【カオ転三次】トラウマに苦しみながら向き合う終末への日々 作:夢空
幼女ネキの所で過ごしてそれなりの時が経過した。
数日前くらいに新しいメンツも増えたが…まあうまくやっていけてはいる感じだ。
…正直なところ他の地方へ行くことについて考えさせられることもいくつかある。
…思った以上に移動の負担などが感じられた事が理由だ。
……いやマジでどうしよう…基本電車とかバスとかの移動でしか向かうことができないことを考えると…車もなぁ…どうするか…
…まあその時になったら改めて考えよう。
……それよりも、どうやら近いうちに幼女ネキ達は中国へと向かうらしい。
…さすがに戦闘があるかもしれないところについていくのは難しいのだが……どうするか…一度山梨に戻るか?
「……わたしは……どうしたいのだろう」
…一人で考えてみても答えは見つからない。
元々色々なことを学ぶために旅をする事となったものの、ここで出会った人たちはわたしにとって大切な思い出に……
…大切……わたしにとって……あぁ…そうか…
「…いつの間にかここで過ごすのが心地よくなってきていたんだな」
……ひさしぶりにわたしの心に向き合うべき時なのだろう。
「………ふぅ」
……目を閉じる……意識を沈める………深く……深く……
「………ん」
目を開ければそこには五つの扉と『聖杯』が視界に映る。
「………」
三つの鎖で封じられた扉の内一つが心を騒がせるような感覚がする。
「……よし」
…扉に近づく。
「……」
…鎖に触れる。
気が付けばわたしは周りの見えない暗闇の中にいた。
「……」
感じるものは…『不安』…だろうか。
「……あぁ…なるほど」
…そうか…ここは…
「……わたしは……人とのつながりを作ることに不安を感じていたのか」
…いつも一人でいたあの頃…そして最悪な形でわたしは初めて人とかかわる事になったあの日。
あのことについてわたしは…『絶望』したのだろう。
わたしがわたしでない別の物へと作り替えられていく感覚は言葉にするのが難しい……でも決していいものではなかった。
……いや……わかっている…きっといつかは目を向けなければならないことだ……それでも…
「………つらい……なぁ」
……わたしは…人とのつながりを恐れていた……その理由も今なら……
「……それでも…きっと」
…………
……どれだけ悩んだだろう。
……どれだけ迷っただろう。
……どれだけ…
……だけども…きっと進むしかないのだろう。
…いつか来る別れが……納得……できずとも。
「……せめて…最後は胸を張って」
……それがきっと……わたしの……
「………」
前を向く……小さな炎が見える。
「……」
そっと手を伸ばす。
……これはきっと…わたしが目を背けていたからこそ封じられていたのだろうか。
……あぁ…確かにこれは…
「……こわい………けれど」
…向き合わなければならない事なのだろう。
「……いつか……きっと」
……目を閉じる……炎が燃え滾る音が聞こえる………
…………
「……」
気が付けば夜も深い時間帯になっていたようだ。
「……ん」
……あぁ…どうしてだろう…心が……痛いなぁ…
「……むにゃ」
「……イズナ」
……思い返せばなんだかんだ一緒に寝ていることも多かったなぁ。
………あぁ……わたしは……
「……わたし…は」
「…セツナさん?」
「……おこしちゃった?」
「……」
「?…イズナ?」
…どうしたのだろう?
「…セツナさん」
「…なに?」
「…泣いて…いるのですか?」
「………え?」
……あ…
目元に触れると指先に雫が…
「……あぁ」
「大丈夫…ですか?」
「……大丈夫…うん…大丈夫だよ」
「…そう…ですか」
……まだ……大丈夫だ。
「…心配させてごめんね」
「…いえ」
……まだ眠そうだ……それでも私が涙を流していることを心配してくれている。
「……くぅ」
「……ありがとう…イズナ」
……いつか……この思いに答えを見つけるべき時が来るのだろう……
「…おやすみ」
……あぁ……わたしは……あとどれだけ………
…………
扉の先に何があるのか…今でもまだわからない。
それでもきっと…そこにあるのは『向き合うべきこと』なのだろう。
…それが戦うべき何かなのかまでは分からないが……
今回は戦うことはなかったけど……この先もそうだとは限らない。
それでも……わたしは………
…目を閉じる。
…不安は消えてくれない。
…それでも……
そばに感じるぬくもりは……
…わたしは……
あとどれだけ……
…………
眠るのが怖いなんて……今まで感じたことあっただろうか……
…どうか……またいつもの様に………
まだ悪夢は消えず心に芽生えたものはいつか…