【カオ転三次】トラウマに苦しみながら向き合う終末への日々   作:夢空

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序章も終わり次のために


旅路に向けて

 

あれからおよそ半月ほどが経過した……

現実のわたしの体は精神世界とは違い貧弱なままだったため色々と苦労した…

今は何とか歩くことは苦労しなくなってきたぐらいには成長したのだろう……

…疲労で意識を失うまで限界を迎えても無理やり人の体を動かしてくるとか…マジで覚えてろよ。

…こほん、まあそんな苦労のかいもあって何とか自分の足で拠点を見て回ることもできるようになってきた。

初めの内はまだ『人』に対して怯えはあったものの、こちらの事を気遣ってくれた人達がいたおかげで何とかましにはなってきたと思う。

……たまに息を荒げてこっちを見ている人もいたのはドン引きだが。

…まあ一部の変態じみた人がいたのはおいとくとして、わたしはこれからあの『鎖』を何とかするために必要なことを知る必要がある。

その為にもわたしは此処山梨にある拠点だけではなく地方の拠点も見て回ってみたいと思っている。

…此処だけではきっと答えを見つけることはできそうにないから……

まあ…何処から行こうかと悩む前にまずは体力をつけることが優先されるんだけどね。

…今のままだといざという時に逃げる事も出来ないし。

……いや、覚醒者と比べられてもこっちが困るんだけどな?…一応わたしも覚醒はしているらしいけども…レベルを上げるにはMAGを吸収する必要があるし?

わたしの内に宿る『聖杯』の完成を阻止するために『彼等』が施したものの影響でわたしはMAGを打ち消しているみたいだし。

…ゲームで言うところの無効化みたいなものらしい。

実際のところわたしは『聖杯』の影響で術に属するものならすべて吸収し『聖杯』に蓄積してしまうらしい。

…修行の合間に直接調べた結果わかった事らしいが……

…正直わたしはそこまで理解しきれているとは言い切れないんだよな……

…まあ、術は効かないが物理は普通に効くため注意せんといかんのは理解した。

……特訓でくたばるうちにもう一つの『チカラ』も使えるようになったし。

…『再生の炎』

『破壊の炎』とは対となる『チカラ』だ。

おかけで傷を治すのに自然治癒にたよるしかなかったわたしも少しは生存能力が上昇したのかな?

…そう何度も使えないのが現状だが。

…出力を調整すれば使える回数も増えるらしいがそれでも一日に10回使えればいい方らしい。

……消費がどれほどなのかあまりわかってないんだよなぁ……何回か使い続ければ自然と覚えるよねって言われたけども。

…まじで容赦ねえよあの人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」モグモグ

食堂の端の方にある人目にを気にする人向けに用意されている席。

いまだ悪夢にうなされる時もあるものの吐き出すことはなくなってきたため食事もスープ以外に手を付け始めた。

…まだ小粥とかしか無理だけど。

それでも少しは食べる量も増えてきていると思う。

「……」モグモグ

……他の人の視線にはなれないけど…これからの事を思えば必要な経験だろう。

「…けぷ」

………うん…まあ…

「……」コク

水を一口飲みながら先ほどから妙に気になることに目を向ける。

「ふふん」ニコニコ

「……」

……だれ?……この子?

なんか見覚えがあるような……いや今世じゃなく前世でだと思うが……

「……」モグモグ

「おいしいですね!」

「……ん」

…いやほんとだれ?

「む…此処にいたか」

「あ!(ちち)上!」

お…幼女ネキ……ん?

…チチウエ?

「どこにいるのかと思えばここにいたとは…ん?おまえは」

「……ドウモ」

……チチ……ん??

「どうやら元気そうで…どうした?」

「……??」

「ん?」

「あれ?どうされました?」

………ん?……え?

「……チチウエ?」

「む?……ああ、そうかお前は今までこっちの方には来なかったからな知らないのも無理はない」

「……??」

「こいつは私の娘だ」

「イズナです!」

「……んぇ?」

………ムスメ?………娘!?

「……」ポカーン

「ん?おい大丈夫か?」

………チョットリカイガオイツカナイ

……………

 

 

 

 

 

 

 

「とまあそんなことがあってな」

「……なるほど」

聞けばどうやらこの子は幼女ネキとウカノミタマとの間にできた子らしい。

……幼女ネキが父親なのね……

……えぇ………

「……まだちょっと理解を拒んでる自分がいる」

「そうか……お前はいい意味で変わったな」

「…ん、あの頃のわたしは心を無理やり封じ込まれてたから…今はそれなりにはね」

「いいことだな」

「…ん」

…変わろうとするきっかけになったのはあの時の言葉だった。

自分といったものがほとんどなかったころ、心の奥底にある『意思』に気づいていたのだろうか?

……変わろうとすることは簡単じゃないけど。

「…ショタおじからある程度の事は聞かされたが」

「…ん、今はそのために修行中」

……しんどいけどね。

「…楽に強くなることはできないのは当然だとしても容赦なくあそこまでされると…ね」

「ああ…私らと同じにとはいかないのだったか」

「そうだね…ペルソナ使いでも成長には少なからずMAGがかかわっているらしいのが分かったから」

…覚醒者とペルソナ使いは全く同じ成長の仕方をしている訳では無いらしいけど、それでも少なからずMAGを取り込んで成長しているのは同じらしい。

……それが一般的に知られていたのかは知らないけど。

「わたしの内にあるものは神主ならどうにかできるけど」

「…そのためにお前が犠牲になる必要は無かろう」

「…わたしも神主もそれはもう他にどうすることもできない事態の最終手段として想定しているだけだから」

…この計画の『裏』にいるかもしれないらしい『N』とやらを警戒してそう判断を決めた。

「…まあそう考えている理由を聞けばな」

「…問題がなければわたしが解決するために頑張ることになるだけだから」

確証はなくともそれだけの事をしそうな相手みたいだからなぁ…

「えっと…」

「む、すまんな」

「気にしないで…君もね」

「よくわかりませんが…強くなりたいのですか?」

「…そうだね」

わたしには覚醒者としての強さはなく、ペルソナもわたしのシャドウが形を成せるほどではないからか目覚める事は無いらしい。

…『彼』の言う残骸とはほんのかすかなものだったということみたいだ。

「わたしは他の支部に行って色々と経験することが必要になりそうだって」

「ショタおじもそんなことを言っていたか」

「…ん」

何処から行こうかはこれから調べて決めようと思っているけれど……

「…正直悩んでる」

「なににだ?」

「…わたしは他のところについて何も知らなさすぎるから」

「…なるほどな」

どうやって調べようか……掲示板…はちょっとね。

…一度目を通してみたけどどうもなぁ……

「でしたら!」

「…ん?」

(ちち)上のところはどうでしょうか!」

「…えっと」

「ふむ…お前さえよければ私は歓迎するぞ?」

「…そう」

「努力しようとしているやつを拒む理由もないしな」

「……ちょっと考えさせて」

いきなり言われても…ね。

「そうか…私の方で知り合いには話を通しておこう」

「…ん、もしかしたらお世話になるかも」

「うむ」

「ふふん!」

……お世話になるとしても夜の問題には巻き込まれないようにしておこう……

……さすがにそこまで世話になるようなこともないか…?

………考えすぎか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あ、そういえば」

「どうした?」

「…名前」

「ふむ」

「わたしの名前…決めたんだ」

「ほう!そうか」

「うん…前は答えられなかったから」

「まあ、それはしかたないことだろう」

「そうだね…だからあらためて」

 

 

 

「わたしは…セツナ」

「生きていく中でどんなこともきっと」

「わたしにとって大切なものになりますように」

「…そう願ってつけた」

 

 

 

「そうか…あらためてよろしくなセツナ」

「うん…よろしく幼女ネキ」

「私も!よろしくです!セツナさん!」

「うん…よろしくイズナ」

 

 

 

 

 

 

 

いつかきっと…わたしの旅路の答えを見つけるために……

 

 

 

 







やっと主人公の名前が決まったぞ!





登場キャラ紹介



セツナ

  本作の主人公。
  自らの命の旅路はいい思い出もつらい思い出もきっと『自分』を変えてくれるものだから…空っぽだったわたしは此処から歩き始めて行こうと思えたから。
  襲撃を受けた際に式神は修復不可能なまでに破壊されてしまい色々なことを自分でできるようにならねばと考えている。
  その生き方は『あの日』もらった言葉が始まりを教えてくれたから……だからこそ忘れないようにそして…いつか誇れるようにと。
  自らの内に秘める問題の解決のため『人』を知る旅を始めようとしている。
  ……いつの日かきっとこんな世界でも悪くはなかったと言えるように。




幼女ネキ    作タマヤ与太郎様

  セツナにとって自分という存在を意識するようになったきっかけの人物。
  周りの人とは違う何かを感じたもののその答えはいまだわかっていない。
  今はまだ悩んでいるものの自分の成長のためにお世話になるかもしれないとは考えている。
  …娘ができたことについてはそういうこともあるのだろうなと納得させた。(セツナ




イズナ     作タマヤ与太郎様

  幼女ネキの娘。
  生まれが特殊なため定期検診を義務付けられているらしい0歳児。
  ふと目についたセツナのことが気になったのか接触してきた。
  (ちち)上が気にかけているらしい人物なため、強くなるなら(ちち)上のもとでならばと誘う。
  …セツナが食事中自分もおやつにケーキを食べていた。

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