緋弾のアリア~Sランクの頂き~   作:鹿田葉月

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どうも、鹿(ろく)() ()(づき)です。
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それもこれも、皆さまのお陰です。有り難うございます!!
そして、ジャミング邸ロークさんのお陰で、ルビ振りができるように出来ました!!有り難うございます!!

では第8話、始まります。





零が遂に()()を!?


8話~恐怖の――

「……と言う訳なんだ」

 

ヤア( *・ω・)ノ皆こんばんはー。錐椰 零だよ。えっ、この絵文字さっき見た?気にしない気にしない。

さて、現在の状況を説明すると、俺、キンジ、アリアの三人が机を囲んで座っている。それでさっきのSMプr「奴隷宣言な」……奴隷宣言についての説明を聞いたところだ。

なんでもキンジが家でくつろいでいる時に玄関のチャイムが鳴り、居留守を使おうとしたが、あまりにも何回も鳴らすので、キレたキンジが玄関を開けたらアリアだった。

そこから勝手に入ってきてさっきの場面になり、俺が帰ってきたというところかな。

――ん?待てよ?ならどうしてこんな時間に?俺がアリアによって意識を落とされたのが1時間半前。それからアリアが直接ここに来たら数十分でこれるはず。

アリアが持っていたトランクがあるから、直接来たのは間違いないはず……ん?さっきよりも少し大きくなってないか?

 

「そんなことよりレイ。お腹空いた」

「あ~はいはい、今作るよ」

 

アリアがお腹空いたというので、今からご飯にしよう。ちなみに言うと、俺が来てから料理は俺がするようになった。キンジの奴に任せると、いつも面倒くさいからってコンビニ弁当にするからな。

さてさて、冷蔵庫の中身は……豚肉とジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、それにピーマンだな。よし、今日はカレーにしよう。

ってカレー粉が切れてるじゃん……仕方ない。キンジに買って来てもらおう。ついでにアリアも。

 

「キンジ~、今日カレーにするから下のコンビニ行ってカレー粉買って来てくれ」

「分かった」

「ついでにアリアも」

「なんでよ、嫌よ」

 

キンジは承諾してくれて、アリアは拒否した。だが次の言葉を言えば、行ってくれるだろう。

 

「下のコンビニには『松本屋のももまん』があるぞ」

「えっ、ももまん!?」

 

よしよし、食いついてきてくれた。

――『ももまん』とは、文字通り桃の形をした饅頭のことであり、ちょっとしたブームを巻き起こしたものだか、今ではほとんどナリを潜めている。

しかし、アリアは12才の時にえらくももまんを気に入っていたから今も好きだろうと思ったが、どうやらその通りのようだ。

 

「分かった、すぐ行ってくる!」

「あ、おい!待てよアリア!」

 

アリアはそう言うと、財布をトランクから取りだし、すぐに出ていき、キンジも慌てて追う。元気だな~

 

ーside零・outー

 

 

 

 

 

ーsideキンジー

 

ピンポーン、ピンポーン……ありがとうございました……

今、俺は零に言われた通り、カレー粉をコンビニで買ってきた。

その俺の隣でアリアは鼻歌を歌いながら桃まんの入った袋を大事そうに抱えている。そんなに旨かったか?それ(桃まん)

少し気になったので、聞いてみよう。

 

「なあアリア」

「何?」

「そんなに桃まんが好きなのか?あるだけ全部買い占めて」

「ええ、好きよ。だって……」

 

アリアはそこで一端区切る。

 

「アタシにとって、思い出の味だから」

「思い出の味?」

 

なんだそりゃ、桃まんが思い出の味って一体どういうことなんだろうか?

 

「アタシね……12才の時にレイとパートナーを組んだの。そのことが嬉しくてね、レイとどこかでお祝いしようと思ったの。そんな時にたまたま近くに桃まん屋があって、一緒に入ったの。その時の桃まんが美味しくて、それからすっかり桃まんが好きになったのよ」

 

……なるほど、だから思い出の味なのか。よく分かった。しかし、桃まん屋というのは一体何なんだろうか。少し気になる。

 

「ほらキンジ、何ボケッとしてんのよ。早く行くわよ」

「あ、ああ」

 

そんなことを考えていたら、いつの間にかアリアが結構前にいた。それに気づき、早足でアリアのところまで行く。

まあ何にせよ、アリアが桃まんが好きなことは良く分かった出来事であった――

 

ーsideキンジ・outー

 

 

 

 

 

ーside零・restartー

 

ガチャッ「「ただいま~」」

 

おう、帰ってきたか。てかアリアの場合はお邪魔しますじゃないのか?

 

「おう、お帰り。お使い御苦労様。コーヒー淹れておいたから、ゆっくりしててくれ」

 

まあ、そこら辺はどうでも良い。お使いに行ってくれた二人に対し(アリアは桃まん買いに行っただけだが)、俺は野菜や肉を沸騰した鍋の中に入れておいた間にコーヒーを淹れておいた。

 

「ああ、ありがとな」

「ありがとう」

 

二人は椅子に座ってゆっくりとコーヒーを飲む。

 

「あら、これってエスプレッソ?しかも砂糖にカンナが使われている……」

「さすが零、コーヒーを淹れるの上手いな」

 

フッ、クォーターだがイギリス人の血を引くものが、インスタントなど使うと思ったか?ちゃんと豆を使って淹れているわ!!

まあ、俺がエスプレッソ好きだから、エスプレッソ出しておいたが、どうやら好みだったらしいな。

――しかし、アリアがコーヒー飲めるのは意外だったな。5才の時に俺が飲んでたコーヒー(ブラック)を飲みたいと言ってきたから飲ませたら、あまりにも苦かったので吐いていた。俺の顔面目掛けて。

そんなアリアの成長に少し感慨深いものを感じていると、カレーができたので、皿によそう。

その皿をスプーンと一緒に机の上に置く。

 

「おかわりもあるから、しっかり食べるんだぞ~」

 

そう言いながら、俺も椅子に座る。

 

「「「いただきます」」」

 

そう言って、俺たち三人はカレーを食べ始めた。

 

 

 

 

 

「「ご馳走さまでした」」

「お粗末様でした」

 

食べ終わった後、俺は食器を片付けていく。てかキンジ三杯も食ったな。そんなに好きだっけ、カレー。

聞いてみるとそうではなくて、最近はコンビニ弁当か白雪の作ってくる豪華な食事かの両極端だったので、こういった一般的な家庭の味が懐かしいらしい。

さて、片付けも終わったし、デザートでも食べますか。

 

「で、アリア。さっきのドレイって、一体どういうことだ」

強襲科(アサルト)に戻って、アタシとレイのパーティーに入りなさい。一緒に武偵活動をするの」

 

俺は鼻歌混じりに冷蔵庫からカップの抹茶アイスを取り出す。

 

「何言ってんだ。俺は強襲科(アサルト)がイヤで、武偵校で一番マトモな探偵科(インケスタ)に転科したんだぞ。それにこの学校からも、一般の高校に転校しようと思ってる。武偵自体、やめるつもりなんだよ。それを、よりによってあんなトチ狂った所に戻るなんて――ムリだ」

「アタシにはキライな言葉が3つあるわ」

「聞けよ人の話を」

 

いや、ヤッパリ抹茶アイスって最高だよね!!本当に好きだわ~

 

「『ムリ』、『疲れた』、『面倒くさい』。この3つは、人間の持つ無限の可能性を自ら押し留める良くない言葉。アタシの前では二度と使わないこと。いいわね?――キンジのポジションは……そうね、フロントが良いわ」

「良くない、そもそもなんで俺なんだ。零がいるじゃないか」

「太陽はなんで昇る?月はなぜ輝く?」

 

いや、ね?今日は色々とあったでしょ?それを頑張ったご褒美を自分にあげても良いと思うんだ、俺。

 

「キンジは質問ばっかりの子供みたい。レイはSランク武偵として色々あるのよ。だからレイがいない間をアンタがカバーするのよ。それくらい自分で推理しなさいよね」

「なんだよ、それ……とにかく帰ってくれ。俺は静かにしたいんだ。帰れよ」

「まあ、そのうちね」

「そのうちっていつだよ」

 

椅子に座って~、蓋を開けて~、いっただっきま~す。

 

「キンジが強襲科(アサルト)でアタシのパーティーに入るって言うまで」

「でももう夜だぞ?」

 

あっ、いっけね。スプーン忘れてた。俺としたことが……取ってくるか。

 

「なにがなんでも入ってもらうわ。うんと言わないなら――」

「言わねーよ。なら?どうするつもりだ。やってみろ」

 

え~っとスプーンはっと。お、あったあった。

 

「言わないなら泊まってくから」

「――は!?」

 

あ~成る程。だからトランク持ってきたのか。しかもあのでかさ、長期戦になるのも想定済みか。

俺はそう思いつつ、キッチンから戻ってくる。

 

「ちょっ……ちょっと待て!何言ってんだ!絶対ダメだ!おとn…」ガタッ

 

――その時、あまりにもキンジがテンパったのだろう。立ち上がろうとした際に机に足が当たり、机が大きく揺れる。

その結果、机の上に置いてあった物、つまり俺のアイスが揺れた振動で落ちる。

 

「「あっ」」

 

しかも落ち方が最悪で、逆さまになって落ちた。勿論アイスが地面につく。

お、俺のアイスが…………

 

――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

「おい、キンジ……」

「は、はい!何でしょう!」

 

キンジはあまりの怖さについ敬語になる。

 

「食べ物を粗末にしてはいけないのは知ってるよな……」

「は、はい!その通りです!しかし、今のは不慮の事故で……」

「御託はいい……それより、()()()()()()()()?」

 

俺はそう言って、右足を前に出し、()()()()()()()()()()

それを見たキンジは絶望に染まりきった顔をし、アリアは静かに十字を切った。

 

「ま、待て!落ち着いて話そう!話せば分かる!」

「往生際が悪いぜ、キンジ。それより歯ァ食い縛っとけ、舌を噛むからさ♪」

 

そう言って俺は右足を高く上げる。これから数分間、キンジには痛みに悶えるだろう。

 

「ま、待て――」

「ドォ――ン!」グシャ、ドサッ

 

キンジはあまりの痛さに何も言えず、ただ悶えている。

痛みってさ。気絶するくらいの痛みよりも、気絶しないギリギリの方が長く続くからそっちの方が痛いんだぜ?

 

「さて、アリア」

「ご、ごめんなさい!許して!何でもするから許してお願い、お願いします!」

 

俺がアリアに話かけると、アリアは自分の番だと思ったのか、必死に謝ってくる。目は涙目になってるし。

 

「風呂入ってこい、さっき沸かして来たから」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんな……えっ?」

 

アリアはキョトンとした顔を向けてくる。

 

「許して……くれるの?」

「許すも何も、お前が落とした訳じゃないんだから、謝る必要ねぇよ。それにキンジには、俺をクラスに残して帰って行きやがった恨みもあったしな」

 

そう言うと、アリアは安堵した表情になり、分かった、お風呂に入ってくるね。と言ってトランクを持って風呂場へと向かった。

 

――フゥッ、スッキリした!




どうでしたでしょうか?

誤字・脱字・ご意見・ご感想・質問などがありましたら、是非お願い致します。

また、ヒロインアンケートにもご協力頂けたら嬉しいです!!

それでは、ごきげんよう。

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