【カオ転三次】トラウマに苦しみながら向き合う終末への日々 作:夢空
あの後騒ぎに気付いた幼女ネキの身内らしい人が止めてくれたおかげで事態は片付いた。
「まったく!客人に迷惑をかけるとか何やってるのよ!」
「うう…ごめんなさい」
「…何故私まで」
頭にたんこぶを着け正座しながら怒られている幼女ネキとイズナの二人。
「…マスター」
「……つかれた」
色々と突っ込みどころのある事態に頭が痛むのを感じる。
「大丈夫ですか」
「娘が迷惑をかけたわね」
「…いえ、わたしが気落ちしてるのを心配してくれた結果みたいなので」
…内容はあれだったが。
「さてと、ちょっとした騒ぎはあったがよく来たなセツナよ歓迎するぞ」
「ああうん…お世話になります」
あれをちょっとした騒ぎで片づけるのか幼女ネキ……
あれから互いに自己紹介などを済ませた後少し話をしていると夕食時になったのでみんなで食事をした。
……わたしの食事量に関しては心配されたが。
一般的な量よりも少ないことについては過去の事に触れる必要があったためどこまで話すべきかと迷ったものの幼女ネキが色々と訳アリのやつと言っていたらしく気遣われただけですんだ。
…イズナと文さんにはどこまで話してもいいか迷ったためにありがたかった。
他の方達についてはそういったことも知らない訳では無いだろうし。
お風呂をいただいた後部屋に戻り寝る準備をする。
初日から色々と疲れる事態になったものの、どこかもの悲しさを感じているような…
「……ん」
「どうさかれましたかマスター?」
「いや……ちょっとね」
……向こうにいたころは感じなかったものについて少し戸惑っている。
「……まだ来たばかりだけどちょっと戸惑うことがあってね」
「戸惑う事…ですか」
「……うん」
………なんとなく感じるのは何と言うか……なんだろうな?
「……身内…か」
見ていてもよい関係だと思う人達だった……なんと言うか遠慮のない関係の中にどこか温かさもあるような……
「………」
「マスター?」
…思えばわたしは知らないことが多すぎるなぁ………
「…えっと」
「…ん?イズナ?」
いつの間にか部屋に来ていたらしい……幼女ネキの事情からこの部屋は防音性があるから扉をノックされてもわからないし。
「はい…昼間はごめんなさい」
「あー…大丈夫だよ…ちょっとびっくりしたけど」
ホントにびっくりはしたけどこちらの事を気遣ってくれたところはなんとなくわかった。
「それで…どこかぐあいがよくないんですか」
「えっと……ちょっと…ね」
………うーん……どうするか……
「悩み事…といった感じなのかな?…わたしにもちょっと理解しきれてない感じでね」
「悩み事ですか?」
「…うん…こう…なんと言えばいいのかな?」
「ここの人達の事を見てると仲がいいのがよくわかるなって感じる時があってね」
「それはもう!大好きな家族ですから!」
「………家族…か」
………そっか……そういう事なのかな?
「……寂しい……のか…わたしは」
「…セツナさん?」
「…わたしに家族はいないから」
あの人たちにとってわたしは『器』として選ばれた子でしかなかった。
「…えっと」
「……ごめんね…気にしないで」
いきなりこんなことを聞かされても…ね。
「……えい!」ガバ!
「え?…うわ!」
ポスンッ
いきなり抱きしめられベットに倒れこむ。
「…イズナ?」
「こうすれば寂しくないかと!」
「…えぇ」
何でそうなるのやら……
「私も母上達にこうされると胸の奥がポカポカしてきますから…ですのでこうすればセツナさんもきっと」
「……イズナを見てると寂しさを感じてるとこなんてなかったように見えたけど」
「…セツナさんの悲しそうな表情を見てたらえっと…どう言えばいいんでしょうか」
「……そっか」
……そういえばこの子は生まれたばかりで見た目以上に幼いんだったか。
「……ありがとね…イズナ」
「…えへへ」
……まだ多くの事は知らないけれど、それでもイズナの言う家族とはいいものなのだろう。
「…ふわぁ」
「…眠いのか?」
「…はい…セツナさんは温かいですねぇ」
「……そっか」
「……くぅ」スヤァ
「……ふふ」
…気遣わせてしまったなぁ。
「…ありがとな…イズナ」
………わたしも眠くなってきたな。
「……おやすみ」
………温かいなぁ…
「……マスター」
「…どうかよい夢を」
未だ知ることは少なくとも、これから歩む旅路にて知ることができるのならば……
ちなみにセツナの普段着のイメージはデビルサバイバー2の主人公久世響希の服装です(作者