どうも、
色々とリアルが忙しかったので小説に手がまわせませんでした。楽しみにしていた方は申し訳ありません。しかもいつにもまして駄文です。
では、第35話、始まります。
(*´∀`)ノヤァ、零だ。まったく……アリアの行動力が凄まじ過ぎるな。成長の一端が見れて思わず涙が出てきそうだね。
まぁ考えても仕方ないか。そう考えてダクトから飛び出す。その後キンジもノソノソと出てきた。
「アリア!?キンちゃん!?レンちゃん!?」
「んー?――なにこれぇ?」
白雪が突然の訪問者達に驚き、綴先生は俺らの顔をのぞき込む。
「あー、なんだぁ。こないだのハイジャックのパーティーじゃん」
すーっ、とタバコを一気に吸って、こき、こきと何か薄ら笑いを浮かべて、ナナメ上を見つつ首を鳴らしている。
だ、大丈夫なのか東京武偵高。教師の中に中毒者がいるんだが。
「これは神崎・H・アリア――ガバメントの2丁拳銃に小太刀の二刀流。二つ名は『
綴先生はアリアのツインテールの片方をつかんで顔を確かめている。メチャクチャ痛そうだな。
「い、イタイわよっ!それにアタシはマヌケじゃない。貴族は自分の手柄を自慢しない。たとえそれを人が自分の手柄だと吹聴していても、否定しないものなの!」
「へー。損なご身分だねぇ。アタシは平民で良かった~。そういえば欠点……そうそう、アンタ、およ……」
「わぁ――――!」
うわっ!びっくりした。アニメ声並みの高い声だから、すっごい頭に響いてくるぞ。
「そそ、それは弱点じゃないわ!浮き輪があれば大丈夫だもんっ!」
「アリア……自爆してるぞ?」
「――ッ!」
……
「んで、こちらは、遠山キンジくん」
「あー……俺は来たくなかったんですが、
「――性格は非社交的。他人から距離を置く傾向あり」
……まさかこの人、全生徒のデータが頭の中に入ってるんじゃないだろうな?だとしたら『変化』の二文字ぐらい覚えていろよ。
「――しかし、
「俺に聞かないでください」
「
あ、キンジの顔が引き攣ってる。てかなんでそんなことまで知っているんだ?
「あー、いや……それはこの間ハイジャックで壊されました。今は米軍払い下げの安物で間に合わせてます。当然、合法の」
「へへぇー。
ジュッ!
「うわちっ!」
笑いながらキンジの手に根性焼きした。めっちゃ怒ってる。
「んで最後に、歩くムリゲーくん」
「おい」
もう人かどうかじゃなくて動物ですらなくなったわ。ていうかなんだよ歩くムリゲーって。
「蘭ちゃんのお気に入り。性格は社交的で、世界中に交流を持っている。13才の時から急に頭角を現し、以来『Sランク内最強』と呼ばれている。二つ名は『紅電』で、解決事件は数知れない。武器は13才まではグロック17だったが、現在は紅色のガバメントを使用している」
……マジか、13才までの武器までも知っているとは。驚きだぞ。
「趣味は麻雀で、最近の嬉しかった出来事は、体重が60キロという身長の割に細すぎた体を鍛えて、67キロまで増やしたこと。あとは……そうそう、苦手なのが星とg……」
「ワァァァァーーー!」
今度は俺が叫ぶことになった。なんでこの人本人の目の前でそのこというかな!?その他にも誰にも言ったことがないこと言っているし!
「……でぇー?どういう意味?『ボディーガードをやる』ってのは」
「――言った通りよ。白雪のボディーガード、24時間体制、アタシ達が無償で引き受けるわ!」
「お、おいアリア……!」
「キンジ、諦めろ。こうなった時のアリアの意識は固いぞ」
「……(´Д`)ハァ…」
キンジがため息をつくが、それで結果が変わることはない。ドンマイ。
「……星伽。なんか知らないけど、Sランク武偵と歩くムリゲーが
黒いコートの裾を揺らして振り返った綴先生に、白雪は、
「で、でも……その、迷惑かけたくないし……」
ぱっつん前髪の下の眉毛を下げて、すまなさそうな顔をする。
「キンジの部屋で一緒に護衛するから――」
「よろしくね、アリア!」
ガシッ!
――いきなり白雪が座っている状態からジャンプしてアリアの所まで跳び、着地とともにアリアの両手を掴んだ。
そしてキンジの頭からヒュウとキンジの形をした何かが出ていき、綴先生はタバコを吸いながらニヤニヤ笑っている。
はっきり言おう。超
ボディーガードは、武偵にとって最もポピュラーな仕事の一つだ。
通常は政治家・有名人・会社役員などのVIPおよびその子供などに付き添い身辺を警護する仕事だが、命を狙われている武偵を他の武偵が守ることも、間々ある。
「で、今俺達は依頼の翌日に引っ越しの手伝いか……」
「言うな零、悲しくなってくる」
剛気の運転してきた軽トラからタンスを運びつつ、俺達は話す。てか剛気、さっきから白雪に対して敬語で喋ってるし。心なしか上機嫌だし、白雪のこと好きなのかな?だとしたらドンマイだな。キンジがいるから。
などと思いつつ、タンスを部屋にまで運ぶと、アリアが窓に赤外線探知器を設置している。
「何やってんだ」
「見れば分かるでしょ。この部屋を要塞化してるのよ」
「すんなよ!」
「何驚いてるのよキンジ、武偵の癖に。こんなのボディーガードの基礎中の基礎でしょ?アラームをいっぱい仕掛けて、依頼人に近づく敵を見つけられるようにしておくの。ちょうどいろいろぶっ壊れたんだし、やりやすいわ」
「ぶっ壊したの間違いだろ」
「OK。あとは天窓ね」
キンジの抗議を完全スルーして、アリアは手を伸ばして棚の上にある探知器をくっつけようとした。が、届かない。
「零、手伝って」
「はいはい」
仕方ないので俺が手伝っていると……
「おじゃ、ま、しまーす……」
セリフを噛みまくりながら、白雪が部屋に上がってきた。
そしていきなり90度ぐらいの、深ぁーいお辞儀をした。
「こ、これからお世話になります。星伽白雪ですっ」
いや、何で自己紹介したの?この場にいる全員知ってるけど。
「ふ、ふつかつか者ですが、よろしくお願いしますっ!」
「あのなー……なにテンパってんだ、今さら」
「あ……キ、キンちゃんのお部屋に住むって思ったら、緊張しちゃって……」
あの、白雪さん?『緊張』の意味知ってます?日本刀を平気で振り回すようなことしてるんだよ、君。
「あの、お引っ越しついでにお掃除もするね。そもそも散らかしちゃったの、私だし」
自覚あったんかい。
その後、白雪の修理作業の異常なスピードに驚いたり、アリアに危険物がないかどうかチェックしてと言われたキンジがタンスを開いたら白雪の下着が出てきたりと色々あった。
そして今はアリアと一緒に学校の購買まで手錠を買いに来ている。
この手錠はただの手錠じゃない。純銀製の
ちなみに白雪の見張りはレキに任せてある。でもスナイパーが見張りっていうと、スコープ越しで十字を白雪に当てていそうだな。
「そう言えばアリア。なんで急にボディーガードをやるって言い出したんだ?」
昨日疑問に思ったことを聞くとアリアは――
ぱち。ぱちぱちち。ぱちち。
と、左右の目を何度かウィンクさせ始めた。
――
俺が前に使っていた
――デュランダル ノ トウチョウ キケン
アリアが手招きするので耳を寄せる。
「
も勝ち取れるかもしれない」
……なるほど、かなえさんに冤罪を着せてるのか。道理で教務科で
「……なら、絶対に捕まえて、頭の固い連中に見せつけるか」
「うん!」
アリアが嬉しそうに俺の腕に抱きついてきた。
ヤレヤレ……と思いつつ、そのまま二人で歩いていく。
「待っていろよ。
とある室内にて。
「よぉ~。アンタらの情報、当たっとったみたいで~。教えてくれてありがとな~」
「いえいえ、綴先生には色々と我々RKSに投資してくれていますから。それに私達が零様の情報を間違うことなど、するわけがありません」
「そっかぁ~。それでぇ、RKSって一体何なん?」
「それは、R(零様を)K(影から)S(支え隊)の略です!」
「……そっかぁ。じゃあまた、有益な情報よろしく~」
「はい!」
――RKS最低入隊条件――
隠密スキル・Sランク以上
情報スキル・Sランク以上――