転生少女たちとゆるキャンパー   作:MT75B

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34話です。東京編も最後となりました。
一応言っておきますが、時系列は2024スタートにしてますので、本話からは2025年となります。


#34 初日の出と初ハプニング

(前回のあらすじ)

 

ショッピングした。あと2024年最後の日だった。

 

↑No Side

☆☆☆ーーー☆☆☆

↓晶 Side

 

ピピピピ!ピピピピ!ピピピピ!と、目覚ましアラームが鳴り響く。3回くらいなったところでアラームを消して頭を上げた。

 

晶「......よし、なんとか起きれたな。」

 

今は朝の4時30分、ウチらが乗る予定の列車は6時5分発なのでこの時間に起きることにした。

布団から抜けて電気を点け、目を覚ますために顔を洗う。そういえば他の2人がちゃんと起きてるんかな。いや、姉御が朝強いからそこは大丈夫か。

 

晶「よぉし目が覚めた。これだいじょーぶだいじょーぶ。」

 

とはいっても、頭は完全に覚醒したわけじゃない。まだ油断は出来ん状況だ。

さて、ウチは隣のベッドに寝ている女子を起こさなければならない。

 

晶「綾乃~。起きる時間やでー。」

綾乃「んん......おしるこぉ......」

 

どんな夢見とんねん。

 

晶「あ~や~の~!」

 

こんどは綾乃の肩をゆっさゆっさ揺らす。が、それでも一向に起きる気配がしない。

 

綾乃「んえぇぇぇぇおしるこぉ...おぼぼ...」

晶「おい、大丈夫か。」

 

しょうがない、あまりやりたくなかったが...

 

晶「えい。」

綾乃「ぐえ。」

 

ウチは綾乃の鼻を思いっきりつまんだ。

 

晶「あけましておめでとう。」

綾乃「...あけおめ。」

 

☆☆☆ーーー☆☆☆

 

綾乃「晶ぁ、なにも鼻を思いっきりつまむことはないでしょー。」

晶「だって肩揺さぶっても起きなかったでしょ?」

綾乃「う...それはそうだったけどさ...」

 

綾乃は不服そうに( ○'н' )ムーと頬を膨らます。起きなかったアンタが悪いんやで、と言ってやりたい気分だ。

エレベーターのドアが開くと、目の前のロビーには既に姉御とほむらが待っていた。

 

伶「あけましておめでとうございます。」

ほむら「あけましておめでとう。」

綾乃「あけおめー。」

晶「あけましておめでとうございます。じゃ、全員そろったことだし外出よっか。」

 

ロビーの自動ドアを通って外に出る。早朝5時半ということもあり、あたりの空気はものすごくひんやりしていた。

 

ほむら「...東京って身延とは別の寒さを感じるわね。」

 

彼女の言う通り、山間部の身延と都市部の東京では寒さの感じ方が微妙に違う気がする。東京は乾燥しやすいという気候が影響しているのだろうか。

 

ほむら「伶、晶。その長いケースはなんなの?」

晶「あーこれ?今説明してもええけどモノ出すの面倒だからあとでええかな。」

ほむら「?別にいいけど。」

 

立会道路との交差点にあるコンビニで朝ごはんを買い、大井町駅へ向い6時5分発の大船行に乗車した。

 

伶「意外と人乗ってるな。」

晶「だな。みんな【あの駅】に行く人なんかな。」

伶「それはわからないけど普通にありえるんだよなぁ。」

 

列車は大森、蒲田、川崎と停車し、6時19分に鶴見駅に到着。日の出の時刻が迫ってきたのか、奥の方の空はほんのりオレンジに染まっているように見えた。

 

伶「ここで乗り換えるよ。」

 

目の前にある階段を登り、改札口の左側にある鶴見線ホームへと移動する。発車標上段には【6:20 JI10 扇町】が点滅表示されていた。

 

綾乃「え、もう出ちゃうじゃん!?」

ほむら「ってドア閉まってる!!」

 

目の前にいた扇町行は既に閉扉作業が済んでおり、ゆっくりと加速していった。

 

ほむら「ちょっと、電車行っちゃったじゃない!」

伶「何をそんなに焦っているの?」

ほむら「だって...」

晶「あー安心してや。ウチらが乗るのは6時30分発の列車だから。」

ほむら「そうなの?」

伶「っていうか6時半の列車が目的地に行ける初発だからね。」

ほむら「意外と遅いのね。」

綾乃・ほむら「よかったぁ。」

晶「そうそう、今から行く駅はトイレあったか怪しいから今のうちに行くことをオススメするで。」

綾乃・ほむら「は~い!」

伶「一応トイレはあるのか...」←調べた

晶「でも汚かったら嫌やしな。今のうちに行っておいた方がええんやない?」

伶「それもそうだな。」

 

乗り遅れていないことを知って安心した2人に続き、ウチと姉御もトイレに行く。

再び鶴見線のホームに戻ってきたときに、ブラックフェイスが濃い青に縁取りされたような車両がちょうど入線してきた。

 

伶「始発表示だっけ?それ撮らなくていいのかい?」

晶「あ、そっか!」

 

姉御に言われて急いでカメラを取り出し、すぐに側面行先表示器にレンズを向けて連写する。ドアが開いて2秒後に「次は 国 道」の案内付き表示に切り替わった。

 

伶「どう?撮れたかい?」

晶「バッチリ!ありがとな姉御。」

ほむら「この電車、なんかのっぺりしてるわね。」

綾乃「え、そう?他の電車とあまり変わって無いように見えるよ?」

晶「電車がのっぺりしてる...?あ、そういうことか!」

伶「あぁ、ほむらの言いたいことが分かった。」

綾乃「え、え?なに??」

晶「とりあえずあと5分で出ちゃうから中入ろか。」

綾乃「う、うん。」

 

ウチらは目の前に止まっている車両に乗り込む。残念だけど座席はすべて埋まっていた。というか結構混んでて座れるはずがなかった。

 

綾乃「で、ほむらがさっき言ってたのはどういうこと?」

伶「2人とも、電車の中を見て何か気づくことはない?」

綾乃・ほむら「中ぁ~?」

 

2人は「?」の表情で車内を見回す。

 

ほむら「あっ!ドアがまっすぐになってるわ!!」

綾乃「本当だ!それに、さっき乗った電車よりちょっと狭い?」

伶「正解!関東を走るJRの車両は基本的に【裾彫り構造】っていう卵っぽい形をしているのがほとんどなの。」

晶「だけど、鶴見線は急カーブの途中ですれ違う時に車両同士が接触しないよう、【ストレート構造】っていうまっすぐな車体が用いられているんだ。」

綾乃「あ、だから狭く感じるんだ。」

伶「そそ。」

 

ーーーーーー

 

6時30分に鶴見駅を発車した列車は、すぐに東海道線などのたくさんある線路を超え国道駅に到着する。実はさっき言ってた急カーブの途中というのはここのことで、線路と線路の間隔が狭いがゆえに、京浜東北線みたいな形をした車両同士がすれ違えないのだ。

 

綾乃「うわっ!隙間広すぎない!?」

 

その凄さはホームと車両の間に5~10cmくらいの隙間を平然と作ってしまうほどである。これ、落ちたら結構大変だよね...

その後は鶴見小野、弁天橋と続き、三角形のホームが特徴的な浅野駅で浜川崎方面の線路と分岐をする。

 

ほむら「ねぇ、この先に初日の出スポットがあるのよね?思いっきり工場の中進んでいるのだけど......」

伶「まぁ~楽しみにしときな。着いたらわかるから。」

 

浅野駅を出た列車は進行方向を90度右に変え、旭運河に沿ってゆっくり走る。新芝浦駅を出発してしばらく進み、再び進行方向を90度右に変えれば______

 

綾乃・ほむら「海だーーーーーーーーー!!!!」

 

窓の先には海(?)と製鉄所がデーン!と広がっていた。

 

放送《次は終点、海芝浦、海芝浦。お出口は左側です。》

晶「さぁ、今日の目的地に着いたで!」

 

列車は終点の海芝浦駅に到着。ホームと線路は1つずつのみの無人駅で、ここからは製鉄所以外に鶴見つばさ橋も見えるようになっている。

 

ほむら「海に横づけになっている駅に来たの初めてかも...」

綾乃「なんか海と一緒になったみた~い!」

伶「まぁ正確に言うと運河なんだけどね。」

綾乃・ほむら「え、そうなの?」

 

実は目の前にあるのは東京湾ではなく【京浜運河】という運河。ウチも最初は海だって思ってたし、運河だって言われるまで分からないほど広いのだ。

 

晶「日の出まであと15分くらいか...どうする?」

伶「隣接してる公園で朝ごはんを食べれるだけ食べちゃおうよ。今開いているみたいだし。」

伶以外「いいねー!!!」

 

というわけで、太陽が出てくるまで隣接する海芝公園で朝ごはんを食べることにした。

 

晶「よいしょ、よいしょ。」

綾乃「なにしてんの?」

晶・伶「三脚たててる。」

綾乃「わぁーガチ勢だ...って伶も!?」

ほむら「その長いケースは三脚入れる用だったのね。」

晶「こうでもせんと手ブレがひどくなってまうからな~。特に冬は。」

 

三脚をたて終えカメラをセッティングし、ファインダーをのぞきながらさっき買ったおにぎりを頬張る。元旦からやることじゃないのは重々承知だが、シャッターチャンスを逃したくないのでこうするしかない。

日の出時刻が迫るにつれどんどん人が増えていく。ウチと姉御の間にも2~3人くらいの人が入ってきて離れてしまった。

 

綾乃「あの2人、はたから見たら不審者だよね。」

ほむら「わかる。普通カメラ構えながらおにぎり食べないわよね。」パシャ!

綾乃「お、今の写真私にもちょうだいよ。」

ほむら「いいわよ。」

綾乃「サンキュー。」

 

おい、聞こえとんぞ。あと写真撮んなや。

おにぎりを2つ食べ終えたところで、製鉄所の奥の方が濃いオレンジ色になっていく。周りにいる人もカメラを構えはじめ、いよいよ本番であることをヒシヒシと感じつつある。

 

綾乃「隣入っていい?」

晶「もちろん。あれ、ほむらは?」

綾乃「多分伶の方に行ったと思う。」

晶「あーね。相変わらずお熱やな~。」

綾乃「だよねー。」

 

「来たっ...!」

 

誰が言ったのか分からない。その声が聞こえた瞬間、製鉄所の奥に明るく光る日の姿があった。

 

カシャッ___カシャッ___カシャッ___

 

その姿を1枚ずつ丁寧に、しかし確実におさめていく。ファインダー越しに見る初日の出は、いつも以上に美しく見えた。

 

綾乃「...綺麗だね。」

 

綾乃はいつもより大人っぽい声でそう呟く。

 

晶「...うん。」

綾乃「...ありがとう。」

晶「へ?ウチ綾乃に感謝されるようなことしたっけ?」

綾乃「したよ。」

 

そう言ったところで彼女はスマホの画面から目を離し、こちらに顔を向ける。

 

 

綾乃「私と一緒にここまで来てくれたこと!」

 

 

そう言って綾乃は二ヒヒと笑う。栗色の髪が日の光に照らされ、海風にさらされるその姿に、ウチは思わず見入ってしまった。

 

晶「......」

綾乃「...ん、私の顔になんかついてた?」

晶「あっ、いや大丈夫!そういうんちゃうから。それに...」

綾乃「それに?」

晶「お礼を言わなあかんのはウチや!綾乃がいなかったらバイクで東京へ行くことなかったんだもん。」

綾乃「......ふふっ。」

晶「え?ウチおかしいこと言ったかな?」

綾乃「いやいや、思わず笑みがこぼれただけですー。」

晶「ふっ、なにそれ。」

晶・綾乃「あはははは!!」

 

ほんの少しの間、ウチと綾乃はその場で笑いあった。

 

ーーーーーー

 

7時17分、日もだいぶ上った海芝浦駅を発車した列車は、明るくなった工場地帯を縫うようにゆっくり走っていく。

 

伶「いや~磐田と身延山の方もきれいだねぇ。」

 

大体同じ時間にリンからは磐田の福田海岸で、千明からは身延山で撮った初日の出の写真が送られてきた。もちろんウチらが撮った海芝浦での写真は送った。

 

リン{あけおめ

千明{あけおめ~!

あおい{あけましておめでと~!

晶{あけおめ :D

伶{あけましておめでと :)

ほむら{あけましておめでとう

綾乃{あけおめ~

杏子{あけおめ!

なでしこ{みんな、あけましておめでとう\( >ワ< )/

なでしこ{トリプル初日の出だ~!

 

1名返事がないのはまだ寝ているということだろう。相変わらずのお眠さんやなぁと思いつつ、ウチらも初詣したのちに大井町にあるホテルへと帰還したのだった。

 

ーーーーーー

 

晶「ところで、海芝浦って東芝の社員以外は改札外に出れないって知ってた?」

綾乃・ほむら「マジで!?」

 

☆☆☆ーーー☆☆☆

 

ホテルのベッドで1時間半爆睡し撤収準備を終えたころ、姉御とほむらがウチらの部屋にやってきた。

 

晶「およ、どうしたん?出発までもう少しあるで。」

???『その疑問は私が答えよう。』

晶「こっこの声は......由比さん!?」

綾乃「由比さんって確かほむらのお母さんだっけ?」

由比『お、その声は綾乃ちゃんかな?初めまして、ほむらの母の暁美由比です。』

綾乃「ど、どうも。土岐綾乃です。」

ほむら「とりあえず座らせてもいいかしら。」

晶「おぉ、どうぞどうぞ。」

 

ウチが使ってたベッドにほむらのスマホを置き、スマホを囲むようにして座る。

 

伶「あ、そういえばあけましておめでとうございます。」

由比『あぁ、他の子たちには言ってなかったね。みんな、あけましておめでとう。』

晶・綾乃「あけましておめでとうございます。」

ほむら「それで、みんなを集めてって言ってたけどどうしたの?」

由比『ほむらたちは今日東京を出るって言ってたわよね?』

ほむら「えぇ、そうよ。」

由比『実は年末にね、山梨の方で雪が降ったのよ。』

綾乃「みたいですね。友人から写真が送られてきました。」

由比『それでね......南部町から身延のあたりまで道路のほとんどが凍結しちゃって、バイクが通れない状態になっちゃったのよ。』

 

晶・伶・ほむら「えぇっ!?」

 

バイクに限らず二輪車にとって凍結した道路を走行するのは危険極まりない。というのも、車体を傾けた時にタイヤが滑って車両を支えきれず、転倒に繋がってしまう恐れがあるからだ。

 

由比『この感じだとしばらく溶けそうにもないのよねぇ。』

綾乃「え、それって結構まずくないですか?」

由比『そう、そこで綾乃ちゃんにお願いがあるの。』

綾乃「はっ、はい。」

由比『3日に肇さんっていう私の知り合いが山梨に来るって聞いたのよ。その人に浜松のあたりから3人分のバイクを運んでもらうことになったんだけど、ホテルが2人分しか確保できなかったのよ。』

綾乃「...つまり、残り1人を私の家に泊めてほしい、ということですか?」

由比『そうね。お願いできるかしら?』

綾乃「わかりました!大丈夫だと思いますが、念のため両親に確認取ってみます。」

由比『本当!?ありがとう!じゃあそういうコトだから、3人は3日まで浜松あたりでゆっくりしておいで。』

ほむら「えっ、えぇ。ありがとう...」

 

未だに状況が呑み込めていないのにも関わらず、由比さんは電話を切ってしまった。

綾乃はすぐに家に電話をし、「大歓迎よ!」という返事をもらった。あとは誰がお世話になるかだが...まぁ自動的にウチが泊まることになった(そりゃそう)。

 

ーーーーーー

 

晶「いや~まさか今日中に帰れないとはねぇ。」

伶『ね。凍結するほど冷え込むとはびっくりだよ。』

ほむら『日持ちするお土産だけにしておいて正解だったわね。これが生に近いお菓子とかだったらと思うと...』

綾乃『うわ~絶対に考えたくないやつだ。』

 

帰りは行きとは違う道を走ろうということで、国道1号経由で浜松へ向かうことになった。まさかの棚ぼた旅が発生したことに綾乃を除く3人はかなり困惑していた。

 

晶「それにしてもこんな形で浜松に再来するとは。」

伶『そっか、晶は前に浜松行ってたもんね。』

晶「そーそー。綾乃と仲良くなったのもその時だし。」

 

インカム越しで会話しながら、国道1号線に向けて立会道路をひた走る。

 

綾乃『3人には申し訳ないけど、コクイチを最後まで1人で走らなくて済んだから私としては嬉しいかも。』

晶「あ、あの虚無い区間走るのか...嫌やなー。」

伶『そもそもコクイチは浜松までに3区間も虚無いところある時点でもう嫌になるよね。』

ほむら『あぁぁぁぁぁぁぁ余計なこと言わないでちょうだい!!!!!!!!』

 

そんなほむらの叫びは虚しく、目の前に国道1号が現れる。

 

晶「......みんな、ここが正念場や。強く生きよう。」

晶以外『お、おす...』

 

長い長い道のりを得て浜松駅に到着したのは、その日の19時をまわったころである。




34話でした。これでヌルっと原作につなげられるかな。
意外とすいすいかけちゃいました。自分でもびっくりです。
次回からは久々の原作に沿った内容になります。評価・感想・アンケートなど、よろしくお願いします :)

番外編を書こうかな~って考えてます!どのお題がいいか選んでください!!

  • ほむらの断髪式
  • 少女の突発弾丸旅
  • 球技大会 in 3月
  • その他(感想欄に記載をお願いします)
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