プリンセスコネクト!!Re:DIVEアナザーストーリー 作:タピオカ&ピスタチオ
――四日目・昼平和な日常――
カイトは、少しずつ美食殿に馴染んできていた。
階下には、ユウキとキャルがいる。
「アンタ、やっと起きたのね。
もう昼よ、昼」
「おはよ」
「おはようございます」
コッコロは、サレンディア救護院へ行っているという。
カイトは、ユウキとキャルの関係性や、コッコロとの絆について考えを巡らせていた。
――美食殿ギルドハウス――
四日目・夜
夕食後、カイトはコッコロにユウキについて質問した。
「ふむ……もうずっと昔のことのように思われますが、
あの頃のことは今でも鮮明に思い出せます」
「つまり、主さまの魅力をお伝えすれば宜しいのですね?」
「……え、ええ。
そういうことになりますね」
「アメス様の託宣により、私は主さまをお導きするよう命ぜられたお方ではありますが、
先の戦いに伴い、主さまはご自身の使命を悟られたことから、
私には勿体ないほどの逞しゅう強さを、意志を得られました」
コッコロは、誇らしげに語る。
――美食殿ギルドハウス――
五日目・昼
――翌日――
庭で虫を見つめるユウキの無垢な姿と、その圧倒的な純粋さに触れ、カイトは彼を「兄さん」と呼ぶことにした。
――九日目・昼――
カイトは、キャルをライブに誘おうと決心していた。
風呂場へ向かう足取りは重い。
「ふぅ! 良い仕事の後の風呂は最高ね!」
「……」
入浴中だった。
カイトは踵を返す。
焦るな。
自分にそう言い聞かせた。
階段の隙間から、ユウキとキャルが顔に息がかかるほど接近する光景を見てしまった。
「好きよ、ユウキ」
その言葉は、カイトの耳に突き刺さった。
――十日目・昼――
部屋に籠もるカイト。
食事を運ぶ音さえも、意味を持つものとして彼を責め立てる。
「いや、違う。
そもそも僕は、どうしてここにいるのでしょう。
本当はやるべきことがあるのに。
絶対に、そちらを優先すべきなのに」
崩れかけの椅子に座る少女の姿が浮かぶ。
カイトを縛るのは、これだった。
――美食殿ギルドハウス十日目・夜――回想――
「アイツ、騙されてるわよ」
「え?」
「はぁ、ペコリーヌ。
よく考えなさいよ。
そもそも、アイツの母親があんなもの渡すわけないでしょうが」
「……んー、そうなんですかね?」
「怪しいのはアイツの父親よ。
あの腕輪、アンタすぐに良くないものってわかったでしょ?」
「……」
「アイツには絶対に口にしちゃダメよ。
想像させるのも。
わかった?」
「ん~~……」
――十日目・夜――階段の踊り場――
カイトは、階下から聞こえる談笑を耳にしながら階段を降りていた。
「寝坊助通り越して、賞賛したくなるほどだわ。
何十時間寝れば気が済むのよ」
「環境の変化もあって、緊張の糸がほぐれたのでありましょう。
無理からぬことです」
「ほらほら、カイトくん!
早く座って下さい。
ご飯、冷めちゃいますよ」
カイトは謝罪を口にする。
「えっと、ちょっと寝すぎてしまったらしくて、余り食欲が湧いていないんです。
それに、体調も悪いのかも、しれないですから……。
それだけ言いに来ました。
おやすみなさい」
脇目もふらず、部屋へ戻る。
そして、窓を開けた。
――十一日目・深夜――
しんと静まり返った闇。
毛布は綺麗に畳まれていた。
ベッドシーツには、皺一つない。
窓は開けられていた。
その部屋には誰もおらず、誰かが暮らした形跡さえもなかった。
木椅子は倒れていた。
自然な時の流れのうちに、そうなったかの如く。
第二幕 了