ラブライブ!~μ'sとの"非"日常~【完結】   作:薮椿

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段々と話のテンポが悪くなってきている気がする……
次章以降はもっとコンパクトにできたらいいなぁ(するとは言ってない)


※基本的に地の文は零視点となっていますが、零がいない時、行動不能の時、また零視点では都合の悪い時は第3者視点となっています。今回は結構その辺が入り混じっているので補完の方をよろしくお願いします。


第四話 ‐脱出‐

 

 どれだけの時間が経っただろうか。部屋に時計はなく、携帯や腕時計も没取されている為時間が分からない。もしかしたら、気絶してから既に何日も経過しているのかもしれない。

 

 右手首は手錠で繋がれて動けない。見たところ部屋も防音で、音も声も外には聞こえないだろう。

 

 側から見れば万事休すだ。しかし、俺にはたった一つの作戦があった。

 

 ゴソゴソとズボンに手を入れ、部室で拾ったモノを取り出す。

 

「あった、盗聴器」

 

 俺は盗聴器をズボンの内側に貼り付けていた。流石の真姫でも男性のズボンまでは脱がさなかった様だ。

 

 ちなみにこれは俺のモノではない。真姫からの連絡で部室に呼ばれた際、扉の近くに仕掛けてあった盗聴器をたまたま見つけ、拝借しておいたのだ。

 

 誰が仕掛けたのかは分からないが、おそらくμ'sの誰かだ。となれば何故仕掛けたのかを問い質したいところだが、今はそれどころではない。

 

 さっきの真姫との会話の途中で俺がゴソゴソしていたのは、俺と真姫の会話を聞こえやすくするため。俺の読み通り、真姫は誰にも聞かれていないと思って監禁場所を自白した。これを盗聴器を仕掛けた奴が聞いてくれればいいのたが。

 

 もちろん聞いているからといって、助けてくれる保証はどこにもない。ただ、俺の希望はコレだけである。すがるしかない。

 

 俺が目を覚ました時点で盗聴器を取り出して助けを求めなかったのは、この部屋に盗聴器が仕掛けられている可能性があるからだ。だから真姫が部屋に来るまで待機し、真姫の言動で判断しようとしたのだ。あの時の真姫の様子から察するに、恐らくこの部屋に仕掛けられているというコトはない。もし仕掛けていたとしたら、俺がおとなしくしているコトは分かっていたハズだ。だが、それが真姫の演技だったら諦めるしかない。

 

 

 

「おい!きっと誰か聞いてるんだろう。さっき真姫が言っていたから場所は分かるだろ?頼む!」

 

 俺は初めて盗聴器に向かって言葉を発した。今はソイツが助けてくれるコトを祈るしかない。

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

「誰もこねぇ……」

 暫く時間が経ったが、誰かが来る気配はない。このままでは真姫が帰って来てしまう。

 

「このまま誰も来なかったらどうする?次の手を考えておいたほうが……ん?」

 微かだが、遠くから音が聞こえた気がした。全神経を集中して耳を傾ける。

 

 

 

 

コツコツコツ

 

 

 

 足音だ。もう真姫が帰って来たのか!?本当にここで一生を過ごすハメになってしまう。

 

 

 

コツコツコツ

 

 

 いや違う、2人いる?

 

 

 

ガチャガチャガチャ!!!

 

 

 

「!!!」

 すると突然、乱暴にドアノブを回す音が聞こえた。その勢いだけでドアノブが壊れてしまいそうだ。だが俺はそこで希望が持てた。明らかに真姫ではない。彼女なら鍵を持っているハズだ。

 

 

 

 

バキ!ドカ!

 

 扉から鈍い音が鳴る。

 

 

 

バン!!

 

 

 遂に扉が開け放たれる。その衝撃で扉は付け根から外れそうになった。

 

「「零君!!」」

 

 

「穂乃果、ことり……」

 

「零君無事!?」

「とりあえず大丈夫そうだね」

 

「あぁ...何とかな」

 

「ちょっと待っててね」

 ことりは俺が繋がれている手錠に近付く。そしてポケットから取り出したのは……

 

「ペンチか。じゃあ盗聴器を仕掛けたのはお前か?」

 

「え?何ソレ?」

 

「違うのか?」

 

「それ穂乃果だよ!」

 

「お前が!?」

 

「うん!急に零君と真姫ちゃんの声が聞こえたからビックリしたよ」

 

 

バキ!

 

「はい!鎖外れたよ」

 

「ありがとな。でも流石に手錠は切れないか」

 ベッドに繋がれていた鎖が切れた事で自由に動ける様になったが、手首に手錠は付いたままだ。これは真姫から鍵を貰わなければ外すコトはできない。

 

「穂乃果がことりと一緒にこの場所を見つけてくれたんだな」

 

「違うよ!ことりちゃんは勝手に着いて来ただけ」

 

「だから行き先が一緒だっただけって言ったよね?犯人が真姫ちゃんなら予想が付く場所だし。それにこの部屋を当てたのはことりだよ」

 

「そういや、どうやってこの部屋を突き止めた?病院は分かっても内部までは知らないだろ?」

 

「ここだよ」

 ことりはそう言って自分の鼻を指差す。

 

「鼻?もしかして……匂いとか?」

 

「だーいせーかい!さすが零君!」

 

「犬かよお前は……いや犬以上だよ」

 最近俺のハンカチやタオルがよく無くなるんだよな。そして翌日、穂乃果やことりたちから『落ちてたよ』って言って返ってくる。もしかしてその原因って…

 

「ぶー!鼻なら穂乃果の方が凄いよ!最近は零君がどんなシャンプー使ってるのか分かるようになってきたし!いつもいい匂いだよ、零君」

 悪く思われていないのは嬉しいのだが、今のコイツらにそんなコトを言われても気味が悪いだけだ。

 

「野良犬の鼻って凄いんだね~」

 

「ことりちゃん!いくらなんでも怒るよ!」

 

「いやーこわーい!」

 

「ううー!!」

 まるでガキの喧嘩だな。コイツらも十分に変だが、今は真姫のコトが先決だ。

 

「落ち着け。とりあえずお前らは先にココから出ろ。いつ真姫が戻ってくるか分からないからな」

 

「ことりだけ?零君は?」

 

「俺はココから逃げる訳にはいかない。真姫をあの状態のままにしておけないからな」

 

「もう!これじゃあ何の為に穂乃果が来たのか分からないよ」

 

「助けてくれたコトには感謝する。でも俺はココに残るよ」

 盗聴器からの声を聞いていれば、今の真姫がどれだけ壊れているのかを2人は理解しているだろう。だから2人をココへ残してはおけない。

 

「分かったよ。でももし零君に何かありそうだったら直ぐに飛んでいくから……悪はことりが消してアゲル」

 コイツもか……既に真姫から聞いているのでショックは少ないが、やっぱり本人の口から聞くと辛いな。

 

 

 

 こうして俺は部屋に残り、穂乃果とことりは病院から出ていくコトになった。

 

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

「結局戻ってこなかったわね。零も穂乃果もことりも。おかげで練習早く終わっちゃったじゃない」

 

「にこっちが意気込んで練習するなんて珍しいもんね」

 

「にこはいつも本気よ!」

 元々休みの真姫だけでなく、急に3人も抜けてしまったため練習は中止となった。いつにも増してやる気満々だったにこはテンションダダ落ちである。

 

「真姫ちゃんも。部室にいると思ってたのに、どこ行ったのかにゃ?」

 

「家に帰ったんじゃないかな?できれば花陽もお手伝いしたかったけど」

 

「そうね。衣装もことりに任せっきりだし、今後私たちみんなで出来るコトがあれば協力していきたいわね」

 凛、花陽、絵里も練習が中止になり残念がりながらも、今後の方針について話し合う。

 

「海未ちゃんどうしたん?さっきから携帯眺めて」

 希は海未が学校を出てから、ずっと携帯を握りしめているコトに気が付いた。

 

「零たちが全然連絡をしてこないので…」

 穂乃果やことりだけでなく、零にも連絡が付かない。同級生3人の突如とした行方不明に海未は心配を覚えた。

 

「意外に修羅場になってたりしてね…カードもそう言うとるし…」

 

「そ、そうですか…」

 

「そんな顔せんといてよ!冗談や、冗談。なぁにこっち?」

 

「全く、もっとマシな冗談言いなさいよ」

 希の言うことなのか、にこにはかなり現実味を帯びた発言に聞こえた。

 

 

 

(零、穂乃果、ことり……)

 海未の心配は消えそうにない。

 

 

 

 

 

 

 

 

(本当に冗談やったら面白いけどね……)

 

 

 

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

 鎖を外され自由に動ける様になった俺は、部屋の探索に乗り出した。と言っても、ベッドしかないこの部屋で探すモノはないのだが。

 

「ベッドの下には何もねぇな。本当にこの部屋はこれだけなんだな」

 ベッド下から抜け出し、今度は部屋を隅々まで回る。

 

「ん?ここの壁、少しめくれてる?」

 鎖で繋がれている時はよく見えなかったが、白い壁に切り込みが入っている部分があった。それもかなり小さい。俺は切り込みの間に爪を入れ、思いっきりはがす。

 

ビリ!!

 壁に薄い紙が貼ってあったようで、折り紙サイズの形に破れた。

 

 

「こ、これは!?」

 

 めくれたのと同時に出てきたのは盗聴器だった。まさかこのような方法で隠してあったとは。となると……

 

 

 

 

 

「穂乃果とことりが危ない!!」

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

 穂乃果とことりは病院の廊下を走りながら出口へと向かう。病院内と言っても周りの部屋は使われている様子はなく、誰も通る気配はない。おそらく使われていない病棟なのだろう。

 

「もう!無駄に迷路だね、この病院」

 

「穂乃果ちゃんの頭で抜けられるの?」

 

「もう頭の話題はいいよ!!」

 煽りスキルに関してはことりの方が一枚も二枚も上だ。勉強に関しては穂乃果はことりに勝てている教科は1つもない。しかし、閃きやその場の機転という意味では穂乃果の方が上だ。人の価値は勉強だけでは測れない。

 

「後はここを降りれば…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?もう帰っちゃうのね?」

 

 

 

 

「「!!!」」

 

そこには……真姫がいた……

 

 




(付録)現時点でわかるメンバーのヤンデレ度

正常(?):海未、凛、にこ
予備群:花陽、絵里、希
異常:穂乃果、ことり
末期:真姫


次回は第一章完結編です。(多分)
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