はいどうも、バイトで忙しい
……始めは週四三時間で頼んだはずなのに、何故か週5の5時間になってます。なんでや!まぁその分バイト代は良いんですが。
では、第57話、始まります。
「――お嬢様、こちらにコーヒーをお持ちいたしました」
「ええ、ありがとう」
「いえ」
「お嬢様方、コーヒーをお持ちいたしました」
「ありがとっ、キンジ君、零君♪」
「……ククッ。あなたの執事姿久しぶりに見たわ。これ写真に収めとこ」
「……温かいうちにお召し上がり下さい」
朝日が体を照らす中、執事姿の少年二人と、メイド服を着た少女。
それに対して、3人の武偵服を着た少女達が、それぞれに違う反応を返す。
――(*´∀`)ノヤァ、零だ。今俺達はとあるカフェを借りて、執事とメイドの練習を行っている。
俺とキンジが執事服で、アリアがメイド服。理子・シェイ・ネリーが主人役として想定訓練……まぁ簡単に言うと、オママゴトをしている。
「――はい!これでしゅーりょー!」
「――はぁー。終わったわ……」
主人役の理子がパンッと手の平と手の平を打ち合わせると、イスに座ったアリアがぐてー、と両手を伸ばしながらテーブルに体を置いた。
先程までアリアなりに神経使って頑張っていたからなぁ……今は仕方ないけど、これを一週間程続けなければいけないんだぞ?
「アリアんもキーくんもレイレイも!お疲れ様であります!」
「お前はどこぞのカエル軍曹だよ」
びしっ!といつもは理子流敬礼(両手で敬礼をするやつ)なのに、今回は右手だけで行い、左手はまっすぐ降ろしている。その内背中のリュックからスターフルーツとガンプラ出してきそうだ。
「クスクス。理子ちゃんはいつも元気で面白いね」
「おお!歌姫のシィちゃんから褒められた!これはSNSで自慢するしかないね!」
「騒がしいから静かにしてくれない?じゃないとその携帯切り落とすわよ?」
「ちょっ!?理不尽すぎますよネーちゃんの旦那ぁ!」
「男なのか女なのかハッキリさせなさいよそこは」
終わったと同時に女性群が会話に花を咲かせ始めた。あと、シェイのことを理子は『シィちゃん』と呼ぶことにしたらしい。元々の名前がシェイルなのでシェイ自体がアダ名なのに、理子はそれを嫌ったらしいな。『他の人が考えるようなアダ名は付けたくない!』って胸を張って言ってそうだ。
まぁ女性群が話し始めたので、こちらも男同士話そうか。
「よっ、キンジお疲れ」
「ああ、ホントだよ……」
キンジに話し掛けると、キンジはイスの背中部分に体を預けるようにして座っている。
ただ、普段からアリアにこき使われているからか、言うほど疲れた表情はしていない。
「流石、ドレイだな。執事服にも違和感ないし」
「うるせぇな。俺だって好きでやってる訳じゃねぇよ。大体、零だって執事服似合っているじゃねぇか」
「そうか?まぁ
キュッ、とネクタイを緩めながら会話する。
まぁ俺よりキンジの方が執事服似合っているけどな。黒髪だし。ネクラな目してるからどちらかというと不良執事みたいだけどな。
「――でもよ、零だって昔は黒髪だったじゃないか」
「何時までの時のことを話してるんだよ。もうかなり前じゃないか」
「それもそうだな。でも、あれから随分変わったよな、お前」
「ああ、色々あったんだよ」
そう話ながら、俺はキンジの方を向く――
ピタッ。
思わず、体が止まった。
(待て。何故俺はキンジの方を向こうと顔を動かした?それは本来できないはずだぞ?だって……
目の前にいるキンジは、驚いたような表情をしている。
「――『海に出て 木枯らし帰る ところなし』ってな?」
先程までキンジの声が聞こえた所から、今度は陽気な声が聞こえ――
よっと、と言いながら、キンジの隣のイスに座った人物。
大柄で、髪が青く、ツンツン頭。
その男の名は――。
「よう零。久しぶり」
「――サイアか」
かつてのチームメイト――最近地下倉庫でジャンヌと一緒に相手した少年――サイアが、俺の反応にどこか憎めない笑顔を浮かべた。
「な――何でここにいるんだよ、サイア!」
「おー。あー、えっと……キンジつったか?おひさー」
「おひさじゃないわよ!」
「まぁまぁ、そう騒ぎなさんな。おふたりさん」
キンジが懐からベレッタを抜いて構え、サイアに気付いたアリアもガバメントを取り出すが……サイアは自然体でゆったりとしている。
それどころか、ふわぁとアクビをしだす始末だ。
「やめとけ二人とも。こいつは拳銃如きじゃひるまねぇよ」
「そうそう。俺を牽制するなら、水爆くらい用意しないと無駄だぞ~。まぁ牽制だけで終わるけどな」
俺の制止とサイアの言葉に、アリアとキンジは拳銃をしまった。
だが警戒は解いておらず、いつでも動けるように準備している。
「まったく、俺が何したっていうの」
「お前は一旦黙れ。そして息を止めろ……ああ間違えた。息を引き取れ」
「何故言い直した!それに余計悪化してるじゃねぇか!?」
「……あら?サイア、あなたいたの?」
「あ、サイア君だ~」
「おお!サイっち、チョリース!」
「何故そちらのお三方は今頃になって気付いているんですかねぇ!同席のおチビは気付いているのに!?」
「誰が身長も胸もチンチクリンなロリ体型よ!」
「そこまでは言ってねぇ!」
ギャイギャイワーワー。
サイアを中心に、朝から騒がしい。もう少し静かにしろよ。
(……でも、こういうところは流石だな)
話を誘導して、周りの殺気やら警戒をとく。そういったことが、サイアは昔から大の得意だ。
現に今もアリアは会話に乗せられているし、キンジもなんだこれ……と言いつつ警戒を解いている。
「……あっ、ところでサイア」
「ん?どうした零――」
そこで俺は大きく腕を振りかぶり――
「――じゃんけん!」
「ぽい――!」
俺が出したのは、チョキ。
サイアは――チョキ。
つまり、あいこだ。
「チッ。またあいこかよ……」
「ハハッ。まだまだだな」
「サイア君の引き分け記録、また更新していくね……」
「それだけしか取り柄がないんだから、続かせてあげれば?」
「……ネリーの毒舌も相変わらずのようだな」
ガタッ。と疲れた表情でサイアは座り直した。登場時は笑みを浮かべていたのに、今は疲労困憊といった様子だ。
「……それよりサイア。なんだよその格好は」
先程から気になっていたんだが……コイツが来ているのは――制服だ。
随分デカメに作られているが、190あるコイツだと普通に着こなしている。
……が、今はコイツが似合っているいないは関係ない。
「ああ。多分察していると思うけど、俺も転校することになったから」
「……『リバースランカー』の方は?」
「それはまだ健在。イ・ウーとはもう関わらないけどな。負けたわけじゃないし、そもそも俺のスタイルじゃ引き分けしか狙えないからな。俺が転校してきたのは、お前とネリーの監視役ってこと」
「監視役……大方、二人も『リバースランカー』がいなくなって、しかも同じ高校にいるから、反乱にくる可能性を考えてっていうところね」
「さあ?そこら辺はよく知らね」
「サイア君、昔からそうだったけど、もう少し考えて行動しようよ」
俺・シェイ・ネリー・サイア。内二人が現在抜けている『GOW』のメンバーで久しぶりに喋っていると……
クイクイ。
と、いつのまにかアリアが側にいて、俺の袖を引っ張った。
「零。いつもこんな感じだったの?」
「いつもって?」
「その、『GOW』っていうチームにいた時」
「それ、理子も知りたい!教えて教えて!」
「ああ……」
聞かれたことがことなので、俺は現在も『GOW』に所属しているシェイとサイアを見る。
するとシェイは目を伏せ、サイアはニコリと笑った。
……なるほどね。少しなら良いってところか。
『GOW』の時に使っていた
キンジも気になっていたのか、横目だけでチラリと見ているな。
「そうだな。大体はこんな感じだった」
「零君がリーダーで、サイア君が
「日常生活だったら……サイアがお調子者でいじられ役。私が毒舌で、零が両方。シェイがフォローするって感じだったわ」
「もう少し俺に優しくしてくれませんかねぇ、皆様……」
「仕方無いよ、サイア君だもの」
「シェイさんそれフォローじゃなくて槍を
「うるさいわよサイア。あんまり喚き散らさないで」
「そっちこそうるさいわ!だいたいネリーだって、昔はあんなにな――」
「鎌――」
サイアが何か言おうとした途端、ガシッ。
いつの間にか立ち上がっていたネリーが右足の膝裏で、座っているサイアの首もとを挟んだ。
そしてネリーはそのまま後ろに倒れ込み、サイアも足に挟まれている以上一緒に倒れ――
「――刈」
ネリーが倒れきる前に左足の膝をサイアの
「ゴフッ!?」
両足で挟み込むような形になったため、サイアの体が首を中心にネリーの左膝の上で一回転した。
……相変わらずエグい技だな。普通首折れて即死コースだぞ。ホント、『技神』の名に恥じないことをやってのけるな……あ、今は『疾風』だったか。
「カウント!ワンー、ツー、スリー!勝者!5秒
何故か理子がプロレスのレフェリーみたいに地面を3回叩いてネリーの右腕をつかんで上げている。ネリーもネリーでサイアの肩を押さえていたし。アリアとキンジがかなり心配しているぞ。
「大丈夫だぞアリアにキンジ。こんなこと日常茶飯事だったからな」
「こんなことが日常茶飯事だったのか!?」
「ていうか大丈夫なのソイツ!?明らかに首をやってたけど!?」
「大丈夫だ、3分くらいすれば復活する」
「カップ麺か何かかよ……」
「やっぱり零のチームはチート揃いなのね……」
サイアの回復力にドン引きしているキンジとアリア。まあそうでもないと『守護神』なんてやってられないけどな。
しかし……本当に久し振りだな、この感じ。あと二人足りないけど、こうやって喋って、任務こなして、遊んで……ホント、あの時のように……
『――お兄ちゃん!』
(
「「――零(君)」」
ポンッ。
――目の前から色が消えかけたと思ったら、ネリーとシェイが同時に肩を叩いた。
それに伴って、手のひらから鈍い痛みがしてくる。いつの間にか、爪を立てていたようだ。
「……悪いな、二人とも」
「別にいいけど。一々昔を思い出す度に自己嫌悪に襲われないでよ、めんどくさい」
「そうだよ。今は慌てず、だよ?」
二人の言葉に、俺は幾分か冷静になった。
「そうそう、ゆっくりしようぜ~」
「うわ!ホントに回復した!?」
急にヒョコッと体を起こして言ったサイアに、近くにいたキンジが驚いた。
「お前は黙ってろ。てかそのまま一生寝てろ」
「俺の扱いひどっ!ってそれより、零に言うことがあるんだよ」
「何だ?」
「武偵高の音楽室に行ってこい。待ち人がいるぜ」
「待ち人?」
「行けば分かるさ」
そうやってひらひらと手を振るサイア。早く行けってことか。
「あー、レイレイ行っちゃうのかー。じゃあ理子達もそろそろ……」
「――それなんだけど、理子ちゃん達は残ってて」
「ほぇ?何で?」
「いいからいいから♪」
席から立ち上がり帰ろうとした理子をシェイが止めた。
なんだ、何かあるのか?
ということは、俺を抜いた状態でアリア達と話し合いたいってことになるな……なんだろう?
どういうことか分からないながらも、俺は席を外して武偵高の音楽室へと向かった――
どうでしたでしょうか?
時間が取れずに申し訳ありません。なんとかGW中に1~2話執筆したいと思います。
それではごきげんよう。(´・ω・`)/~~バイバイ。
――S頂!へ~んしゅ~ぶ!――
俺の制止とサイアの言葉に、アリアとキンジは拳銃をしまった。
だが警戒は解いておらず、いつでも動けるように準備している。
「まったく、俺が何したっていうの」
「お前は一旦黙れ。そして息を止めろ……ああ間違えた。息を引き取れ」
「何故言い直した!それに余計悪化してるじゃねぇか!?」
「……あら?サイア、あなたいたの?」
「あ、サイア君だ~」
「おお!サイっち、チョリース!」
「何故そちらのお三方は今頃になって気付いているんですかねぇ!同席のおチビは気付いているのに!?」
「……」
「……アレ?おーいアリアさん、今あなたのセリ――」
「グス……」
「え?」
「グス……ヒグッ……どうせアタシなんか……万年142㎝の小学生体型よ……うう……」
「えっ!?いや、ちょっと!なんで泣いてるの!?この台詞考えたのアリアさん本人でしたよね!?」
「あーあ。サイっち、アリアんのこと泣かした~」
「わーるいな、わーるいな。せーんせに言ってやろー♪」
「なに小学生みたいなノリを……いや、零さんにネリーさんや何故に右足を大きく上げているんですかいや待って今回俺わるくなギャアッ!?」
――言葉は正しく、注意して使いましょう!(N○K感)