【カオ転三次】トラウマに苦しみながら向き合う終末への日々 作:夢空
……こんな事があったからそういった手段を選んだのだろうなと…
それはとある満月の夜のこと。
その日の夜の事をわたしはあまり覚えていないけど…
その日の空は雲が少なく満月がよく見える夜だった。
月を見上げる一人の少女の後ろ姿。
その姿を見た鵺原リンは…何か良くない事がおきているような気がした。
「…セツナ」
「………」
呼びかけてみるがセツナは聞こえていなかったのか、月を見上げている。
「………」
セツナが月に向けて右手を伸ばす。
その様子が
…普段ならそのように思う事も無いのだろうが…この時リンに見えていた
何故なのか…それは…
……
普段なら細長い人の形をした影が伸びているのだろうが…その時に見えていた影は…別の形をしていた。
それは…その背に六つの羽を、頭の上に十の羽を付けたヘイローが回っている影だ。
目に映ったそれらの情報から、この時に何か良くない事が起こっているのではと感じたのだった。
「セツナ!」
リンはセツナの正面へと移動した。
「…!」
セツナの様子を見て何かが起きている事は確実だと確信した。
ぼんやりとしながら月を見上げているセツナ…その目を見たがゆえに確信できた。
……普段見ている瞳の色が、黒く染まった中でうっすらと輝いているように見えた。*1
リンが頬を引っ張ってみたりつねったりしてみても特に反応を見せないセツナ。
「………」
「……むう」
この時リンはセツナの様子から『今この場で少しでも状態をよくしなければならない』と感じた。
…放っておけば何か致命的な事につながりかねないと。
…考えた結果、少しでも効果が出てくれればいいと思いながらとった行動は…
キスによる房中術を応用したMAG操作による処置だった。
…少しして、月に向かって伸ばされていたセツナの右手が下ろされた。
それを確認したリンは口を離し様子を見た。
「……リ……ン……?」
「セツナ」
まだどこかぼんやりとはしているが…左目が元の状態に戻っているのが確認できた。
「…マスター」
「…リン」
「ノワールとセリリか」
先ほど少し大きな声を出していたからか様子を見に来た者達がいた。
「…先ほどのはいったい」
「いつからいた」
「あんたがセツナにキスをしたところからね」
「…そうか」
「…何かあったのね」
「お前達にはセツナの様子はどう見えた」
「…そう聞くって事は」
「どうだった」
「…月明かりでできた影が全く別のモノだったわ」
「羽は出していないはずなのに…それどころか数が増えていましたね」
「まあ、少ししたらそれも消えておかしなところも無いものに変わったけれど」
「…そうか」
「………?」
セツナが側に来ていた者達の方へ振り返る。
「…その目は」
「…私が見た時は両目ともこんな感じだったが」
「…さっきので片目だけになったって事は…どうにかなりそうって事?」
「わからん…ねんのため明日診てもらった方がいいかもしれんが」
「そう…この後どうするの?」
「…何となくこのままにしておくのはマズイと感じてはいるのだ」
「…そうですか」
「ふむ……とりあえず今日は一緒にいた方がいい気がするのだが」
「…それってセツナと一緒に寝るって事よね?」
「そうなるな?」
「…そうですか」
「…まあ心配ないとは思うけども」
「それはどうゆう意味でだ?」
その後、何かあったのか心配していた他の者達に何があったのか軽く説明した。
…翌日、朝食後未だ眠ったままのセツナをショタおじに診てもらいに行ったのだが。
「調べてみたけれど…今のところは何とか大丈夫みたいだね…まあ、今後どうなるかは一応気にかけておいた方がいいかもね」
…との事だった。
―――――――――――
「………あれ?」
気が付けば何とも奇妙な場所にいた。
周りを見てみると…どうやら雲の上にまでそびえ立つ塔の一番上にいるらしい。
…どこにも階段が見えないし…空を見上げると大きな月が見える。
……………あ、これ夢か。
「……いや、夢にしてもなんでこんな場所に?」
そんな事を考えているところ…見える景色に変化が現れた。
『■■■■■■』
「………え?」
突然目の前に巨大な黒い影が現れた。
細かいところは黒い靄のようなもので分かりずらいが…雲の上に上半身が出てきており…えっと…腕が二つ…他には何と言うか…機械のアーム?みたいなのが…四つ?
後なんか頭の上に…靄でよく見えないけどなんかあるっぽい。
……なんか言ってるみたいだけど…全く分からない。
…………多分聞こえる事の方がマズイ気がするけど。
……そう感じているところ、背後で大きな音が聞こえ少し揺れを感じた。
振り返ってみると…そこには大きな黒い影が…先ほどのとは違い目の様に輝く二つの光と金色に輝く二本のツノが見えた。
………ん?
……まって?
こっちも黒い靄でよく見えないところもあるけど……
……月に向かって片手を伸ばしている…ように見えるこいつって…
………まさか…ね。
視線を少しずらす。
……その先にはこちらを見ていると思われるツノの向きが違う目のような赤い光が…
…………………あ…これヤバいかもしれない…
二つの影からはそれぞれ別の
…二つの影がこちらに向かって手を伸ばしてきた。
捕まったらまずい事になる…そう思ってもどうすればいいのかと困惑していた。
……突然周りに炎が現れ二つの影を燃やし始めた。
「………」
もう色々とありすぎて何が何なのやら…
…ポンッ
「……?」
肩に誰かの手が置かれた…気になってそちらを見てみると…
『――――』グッ
「……え?」
何かこう…人間を漫画的にデフォルメされた感じの影というか……
……あれ?そういえば、なんか見覚えがあるような…無い様な?
そんなことを考えていたところ…
「…え?……ええええ~~~!?」
突然襟首をつかみ、大きな影のいない方へ向かって投擲された。
………何か前にもこんな事があったような気がする。
そう思っていると意識が薄れていくのを感じた。
…………
「……ん」
まぶしさを感じて目を開く。
…まだ少しぼんやりとした感じがする。
……眠気を感じながらも体を起こそうとするも誰かに抱き着かれているらしい。
「………リン?」
「……んむ」
……ん?…今何時頃だろう?
…それにこの部屋は…
「……ふみゅ」
……何故かまだ眠気がすごい…
「………くう」
その後に聞いた事だが、あの後わたしはそのまま眠っていたらしい。
それと昨日の夜に何か感じた事は無かったかと聞かれたのだが…
何か奇妙な夢を見たような気がしたが…内容は一切覚えていない。
………何か心配をかけてしまうような事があったのだろうか?
そう不安に思っているとリンが分からないならあまり気にするなと言って頭を撫でてきた。
……いったい何があったんだろう?
……ええ…はい…
…内容考えるの大変でした。
解説
セツナ
今回二つの『願い』とつながりができかけていた
簡易的とはいえ処置が施されていなかった場合よくない影響を受ける事になっていたであろう
今回の処置のおかげでつながりができずらくなっていたところを神主の手により完全に処理された
……とはいえ、それでも終末後には『願い』の影響を受けた結果ああなりますと*1
夢の内容をセツナは全く覚えておらず心配されている事について戸惑ってるところはある
ようじょ
終末後セツナに『応急処置』(いみしん)を施す時に過去に似た様な事があったのかもしれないと考えるとこうなりましたと
処置の内容としてはMAGを循環させる感じかと…