【カオ転三次】トラウマに苦しみながら向き合う終末への日々   作:夢空

3 / 47
お借りさせていただくキャラは使用しても問題ないことを確認したうえでお借りさせていただいています



オノレノシンネン/進む意思

ここ「ガイア連合」に保護されてからどれだけ経ったのだろうか。

いまだわたしは変わらぬ日々を過ごしている。

 

「――――――!!」

「…ん」

「おや?何やら騒がしいです―――」

 

ドゴォ!!

 

 

「―――ね……え?」

「………!?」

え……突然壁が吹き飛んで……え?

何がどうなって……!!

「……ひゅぃ」

「…あれは…人でしょうか?」

吹き飛んだ壁の反対側に人が突き刺さってる…!!

「ヒッヒィーーー!!」

「……っ」

壁に空いた穴から誰か来た!

「あのクソガキ…ってここは?」

「逃がさん」

「げぇ!!」

 

 

ドゴォ!!

 

 

「( ゚д゚)」

「……えぇ」

また誰か来た…というか式神の機能にそんなのあったんだ…初めて知ったよ。

というか…人が来た…!

「まったくこやつらは…ん?」

「…ひゅ」

あ…やばい…発作が……

「おいだいじょうぶ―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……んぃ」

あれ…わたしは…

「おお、おきたか」

「…!」

あ…この人はさっきの…

「……うぁ」

「あー…そちらの事はショタおじから聞いている」

「……ぃ」

何でこの人はここにいるんだろう…

「その…すまなかったな」

「…んぇ」

「いやなに、この小屋の壁をぶち壊したことについてな」

……なるほど。

「……だい…じょ」

「そうか」

……あれ?

「…?」

「む?どうした」

「……ん」

発作が……

「だいぶ落ち着いていらっしゃいますねマスター」

「…ん」

「ん?…ああ、そういえばショタおじから聞いていたよりかは大丈夫そうだな」

今までこんなことなかったんだけどな…何故だ?

「まあ、お二人とも歳が近いみたいですしそれが理由では?」

「………ぁ」

「ふむ」

そういえばわたしの周りって歳が近い人がいなかったな……あの頃も……

「……あれ」

「む?」

「……なに…が」

「先ほどの方々とは何かあったのかとお聞きしたいようです」

「ああ、なるほどな」

何があればあんなことになるのだろうか……

「なに、あいつらは私の身内の事であれこれ言ってきたのでぶちのめしてやったまでだ」

「………ぇ」

「色々聞くに堪えん事を言ってきたのでな」

「……そ」

……え…ぶちのめしたって……え?

「私は私の身内を侮辱する奴には容赦せんからな」

「……みう…ち」

そっか……身内………

「私は努力している者に対してはその努力に見合った評価をしてやるべきだと考えている」

「……んぇ?」

「逆にろくに努力もせずあーだこーだと喚いている奴らはぶっ飛ばしたくなる」

「……ん」

努力しない者……

「まあ、正しくは努力できるのに努力をせん者をぶっ飛ばしたくなる」

「……ぬぇ?」

「お前さんみたいに努力することが難しい者にまで押し付けたりはせん」

……なるほど

「……すぱ……るた」

「のようですねマスター」

「そうか?」

「……ん」

けど……他人にだけじゃなく自分にも厳しそうな感じがする人だな…

……悪い感じがしないからいいけど。

「さて、そろそろ戻らなければな」

「…ん」

「では…とぉ」

「……ん?」

どうしたんだろう?

「どうかされましたか?」

「いやなに、名を名乗っておらんかったなと」

「……んぇ?」

名前……

「私は鵺原リン掲示板などでは『幼女ネキ』と名乗っている」

「……ん……と」

名前…か…

「……なま…え」

「うむ」

「……な…い」

「うむ…む?」

「あー…マスターはご自身の名前を持たないんですよ」

「それは」

「……おや」

「む」

「……みて…ない」

「マスターの親はマスターの事を人として見ていなかったようですから」

「そう…か」

名前……わたしは……名は体を表す…だっけ。

なら…名前を持たないわたしはいったい……

「むう…困らせたいわけではなかったのだが…」

「……ごめ」

「いや、私の名を覚えておいてくれればよい」

申し訳ないなぁ……

「お前も努力しようとしているようだから名乗っておこうと思っただけだ」

「……んぇ?」

…努力……わたしが……?

「意外そうな顔だな…実際ショタおじから聞いた話では他人と会話するのもつらいのだろう」

「……ん」

そういえば……この人とはそれなりに話せている方……だな。

「だからこそこうして私とやり取りをしているのはその気があるからであろう?」

「……その…き」

「うむ、前に進もうとする意志があるだろうからな」

……そう……なのだろうか……

「……ん」

「まあ、なんとなくそう感じただけだ」

……そっかぁ…

「ではな」

「……ん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスター」

「……ん」

何故だろう……突然の事過ぎてまだ理解しきれていないところはあるけど…

「…わる……くな」

「…そうですか」

出会いは驚きの形ではあったものの…悪くはなかった……かな。

「……なま…え」

「鵺原リンあるいは『幼女ネキ』様でしたね」

「……んん」

「おや?」

「……わた…しの」

「マスターの名前ですか」

「……ん」

名前……か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故だろうか、この日は毎日見ていた悪夢ではなく彼女の言葉が浮かんできた。

……わたしも前に進もうとしている。

いまだ怯えてうずくまっているわたしは…わたしの知らないところで立ち上がろうとしているのだろうか…

……何故だろう…ほんの少し……頑張ってみようと思うのは……

…人の絆……どこかで聞いたような……前世…かな?

…わたしは………わたし……は………

 

 

 

 

 

 

 

 

「……んにゅ」

 

 

 

 

 






壊れた壁は主人公が意識を失っている間に修復されました



登場キャラ紹介

主人公 年齢 9歳

紹介 突然の出会いに困惑していた
   けれど思いの外会話できていたことに自分でも驚いている
   歳が近いことが理由なのだろうか…はっきりとはわかっていない
   事務的な手続きなどで名乗られたことはあったものの今回みたいに個人の事として名乗られたことはない
   自分の事について少し向き合ってみようとし始めた







鵺原リン『幼女ネキ』年齢 7歳

紹介 タマヤ与太郎様作【カオ転三次】TS^2ようじょの終末対策 よりお借りさせていただきます
   努力している者に対しての考え方が自分の中ではっきりしている印象を抱きましたのでなんとなくでも努力しようとしている者とか応援してくれそうなところがあるのではと感じました
   主人公にとって初めて自分を見ている相手に出会ったと感じた「人」
   彼女の言葉は信念がこもっていると感じその意味を理解しようとするほどの物だった
   ほんの小さな一歩でも前に進もうとする者を決して否定しないだろう
   ………彼女の基準で正しい努力をする者に対しては…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。