【本編完結】時間の悪魔はデンジとレゼを幸せにしたい 作:もく
というわけで引き続きよろしくお願いします
距離を取りながら二人は攻撃を凌いでいく
マキマは淡々と攻撃を重ね、岸辺を削りながら、隙を見てヒカリへ鎖を伸ばすことを狙っていた
だが岸辺の戦闘技術は異常だった
僅かな視線、足の向き、呼吸の変化
全てを読み、マキマの意図した展開へと持ち込ませない
その間にもヒカリは考える
マキマの契約内容
——『マキマへの攻撃は、適当な日本国民の事故・病死に変換される』
だから攻撃は効かない
そう
ヒカリの瞳が揺れる
そして——答えに辿り着いた
「いける……! 先生!」
「わかった、援護する」
ヒカリが踏み込む
マキマから放たれる鎖を紙一重でかわし、間合いを詰めていく
マキマは足を撃ち抜き、動きを止めて鎖を通そうとした
「ぱん」
「ぐっ……!」
ヒカリの下半身が吹き飛ぶ
だが即座に再生、鎖を回避した
そのまま縦横無尽に駆け回り——何かを拾い集めていく
マキマの目が細まる
(さっきのナイフの破片……完全には消えてなかったんだ)
ヒカリを狙うマキマ
「ぱん」
だが岸辺が割って入る
「悪いが、教え子の邪魔はさせるわけにはいかねえよな」
そしてヒカリの右手が淡く輝き始める
(破片を集めて生成に必要な寿命を抑えたんだ……でも——)
背後から迫る刃
マキマは跳躍し、回避する
(結局は当たらなきゃ意味ないよ、ヒカリ君)
その瞬間ついに彼女はその場を離れた
だが
ヒカリの手に、ナイフはない
「チッ……!」
それでもヒカリは舌打ちした
本来の意図からズレていたのだ
だが——
思わぬ援護が入る
少し離れたビルの屋上
そこに立つのは、クァンシ
すでに弓の武器人間へと変身している
ヒカリの動きを完全に理解していた
「本当に、私がいないとダメだな」
ヒカリには届かない独り言
だが自然と笑みが浮かぶ
放たれた一矢をマキマは回避する
そして、その回避した場所こそが——ヒカリの意図した位置
「ありがとう師匠、先生」
ヒカリが見るその線上
ヒカリの視界が定まる
能力を発動する
それはかつて岸辺との修行で身につけ、クァンシにも使った技
右手を銃の形にし、マキマへ向ける
寿命が一気に減る感覚、でもこの1発で仕留めるという決意がヒカリにはあった
「ぱん!」
直前のヒカリと同じように
マキマの下半身が吹き飛んだ
ヒカリが使った時間の悪魔の力
先ほど自分が受けた『ぱん』
被弾し、それに触れた瞬間、その衝撃を
そしてその軌道上にマキマが入った瞬間に再放出
『ぱん』そのものはマキマの攻撃
つまり——自傷
総理大臣との契約は発動しない
ナイフの破片はすべてこの一撃のためのブラフだったのだ
そして、その衝撃波はそのままマキマを貫いた
しかしマキマは悪魔である
肉が蠢き、骨が伸びる
再生が始まった
ヒカリは刀を振るう
刃が肉を断ち切った瞬間——
マキマの再生が確かに止まった
蠢いていた肉が硬直し、伸びかけていた骨が静止する
時間が噛み合わなくなったかのように
「なんで……」
その声に初めて微かな動揺が混じる
ヒカリは息を整え、低く告げた
「僕の武器は……」
「天くんに頼んで、再生阻害を付けているんだ」
最初から備えていた一振り
この戦いに臨む前から、想定していた最悪への対抗策
その刃は、確実にマキマを追い詰めていた
だが——
「でも、君はやっぱり詰めが甘いね」
静止していた肉が再び蠢く
止めたはずの再生が押し戻すように動き出す
マキマは高位の悪魔
再生阻害すら上回る速度で、強引に肉体を取り戻そうとしていた
ヒカリの額に汗が滲む
「マジかよ…!」
(まずい……このままじゃ完全に蘇生される……)
(
そして——
足がほぼ再生しきろうとした、その瞬間
最後のピースが揃った
当初はナイフで斬った後、
天使の再生阻害が効かなかった場合の保険だった
確実にマキマの再生を止めることができる存在
「マキマを殺せば……!」
二本のツノが生えた魔人
空を裂いて跳躍する影
「ワシが最強じゃー!」
最後の一人
パワーが再生しかけていたマキマの下半身を豪快に吹き飛ばした
補足
この前原作でも出てきた肩代わりの契約を貫通する方法ですがヒカリ自身は1部までしか読んでないので思いつくしかなかったという状況でした
ちなみにパワーは焼肉で釣ってます