターの略だ。そんなことも知らないのか」

「まあまあキンジ、アリアは帰国子女なんだから仕方ないよ」

「そうよそうよ、しょうがないじゃない。んー。じゃあアタシも行く。『ゲーセン』ってのがどんなものか知りたいし。いいかしら、零?」

「ああ、いいよ。キンジも別にいいだろ?」

「……(´Д`)ハァ…っ」

 

コイツなんか壊れてないか?まあいいや。

そんな感じでゲーセンまで歩いていくことになった。俺のバイクじゃ三人乗れないし。

しかし……と俺はばれないようにチラリ、と後ろを目だけで見る。

 

――学校からついてきている奴、一体どうしようか……

 

物陰に隠れながら俺らを尾行してきている奴を見て、俺はため息をついた。

 

 

 

 

 

「ここがゲーセン……」

 

それから少し歩いて、俺達はゲーセンについた。アリアは初めて見るゲーセンに少し驚いているようだ。

 

「あ、アレ何?」

 

とアリアが指を差して聞いてきた物はクレーンゲームだ。

 

「ああ、あれはUFOキャッチャーだろ」

「UFOキャッチ?なんか子供っぽい名前。ま、どうせキンジみたいな奴が好きそうなんだから、下らないに決まっているけど」

 

アリアはバカにするような表情でクレーンゲームの中を覗き込んだ。

ガラスケースの中には、ライオンだかヒョウだか分からない動物の小さなヌイグルミがうじゃうじゃ入っている。

 

「…………ぁー……!」

 

べた。

と、アリアはガラスケースにへばりついた。

 

「どうしたアリア、そんなにクレーンゲームが珍しかったのか?」

「……」

「どうしたんだよ」

「……」

「腹でも減ったのか?」

「……………かわいー……」

 

コテン。

アリアが呟いた言葉でキンジが脱力した。そうかアリア、ヌイグルミが可愛かったから見惚れてただけか。

 

「やってみるか、アリア」

「けど零、やり方分からない」

「幼稚園児でもできるぞこんなの」

 

そうなのかキンジ?俺も最近帰ってきてからやりだしたからそこのところはよく分からないのだが。

 

「すぐにできる?」

「できる。やり方教えてやろうか?」

 

キンジが言うと、アリアはこくこくこくこくと首を縦にふった。

キンジが説明(するほどのルールもないが)し終わると、アリアはトランプ柄のがま口を出して100円玉を取り出した。

そして筐体(きょうたい)の前で姿勢を正し、狙撃の授業でもやってるかのような真剣さでクレーンを操作し始める。

ウィーン……

ポトッ。

だが、狙いが悪い。ライオンだかヒョウだか分からない奴はアリアのクレーンで前足をちょっと上げただけで、持ち上がりすらしない。

 

「い……今のは練習っ。おかげでやり方が理解できたわ」

「そりゃ一回やればバカでもできるだろうな」

「うっさいキンジ!もっぺんやる」

 

アリアはがま口からもう100円取り出すと、ばし!ばし!とボタンを押した。

だがさっきとほとんど一緒で少し持ち上がっただけですぐに落ちた。

 

「ちなみに500円入れると6回できる」

「うっさいキンジ!次こそ取れる!コツが分かった!」

 

それ分かってないヤツのセリフだぞ、アリア。

ポトッ。

案の定、またヌイグルミを少し持ち上げただけだ。

このままではアリアが壊れそうだな、と感じた俺は再び100円玉を入れようとしているアリアの隣に立ち、アリアの手を掴む。

 

「アリア」

「な、何よ零……」

「500円入れて6回チャレンジしてみようぜ。初めてやるんだから最初は取れなくて当たり前なんだ。気にしなくていい」

「零……分かった、そうする」

 

とアリアは100円玉を戻し、代わりに500円玉を投入する。

 

「アリア、穴に近いやつを狙ってみな。後、頭を狙うんじゃなくて胴体――脇の部分を狙うようにしてみるといい」

「分かった、やってみる」

 

アリアは言われた通り、穴に近いやつを狙う。

最初の3回は失敗して少し持ち上がっただけだった。だが4回目――

ウィーン。

ギュ。

 

「み、見て零!ちゃんと掴まえてる!」

 

見事に両脇の間にクレーンを挟みこむことに成功し、ヌイグルミを持ち上げている。後は穴まで運び込まれるだけだ。

 

「あ……あ、入る、入る、行け!」

 

アリアがそう呟き、クレーンが穴の所までくる。そして、クレーンが開き、ヌイグルミが穴に落ちた。

 

「よしよし、良くy「零ぃ~!」ってうわぁ!」

 

俺がアリアを褒めようとすると、アリアがドン、と俺に抱きついてきた。

 

「取れた!取れたよ零!ヌイグルミ取れた!」

 

アリアは満面の笑みでそう言ってきたので、俺はアリアの頭を撫でる。

 

「はいはい、よくやったな」

「うん!」

 

アリアは喜びながら俺から離れ、飛び出し口からヌイグルミを取り出し、ヌイグルミを抱きしめた。

ちょっと見せてもらうと、タグには『レオポン』と書いてある。面白い名前だな。

 

「かぁーわぁーいぃー!」

 

ぎゅうううう。

アリアはレオポンが破裂しそうなほど抱きしめている。気のせいだろうか、レオポンが苦しそうな表情になっている。

 

「あ……」

 

とそこで何かを思い出したような顔をしたあと、何か悩んでいる様子になる。

 

「アリア、どうした?」

「え、えっと……コ、コレ零にあげる!」

「えっ!?」

 

な、何でだ?どうして俺に?

 

「だって、零から教えてもらったのにアタシの物になるのはおかしくない?だからコレは零のもの!」

 

そう言うアリアは少し寂しそうな表情をする。

仕方ないやつだな、と俺は残り2回できるクレーンゲームの前に立つ。

ウィーン。

ギュ。

ウィーン……。

ポトッ。

ウィーン。

ギュ。

ウィーン……。

ポトッ。

その残り2回を使って2体のレオポンを取った。

 

「ほら、これで俺も持ってるぞ。だから心配するな」

 

そう言って俺はアリアにレオポンを見せて笑う。

 

「零……本当に、本当にありがとう」

 

アリアもそう言って笑う。

 

「ほら、キンジも」

「えっ……いいのか?」

「ああ、元々そのつもりで二体取ったから」

 

そうか……と呟きつつ、キンジは受け取る。そして何か気付いたように携帯を取り出す。その行動を見て、俺はレオポンを見る。

あ……コレ、携帯のストラップになってるのか。なら俺もつけるか。

そう思い、俺は携帯を取り出し、ストラップのヒモを携帯の穴にねじこむ。

それを見たアリアも携帯を取り出し、見よう見まねでレオポンをつけ始める。

レオポンの尻から出ているヒモは中途半端に太く、なかなか携帯の穴に入らない。設計者もうちょっと考えろよ。

 

「先につけた方が勝ちよ、零、キンジ」

「お、いいなソレ」

「なんだそりゃ。ガキかお前ら」

「やったわ、入りそう」

「俺も入りそうだ」

「こっちも……入るぞ、お前らなんかに負けねー」

 

結局やってるじゃないか、キンジ……まあいいや、楽しいから。

それより……と俺はゲーセンの外に目をやる。

 

――まだついてきているな。

 

さて、どうしようか?




どうでしたでしょうか?

誤字・脱字・ご意見・ご感想・質問などがありましたら是非感想の方へ。

では、ごきげんよう。(´・ω・`)/~~バイバイ

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