祟り神…それは穂織に災いをもたらす虫と呼ばれる者達が生み出す厄災
その二つの噂を聞いた者がムシナキかイヌツキと呼ぶ
朝武家リビングにて
秋穂
「虫が出たんですか…」
芳乃
「はい…どうやら有地さんが追われてる時に、声を聞いたようです」
芳乃は山に祟り神以外にも出現したという
秋穂
「………厄介な事になりましたね…」
安晴
「まさかこの時期に出るとは…」
雫が気になり秋穂と安晴に聞く
雫
「あの~私を無視して話を進めないで下さい」
安晴
「おっと、ごめんねそれじゃあ…」
芳乃
「お父さん、その前に…有地さんには必要なこと以外は言わないで下さい…約束して下さい…お母さんもです」
秋穂、安晴
「わかりました、約束しましょう」
「ああ、わかったよ、約束しよう」
安晴
「それじゃあ改めて、説明は僕がしよう、まず始めに、今回のことは事態を甘く見ていた僕達の油断によるものだ雫君、本当に申し訳ない」
雫
「いえ…あの、勝手に山に入ったのは私の自己責任ですし、それに…山にあんな怪物がいるなんて言われても、絶対信じていなかったでしょうし」
秋穂
「それでも…」
秋穂が口を出す
秋穂
「それでも…忠告くらいはするべきでした、日が暮れたら、山には絶対に立ち入らないようにと、それを言わなかった…私の責任です」
安晴
「秋穂…」
三人
「「「…………」」」
少し憂鬱とした雰囲気が流れるそれを雫が空気を戻すためか話をふる
雫
「あの…それで私が見た怪物は、アレはなんですか?山の動物には見えませんでした」
安晴
「その前に、雫君は…」
安晴の発言を秋穂が手で遮る
秋穂
「やはりそこの説明は、私がするべきですね、安晴さん後は私が」
安晴
「……うん、わかったよ後は秋穂に任せる」
秋穂
「じゃあ、話を戻します有地雫さん、雫ちゃんは穂織の土地に伝わる伝承をしていますか?」
雫
「はい、当時の叢雨丸と赤兜と呼ばれる人が妖怪を倒して追い返した、と言われるのは…」
秋穂
「そう、赤兜様は伝承でしか残っていないけど実際に妖怪を退治したのが雫ちゃんが抜いた叢雨丸、あの刀は本物の特別な刀なの、これの意味がわかるかな」
雫
「はい、ムラサメちゃんなんて存在が見えますから」
秋穂
「叢雨丸が本物って事は、妖に関しても本当に存在した…と言うことになるの」
雫
「あっ…………」
(なんで今まで気づかなかったんだろう、少し考えればすぐに気付けたのに、確かにそうだよ、ムラサメちゃん……叢雨丸が本物なら、退治された妖怪がいても不思議じゃない)
「それじゃあ伝承は全てが事実なんですか?」
秋穂
「事実と違う部分はもちろんありますが…今はいいでしょう、その認識であっています、とにかく叢雨丸の力で妖怪に打ち勝ったの、でも…今際の際に呪詛を残されてしまったの…」
雫
「呪詛…それが、あの黒い泥のような狼……………あれ?、でも…じゃああの男の子はいったい?」
秋穂
「男の子?」
安晴
「それがどうかしたのかい?」
雫
「あ、いえ…気にしないで下さい」
秋穂
「そう、じゃあ、話を戻します…それで私達はあの黒い塊を祟り神って言ってるの…それで多分雫ちゃんが聞いた金切り声は…虫…と呼ばれてるの」
雫
「虫に祟り神……そんなのいたら危険じゃないですか…ここ観光地ですよね」
秋穂
「無差別に襲うわけでもなくてね……襲われるのは、妖に強く憎まれてる者が対象になる、芳乃や私にあるあの耳は、祟り神が出た時や特殊な状態時のみに出現する物、これの役割は言ってしまえば探知機、悪く言えば呪詛の影響によるもの、この耳が生えてきた者は…祟り神に襲われる宿命にある…」
雫
「それじゃあ…?」
芳乃
「……はい……」
安晴
「朝武家の家はね、伝承にある戦に勝利した家の直系なんだよ」
そう安晴が言う
雫
(だから恨まれてる訳になる……)
「でも…それなら、関係のない私は…あ…私が叢雨丸の使い手に選ばれたから?」
秋穂
「おそらくそうでしょう」
雫
「私にも耳が生えたりするんですか?」
(でも…それなら今生えてないのは…)
安晴
「いや、流石にそれはないはず、耳はあくまで朝武家の直系だけだよ」
雫
「やっぱりそうなんですね」
(まぁ…今出てない時点でおかしいしね…でも…)
「虫に祟り神……それに獣耳、…?……あれ?、でも…ここって確かムシナキって言われてますよね?、でも…それじゃあ」
秋穂
「本来穂織は二つの呼び名があります一つをイヌツキ…芳乃や私をこの場合さします、そしてムシナキはその二つめです」
ムラサメ
「まずはそうじゃな…うん、イヌツキについて語ろう、なぜイヌツキと呼ばれておるのか、それはまず始めに、当時の朝武の姫に耳が現れた、最初は吾輩にしか見えなかった…だが時間がたつにつれ、周りの者にも見えるようになり、噂が広まってしまた、朝武の姫には獣耳が生える、呪われた姫だとな」
雫
「それがイヌツキの話…それだけじゃ、ないよね…」
ムラサメ
「もちろんだ、耳が誰にでも見えるように祟り神も放置しておると穢れを溜め込んで強力になってしまう、そうして強力になった祟り神が穂織の地を暴れ回ったこともあった、山は揺れ、大きな被害も生み、死者も大勢出た、それが祟りだという噂も広がってな、そこに今度は祟り神を生み出す存在も確認され、しかもそいつらは進化する」
雫
「進化?」
ムラサメ
「話は後で聞こう、そいつらは進化すると手の付けられない強さになる…まるで別次元の者と戦う強さだった、しかもそやつらは人間に擬態する…それのせいで当時の朝武の内部は酷かった、…そして人間をさらう瞬間に虫のような声を発するからそやつらを虫と呼ぶようになった、その噂も広がってな…呪われた姫を奉る呪われた土地そしてそこに近付けばさらわれ虫の声が聞こえる…そんな噂が広がってイヌツキとムシナキと呼称を生んだのだ」
雫
「それがイヌツキとムシナキの話…呪われた姫…神隠し…」
安晴
「その様子だと、ムラサメ様から説明を聞いたようだね」
雫
「安晴さんは見えないんですよね?」
安晴
「ああ、見えない、僕は入り婿だからね、だから呪詛の影響も受けていないんだ、…受けているのは、芳乃と秋穂だけだ」
芳乃、秋穂
「「…………」」
安晴
「このまま説明させてもらうね、基本には山に入らなければ祟り神は襲ってこない、虫は…僕にはわからない、祟り神は襲ってくるのは大抵夜の間だけ、虫も昼に見たとは今のところ一度も聞いたことがない、だから昼の間は山に入っても平気だよ、けど…放置して強力になってしまった個体は…多分だけどその限りじゃない、だから祟り神が溜め込む前に、代々朝武の巫女姫が穢れを祓っているんだよ」
雫
「それじゃあ今は朝武さんと秋穂さんが?」
安晴
「芳乃や秋穂、茉子君の神楽舞を見たことは」
雫
「前に、お祭りの時に見ました」
安晴
「あれはね穢れ祓いの儀式なんだよ、舞を奉納することによって、土地の穢れを祓っている、でもね、舞の奉納だけでは、全てを祓えないんだ」
ムラサメ
「その場合は、直接穢れを祓って対処する必要がある」
雫
「直接って…戦うってこと?、アレと…直接…」
(あんな化け物と…)
雫は肩を震わせる
芳乃
「有地さんは気にしないで下さい、これは朝武の……いえ…私達親子の問題です、お父さんが言った通り、山に入らなければ、有地さんにまで危険が及ぶことはないはずです、祟りは私が何とかしますから」
雫
「何とかするって…」
芳乃
「今すぐ解決、とはいかないかもしれません、しばらく不自由を強いることになってしまい、申し訳ないと思います、ですが、絶対に何とかしますから、私に任せて下さい」
雫
「………………」
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千恋*万花
赤兜と穂織の約束の者達
ここまで見てくださりありがとうございます
次の投稿の後が祟り神との戦闘ですもちろん虫(ワーム)と戦いますよカブトが……