えぇ……3ヶ月振りの更新……です
えっと……ある私立の大学(そこそこ名は知られてると思う)に奇跡的に合格しまして……
また、他にも地味に忙しかったり……以下略
とにかく長い間空けてしまって申し訳ありませんでした!
……再開します
-食堂-
和、中、洋の様々な種類の料理が美味しく、且つ安価で味わえる IS学園の自慢の1つである食堂
今は、昼食の時間……。
大勢の生徒達が、どの料理を頼むか、頭を悩ませていたり
頼んだ料理を持って、複数人で固まり 食事の合間に会話に花を咲かせたりしていた。
女というものは 仲間を作るのが上手い。
初対面にも関わらず 、すでに昔からの親友のような仲になっているものも少なくはない
故に、浮いている者はすぐにわかる。
「………何故、此処にいますの? 」
そして、此処にも浮いている者がいた
「何処で食べてもお前には関係ないだろ? 」モグモグ
先程のお猿さん発言や高慢な態度の所為で完全に周りから浮いていた。
それもそうだろう、この学校、少なくともクラスのほとんどが日本人なのだから
このお嬢様に向けられる視線は、敵意だったり怒気を孕んだものだった。
そんなお嬢様が1人で食事を摂っているところに百秋が来て 今に至る。
「哀れみですか? そうだとしたら「静かに食えそうだから」はぁ⁉︎ 」
「お前がいれば女子共が寄りつかんからな」モグモグ
「」
「まぁ…まず、あっちを見ろ」
百秋の指さす方を向くと、女子達が固まって、おしゃべりしながら食事を摂っていた
よく見ると周りも複数人で固まり 自分だけが孤立している事に改めて気づいた。
「次は、あっちな」
続いて百秋は、一夏のいる席を指す。
和食のセットを食べている一夏。その隣には何人かの女子が座っていた。
何を話しているかは知らないが、とても楽しそうに見える。
他の女子達も会話の合間にチラッと一夏の事を見ていたり
一夏と直接話しをしている女子達を羨んでいるようにも見えた
だが、ますます何が言いたいのかわからなかった。
自業自得とはいえ、1人でいる自分を哀れんで来たのか
本当に人払い目的なのか、試合についての交渉か
交渉以外については、自分の事を莫迦にしているとしか思えない。
別に構う必要もない。食器を片してしまおう。
「別に特に聴かれたくないわけでも無いが、お前には幾つか聞きたい事がある」
「聞きたい事? 来週の試合についての交渉ですの? 」
「そんな事は必要ない。お前自身について聞きたいんだ」
「な⁉︎ 何て事おっしゃいますの⁉︎ 」///
「煩い、静かに座れよ。何を興奮しているんだ? まぁ、言いたくない事は言わなくて構わない。
ただ、答えられる範囲で俺の質問に答えて欲しい」
「………いいでしょう。質問をどうぞ? 」
「………単刀直入に言うが、お前、両親が死んだ ないし永く会っていない………違うか? 」
「え、何故それを? 」
「詳しくは聞かない。続けるが、父親についてどう思っている? 」
「はぁ? な、何故、そんな事を⁉︎ 」
「いいから答えてくんね? 」
「……あんなの父親と認めておりません! 何故母が愛していたのかもわからない………」
「OK。次の質問だが、俺や一夏をどう思う? 」
「あなたさっきから何が聞きたいんですの? 意味が……」
「さっきも言ってが、答えたくないのなら無理にとは言わない。それに目的は果たせた」
「目的? 」
「改めて認識したよ。お前を叩きのめす必要がある事にね」
「叩きのめすですって? あなたごときに この私が遅れをとるとでも? 馬鹿馬鹿しい、質問は終わりですか?
無いならば失礼させていただきます」
「付き合ってくれた事に感謝するよ」
そう言って百秋は、セシリアの事を見送った。
「…………」
(父親を認めない……か……)
………………………………………………………………………………………
『親父達がいなくなったんだ! お前達も来い! 今から俺とお前であの2人を守っていかなければならないからな』
『……百秋……何故、お前は冷静なんだ? 』グスッ
『泣いている暇は無いぞ、千冬………。あんな思いをするのは俺達だけで十分だ。決して一夏とマドカに本当の理由を悟られるな』
『……あぁ……私達があいつらを守らねばな』
『……帰るぞ。2人が待ってる』
『…………』
………………………………………………………………………………………
「………チッ、何で今頃思い出すかな……」
「なぁ、さっき何の話してたんだ? 」
気がつけば食器を渡し終えた後だった。一夏に話しかけられるまでの事を全く記憶していなかった
「来週は、しっかり見ときな。翌日がお前の番だからな」
「あぁ、何か専用機が来るらしいしな」
(……《白式》……束が言っていたな…)
「よかったな……頑張れよ」
(白式……ビャクシキ………ハクシキ………シロシキ……シロキシ……白騎士………か……)
白騎士……かつて、ISを発表したばかりの束が無茶な事をした時のIS……
束が発射させたミサイルを撃ち落とした英雄……
その英雄を含め 白騎士 となった。
一夏のISは、それの後続機なのだろうか
「今日は、もう授業は無い。今から行くのか? 」
「あぁ……」
「なら行けよ。遅れると怒られんじゃないの? 」
「お前も来るか? 」
「ことw 「お前も来い! 」 」
「ほ、箒………」
「私は、お前にも用があるのだ。さっさと行くぞ! 」
「…………」チラッ
「……すまん」
「…………チッ」
……………………………………………………………………
ー剣道場ー
「………本当にやって無かったのだな」
「だから、こっちだって色々あったんだって」
「喧しい! 貴様という奴はつくづく……」
「終わった〜? 俺さっさと帰りたいんだけど〜」
「〜〜⁉︎ いいだろう! 次はお前だ!さっさと着替え、構えろ! 」
「かったり〜な。一夏〜、そこの自販機で飲みもん買ってきてよ」
「何で⁉︎ 自分で行けよ」
「金は出すから」
そう言ってポッケの中から500円玉を取り出し投げる
「好きなの買ってきていいぞ」
「はぁ……行ってくるよ……」
トボトボとだるそうな足取りで剣道場を後にする一夏
百秋はそれを見届けると箒に向き直る
右手にやや短めの竹刀を持ち、防具は身につけずにいた
「かかって来なよ。一夏が帰ってくる前に終わらそう」
「ならば防具をつけろ。………それとも私を嘗めているのか? 」
「嘗めてる? 馬鹿言え………」
ーお前は、俺の敵ですらねぇよー
「! 」
「剣道ってか、色々はき違えてる小娘如きが俺に触れることすらできねぇよ! 」
「その言葉忘れるなよ……」
「来な」
「うおぉぉぉおおお!」
「何がいいか行ってなかったしスポドリ買ったけど大丈夫かな……」
スポーツドリンクを持って剣道場に向かう一夏
出て行ってからそんなに時間は経っていない筈だから
今頃試合の最中であろうか
そんな事を考え入り口の前に辿り着く
「あれ? もう終わったのか? 」
それとも自分を待っているのか
扉を開けると 目を疑うような光景が広がっていた
「な……」
自分が出て行ってから側の自販機で飲み物を買って帰るまで精々5、6分程しか空けていないはずだった
「おかえり〜。何買ってきた? スポーツドリンク? 」
呑気に欠伸をする自分よりも実の姉にそっくりな少年
そして、絶望しきった表情で座っている幼馴染み
「ほ、箒? 」
「話しかけても無駄だ。こいつの全てを叩き潰してやったからな」
「テメェ! 」
「やめとけよ。お前は勝てないし……」
「何よりこいつを甘やかすな」
「どういう意味だ?」
「そういう意味さ」
「じゃあ、俺は帰るよ」
「ま、待てよ! 」
だが、一夏は百秋を追う事は無かった
この様な状態に陥った幼馴染を放っては置けなかった
そして、それと同時に 自分の足が震えていた事に気付いた
「何者なんだ………あいつは……」
箒を介抱し、自分に用意された部屋に着くと
ベットに横たわり百秋の事を考えていた
自分よりもよっぽど姉に似ている少年
剣道の大会で優勝する程の腕の幼馴染をあっさりとのしてしまうほど強い少年
何か色んなものを背負っている少年
自分とは何もかも違う少年
一夏は、そんな百秋に戸惑っていた
『甘やかすな』
最後に言った言葉だ
(一体、何の意味があるって言うんだよ………)
一夏は、最後までその意味を理解できずに1日が終わった
その一方、真っ暗な空の下
百秋はいた
「……んで? 何時になった帰れるわけ? 」
USBケーブルで黒狼と繋がってる端末
画面には 元の世界の束の顔が映し出されていた
『当分先になっちゃうかなぁ……』
画面の束が珍しく弱気な発言をする
余程作るのが難しいのだろうか
「まぁ、いい……こっちもやるべき事があるからな」
『うん。わかってるよ。それじゃあまた明日ね♪ おやすみびゃっ君♡ 』
「おやすみ」
投げキッスする束をスルーし画面を切る
「……んで? 何か用か? 」
日付けが変わろうとしている時間の寒空の下
百秋は自分以外の人間の気配に気付いていた
そして、振り向かずともその人間が誰なのかも気付いていた
「あの馬鹿(束)の言う事は本当だったらしいな」
高圧的な口調で喋る人間……織斑 千冬
「そ、じゃあ、俺が何なのかも聴いてるわけ?『 千冬』? 」
「勿論だ、『百秋』……」
「……まぁ、そうだろね。じゃなきゃ『親族では、ない』……なんて言わんよな」
「……まぁ……な」
「そういや、束の妹いんだろ? 」
「篠ノ之 箒の事か? 」
「あいつ……あのままなら
「どういう意味だ? 」
「あいつが一番一夏に近い……いろんな意味でな」
「だから近くに居たいと思う」
「……が、あの感じだといつか一夏を不幸にするだろうな」
「それは、未来で起こった事か? 」
「さぁね? まぁ……経験談では、ある…少なくとも………
「⁉︎ 」
「親父達の事は、まぁ……おいおい話すよ」
もう遅いからな………
そう言って百秋は千冬の前から去った
謎の言葉を残して………
……………………………………………
そして、時は過ぎ 早くも1週間が経過し……IS学園の広大な敷地にあるスタジアム。
専用機を持った日本の代表候補と英国の代表候補が競うのだ。
スタジアムの観客席には他クラスの姿もあり、かなりの盛り上がりを見せていた。
そして、当の本人達は、すでにISを展開し 開始の合図を待っていた。
「よく逃げずに来ましたわね………ぷっ……」
「……」イライラ
「何ですの? その頭に付いているものはwww! 」
「仕様なんだから気にすんな」
指摘されたものは百秋の頭に付いていた。
百秋のIS……黒狼は、その名の通り狼をモチーフとして設計されたもので
頭部に狼の耳の様な形のものが付けられ また、本人は気にしているが元の女性的な顔と相まって なかなか似合っていた。
装甲の色は黒、両肩を露出させており 全体は、かなりスマートな形状をしていた。
腕部には爪が備わっておりそれを武器にする事も可能。
対して、お嬢様が使っているIS……ブルー・ティアーズは遠距離の射撃型
背丈よりも大きいライフルを主に使用し、他にティアーズと言う名の付いたファンネルを使用する
見た目は、青いドレスの様な感じだ。腰のパーツがスカートの様に広がっている
「チャンスをあげますわ! 」
「いらねぇよ三下が、早いとこ 始めようか」
「三下⁉︎ 後悔させてあげますわ! 」
身の丈以上のライフルを百秋に向け、引き金を引く
「ふん……」
百秋は、セシリアのライフルとISに搭載された4つのファンネルから繰り出されるレーザーの雨を難なく躱していた
だが、躱したからといって反撃をするわけでも無く
百秋は、腕組みをしたまま相手の攻撃を躱し続けた
「ちょこまかと……」
掠りもしないうえに明らかに遊ばれている事を理解していた
故にセシリア・オルコットは焦りを感じていた
英国代表でである事のプライド、相手が男である事
何よりも昼食の時の言葉が彼女の心を掻き乱す
「何処狙ってんの? 一発も当たってねぇぞ? 」
「くっ⁉︎ 」
「………」
正直な話、百秋は飽きていた
煽りが変な方に行ってしまってつまらなかった
黒狼の最大の特徴も使わず、反撃もせずにゆっくりとした速度でセシリアの攻撃をかわし続けていた
もう百秋は目を瞑っていてもかわせる域にいた
それでも百秋は待っていた
彼女の全力を、想いがこもった力を
だが、それも そろそろ来るだろう
目を閉じる瞬間に僅かに見えた彼女を見て百秋は確信していた
「……落ち着いて狙えよ。俺は此処だ。しっかり自分の頭を使って追い詰めてみな 」
「お黙りなさい! 」
再びライフルを構え百秋を狙う
目を閉じて躱している 反撃もしない
すでにセシリアのプライドはズタズタであった
そんな時、ふと自分の口角が上がり 笑っている事に気が付いた
内心は乱れに乱れているのに不思議と笑みを浮かべていた
それは、今まで苦戦した事も、ましてや負けて事もなかった自分を圧倒しているからか
そんな事は分からない
今迄経験した事の無い出来事だから興奮しているのだろうか
真意は解らないが確かに彼女は笑っているのだ
自分が笑っている事に気付いたら段々と楽しくなり
余計な力と強い緊張感が和らいでいた
「そうですわね……相当余裕がおありみたいですが………」
するとファンネルを自分を中心に四方に展開させる
だが、ファンネルの銃口は百秋には向いていない
明後日の方向に向け セシリアは上空から百秋を見下ろしていた
「こんなのは如何かしら‼︎ 」
ファンネルから発せられたレーザーは、百秋の周りを滅茶苦茶に撃ちまくる
だが出鱈目に撃っているわけでも無い
それなりの考えを持っての行動だった
現に百秋はレーザーを避けて移動している
百秋はスタジアムの端へ端へと追い詰められていた
酷い砂埃でセシリアの姿も確認できない
だが、セシリア・オルコットには百秋の姿が把握できていた
それは何故か………
上空で留まっているセシリアの顔の前にスクリーンが映し出されていた
そこには、砂埃の中、赤く人の……黒狼を纏った百秋の姿を模ったものが映されていた
ー サーモグラフィー ー
熱を感知するもので実際に夜戦やサバイバルゲームでよく使われるものだ
熱で百秋を捉えているから砂埃の中でも見えているのだ
そして、ニヤリと笑い
ファンネルとライフルを百秋に向け引き金に指をかける
狙いを定め………
撃つ!
何度も、何度も、狙い撃つ!
逃れる事は出来ない これで全てが終わる
決して美しい勝利とは言い難いが そうまでしても勝ちたいと思った
自分に世界の広さを、強さを教えてくれた
だからこそこの人に勝ちたいと思った
男とかはどうでも良かったのだ
「………やり過ぎてしまったかしら?」
搭乗者を護るシールドも完璧では無い
やり過ぎて仕舞えば搭乗者は多少のダメージでは済まないだろう
シールドエネルギーがどれだけあるのかわからないが
全弾命中させたのだ 確実に勝負はついているはず……
全く止む気配のない砂埃
そこから何の動きも感じられない
一体、どうなっているのだろうか 大怪我を負って動けないでいるのか
スタジアムにいる誰しもが百秋の安否を案じていた
織斑 千冬 ただ一人を除いて……
「………いい加減 気づいてくれませんかね?」
「えっ? 」
背筋が凍る
冷や汗が止まらない 指先は震え それは全身に拡がっていく
先程まで笑顔であったのに今は青くなる
「どうしたんだ? ずいぶん顔色が悪いじゃない」
ゆっくりとセシリアに近づいていく
そして、当のセシリア本人は百秋が近づくごとに顔が青ざめていた
有り得ない
初弾で一瞬砂埃が晴れ その瞬間に命中したのを見たのだ
見間違いでは無かった筈だ
なのに今、目の前にいる相手は無傷で少しの埃すら無いのだ
「さて……そろそろ本番と行こうか」
「あ、あぅ………」
「……その前に」
急に真面目な顔をしだした百秋
それがより一層セシリアに緊張感とこれから始まるであろう百秋の反撃
恐ろしさのあまり今にも意識が飛びそうだった
百秋の口が開く
「おしゃべりしようよ」
その一言にセシリアは別の意味で意識が飛びそうになった
つづく
名無しも暫くしたら再開しますんでそれでは……
また次回……