【カオ転三次】トラウマに苦しみながら向き合う終末への日々   作:夢空

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多機能フォーム使い慣れない…自分の書き手としてのレベルが低いだけか


カワラヌオモイ/変わりゆく者

荒い呼吸と何かを引きちぎるかのような音が聞こえる。

…また「これ」か。

「…ひゅぅ…ひゅぅ」

わたしにとって「これ」は恐怖の象徴でありわたしが「汚された」と感じるものだ。

…右肩から体の前へと折り曲げたそれはまさに「天使の羽」だ。

片翼だけのそれはわたしの体がどのように「調整」されたのかがよくわかる。

人ならざる者へと無理やり作り替えられたことは珍しい事でもないんだそうだ。

…本当にいかれた連中だよ「メシア」は。

幼さゆえか「そういったこと」はまだされたことはないがそのための準備として様々な「調整」をされた。

そんな日々を思い出す「これ」はわたしにとってはつらいものだ。

「…うぎゅっ…ひゅぅ」

何度も何度も羽を毟り取るものの、終わりが見えてこない。

「……うぇ」

「大丈夫…でもないか」

「マスター」

ああ…「こうなった」なら連絡できるようにされていたのだったか。

「…ぅ…ぁ」

「すこし無理をさせるけどがんばってね」

そう言って彼…神主さんは手をかざしわたしの「天使化」した部分を抑え込むための術をかけ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故わたしが保護されているのかというと、どうやら私に施された「調整」は下手をすれば大きな災いにもなりえるのだそうだ。

…事実「メシア教」のやっていたことに対処しに来た者たちが言うには秘匿された施設の内部全てを侵食し異界と化していたらしい。

詳しくは聞いていないが相当苦戦させられたのだとか。

…当時の戦力は大体30~40レベルあたりだっただろうか。

それで相当苦戦させられた理由はどうやら異界がパレスと混ざりかけていたらしい。

…実際のところはどうなのかはわからないが。

……いや待ってほしい、べつに誰かに聞いたとかではなく医務室で発作に苦しんでいた時いくつかの単語を聞いただけなので把握しきれていないのだ。

…わたしは誰に向って言っているのだ?

…どうでもいいか。

どうも「天使化」の影響が出たときは普段以上に精神が不安定になるな。

 

 

 

 

 

 

「……んぇ」

「おはようございますマスター」

「…ん」

どうやら「治療」は既に終わった後らしい。

人とかかわる事が負担となるからと「治療」の度に眠らされている。

…やはりわたしは迷惑しかかけていないような気がするな。

「……いま…なん」

「もうじき夕食時ですね」

「…そぅ」

 

 

 

 

 

 

 

悪夢を見る…むしろ悪夢しか見ていないか。

薬で意識がもうろうとしているなか体を刻まれ「素材」を埋め込まれ、別の薬でより良い「母体」になるようにと様々なことをされた。

その度に耳の奥に「ダレカ」の叫び声が響いた。

徐々に作り替えられていくわたしの事を喜びに満ちた「メシア教」の連中が称える声が聞こえた。

わたしが「私」で「俺」が「私」で「俺」がわたしに。

何度も繰り返され狂い始めたころ、自分というのがあいまいになっていくのを感じた。

…今では過去の事をどれだけ覚えているのだろうか。

 

 

 

 

 

「…かん…ぬし」

「あまり思いつめないようにとおっしゃられていましたよ」

「……ん」

神主の「転生者」の保護については聞いているが、わたしは迷惑にしかならないだろうに…

それでもその道を選んでいるのは神主自身か……よく分身が過労死してたりするらしいけど。

ここ「転生者」達が集まる拠点「ガイア連合」には様々な思いを持って活動している人たちがいる。

いつかくる「終末」にて神主が動く必要がある時にかわりに異界の対応ができるようになることを目的としている者がいる。

自分の生まれ故郷のためにあるいは大切な人たちのために。

…自分が楽をしたいと思う者たちもいるらしいが。

それでも様々な形で何かをこなしているのだろう。

…わたしはこの場所で一人「外」に怯えているだけ。

古参の人の大半がわたしについて知っているためこの場所にはあまり近づかないようにしているらしいが。

新しく来た人がごくまれにこの近くに来ることがある。

…こちらの事情など知るかと突撃してくる人も何人かいたっけかな。

その度に神主から説明されているみたいだが。

…お世話になりっぱなしなのに何も返すことができないのは今も変わらずか。

…「他人」とかかわる事ができないなか、神主は「治療」のためかかわる事が多い人だ。

…「治療」中じゃ眠らされていることの方が多いため実際のところはどうなのだろうと思うのだが。

現状「メシア教」がわたしに施した「調整」の結果である「天使化」は神主でなければ対処するのが難しいらしい。

他の人がどれほどの技量を持つのかはわたしにはわからないため判断が難しいのだが…そういうものらしい。

そのため、他の「人」よりかは発作が起こりにくくなってはいると思う…誤差の範囲内かもしれないが。

自分だけでは判別できないことのためあまり気にしすぎてもあれか…

「マスター」

「…ん」

さてと食事の時間だな……まあ私の食事は吸収の効率のためスープしかないのだが。

スープだけでは足りない栄養はサプリで補うしかないのが現状だ。

…悪夢を見た後は胃の中身がなくなろうとも吐き続けているしな。

……米やパン他にも肉や魚など食べたのはいつ頃だっただろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝が来て昼が来て夜が来る。

それでも私はいまだ悪夢を振り切れない。

心に傷をおいながらも立ち上がり前へ進んでいる者たちもいる。

わたしのように立ち上がる事も出来ないものはいると言えばいるらしいが…

わたしは…この先何ができるだろうか。

いつか完全に「天使」に変わるかもしれないわたしは…

………いつまでわたしはわたしでいられるだろうか。

……………

 

 

 





登場キャラ紹介

主人公

名前 憶えていない(そもそも「器」となることを求められていたため名付けられていない)

紹介 かつて「メシア教」に所属する両親の元何らかの「器」になることを望まれた子
   「転生者」故に霊的素質が高いことから「母体」としての「調整」を施されてきた
   「調整」の内容は日々悪夢として見ておりそのことが影響して「他人」とのかかわりができなくなっている
   「ガイア連合」に保護された後自身の抱えるトラウマの事もあり他のメンバーとの接触を回避するためによういされた小屋ですごしている
   「他人」とかかわることが間接的である掲示板ですら使うことができないほどであり自分はここにいてもいいのだろうかと日々悩んでいる
   自身に施された「調整」の影響で半ば「天使化」している
   いつか自分が「完全なる天使」に変わってしまうのかと思うと恐怖とは別にそうなれば自分のような迷惑しかかけていない者も消えてしまえるのではと考えているところがある
   「いつか」に怯え前に進むことができない自分が好きではない








神主

紹介 どくいも様作「カオス転生ごちゃまぜサマナー」よりお借りさせていただきます
   我らが「ガイア連合」の代表者
   掲示板ではショタオジなどと呼ばれているらしい
   主人公の「天使化」を抑え込める人物であり「治療」のためにかかわる事が一番多い人物である
   実のところ主人公の抱える素質が数々の「調整」の影響でで悪質なものとなりかかっておりそれの対処もしている……という独自設定あり
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