さて、アッくん—アリスについてお話ししようか。
村の役所で働く父マーティン、村農家の手伝いである母ビアンカ。
ごく普通の両親の間に産まれた赤ん坊は初孫の誕生におかしなテンションになっていた祖母ミルアより、男児であるにもかかわらず、アリス、と名付けられました。
男児であるにもかかわらず、とはいっても幼いアリスはふわふわの銀髪にぱっちりおめめの可憐な見た目でしたので同世代の子たちや大人たちから、アッくん、と呼ばれて可愛がられて育ちました。かわいいね。
時が経ち、アリスが8歳頃のことです。
村に野盗たちがやってきました。
野盗たちのリーダーの男は屈強で獣臭のするいかつい風貌の大男でした。
野盗リーダーの男は手下たちに村を蹂躙するよう命じましたが、村人たちは必死に抵抗して村を守ります。
手こずる手下たちに業を煮やしたリーダーの男は子どもたちが避難している小屋を目ざとく見つけ出しました。
リーダーの男は抵抗するならば小屋を燃やすと大声で脅します。
リーダーの機転にニヤつく野盗たち。
村人たち、子どもたち最大のピンチです。
その時、アリスは自分の弱さ、男なのに可愛がられることへの鬱陶しさ、劣等感からくる感情を抑えきれず一緒に隠れている美少女—親友の制止を振りきって小屋の外へ、リーダーの男の前に飛び出したのです。
「俺も、たたかう!!守る!!」
アリスは無我夢中でリーダーの男に殴りかかりました。かっこいいね。
屈強なリーダーの男は所詮ガキの拳だ、とっ捕まえて人質にしてやろう、とその稚拙な攻撃を防御もせず受けることにしました。
「お゛っ!」
アリスの拳はリーダーの股間にクリティカルヒット。
リーダーの男は反射的に膝を折りました。
「こっ、このガキゃ…!殺してやる!」
リーダーの男は額に油汗をかきながらも怒り狂った目をアリスに向けました。
一方アリスは殴った拳が痛いと思ったのか、おもむろに足元にあった大きめの石を両手で持ち上げていました。
アリスは自分に向けられている殺意を感じていました。
(やらなければやられる!やってやる!)
本能的あるいは能動的にアリスは持ち上げた大きめの石を未だ膝をついたままのリーダーの頭に振りおろしたのです。
何度も何度も。
こうして齢8歳のアリスは初めて野盗の一人を討伐しました。
リーダーがやられて戸惑いの生まれた野盗たちは村人たちによって次々と打倒され捕縛されました。
残念ながら野盗襲撃の犠牲となった村人もいましたが、今まで可愛がっていた可憐なアリスが起点となり村人の懸命な防衛によって村は守られました。
村人たちはアリスを村の一戦力として一目置くようになり、アリスもまた強くならねばとケツイし自警団の訓練に参加するようになったのです。
そうしてまた時が経ちアリスは17歳になりました。
幼い頃から村の自警団に交じって鍛錬していたアリスはメキメキと力を付け、見た目も可憐とはかけ離れた屈強かついかつい大男へと変貌を遂げました。
顔つきもこころなしか常に険を纏い、今にも覇を唱えでもしそうな面構えになっていました。かっこいいね。
今のアリスと組手をして良い勝負ができるのが自警団リーダーのニコラスと親友のライトニアくらいです。
親友のライトニアはサラサラ金髪の長身で爽やかな正統派超絶イケメンを彷彿とさせるニコラスの娘です。
村に立ち寄った旅人エルフも同族かと思ったほどに整った顔面と見た目では想像のつかない高さの身体能力で村の娘たちからモテモテです。
父のニコラスはアリスと同類のいかつい大男だというのに。
「アッくん大変だ!隣村のヤツらがシュー君をパクって囲んでるって!隣村のリューカがアッくん連れてこいって!」
「……」
「…おう…」
ライトニアと一緒に自己鍛錬の途中、近隣の村の若い衆たちとの衝突に駆り出されるアッくん—。
アリス—アッくんはそのいかつい見た目と戦闘力から村の青年たちから頼りにされています。かっこいいね。
「私も共に行こう」
「…ああ…」
どうやら今回はライトニアも着いてきてくれるそうです。
アッくん(17歳♂)
本名アリス。
銀髪の強面。身長193センチ 体重103キロ。
幼い頃は可憐な少年だった。
得意料理は厚揚げと鶏ももの味噌炒め煮。
ライトニア(17歳♀)
村の自警団リーダーニコラスの娘。アッくんと仲良し。
サラサラ金髪の超絶美人。身長172センチ。
身体能力がくそ高い。
ニコラス(42歳♂)
村の自警団リーダー。
金髪オールバックのいかつい強面。
戦闘力がくそ高い。
マーティン(40歳♂)
アッくんのパパ。
バーコードハゲダンディ。
村の役所勤め。
ビアンカ(37歳♀)
アッくんのママ。
銀髪ショートヘアおかん。
料理上手。
リューカ(17歳♀)
隣村の若い衆をまとめているメスガキ。
おっぱいも態度もデカい不倶戴天の敵。
アッくんを呼び出して何する気だよ。