※後書きに第五章のあらすじを公開しています。
「さて……とぼけるのもええ加減にしてもらおか。零君に何をしたのか、詳しく話してもらうよ。絵里ち……」
希は鋭い眼光は絵里の瞳を貫くかのようだ。普段の優しい垂れ目とは違う、2人の親友を救うために戦う覚悟を決めた目。2人の親友、零と絵里。零が自分にしてくれたように、今度は自分が絵里、そして零を取り戻す。
絵里は希を睨みつけている。μ's加入以前の彼女と変わらない雰囲気だが、その目は視線で人を刺し殺すようなおどろおどろしい目。"あの穂乃果"と同じ目と言った方が分かりやすいかもしれない。
「とぼけてなんかないわ。零は私の彼氏で私は零の彼女、それが事実よ」
「でも今の零君は、あの時の零君とは違う」
「一緒よ。むしろμ'sのコトを忘れてくれて嬉しいわ。お互いに相思相愛になれるのだから」
「絵里ちも、もうあの時の絵里ちとは大違いやね……」
絵里が変貌しているコトぐらいいちいち口に出すまでもなく分かっている。でも口に出てしまう。元に戻った希が"この絵里"と会うのは今日が初めてだ。改めて彼女と対峙して、絵里が放つ黒さがよく分かる。
「希、あなたも言いたいコトを言ったらどう?もう色々分かっているんでしょ?」
「…………そうやね。じゃあ、手早く話そうかな」
この『手早く』は、絵里を早く元に戻してあげたいという気持ち。それに加え、真姫たちが到着するまでに決着を付けようとする気持ちの2つが込められている。親友を闇から解放し、真姫たちを危険な目に遭わせない。それが希が考えうるベストな未来だ。
「零君の記憶喪失については、あの薬を使ったんやろ?元々ウチが使う予定やったあの薬をね。本当は体育倉庫で零君を気絶させた時に使うハズだった。けれど体育倉庫に行く前、生徒会室でこう思ったんよ。『零君の記憶を消してしまうのは、イヤや』って」
希の言う通り、彼女によって記憶を消す薬が使用される予定であった。だが希にはまだ『良心』が残されていた。それは零にも指摘されている。彼女は変貌していても仲間を傷付けるコト、まして記憶を消すなんて出来る訳がなかったのだ。
「あの薬を生徒会室に置きっぱなしにしたのはミスやった。絵里ちに使用されてしまう恐れを、考慮してなかった」
「そのお陰で私には今の生活がある訳だし、私は感謝してるわよ」
「でも、あの薬は思い出の記憶を消す薬のハズ。それを使ったら絵里ちのコトまで忘れてしまう」
「それで?」
「音信不通で行方不明になっていた金曜日と土曜日、まあ一昨日と昨日やけど、その2日でその薬を改良したってところかな?元々その薬を作ったんは絵里ちやし」
「中々冴えてるじゃない、希」
絵里は零と恋人になる状況を作り出すために、時間を費やして思い出の記憶(エピソード記憶)を消す薬を調合していた。監禁などで零の意識を変えるのではなく、記憶操作で無理矢理にでも変えてしまおうという考えだ。
真姫たちのやり方では、必然的に零と戦わなくてはいけないが、この方法なら薬を飲ませてしまえば一発だ。まさに絵里らしい、堅実かつ恐ろしい手である。
「一昨日家で薬についてじっくり調べ上げ、昨日外に出て必要なモノを買いに行ったんかな?」
「いい推理ね。まるで零みたい」
「それはどうも」
零みたい。そう言われると、ことりの言葉が今でもそのまま浮かんでくる。
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『誰も零くんにはなれない。もし仮になれたとしても、それは自己満足。敵に立ち向かう自分に酔いしれているだけ。そんな作り物の気持ちは簡単に壊れちゃうよ!』
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希は頭からその言葉を振り払う。今はことりの言葉に惑わされている場合じゃない。目の前の敵、親友を元に戻すコトだけに集中する。
「もう話は終わり?」
「そんな訳ないやん。久しぶりに2人きりになったし、昔話でもどう?」
「昔話?残念ながら興味ないわ。私は零がいる今の生活で満足しているもの。過去なんてどうでもいいわ」
「ふ~ん、どうでもいいんや。恥ずかしく意地張ってた頃とか、泣きながらμ'sに入ってコトとか……」
「μ'sにいた頃なんて今すぐ記憶から消し去りたいわ。あんな邪魔者しかいないグループ……」
絵里にとっては忌々しい記憶となったμ's。可能ならば、薬を飲んでその部分だけでも消せればいいのにと思っている。自分の中ではもう必要のない記憶だ。
「本当にそう?本当に消し去りたいと思ってるの、絵里ち?」
「何が言いたいの?」
「ウチは1年生の頃からずっと絵里ちと一緒にいたからよく分かる。μ's加入前と後で、絵里ちの輝きが全然違うというコトが……」
「……」
「正直に言って、それまでの絵里ちは常に迷ってるって感じやった。一緒に話したり遊んだり、その時は楽しそうな表情は見せている。見せているけど、心の奥では楽しめてない。まるで仮面を被っているかのように……」
誰も寄せ付けないほど固い性格をしていた絵里。希は彼女の裏をハッキリと理解している。だが、それは当時言い出せなかった。親友を失うかもしれないと考えると怖かったからだ。転校を繰り返してきた希にとって、初めての親友である絵里との関係を崩したくなかった。
「廃校予定の通達が来てから、絵里ちはますます自分を追い込んでいった。学院を守るために躍起になる絵里ちを放ってはおけない。親友のために、ウチも一生懸命頑張ろうと思った。もう悩んでいる絵里ちを見たくなかったから……」
「だけど……何も出来なかった」
「そうやね。ウチらがどんな手を打っても、廃校を阻止するような行動にはならなかった」
学院の歴史で入学者を釣ろうとしていた時期もあった。もちろん歴史だけでは廃校阻止に繋がらない。絵里もそのコトは薄々感じてはいた。だが、やるしかなかった。ずっと自分が何かから逃げているような気がしたから。でも…………何も出来なかった。
「その時や、神社の前で練習している穂乃果ちゃんたちを見かけたのは。ウチはその瞬間に穂乃果ちゃんたちから運命を感じた。この子たちだったら、廃校を何とかしてくれるかも……そして絵里ちを救ってくれるかもって」
「運命……」
「うん。その後、その運命が大きく動き出した。彼と出会って……」
希は"彼"と出会った時を思い出す。
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「あの子たちなら絶対に廃校を阻止出来る。そして……絵里ちもきっと救ってくれる。ウチの願いも叶えてくれるハズや。だったらあの子たちのコトを色々知っとかないと。えぇ~と、あの子たちのクラスはっと……」
ウチは穂乃果ちゃんたちと出会った翌日、まだ名前も知らなかった穂乃果ちゃんたちを探しに2年生教室まで行った。もうすぐで教室、廊下を曲がろうとしたその時やった。
「きゃっ!?」
「うわっ!?」
1人の男子生徒とぶつかりそうになった。考え事をしていて前を見てなかったウチの責任でもあるけど、その子も何か考え事をしているようだった。
「大丈夫!?怪我とかない?」
「平気平気……って先輩でしたか」
「別に先輩やからって気兼ねせんでもええよ。それより何かお困りごと?」
「…………よく分かりましたね」
「カードがそう告げてくれたんや。さっきの占いで出たカードがね」
「くだらないですね」
初対面で年上の人にそんなコトを言うなんて、初めは礼儀知らずで恐れ知らずやなぁと思った。けど……
「そうや!聞きたいコトがあるんやけど、この学校でスクールアイドルをしてる子たちって知ってる?」
「ん?あぁ、高坂たちのコトか……」
「知ってるん?」
「はい」
「それって高坂さんの他には誰が?」
「高坂が発起人で、他メンバーはその幼馴染の南と園田ですよ」
「その3人ってキミの知り合い?」
「知り合ったのは最近ですから、でも今は練習を手伝ってますよ。連絡しましょうか?」
「いや、もう授業始まるみたいやし今度でお願いするわ」
話が長くなりそうやったから、一旦打ち切り。また放課後の練習の時にでもゆっくり話そうと思った。そして、自分の教室に帰ろうと思った時に、彼の名前を聞いてなかったコトを思い出したんや。
「ウチは東條希、3年生や。キミの名前は?」
「俺ですか、神崎零です」
その名前を聞いて、ウチは目を見開いた。この人……この人がウチの占いに出ていた、運命を動かす人。廃校阻止に貢献し、そして絵里ちを暗闇から引っ張り出してくれる人。
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「あの時零君と出会って、彼なら何とか出来ると思った」
「そして実際に……何とかなった」
「そう。ウチが思った通り、零君はμ'sのメンバーを集め、廃校を阻止に貢献した。ウチの願いも叶えてくれて……」
「あの薄ら笑いが出そうなあなたの過去ね」
「その過去を克服出来ただけじゃない、絵里ちを救ってくれたコトもや。零君がいてくれたから叶えられた」
もちろん絵里を救ったのは零だけではない。穂乃果たちも絵里に、本当にやりたいコトを思い出させて迷路の出口へ導いた。その中でも一際目立ったのが零だった。彼はそれまでにもμ'sメンバーの悩みや葛藤を振り払っている。それが希にとって印象深いのだ。
「ここでもう一度絵里ちに聞きたい。これが、この状況は絵里ちが本当に望んでいたコト?仲間同士で争って、零君の記憶を消して、そんなコトを本当に望んでたん?このままではμ'sは完全に崩壊する!!今までがすべて無に帰る!!絵里ちは知ってるハズや、その怖さを!!」
バレエを習っていた時に学んだ失敗。廃校問題解決に着手するも、すべて無駄に終わる。その経験がある絵里だからこそ、今の状況は何よりも深刻だと分かっていると希は思う。たった微かなコトで全部が崩壊してしまう可能性があるコトも、絵里なら知っているハズだ。だからこそ絵里に気付いて欲しい。今の自分は間違っていると。零やμ'sのみんなと紡いだ、このかけがえのない絆を壊さないために。
「思い出して欲しい、絵里ちが本当にやりたかったコトを。そして、みんなとの楽しい日々も」
μ's加入前の絵里は、迷いや苦しみなどの負の感情に支配されていた。どんなコトも心の奥底からは楽しめなかった。だがμ's加入後はそんな感情は消え去り、絵里の本気で楽しむ姿を初めて見られた。そんな絵里に導いてくれた、μ'sのみんなとの日々を決して忘れないで欲しい。それが希の願いである。
「だから絵里ち、ウチは……」
「それがどうしたっていうのよ」
「え……?」
絵里は希の言葉を遮り、自分の気持ちをたった一言で表す。希は絵里が何を言ったのか、もう一度聞こうとした。だがそれは恐ろしくて出来ない。希の表情は、説得していた時の凛とした表情から困惑の表情へと変化した。逆に絵里の表情はさっきよりも鋭い表情に変化する。
「私のやりたいコト?これが私のやりたいコトよ。私がいつまでも過去にしがみついているとでも思ってるの?」
「零君の記憶を消して、みんなを傷付けるコトが……絵里ちのやりたいコト、なん?」
「そうよ。言ったでしょう、零さえいれば過去なんてどうでもいいってね。今がよければそれでいいのよ。その"今"を邪魔するあなたたちは目障りだけどね」
「そんな……」
「私はあなたみたいに過去にすがり付く人間じゃないの。あなたの願いとか、過去の私の失態とか、そんなモノ引き合いに出されても私にはちっとも響かない」
「ええの?μ'sが壊れてしまっても。絵里ちを導いてくれた、あのμ'sが!!」
「いいわよ。私にとっては邪魔な存在だもの。まあ、零と会わせてくれたコトだけは評価できるかしらね」
希は、絶望した。絵里を元に戻せなかったコトに。自分たちの苦い過去、その過去から解き放ってくれた零やμ'sを思い出してくれれば、必ず絵里は戻ってきてくれると信じていた。彼女と親友の自分だからこそ、有効な手であると考えたし、何より気持ちを共有出来ると思ったからだ。だが、失敗した。絵里の気持ちはもう別の気持ちで固まってしまっている。誰にも付け入る隙はない。
「さぁ……話は終わったようね、希」
「絵里ち……」
目に見て分かるほど希の顔色は悪くなっていた。絵里がゆっくりとこちらに近付いてくる。彼女はμ'sは邪魔者と言っていた。そうなれば自分もその対象である。絵里に近付かれたら何をされるのか、恐怖で想像すら出来ない。
どうしてこうなった?なぜ失敗した?彼なら、零なら絶対にこうしていたハズだ。それなのに失敗した。彼と同じように、自分が彼に導いてもらった時のように絵里と気持ちを共有したハズなのに……失敗した。
その場から動けなくなった希に、絵里は手を伸ばした。そのまま絵里は容赦なく希の首を締め上げる。
「ぐっ……」
「面白い話だったわ。全然感動しなかったけどね」
ここでまた、ことりの言葉が浮かんで来た。
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『誰も零くんにはなれない。もし仮になれたとしても、それは自己満足。敵に立ち向かう自分に酔いしれているだけ。そんな作り物の気持ちは簡単に壊れちゃうよ!』
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ようやくこの言葉の本当の意味が分かった。明らかに自分は『自己満足』していた。零と同じようにやれば上手くいく、絵里と気持ちを共有すれば元に戻せる、そう思っていたのが間違いだった。そして案の定、絵里によって自分の心は壊されてしまった。
「絵里ち……ウチは……間違ってた……の?」
希の首を締める絵里の手の力がどんどん増していく。声も途切れ途切れにしか出せなくなっている。
「そうね。私のやりたいコトを見抜けなかったんだもの」
「親友……失格やね……」
「私はもう親友だとは思ってないけどね」
もう終わり。希は考えるコトを諦める。どうせなら、後に来るであろう真姫たちに別れを告げたかった。それだけ思って、希の意識は途絶えようとしていた。
「バイバイ……希」
「間違ってなんかない!!」
「!!」
「……!」
突如、空き地の入口から声が聞こえた。その声の主は、普段は温厚かつ引っ込み思案、だが今の声は決意の篭った心に響くような声。
「花陽……ちゃん」
「やっと、見つけたにゃ」
「凛ちゃん……」
「まさか本当にいるとはね」
「真姫ちゃんも……」
花陽、凛、真姫が絵里たちのいる空き地に到着した。高校1年生とは思えない大人びた雰囲気は絵里を怯ませ、希の意識を少し回復させた。
「へぇ~、あらかじめ真姫たちをココに呼んでおいたのね。粋なコトするじゃない、希」
真姫たちの登場に少しばかり驚いた絵里だが、希の首を締める手の力は弱めなかった。むしろ今までよりも強い力で締め上げる。ちなみに希は彼女たちを呼ぶどころか遠ざけようとしていた。
「ぐぅ……」
「希!!」
「「希ちゃん!!」」
今にも希が死んでしまいそうになっている。それを見た凛と花陽は居ても立ってもいられなくなっていた。
「かよちん!」
「うん!凛ちゃん!」
2人は掛け声と共に絵里たちの元へ走り出した。
「ダメよ!!凛!!花陽!!」
真姫は凛と花陽の突然の行動に驚いた。
真姫は2人を制止するも凛たちは聞き入れようとしない。誰がどう見ても無謀な特攻に、真姫の頭にあの光景がフラッシュバックされた。そう、零の家で行われた穂乃果と凛の殺し合いの光景が。そして、その恐怖で自分が逃げ出したコトも……
元々真姫は、凛、花陽の2人とは違う考えを持ってココに来ていた。真姫はもし希がやられていた場合、何とか希だけでも奪還してその場から逃げる予定だった。絵里と対決するのは、4人が万全な状態である時が一番いいと思ったからだ。だが凛と花陽の考えは違った。どんなコトがあっても絵里と希を"今"取り戻す。一刻も早くμ'sを再結成するために。
真姫は自分の作戦が普通だと思っていた。だから2人には話していない。言うまでもない、そう考えていた。
「馬鹿な子たち……」
絵里は意識が途切れた希を、走ってくる凛と花陽に向かって投げ込む。
「きゃっ!?」
「うにゃっ!?」
凛と花陽の2人は飛んで来た希の身体と激突し、その場で倒されてしまう。希からは声が出ていない。完全に意識が飛んでしまったようだ。
「まさか……あなたたちも希と同じなのかしら?」
凛と花陽の行動理念は零と同じモノであった。μ'sメンバーに危険があれば、自分がどうなろうと助ける。μ'sを復興させるために自分の体力を削ってでも、事態を終息へと向かわせる。それが零の考えであり、凛と花陽もそれにならった。
そう、それは希と同じ失敗だった。彼の行動理念は彼だから上手くいく。上手くいくと言っても100%ではない。その理念を他人が使ったらどうなるか、結果がコレである。彼の考えは彼のモノであり、上手くいくと思っているのならば、それこそ『自己満足』である。
「うぅ……」
「く……」
地面に激突した衝撃で、凛と花陽は軽い脳震盪を起こして立ち上がれずにいた。
真姫に再びあの時と同じ恐怖が襲いかかる。希、凛、花陽……自分の仲間が目の前で次々と倒されていく。逃げなければ全員やられる。でもどうしたらいい?希たちを放っていくのか?そうなれば自分は助かるかもしれないが、希たちは確実に殺される。
また逃げるのか。穂乃果と凛の対決も止められず、花陽と公園で対峙した時も逃げそうになった。また自分は逃げてしまうのか……何も出来ずに……
「大丈夫、凛ちゃん」
「平気だよ、かよちんは?」
「まだ少し痛むけど……大丈夫。でも希ちゃんが……」
「気を失ってるだけだし、休めばきっとよくなるにゃ」
あの2人はまだやるつもりだ。目の前の恐怖から逃げ出さず、再び立ち上がろうとしている。
「ダメよ……逃げて……」
「予想通り、この子たちに至っては何の策も講じなくてよかったわね。そう思うでしょ?真姫?」
「……」
絵里から放たれる恐怖に、真姫は声すら出せない。自分の記憶からは"あの時"の穂乃果の、凛の、花陽の恐怖が襲いかかってくる。
「本当にあなたたちは単純だわ。勝手にこっちにステージに上がり込んできて……馬鹿みたい。こうなったら、みんな私の舞台で殺してあげる!!」
もう真姫は足すらも動かなくなっていた。逃げるコトも出来ない。
…………終わりだ。何もかも。零を救えず、仲間を救えず、μ'sも救えない…………
ザッザッ
「「「「!!」」」」
空き地を囲む雑木林から足音が聞こえた。その音は絵里だけじゃなく、意識がハッキリしてきた凛に花陽、そして真姫にも聞こえていた。誰かが来る。それも迷わずこちらに向かって一直線に。
その姿が、夕日に照らされ現れた。
4人は大きく目を見開いた。その姿はこの場所にいるコト自体がおかしい人物。だが……彼はそこに現れた。
「そうか……だったらココからは俺の舞台でやらせてもらうぞ」
神崎零
彼の姿を見ただけで、真姫は恐怖から解放され、凛と花陽に気力と体力が戻って来た。
もう絵里の独壇場は通用しない。今からは、彼が舞台を席巻する。
~※~
最終戦況報告
今こそ、反撃の時!!
~零の絵に関して~
零の容姿については読者様のご想像がありますので、かなりぼかして書きました。目を閉じているのがその理由の1つでもあります。
参考にしたのはリトバスの理樹君ですが、単に私が零の容姿について想像が出来なかっただけなので無視して構いません。
次回は第四章完結編!(多分)
まだ第四章は続きますが、先駆けて第五章のあらすじを公開しておきます。ネタバレされたくない人は閲覧注意です。
絵里を取り戻し、とりあえず安堵する零たち。だが穂乃果とことりが行方不明になっていると聞き、零はその2人の幼馴染である海未と接触する。しかしその海未の様子もおかしくて……
同じ頃、事態を一気に終息させようと、絵里と希はにこの元へ行く。だがそれはにこの逆鱗に触れてしまい、再びμ'sメンバーは危険の渦へと巻き込まれる。