【カオ転三次】トラウマに苦しみながら向き合う終末への日々 作:夢空
「…そうか…ならいくぞ」
「…え?」
「どうにもできぬのだろう…ならばせめて後悔の無いようにするべきだろう」
「……後悔」
……後悔…何が…わたしにとって…
「…セツナさん」
「…イズナ」
「私には分からないこともありますけど…それでも
「……そう…だね」
「だから…これからたくさんの思い出を残しましょう!」
「…えっと」
「まあ多少強引だが…今のお前の様子だと無理やりにでも連れ出した方がよさそうだな!」
「なるほど…わかりました
「何が!?」
ちょっと強引すぎないその考え!?
「む…納得いかんか?」
「…いつか来る別れに納得ができなければ意味がない」
「……そうか」
「……セツナさん」
………わからない…わからないよ…
「…私の過去は覚えているか?」
「………」
「…私にとってこの記憶もこの傷も私が私でいるために必要なものだ」
「…そう…か」
……幼女ネキの過去…そこまでの思いを…
「別れはいつだってつらいものだ…だが忘れる事の方がつらいこともある」
「…忘れた方がよくても?」
「…そうだな私にとって譲れないものといった所か」
「……そっか」
「…だからこそお前がいたことを残すべきだろう」
「………それが幼女ネキの考えって訳か」
………ああ…そっか…わたしは…
「…何も残せないまま終わりたくないのが…わたしの始まり…か」
……まだ納得しきれてないけど。
「……わたしは…わたし…は」
「…うむ」
「ちゃんと…生きてた?」
「…その答えはお前の中にあるモノだろう」
「………そっか」
………厳しいなぁ…
「…………わかった」
「セツナ」
「セツナさん」
「……まだ分からないけど…この場で悩んでいても…変わらないよね」
「ああ…いくぞ…後悔の無いようにするために」
「行きましょう!セツナさん!」
「……うん…行こう…その先に答えがあることを信じて」
その後はまあ色んな事があった。
幼女ネキの無茶ぶりに巻き込まれ大変な思いをしたこと。
イズナと新しく増えた人達と一緒に遊んだこと。
昼寝をしてたらいつの間にか幼い子達でまとまってて先生ネキらしき何かが転がってたこともあった。
色々苦労してる人達とちょっとした愚痴を言い合うこともあった。
……他にもたくさんあったけど…まあ悪くはなかった。
…気が付いた時には封じられた扉の内『別れ』のものが解放されていた。
……いつからか…そのことに向き合うことができていたらしい。
……本当に…かなわないなぁ…わたしの恩人は。
気が付けばいつだって前へ進むために意識したのはあの時の事だった。
………そして…避けられない別れの時が近づいてきた。
………幼女ネキ達がアメリカへ向って行った頃わたしとラムダは山梨に戻っていた。
……最後の時を迎えるために。
何かあればすぐに神主が対応できるようにといった理由もある。
……どうなるのか…わたしにも分からない。
「……わたしは」
「…マスター」
「……生きていたんだよね」
「……」
「……このアルバムにあるたくさんの思い出の写真はわたしの生きた証」
「……でも」
「……やっぱり寂しいし…怖いね」
「……けれど」
「……覚えていてくれるって…言ってたね」
「………あぁ」
……涙が止まらない。
……けれど…
「………うん…大丈夫…大丈夫」
…………始めよう…わたしの命の旅路の終わりを。
意識を沈めた先…最後の扉が目の前にある。
……行こう。
扉の先は真っ白で何もない……いや。
『……本当によかったのか?』
「……うん」
……そこにいたのはもう一人のわたし。
……おそらく前世の記憶の欠片なのだろう
『……後悔はないのか?』
「……後悔は…そりゃあるよ」
『………』
「…でも…人はどうあったって進まなくちゃならない時が来る」
『………』
「…どんなにつらくても世界は待ってはくれない」
『……だからこそ進むべきだと?』
「誰もができる事では無いんだろうけどね」
『……だろうな』
「……でも」
『……あん?』
「わたしの友達は……あの人達はきっと前へ進むだろうから」
『………そうか』
「うん……だから……きっと大丈夫」
『………そう信じてるんだな』
「………うん」
『………そうか』
…………そう…信じてる…きっといつか胸を張って満足できたんだと言えるよね。
「………始めよう」
『………ああ…終わらせよう』
「『……これが『わたし/俺』の命の答えであることを信じて』」
………………炎が全てを包み込む…
………青い炎がわたしに混ざった意思のすべてを浄化する。
……………わたしは……
ガイア連合にあるとある小屋の一室。
そこにある一つのテーブルの上。
そこには一つのアルバムと白く小さな水晶があった。
水晶の中で小さな青い火が揺らめいている。
小さくも確かにそこにあり続けるかのような…そんな思いが込められているような…
「……マスター」
テーブルのそばに一人たたずむ者がいる。
「……行きましょうあの方達の所へ」
…彼女はテーブルの上にあるアルバムと水晶を入れ物にしまう。
傷がつかないように…大切に。
その後彼女はその品を持ち小屋を出てどこかへと向かう……
彼女……ラムダの向かう先はきっと………
……わたしの物語は終わりを迎えた。
……短い人生だったけど。
……最後はきっと笑えていただろうか。
………ありがとう。
…わたしに生きる意味を教えてくれた人達。
……きっとこれからもたくさんの出来事が待っているのだろう。
それでもきっと…自分達が後悔しないために進むのだろう。
……誰もが納得をして生きるのは難しい。
それでもきっと……いつか来る終わりの時まで………
「………ん?」
……えっと…あれ?
「おい今何入れた!」
「あれってたしか幼女ネキ達が大切にしてたやつじゃ?」
「うわーやっちゃった感じかこれ?」
「私としてはこれがベストだと判断しました」
「どこがだ!」
………ん?………え?
「…………何この状況?」
「……ん?」
「……あれ?」
「……おっと?」
「…どうやら成功したようですね」
………え?なにこれ?………わたしは確か…
「……セツナ…か」
「…えっと…幼女ネキ?」
……え?……どうなって?
「マスターの蘇生に成功しました」
「…ラムダ?…蘇生ってわたしは」
「マスターの魂はかすかに残り消滅はしていませんでした」
「……えっと?」
「かつて幼女ネキ様達がとんでもない物をお作りしたと聞きそのことについて調べてみたところもしかしたらと思い至りまして」
「……え?……何かあったの?…それ大丈夫なやつ?ねえ?」
「「「あー……」」」
「…ちょっとそこのお三方?」
「そして今回なんやかんやよさげな素材を使っていらしたのでこれはいけると思いマスターの魂が残された品をと」
「ねえこれ大丈夫なやつ?大丈夫なんだよね!?」
「…わからん」
「…さぁ?」
「…どうするよこれ」
「…ちょっとラムダさん?」
「…後悔はありません!」
「ちょっと!?」
……えぇ……ほんとどうなって………でも…
「……そっか」
「…セツナ?」
「「……?」」
「……また…一緒にいられるんだ」
……涙が…
「……そっか……そっかぁ」
「……マスター」
「……幼女ネキ」
「……どうした」
「……ラムダ」
「……はい」
「……えっと……コンゴトモヨロシク…でいいのかな?」
「…ふ」
「…はいマスター」
予想もしていなかった事だけど。
…こういったのも悪くない…のかな?
【これからも旅路は続く……END】
「…ところでさ」
「…はい」
「…わたし小さくなってない?」
「…なってるな」
「…たしかに手乗りサイズな感じですね」
「…頭にのせるとちょうどよさげだよな」
「…えぇ…なんか飛べはするけど他にできそうなことってなさそうなんだが」
「…そうか」
「…このアイテムによればマスターはLv10みたいですね」
「…スキルは?」
「…無い…ですね」
「…そっか…この体になってスキルの無効化は無くなったみたいだけど…え?」
「一応精霊?みたいなもののようですが」
「まってそこのところわたし詳しい方じゃないのこれ以上困惑させないで」
「…まあいいか!」
「「いいのかなぁ」」
そして新たな旅路が始まる……
最後のところはようじょ達による造って遊ぼをしている時にラムダが乱入したイメージです(w
ここまでご愛読ありがとうございます!
本作はこれにて完結……え?続き?
……すんませんこれ以上はちょっと厳しいかもです。
この作品気が付いたらいつの間にか書いていて途中途中悩むことも多かったです。
それでも何とかここまで形にすることができたので作者的には満足できました。
…これからのセツナの旅路はどうなるのか…それは皆さんのご想像にお任せしたいと思います。
…こういった作品って大体そんなものでしょう?
作者もこういった話があったりするのかなといった感じで書いてきました。
……最後はどんな形にしようか迷いましたが…まあこんな形になりました。
感想で様々な方のお言葉に励まされここまで来れました…とても感謝しています。
自分に納得のいく形をと…その結果がこちらになります。
……それではこれにて。