【カオ転三次】トラウマに苦しみながら向き合う終末への日々   作:夢空

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色々読んでいたらふと書いてみたくなった勢いだけの小説です


本編
アクムハツヅク/怯える日々


その日もまた最悪な悪夢のせいで苦しみながら目覚めた。

「……ゔぇ」

あの日「私」がこの世界の事を知ることになったきっかけの出来事…

とてもいいものとは言えないその出来事は、今も「私」にとって苦しみの記憶だ。

忘れることができればどれだけ楽になれるだろうか?

そう思いながらも決して忘れてはならいないと思う自分がいる。

「……けほ」

ああ…何度も繰り返しているけれど…つらいなぁ……

「マスター」

「…だい…じょぶ」

そう…ダイジョウブだ…ここにいればもうあんな目に合わなくていいのだから。

「…わた…しは」

「無理をしないでください、苦しいなら無理をするなと言われているでしょう」

「……ん」

…また心配をかけ……いや、ここにきてからずっとそうか。

忘れることができないあの日からずっと……

 

 

 

 

 

わたしが「私」を認識したあの日…それは長く続く悪夢の始まりだった。

かつてわたしは「俺」であり気が付けば「私」だった。

…TS転生といったところか。

かつては「男」で今は「女」である。

…だからだろうか「ヤツラ」にとってそういった使い道があるとされたのは。

思い出すだけでも呼吸ができなくなりかけ、耳の奥に「ダレカ」の声が響いてくる。

朝も…昼も…夜も…ほぼ毎日か。

忘れることができない…心が壊された出来事…

…「メシア」

それがわたしの悪夢の始まり。

 

 

 

 

わたしが「私」を自覚した時にはすでに手遅れだった。

かすかに覚えているのは「天使」に素質があると言われて喜んでいる両親の「目」だ。

…正気のようで狂っている「目」を今でも覚えている。

…わたしの両親は「メシア教」の信者だったらしい。

…よりによって「過激派」のだ。

当然選ばれたことはわたしにとっていい事ではなかった。

体をいじられ作り替えられ術や薬で「調整」される日々。

無力なわたしは何度も何度も「汚された」事が耐えられなかった。

…だからこそ今も苦しみ怯えている。

悪夢のような日々が終わりを迎えたのはいったいどれだけの時間が過ぎたのだろうか…

…別に知りたくもない事だが。

数々の「調整」や「祝福」を受ける日々が終わった後わたしはこの世界について知った。

助け出してくれた「彼等」がこの世界について教えてくれた。

…女神転生の世界。

そんなゲームがあることは知っていた…どうも「俺」は好みに合わなかったのかやった事は無いが。

まあ、そんな世界に生まれたがゆえにこんな目にあっているのだから救いなど無いと思ったなぁ…

……つらいなぁこの世界。

あの場所から保護され治療を受けた後、何時かくる「終末」に向けた対策などをしていると聞いたわたしだがどうも「あの日々」の事がトラウマとなり活動に関して協力できそうになかった。

…思いの外トラウマが重く「人とかかわる事」ができないほどだった。

集団での生活は同じ建物に他の人いると感じるだけでダメだった。

拠点となる場所から少し離れた場所にわたしと介護用に作られた式神の二人だけでいられる場所が作られた。

…わたしが何度も発作を繰り返すからだと式神から聞かされたのだが。

元の家など無く、施設に預けるのも無理だからと用意してくれたらしい。

…改めて振り返ってみても迷惑をかけてばかりだなぁわたしは。

まあ「調整」された影響は完全にどうにかできた訳でも無いため保護する目的もあるらしいが。

色々な人物が出入りする所から離れたこの場所はあまり人が来ないようにされているらしい。

…それでもまれに誰かが来るのは今でも悩まされるが。

 

 

 

 

 

 

「………んぇ?」

「お目覚めですかマスター」

「……ん」

あぁ…色々と振り返っていたのは眠らされていたからか…

どうやらまた発作がでたらしい。

「………ごめ…ん」

「いえ、このような時のために私がおりますので」

「……あり…が」

…やはりトラウマのせいか誰かとの会話自体がつらく感じる。

他の人たちは直接なり掲示板なりで交流があるらしいがわたしは無理だった。

直接かかわる訳では無い掲示板ですらわたしにとってはつらいのは相当だと今でも思う。

「……わた…し」

「大丈夫ですよマスター」

「……ん」

「マスターの事はあの方々も理解してくださっているみたいですから」

「……それ…でも」

「大丈夫…大丈夫ですよ」

あぁ…このやり取りも何度目だろうか。

今でも私は悩み続けている…こんな何の利益も出せない役立たずなどいなくなった方がいいのではないかと。

今も誰かに怯えているわたしは何の役に立つのだろうか…式神を派遣するだけでも役に立っている者たちもいるらしいがわたしはそれすらできていない。

戦うことができずとも他の事で皆の事を支えている人もいるのに…わたしはそれもできない。

…戦う事も支える事もできないわたしは何のためにここにいるのだろう。

人とかかわる事の無い日々はどんな意味があるのだろう。

…過去や今、未来にすら怯えているだけのわたしはいったい何ができるだろうか。

「…んゔぇ」

「マスター」

「……どう…して」

「…はい」

「…わた…しは」

「…どうやらお疲れのようですので、今はまだお休みください」

「…ん」

ああ、どうしてわたしはまだ……

 

 

 

 

 

 

 

イキテイルノダロウ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスター」

「…んにゅ」

「まだ…苦しんでおられるのですね」

「…何もできない自分に」

「…何も残せない自分に」

「…いつまでも見えない安らぎの時に」

「……」

「今はまだ薬などにたよらなければならないほど…ですか」

「…どうすれば…よいのでしょうね」

「…マスター」

「…どうかご自身の事を拒絶しないでください」

「いつかくる終末に怯え備える事も出来ないのならば私ができることをしますから」

「…マスターどうかよい夢を」

 

 

 

 

 

 

今はまだ、何もできない自分がここにいる意味とは何かわからない。

何のために大勢の人が集まっているのか。

何のために各地で活動しているのか。

そればかり考える。

自分にできることは何かあるだろうかと悩み続けてもどうにもできないほどわたしは色んな事に怯えている。

様々な思いでいつかくる「終末」に備えている人々。

そんな中なにも出来ないでいるわたしはなぜここにいるのだろう。

微睡のさなかいつもその答えを求めてしまう。

…今のわたしには見つけることのできない答えを。

…いつか、その答えを見つけることはできるのだろうか。

それとも……

いや、悩んでいてもどうにもできないか。

…わたしはどこへ向かえばよいのだろう………

いまだ答えは見えず……何度も何度も繰り返し続けている想いはどこまでも……

 

 

 

いつか…わたしは立ち上がり前へ進めるのだろうか………

 

 

 

 




主人公イメージ

性別 女(前世 男)
年齢 9歳
身長 だいたい150~160cm(細かく決めてない)
特徴 髪は白 瞳は右が山吹色で左が紅紫
   首と手首に包帯を巻いている(首にひっかき跡手首に刃物でつけた傷跡がある)
   過去の出来事から「他人」と接することができないほどのトラウマを持つ
   現在救助されてから1月ほどたつ(内前半は医務室にいたためとても不安定な状態だった)
   カウンセリングを受けることが難しいのが現状である


式神イメージ

性別 無し
形状 機械(ただし人型では無い)
特徴 主人公が「人」とすごすことに負担がかかるため「人」では無いタイプが用意された
   トラウマによる発作の為に数種類の薬が保管されている
   戦闘向きではなく主人公の介護のため作られた
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