【カオ転三次】トラウマに苦しみながら向き合う終末への日々 作:夢空
なんか思ったより長くなったな?
――――とあるメシア教の地下室。
そこに一人の男がかつていた施設から持ち出した資料と、今いる施設で入手したとある資料を見ていた。
「……ふむ、例の計画はどうやら失敗したかと思ったが」
男は二つの資料から必要となるであろう情報を手帳に書きながら考える。
「アレがその役目をはたしていないのは何かあったからだろうが…」
男は一度手を止め、今いる施設で入手した資料の方を見る。
「まあ、まだ使えそうでなりよりと言ったところか…だが」
男は資料に書かれているとある部分を見て考え込んでいる。
「……現状ではどうやってもアレを手に入れる事は難しそうか」
そう言いながらも、男は笑っていた。
「とはいえ、他にやりようはいくらでもあるだろう…既にいくつかは仕込んでおいているからな」
男は資料とともに持ち込んだ写真を見て笑う。
「いずれお前はお前の役目を果たす時が来るだろう―――」
「――――なあ、我らの『聖杯』よ」
地下室に静かな笑い声が響く……
男が見ている写真には
◇ ◇ ◇
とある日の事。
「マスター」
「……んぃ」
現在の時刻は既に昼近くになっている。
普段ならすでにおきているセツナが未だ眠ったままの状態でいる。
その事に少し疑問を抱きながらもおこそうとしているラムダであったが。
「……おきませんね」
どれだけ声をかけようともおきる気配のないセツナ。
「む?セツナはまだ寝ているのか?」
そこへ鵺原リンが様子を見に来た。
「幼女ネキ様」
「一時期寝ている方が長かった時はあるが*1…今はそうでもなかっただろう」
「そのはずですが…」
「ふむ…調子でも悪いのか?」
そう言ってセツナの額に手を当てる。
その時―――
「―――ん…ん?」
目を開けるセツナ。
「おっと、やっとおきた感じかセツナ―――ん?」
「…マスター?」
「………ん~」
寝ていたセツナはおきたように思えたが、よく見ると右目がうっすらと輝いているようにも思えた。
「これは…」
「何かあったか…あるいは現在進行形で何かあるかといった感じか?」
「……リン?」
今現在自分が寝ているのかおきているのかが曖昧になっている気がする。
…この感覚は多分よくない感じ…かもしれない…?
大丈夫なのか大丈夫じゃないのかは…何と比べればいいのだろう?
…でも…おそらく大丈夫じゃない奴なんだとは思う。
今はまだそこまで大きな影響が出ている訳ではない事は分かっても、わたし自身の『内側』にあるアレが何か感じているような…
「大丈夫かセツナ?」
…リンに心配かけちゃってるなぁ…
「…マスター」
…ラムダにも…
「……ん」
なんと言うか…ふわふわと言うかぽわぽわと言うか…意識がはっきりとしてない感じかなぁ…?
まどろんでる感じなのかと思うのかどうか…どうなんだろう?
ただ…リンがわたしに触れてから少しだけ意識がはっきり…はっきり?…いや、まだしっかり会話できる感じじゃないみたい。
何か喋ろうとしてもだし…
なんだろうこの感じ?
「とりあえず、他の皆にもセツナの様子は伝えておくか」
「皆様もマスターが眠り続けている様子を心配してましたからね」
リンが触れていた手を離す。
…意識がどこかへと沈んでいくような感覚がする。
「……ん」
沈んでいく意識にどこか嫌な感じがしたのでわたしはリンに手を伸ばす…が。
べシャッ
少し距離があったので近づこうとしたらベットから落ちた。
「……マスター?」
「顔から落ちたな…大丈夫かセツナ?」
……流石に心配かけたみたいだ。
自分で立ち上がろうとする事もできないくらいに体の感覚が曖昧な気もする。
「…ん」
近くに来たリンに抱き着く。
「む?」
「…マスター?」
「……ちょっと」
…リンに触れていると意識が沈んでいく感じが無くなってくる。
―――それから一分ほどだろうか。
「…ちょっとはマシになってきた…かな?」
「そうか?」
喋るのも難しい感じだったけども…何とか少し喋る事ができるくらいにはなってきた。
「どこかぐあいが悪いのか?」
「ん…ちょっと意識が沈んでく感じ」
「眠くなっているとかではないのですか?」
「えっと…なんと言うか…自分が何なのかが曖昧になっていく感じで…」
「…大丈夫なのか?」
「どうだろ?…今は少しずつ沈んでいく感じが無くなってきてるから」
「…そうか」
「…なんとなくだけど…今は最適化している最中なんだと思う」
「最適化…ですか」
「前みたいな感じか?」
「たぶん…原因は分からないけど
「そうなのですか?」
「実際にどうなのかは分からないけど…ちょっと嫌な感じがするから…たぶん?」
「そうですか…」
ラムダは何か考えてるみたい?
「今は大丈夫なのか?」
「えっと…」
リンが心配そうに聞いてきた。
「んーっと…今はなんかふわふわとかぽわぽわとかした感じじゃなくて…温かい感じのがくるくるしてる感じ?」
「…そうか」
…ちょっと説明しずらい感覚…
でもそんな感じだとは思うんだよなぁ…
「…少し様子を見てみるか」
「いいのですか幼女ネキ様?」
「念のため今日は様子を見て、明日診てもらうかどうかだな」
「…そうですか」
……何でこんな感じになってるんだろう?
わたしがどういった感じなのかが曖昧になっていくような感じ。
今はまだとても小さい流れのようなものがある…かもしれないしないかもしれないって感じる。
この感じているナニカがどんな影響を与えてきているのかは分からないけど。
……なにか…よくない事がおきているのかな…?
◇ ◇ ◇
「……これは」
とあるメシア教の拠点。
そこは少し前に騒動を起こそうとしていたらしい…既に処理は終えたみたいだが。
現在は後処理とかで情報を調べたりしているところだったのだが…
「なんか見つけたのか?」
「…まあ…な」
「どれどれ…『天使の聖杯』ってなんだ?」
「さあな…『いつか訪れるその日のために準備をしておかなばならない』…この日記を書いてたやつも誰かは分からないがそう言ってたやつがいたって事なんだろうな」
「…誰が?」
「…なんかよくない感じがするな」
「だな…どうする?」
「……一応レン子ニキに伝えとくべきか?」
「何でレン子ニキに?」
「…何でかね」
……気のせいだったらいいんだが。
なんでかあの子に関係してるんじゃないかって思っちまうな。
「ふーん…ついでに妹ちゃんとハッスルしてくる気だろ」
「てめぇ…俺がどんな気持ちでいると思ってるんだよ」
「嬉しくねえのか?」
「……自分の癖に何も感じなくされるのがどんな感じか体験せる事ができないのが憎いな」
「……すまんかった」
◇ ◇ ◇
―――セツナが自身の調子がよくないと感じた日の翌日。
「………」
「………」
「……ふむ」
「…おぉ」
「……どうするのよこれ?」
今はわたしとラムダとリンとイズナとタマさん*2でわたしの身におきた事についてどうするか相談中……いや、相談してるというより困惑か?
…えっと…とりあえず一つ確かなのは、昨日感じた意識が沈む感じはしなくなったみたいだって事。
今現在悩まされている?のは…
――――なんでかわたしに狐の耳と尻尾が生えてきてるんだけど。
「…マスター」
「えっと…何がどうなってるんだろう?」
「セツナはデビルシフターでは無かったはずだよな?」
「尻尾がフワフワです!」
「大丈夫なのコレ?」
……何でこうなって…ん?
………あー…もしかして…
「…原因あれかなぁ?」
「何か心当たりがあるのか?」
「えっと…わたしって一度肉体を失ってるでしょ?…今の状態は何かの影響を受ける可能性もあるって神主さんが言ってた気がする」
「何かの影響ですか?マスター」
「うん…受ける影響に関してはそれなりに遮断できるようにはしてあるみたいなんだけど…」
「…あー…復活した時は魂だけの状態と言えるものだったか」
「それで今の体はその魂を定着させてる状態なんだけど…」*3
「それで、どうしてそうなってるのかといった部分についてですが」
「えっと…昨日リンがわたしの不調はMAGを循環させてると多少はマシになってるって言ってたでしょ?」
「そうだな」
「で、それを聞いてイズナもちょっとだけ循環をってなって…」
「モフモフ」
「…それで?」
「あ、うん…多分一時的に魂に情報が混ざってるのが今の状態なんだと思う…って感じかな?」
「…大丈夫なのか?」
「えっと…神主さんはたとえ影響を受けてもわたし自身が拒絶すれば……えっと…」
「セツナ?」
「……うん…大丈夫だと思う」
「ほんとに大丈夫なのか?」
「少しすれば何とか制御できそうだから」
「…マスター」
「さすがに人の形から離れてるのは無理っぽいけど…耳と尻尾くらいなら影響は受けるっぽいなぁ…」
羽は元々あるし…そこに耳と尻尾がって感じかなぁ…
耳と尻尾は羽と同じで出し入れは自分の意思でできそうだし。
……まあ、意識が沈んでいく感じのに上書きした感じなんだとは思うんだけど。
…何となくそんな感じな気がするってだけなんだけどね。
・オマケ
終末後セツナの誕生日が判明してからしばらくした頃。
セツナの様子を見に来た鵺原リンはゲームや漫画などといった娯楽品が置かれている部屋へと来たが、そこには『プールの方に行っています』と書かれたボードが部屋に入ってすぐに見える所へと置かれていた。
セツナが『認識による影響』を受け、籠っている異界だが、活動場所としていくつかの部屋に分かれている。
一つは娯楽部屋…普段ここにいる事の方が多い。
一つは大部屋…娯楽部屋が五~七人くらいで狭く感じる程だとすれば、大部屋は十五~二十人くらいと言ったところだろうか。
一つは風呂場(温泉)…広めのが三つ、と水風呂が二つとサウナがある。
一つはジム…トレーニングなどで体を動かすための設備がいくつかある。
一つは食事場…よく施設の掃除のために来ているちびノブたちなどが交代で食事しているところに遭遇する。アイルーキッチンで代表としてセリエナの料理長*4がいる。
そして現在セツナがいるプール…25mプールと流れるプールやウォータースライダーにサーフィンができる波が出るプールなどいくつかある。*5
セツナがいるのは室内に大きめのプールが一つある場所だった。
「―――ぷは」
んー…大分この状態にの慣れてきたかな?
それにしてもびっくりしたなぁ…
「おーいセツナ」
「ん?リン?」
えっと……前回きてからだいたい…
「よっと…二週間ぶり?」
「それくらいだな…ん?」
「どうしたの?」
「いやなに…その足はもしや」
「…あー」
そっか、今は足だけプールに浸かってるけど…この変化は見えるか。
「終末前に一度似たような事があったでしょ?」
「狐の耳と尻尾の事だな」
「うん…何となく限定的な再現みたいになってる気がするってところ?」
「そうか?」
「個人的な考えとしては、デビルシフターとは違うのかなぁって」
どう定義するのかとかはちょっと分からないけど…スキルが使えるわけじゃないからどうなんだろう?
「なるほどな」
「考えとしては本当に個人的なんだけどね?…変化するのが一部だけだから…マーメイドだと足だけだから」
体の一部分が鱗?みたいなので隠されて無いし…胸とか…さ。
変化してるのは太ももから下がつながってるタイプで鱗が無いつるっとした感じ。
「この尾ビレの感じからして…シロイルカか?色的に」
「なのかな?」
「…それにしても何故そうなっているのだろうな?」
「んー…何となくでいいなら…感覚的な話になるんだけど」
「…ほう」
「今のわたしって外見は魂の情報でって感じなんだけど」
「ふむ」
「存在としての意味で『人間』の情報はリンを元にしている感じになるみたいでね?」
「…なぜ?」
「魂を式神の体に定着させる時間がかかってた時に、ある程度はできてたんだけど…」
「そんな感じだったのか?」
「たぶんね?…で、『人間』か『悪魔』か…『悪魔』の方は『聖杯』としてのわたしになる感じ…その二つのバランスを『人間』側に寄せていってた感じなんだけど」
「…『聖杯』としての『認識』が『悪魔』寄りにさせていっていたのか」
「あの時は自分が消えて無くなっていく感じもしてたからね…もしわたしが『悪魔』としての状態になったら、わたしの意思も消えて無くなっちゃうのかもね」
「……そうか」
「でもまあ、現状そうはならなそうなんだけどね」
「そうなのか?」
「まあ…その理由にリンが大きく関わってくるんだけど」
「私がか?」
「うん…わたしの『人間』の情報はリンを元にしているってさっき言ったでしょ?」
「…そうだな」
「その情報が増えていくタイミングがあってね…」
「…何時だ?」
「…えっと…その…」
「言いづらいのか?」
「…ッス―……触れ合う以上に濃密なMAGを注がれた時です」
「…ふむ」
「…わたしの誕生日が分かった日の後に『人間』としての情報の質と量が増えてたので」
「あー…なるほどな」
「で、狐の耳と尻尾については、イズナが情報の元になってて」
「あの時のやつだな」
「あの時は意識が沈んでいく感じがあったんだけど…それを防ぐための防壁みたいなのが作られてたみたいでね?」
「終末前の時期ならそれで大丈夫だったのか?」
「えっと…終末前のが水道の蛇口が五~七個くらいだったとして、終末後のは…ダムの放水くらい?」
「なんとなくか?」
「なんとなくで…流石にダムの放水レベルになると防げなかったみたいで…」
「そうか」
「でも、『認識』の耐性として『人間』としての情報が強くなればなるほど耐えられる分が増えてると思う」
「…思う…か」
「…流石に試すのは怖いので…」*6
「そうだな…それで?」
「ん?」
「マーメイドとしてのはどうなんだ?」
「あーうん…多分…人魚ネキさん…かなぁ?」
「…何故?」
「…わたしって人魚ネキさんから加護をもらってるからかなぁ?」*7
「…そうか」
「…まあ部分的にわたしの認識が影響してるのもあるのかなぁ」
『人間』としての部分はリンで、『狐の耳と尻尾』はイズナで、『足の尾ビレ』は人魚ネキさん…一人につき一つって事なのかな?
…まあ、わたしもしっかりと把握できてる訳じゃないから。
「…だとすればだ」
「ん?」
…リン?
「
「えっと…今から?」
「嫌か?」
「その…嫌じゃないけど」
「じゃあ問題ないな」
「え?…え??」
…その後たっぷりと濃密なMAGを注がれました。
……あ、足をマーメイドの状態から戻すの忘れてた。
本作の『いつかの未来にて』の出来事で、終末後にセツナが『認識の影響』を受けてる件について。
おそらくは終末前からなんらかの準備みたいな事はしてたんだろうなって思ったので…
ちなみに、写真の少女についてですが。
セツナの過去の写真です。(ガイア連合に保護されるより前の頃の)
元々は瞳は両方とも紅紫だったのが人体改造の影響で片方だけ色が変わった感じです。
オマケの部分については…なんか思ったより長くなったなぁ。(焦
デビルシフターについての部分はスキルが使えない場合ってどうなんだろう?ってなったので。
セツナの現状については、肉体は式神のでセツナ自身は魂が本体…でいいのかこれ?
…まあいいか。(
一応、ガイア連合の黒札としての判定としては『人間』であるとは考えてるんですが…
…なんか自分でも分からんくなって来たぞ。(
えっと…セツナの魂の情報が『人間』と『悪魔(聖杯)』で、その周りを幼女ネキの『人間としての情報』で覆っていて、その上に『防壁』としてイズナの情報(狐の耳と尻尾)があって…さらにその上に『二つ目の防壁』として人魚ネキの情報(マーメイド)がある…って感じか?
…まあ、タグに独自設定とか独自解釈ってあるから。(震え声
その時のノリと勢いで書いてるからたまに分からなくなるな…ガチで。
ちなみに、セツナが着ている水着は白スクと考えてます。
…今回のオマケの場合は誰も見てないから試しに着てみようといった感じでガチャか何かで入手していたバンドゥビキニ(色は黒)と考えてます。
……セツナの胸の大きさはAです。
……大丈夫かこれ?(震え声
マカーブル様よりFAをいただきました。
狐の耳と尻尾のセツナ
【挿絵表示】
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スク水マーメイドのセツナ
【挿絵表示】
【挿絵表示】
マーメイドは人魚ネキに寄せた感じですかね?