朝日が昇り、暗い街中に光が入り込んで行く。
そんな街を駆け抜ける一つの影があった。
「ハッ、ハッ、ハッ!」
彼の名前は『
彼は今、毎朝の日課のランニングをしていた。
「おっ!ヒーロー坊主、今日もランニングか?」
「あぁ!
「おう!朝から元気なこった!ほれ、これ持ってけ!」
猪川は紙袋が入ったビニール袋を闘晴に渡す。
闘晴はそれを受け取った。
「売れ残り押し付けんのやめてくれよ〜」
「バカ言え!開店前に売れ残りなんざある訳ねぇだろ!」
「にしてはなんか量多くない?」
猪川の渡した物は、彼が経営する『猪川精肉店』の提供しているコロッケである。
だが闘晴一人で食べるにはかなりの量であるある。
「『あの子達』の分もだよ、いつも頑張ってるご褒美だよ」
「あ〜そう言うこと。ありがとね」
闘晴は猪川に礼を言うと再び走り出した。
しばらく街中を走ると、目の前に金色の髪をポニーテールにしている少女の姿が映った。
「おはよ、『愛』」
「とーち!おはよっ!」
彼女は『
闘晴の幼馴染である。
「ん?どうしたのそれ」
「猪川のおっちゃんがみんなにって。頑張ってるご褒美だとよ」
「あぁ!お肉屋の!愛さんも後でお礼言いに行こ!」
二人は並走しながら目的の場所に向かっていた。
「そう言えばとーち!昨日愛さんがあげた動画めっちゃバズったんだよ!」
「あぁ『サイコーハート』だろ?もちろん知ってる」
「なぁんだ・・・驚かせようと思ったのに・・・」
「驚いて
「ブフッ!?アハハッ!!!それめちゃくちゃ面白い!やっぱとーちのギャグはサイコーだよ・・・よっ!笑いの伝道師!」
「よせやい、照れるぜ」
こんなやり取りをしているが。
二人の会話を理解できる人間は二人を含め、後一人なのである。
「あっそうだとーち、今日ってこの後予定ある?」
「朝練後か?まあ土曜だから特にないけど」
「じゃあさ!この後バスケ部の助っ人頼まれてるんだけど、男子の方も助っ人が欲しいって頼まれててさ」
「オッケー、俺が行くよ」
「ありがと〜。バスケ部の子に愛さんのファンって言ってくれてる子がいてさ〜その子からも頼まれてるんだ」
「なるほど・・・確かにファンの子の頼みは聞いてあげたいな」
「そうなんだよ!でも愛さんじゃ男子の助っ人は出来ないから、とーちにしか頼めなくてさ」
「誰かの役に立てるなら、雑用だろうが何だってするさ」
「流石『部室棟のヒーロー』!」
「いやお前もそう呼ばれてるだろう・・・いっその事、「助っ人部」とか作ろうかね・・・はっ!」
「どうしたの?」
急に足を止めた闘晴に愛も釣られて足を止めた。
「バ
「っ!?とーち・・・天才じゃん・・・」
「俺は怖い・・・自分の才能が・・・」
「何アホな会話してんですか」
二人の会話に紺色の髪の少年が入ってきた。
「『
「趣味のカメラですよ、ついでに学校新聞に先輩達の練習風景を撮ったりとかインタビューしたくて」
彼の名前は『
闘晴と愛の一つ下の後輩である。
「じゃあかげりんも一緒走ろうよ!」
「お二人のスピードについて行けません。それにまだここら辺の撮影が「来たら『りなりー』に会えるよ」何してんですか先輩方。早く行きますよ」
「相変わらずチョロいなコイツ・・・」
こうして影李が加わり、闘晴たちは目的の場所は向かった。
すると闘晴のスマホに通知が届く。
「ん?あぁもんそんな時間か・・・」
「どうしたの?」
「ゲームのスタミナが満タンになりましたよって通知」
「あ〜とーちが好きなゲームか・・・えっと『バトフレ』?だっけ」
「そっ!『バトルファイトレイジング』通称バトフレ。手掛けてるスタッフの一人がファンでやってるんだ」
「へぇ。有名なクリエイターなんですか?」
「その手の界隈じゃ有名だと思うぞ」
闘晴はスマホを操作してその人物の写真を出す。
「この人。『
「う〜ん・・・愛さんは知らないや・・・」
「おい。情報処理学科だろお前・・・」
「え〜だってゲーム作ってる人じゃないの?」
「確かにゲームクリエイターではあるが、この人はどちらかと言うとプログラマーだ」
「俺は知ってます。『プログラム界の申し子』とまで呼ばれてる天才だとか」
「『璃奈』も知ってる筈だぜ、アイツのボードもこの人のプログラミング参考にしてるし」
「なら愛さんが知らないのは失礼だね。帰って勉強しよ」
「お前も案外チョロいな。いや璃奈が凄いのかこの場合?」
などと話してる内に三人は目的の場所。
彼らが通っている学舎。
『虹ヶ咲学園』へと辿り着いた。
虹ヶ咲学園。
初等部から高等部まである大きな学校。
驚くべきはその大きさだが、他の学園にはない特色もある。
それは『同好会』と呼ばれる部活動の集まりである。
部室棟と呼ばれる建物があるのだが、そこだけでも100を超える同好会が存在している。
闘晴たちはそんな数多くある同好会の一つ。
闘晴と愛が所属している『スクールアイドル同好会』の部室へと来ていた。
スクールアイドルとは簡単に言えば、学校で部活動として行うアイドルのようなものである。
「おっはよ〜!」
「おっはよ〜!じゃないです!もう5分も遅刻ですよ!」
闘晴たちが部室に入ると、シルバーアッシュのショートヘアーの少女が怒りを見せていた。
彼女は『
影李の同級生であり、ここスクールアイドル同好会の部長を務めている。
「俺のペースに合わせてもらってたんだ」
「影太・・・もうしょうがないな〜♡今度の学校新聞で可愛い『かすみん』を記事にしてくれるなら許してあげてもいいよ〜♡」
「中須を記事に?・・・ハッ」
「ちょっとぉ!!!何で鼻で笑ったの今!!?」
「鏡でその可愛い(笑)の顔見て考えてみろ」
「(笑)ってなによ!(笑)って!!!」
「あいつら相変わらずだな・・・」
言い争う二人に呆れつつも見守る闘晴に茶髪の長髪の少女が寄って来る。
「おはようございます先輩」
「おはようしずく。今日は
彼女は『
影李やかすみの同級生である。
彼女はスクールアイドル同好会の他に演劇部にも所属している。
「はい。でも来週から演劇部メインになってしまいます」
「そっか。また困ったことあったら言えよ?雑用でも演技練習でも付き合うからさ」
「でしたら、またボランティアの演劇に来ていただいても良いですか?先輩のヒーロー役は子供たちにも人気なので」
「良いぜ。俺もやってて楽しいし」
「ヒーロー役でしたら!私も力になりますよ!」
二人の会話に黒髪の少女が入ってきた。
「よう『せつ菜』」
「おはようございます!闘晴さん!」
黒髪の彼女は『
闘晴のクラスメイトでオタ友である。
「時にせつ菜氏よ、明日の朝なのだが・・・」
「分かっていますとも闘晴氏!ですがすいません。部屋を抑える事ができず・・・」
「くっ・・・まあ当然か」
「明日何かあるんですか?」
二人の会話にしずくが問い出す。
するとそこにかすみも混ざる。
「明日は『ニチアサ』で新しい『仮面ライダー』が始まるので、それを闘晴さんと一緒にみようという話になりまして」
「それは何となく予想出来ますけど・・・部屋を抑えるとは?」
「ほら。せつ菜は親にオタバレ出来ないし、そもそも年頃の女の子が男を家に連れ込めない、かと言って男の家に行くのも問題だろ?」
「まあ確かにそうですね・・・」
「ですので、学園の視聴室を借りてそこで見ましょうと言う結論に至ったのですが・・・「そんな私用では許可はできません」と言われてしまって」
「それはそうですよ・・・」
「ていうか普通申請する前に気付きませんか?」
「しずく、かすみ。こんな言葉を知ってるか?」
「「『オタクは熱いうちに語れ』!!!」」
「それ絶対『鉄は熱いうちに打て』ですよね!?」
「てか二人は語っていくうちに熱くなるんじゃないですか!?」
闘晴とせつ菜にしずくとかすみがツッコミを二人に放つ。
「まあ・・・分かりました。そう言う事でしたらウチで見ませんか?」
「しずくの家でか?」
「はい。実は明日は両親が外出するので私一人なんです」
「でも俺らと一緒にニチアサ見ることになるぞ?」
「構いません。むしろ演技の勉強にもなるので。それに先輩をせつ菜さんと二人きりに出来ませんし・・・(ボソッ)」
「ん?今なんか言ったか?」
「何も言ってませんよ♪」
目のハイライトを消していたしずくが一瞬で闘晴に笑顔を見せる。
後にかすみがこう語った、『親友の闇を見た・・・』と。
「あれ?そう言えば闘晴先輩。一緒だったのって愛先輩と影太の二人だけなんですか?」
「そうだけど。どうし・・・は?」
闘晴は部室内を見渡す。
するとそこに居るはずの人間の姿が見当たらないのだ。
「まさか。まだ来てないのか、『アイツ』・・・」
「はい・・・」
闘晴はスマホを取り出す。
その瞬間、外から全速力で走っているであろう音が聞こえる。
そして扉の前で音が止まると、扉が勢いよく開かれた。
「マジごめぇええええん!!!」
そこに黄色と白の縞模様のシャツと闘晴と同じ髪の色をした少女が息を切らしながら部室に入ってきた。
「いやマジでホントごめん!兄ちゃんが外出たタイミングでは起きてたんだけど、いつのまにか二度寝しちまってた!マジでホントすんません!!!」
「だから一緒に行こって言ったんだよ・・・『スバル』」
彼女は『大空 スバル』。
闘晴の妹でかすみたちの同級生である。
彼女もこのスクールアイドル同好会に所属している。
「スバルも相変わらずだにぇ・・・まぁ『みこ』は遅刻しなかったけどにぇ!」
「よく言うわ、ギリギリだったくせに」
桃色の髪に少女がスバルを笑っていると、水色の髪をした少女にギリギリだった事をバラされる。
「でゃまれよ!おめぇも変わんないだろが『
桃色の髪の少女は『
水色の髪の少女は『星街 すいせい』。
二人も闘晴たちの同級生である。
言い争うみことすいせいに茶髪のおさげ髪の少女が近寄る。
「もう二人とも〜喧嘩はダメだよ?」
「止めないで『エマ』ちゃん!これはすいちゃんとみこの問題だよ!」
「上等よ!だったら今からグランド10周どっちが先に終わるか競走ね!」
「お前この前6周くらいで息上がってただろ?無理すんなって〜」
「その言葉そっくりそのまま返すわ!」
そう言いながら二人は部室を飛び出した。
「二人とも〜!」
「エマさんも大変っすね」
彼女は『エマ・ヴェルデ』。
スイスからの留学生で三年生。
このスクールアイドル同好会での母親的存在だ。
「アハハ。でも二人もお互いが大好きだからああ言ってるんだと思うしね」
「それはそう・・・てか今日はメンツこれだけ?」
闘晴は改めて室内を見渡すが、同好会のメンバーが全員揃っていなかったのだ。
そこにみこより濃い桃色の髪のスケッチブックを持った少女が闘晴に近づいてきた。
「他のみんなは予定があって来れないって言ってた」
「そっか。ありがとうな『
彼女は『
かすみたちの同級生である。
「闘晴さん。影くんも連れてきてくれてありがと」
「連れて来たのは愛だよ。まあ当の本人は来る予定だったみたいだったし・・・礼なら愛に言ってやれ」
「うん、分かった」
そう言うと璃奈は愛のとこに向かう。
「は〜いみなさん!みこ先輩とすい先輩も先に行っちゃいましたし。かすみんたちも早く行きますよ〜」
「「「「「は〜い!」」」」」
「影太は撮影で来るとして・・・闘晴先輩はいつもの作業ですか?」
ここスクールアイドル同好会に所属しているメンバーでアイドルとして活動しているのは全員女子である。
男である闘晴は部のマネージャー、主に体力作りなどの運動方面で彼女たちをサポートしてる。
だが今日は歌やダンスをメインに練習をする為、今回の闘晴は手持ち無沙汰なのだ。
「そうだな。今日は敷地内だから変な輩は居ないだろうし、影李もいるからな・・・いつも通り体力レッスンの見直しかな」
「分かりました!今日来れてないメンバーの分はそこの机に置いてます!こっちも何かあったらマインしますね!」
「了解」
かすみたちが出て行くのを確認すると、闘晴は机にノートやプリントを広げた。
これは彼女たちのレッスンや食生活などの報告書のようなもので、これらを基に闘晴は練習メニューを考えているのだ。
「エマさんは相変わらず食ってるな・・・でも太ってる様子はない。となるとメニューは変わらずに・・・愛は今のだとちょっと余裕。最近アイツの体力が化け物じみてるように感じるのは俺だけか?」
すると闘晴のメッセージに通知が届く。
「ん?変だな。バトフレのスタミナならまだ全開してない筈だけど・・・」
不思議そうにスマホ開く闘晴。
すると通知の正体はメールだと分かったのだ・・・。
「何だよこれ・・・」
そのメールにはこう書かれていた。
はい、ホロメンを登場させました!
最近ハマって来ていたし、題材にもされてる小説がちらほらあったので。
今回で序章が終わり、次回から本編スタートです。
ライダーやプリキャアの名乗りや変身音に色はつける?
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つけたほうがいい
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つけなくてもいい