縫合者、紫雲院利玖のデュエル・スピリット 作:クォーターシェル
第3話 デュエル・アカデミア中等部入学
小学生最後の年、デュエルモンスター全国大会・小学生の部があった。それに俺、紫雲院利玖と万丈目準は挑んだ訳だが……。全国大会で何があったかはあえて語らないでおこう。結果を言うと俺達は……、日本本土のデュエル・アカデミア中等部に進学できた!!
やった!アカデミアの中等部ってアニメじゃほぼ描写は無かったからどんな感じなのか分からないが、原作通りなら中等部を卒業すれば高等部にそのまま進学できる。だからアカデミア中等部での目標は1つ。学園生活をエンジョイしつつ安全に過ごし平穏な日常を送ることだ。
「利玖!こっちだ」
万丈目の家の前で待っていた彼が手を振る。この豪邸は彼にとって「実家」なのだ。
「お邪魔します」
玄関をくぐると広大なホールが広がり、メイドたちが頭を下げる。
「どうぞ奥へ」
廊下を進むと大きな扉があり、中に入るとそこには万丈目の両親と兄二人が待っていた。一瞬緊張が走る。
「ようこそ紫雲院君」
父が温かく迎えてくれる。
「お招きありがとうございます」
席に着くと豪華な料理が並べられていた。万丈目は照れくさそうにしながらも嬉しそうにしている。
「利玖君。君のおかげで準は随分成長したわ」
母が感謝の言葉を述べる。
「いえいえ。僕の方こそ万丈目君にはいつも助けられています」
「ほんとかよ……」
隣の万丈目が小声で呟く。
「しかし君のデッキ構築は天才的だ」
長兄の長作が意外にも褒めてくれた。
「兄さんに認められるなんて……」
万丈目の目が輝いた。
「実は俺も最近君の技を参考にしているんだ」
「え?」
「融合召喚のタイミングと展開方法。君の戦術は非常に合理的だ」
長作は真剣な表情で続けた。
「今まで弟の才能を認めきれていなかったが……君という好敵手を得て初めて目覚めたんだね」
万丈目は恥ずかしそうに頭をかく。
「いや……でも俺はまだ利玖には負けっぱなしだし……」
「これから勝てばいいだけのことさ」
次兄の正司も優しく笑いかける。
「我々は万丈目家の兄弟だからこそ切磋琢磨し合える。お前もアカデミアで多くの友を得るといい」
意外な展開だった。家族間の確執という印象が強かった万丈目家が今は円満になっている。それも俺との出会いがきっかけなら……光栄なことだ。
「さて、乾杯しましょうか」
父がグラスを掲げる。
「準と紫雲院君の新たな門出に!」
「乾杯!」
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宴も終盤、万丈目と二人きりになった庭で俺たちは星空を見上げていた。
「今日はありがとう」
「こちらこそ。家族が喜んでくれて良かったよ」
「万丈目君……」
「なんだ?」
「君の家族、本当に素敵だね」
「そうか?」
「うん。特に君の兄さんたちが認めてくれたことが嬉しい」
「ああ……」
万丈目は少し照れたように言う。
俺は微笑む。
「君は本当に強くなったね」
「……」
万丈目はしばし黙っていたが、やがて静かに言った。
「全部お前のおかげだよ」
「そんな……」
「最初はただの生意気な奴だと思ってた」
彼は星空を見上げながら続ける。
「でもお前と出会って、デュエルの楽しさを思い出した。そして何より……自分の可能性を信じられるようになった」
「万丈目君……」
「ありがとう」
彼は振り返り笑顔を見せる。
「アカデミアでもよろしく頼むぜ、親友」
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翌朝。万丈目家を後にした俺は電車の中で窓の外を眺めながら考えた。万丈目との出会いが想像以上に良い方向に進んでいる。アカデミアでもきっと楽しい日々が待っているに違いない。
ただし忘れてはならない。この先に待ち受けるであろうGX編での波乱万丈な出来事を。俺は安全第一で過ごすつもりだ。しかしその一方で……大切な友人を守りたいとも強く願っている。
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こうして利玖と万丈目は無事進学し、アカデミアでの新たな生活が始まることとなった。アカデミアでは彼らがどのように成長していくのか……。楽しみですね。えっ、私?ただの通りすがりの神ですよ。おきになさらずに。
◇ ◇ ◇
~アカデミア中等部・学生寮にて~
「これが俺たちの部屋か」
重たい家具が置かれた6畳ほどの個室を見渡す。万丈目は隣の部屋から顔を出した。
「お前はA棟205号室。俺は206号室。隣同士だな」
「わざわざ隣を選んだの?」
「偶然だ」
そう言いながらも万丈目はニヤリと笑う。彼らしい演出だ。
荷解きを終えた昼過ぎ、廊下に出ると騒がしい声が聞こえてきた。
「よぉ!新入生か?オレは炎野菅郎だ!一緒に特訓しようぜ!」
赤い髪の少年が大声で叫んでいる。周囲の生徒たちは彼を避けるように歩いていた。
「やけに元気な奴がいるな」
万丈目が俺の横でつぶやく。
「アレはきっと問題児だ」
「確かに……」
「お!お前たちも新入生か?」
突然菅郎が駆け寄ってくる。
「オレは炎野菅郎!特訓パートナーを探してるんだ!」
「特訓?」
「ああ!アカデミアには強くなるための様々な制度がある!デュエルタワーとかアカデミア運動場一周マラソンとか!」
「マラソン?」
「そうさ!デュエルには体力が必要だからな!」
菅郎は自慢げに胸を張る。
「オレはもう始めてるんだ。初日の10キロランニング!」
「へえ……」
「どうだ!お前たちも一緒にやらねぇか?」
菅郎が俺と万丈目に交互に視線を送る。
万丈目は露骨に嫌そうな顔をした。
「遠慮しておく」
「なぜだ!?」
「理由?」
「俺は……」万丈目は少し考えてから答えた。「無駄な体力消費は避ける主義だ」
「なんだって!?」
菅郎はショックを受けた様子で固まる。
「運動嫌いなのか!?」
「そうじゃない。効率的なトレーニング法があるんだ」
万丈目は冷静に説明する。
「無駄に走るより筋力トレーニングの方が効果的だ」
「な……なるほど……」
菅郎は意外にも素直に頷いた。
「じゃあ筋トレもやるか!」
「いや別に……」
「よし!決まりだ!」
菅郎は満面の笑みで万丈目の背中を叩く。
「ところで君は?」
今度は俺に向き直った。
「僕は紫雲院利玖」
「よろしくな!」
菅郎はいきなり俺の肩を掴んだ。
「なぁ聞いてくれよ!実はオレ……今日でデュエル7連敗中なんだ!」
「え?」
「この学校強すぎだろ!?新入生なのにレベル違いすぎる!」
「それで……」
「だから!」
菅郎は懐からデッキケースを取り出した。
「オレとデュエルしてくれ!お願いだ!」
「ここで?」
「ああ!ロビーに模擬デュエルスペースがあるだろ?」
「確かに……」
「な!頼むよ!」
菅郎は必死の形相で訴える。
「……わかった」
俺はため息混じりに了承した。
「やった!」
菅郎は喜びのあまり跳び上がった。
「恩に着るぜ利玖!」
~ロビー・模擬デュエルスペース~
「よし!行くぞ!」
菅郎は腕まくりをしながら宣言する。
「オレの氷炎デッキを見せてやる!」
「負けたらジュース奢れよ」
万丈目が観戦席から冷やかす。
「わかってるよ!」
菅郎は気合いを入れ直す。
「オレの先攻だ!」
「どうぞ」
俺もカードを引く。
――ターン1――炎野菅郎
菅郎「俺のターン!ドロー!」
菅郎 手札5→6
菅郎「俺はファイヤー・ハンドを守備表示で召喚!」
ファイヤー・ハンド 守備力1000
菅郎のフィールドに炎で燃え盛る腕のモンスターが現れる。
利玖(そういえば、この世界表側守備表示で通常召喚できるんだよな。ていうか地味に厄介なモンスター出してきたな)
菅郎「俺はカードを3枚伏せてターンエンドだ!」
菅郎 LP4000 手札2
・モンスター
ファイヤー・ハンド 守備力1000
・魔法・罠
伏せカード×3
――ターン2――紫雲院利玖
利玖「俺のターン、ドロー」
利玖 手札5→6
菅郎「俺はこの瞬間!罠カード、氷炎相搏つ!?を発動!デッキから炎属性モンスターを水属性モンスターを1体づつ墓地に送り、その後デッキ・墓地から氷炎の双竜1体を手札に加えるぜ!」
利玖「氷炎の双竜!?」
氷炎相搏つ!?(オリカ)
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1度しか使用できない。
① デッキから炎属性モンスターと水属性モンスターを1体づつ墓地に送る。その後、デッキ・墓地の「氷炎の双竜」1体を手札に加えることができる。
菅郎「俺はデッキから、焔聖騎士-ローランと瓶亀を墓地に送ってデッキから氷炎の双竜をサーチするぜ!」
菅郎 手札2→3
利玖「メインフェイズ。俺は手札を1枚捨てて速攻魔法、ツインツイスターを発動!君の伏せカード2枚を破壊させてもらうよ!」
2つの旋風が吹き荒れ伏せカードを破壊した。
菅郎「聖なるバリア -ミラーフォース-と深黒の落とし穴があ!?」
利玖「更に今捨てたトイポットの効果でデッキからファーニマル・オウルを手札に加えさせてもらうよ」
利玖 手札4→5
利玖「でもって今手札に加えたファーニマル・オウルを召喚」
ファーニマル・オウル 攻撃力1000
利玖のフィールドにフクロウのファーニマルが現れる。
利玖「ファーニマル・オウルの効果発動!デッキから融合を1枚手札に加える」
利玖 手札4→5
利玖「そして魔法カード、融合を発動!手札のエッジインプ・チェーンとフィールドのファーニマル・オウルを素材に融合召喚!現れろデストーイ・チェーン・シープ!」
デストーイ・チェーン・シープ 攻撃力2000
利玖のフィールドに鎖で縛られた羊のデストーイが出現した。
利玖「融合素材になったエッジインプ・チェーンの効果発動!デッキから魔玩具補綴を手札に加える!そして魔玩具補綴を発動!デッキから融合1枚とエッジインプ・シザーを手札に加える」
利玖 手札3→5
利玖「俺は手札から2枚目の融合を発動!手札のエッジインプ・シザーとファーニマル・ドルフィンを素材に融合召喚!現れろデストーイ・シザー・ウルフ!」
デストーイ・シザー・ウルフ 攻撃力2000
利玖のフィールドにハサミが飛び出した狼のデストーイが現れる。
菅郎「融合召喚2回目!?」
利玖「バトル!デストーイ・チェーン・シープでファイヤー・ハンドを攻撃!」
チェーン・シープがファイヤー・ハンドに体当たりを仕掛ける。
デストーイ・チェーン・シープ攻2000VSファイヤー・ハンド守1000
ファイヤー・ハンドはたまらず破壊されるが……
菅郎「ファイヤー・ハンドの効果!相手に破壊された場合に相手フィールドのモンスター1体を……、あれ?発動しない!?」
利玖「デストーイ・チェーン・シープには戦闘を行う場合、相手の効果の発動を封じる効果を持っているよってファイヤー・ハンドの効果は不発だ」
菅郎「なんだって!?」
ファイヤー・ハンドは効果を発動しようとしたがチェーン・シープが放った波動によりそれはかき消された。
利玖「デストーイ・シザー・ウルフは融合素材の数まで1ターンに攻撃できる。デストーイ・シザー・ウルフでダブルダイレクトアタック!」
シザー・ウルフが菅郎に二連撃を叩き込む。
菅郎「うああ!?」
菅郎 LP4000→0
◇ ◇ ◇
俺がデュエル・アカデミア中等部に来てからの初デュエルは俺の勝利に終わった。
「うう……!俺のエースの氷炎の双竜を出す前に終わった……」
菅郎は手を床につき、悔しがっている。万丈目は見事な勝利だったなと言うと俺はそうだねと言って軽く微笑んだ。
「こいつは次は俺だな」
万丈目は菅郎にそう言って俺もそのつもりだと言った。すると菅郎はガバッと立ち上がって言う。
「お前達すげぇ!なんでそんなに強いんだ?」
「まあ、デュエルは昔からやってきたし」
俺は言うと菅郎は興味津々だ。菅郎は元々違う国で暮らしていて小学4年生の頃から日本に引っ越してきた。その時はデュエルモンスターズが流行っていてデュエルモンスターズを始めてみようと思って始めたがなかなかうまくいかない。そこで強い人から教えてもらおうと考えていたとのことだ。
「まぁとりあえずこれからよろしくな!俺は炎野菅郎!炎野か菅郎って呼んでくれよな!」
菅郎は満面の笑みで手を差し伸べてくる。
「うんよろしく」
俺は菅郎の手を握り返した。
「それじゃあ俺達は部屋に戻るぞ」
万丈目がそう言って立ち去ろうとした瞬間。
「ちょっと待ってくれ!」
菅郎が呼び止めた。
「何だ?」
「明日またデュエルしてくれよ!」
「いいぜ」
万丈目は軽く返事をしてから歩き出した。俺もその後に続くことにした。こうして俺達3人は明日の約束をして別れたのだった。
「利玖」
帰り道。万丈目が声をかけてきた。
「何?」
「あの菅郎っていう奴……相当の負けず嫌いみたいだな」
「そうだね」
「どうせまたすぐ勝負を挑んで来るぞ」
「わかってるよ」
俺は苦笑いを浮かべた。まぁ悪い奴では無いだろうから多少付き合ってあげても良いかなと思っている。そんな事を考えながら俺達は寮に向かって歩いて行った。翌日、菅郎は早速俺達にデュエルを申し込んできたのだった。
駄文閲覧ありがとうございました。ご感想等お待ちしております。