転生少女たちとゆるキャンパー   作:MT75B

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35話です。原作合流会です。
16話時点で決まっていなかった綾乃母の名前が決まりました。

2026/5/15
伶とほむらが泊まるホテルですが、この後の展開に大きく影響するミスが発覚したので場所を変えました。


#35 棚ぼた浜松旅

(前回のあらすじ)

 

初日の出めっちゃ綺麗だったけど道路が凍結して帰れなくなった。

 

↑No Side

☆☆☆ーーー☆☆☆

↓晶 Side

 

綾乃「ごちそうさまー。」

晶「真弓さん、ごちそうさまでした。ごはん美味しかったです!」

真弓(=綾乃母)「あら!ありがとう~晶ちゃん!」

 

ウチは今、舞阪にある綾乃の家に泊まっている。というのも、山梨へ向かう道路が凍結して帰れなくなり、なんやかんやの理由が付随したためだ(詳しくは前回参照)。

 

真弓「2人とも、食器はこっちに持ってきといて。私が洗うから。」

晶「いやいや、自分で洗いますよ。」

綾乃「そうだよお母さん。自分で使ったものなんだし。」

真弓「いいのいいの!昨日東京から通しで来てお疲れだろうからここは私に任せて!」

綾乃「わかった。ありがとう!」

晶「じゃあ、お言葉に甘えて...」

 

綾乃のお母さん、真弓さんは栗色の髪で琥珀色の目をしているが、綾乃とは違ってロングヘアーである。とはいえ、綾乃の容姿が十分母親似と言えるほどだ。ちなみにめっちゃ美人である。

 

真弓「今日なでしこちゃんのおばあちゃんの家に行くんだっけ?」

綾乃「そうだよー。」

真弓「じゃあ【しず花】の大福買ってきな。はいこれお金。」

綾乃「ありがと。」v(^^)

晶「【しず花】の大福?」

綾乃「うん。あそこの大福めちゃくちゃ美味しいんだよねー。」

真弓「ゆえにめちゃくちゃ人気でね。1000個は余裕で売れるみたいだよ。」

 

へぇ~!そんな有名な和菓子屋さんがあるのか。ウチも食べたなってきたな。

 

晶「ところで、その和菓子屋さんって何時開店なんですか?」

真弓「たしか...9時だったかな。場所は舘山寺の近くよ。」

 

___ん?舘山寺の近くで9時開店?

 

晶「綾乃、今何時?」

綾乃「えーっと......今は8時だね。」

 

8時、舘山寺の近く、9時開店、人気店......

 

晶・綾乃「やばい!」

 

いや、本当に優雅に会話している場合ちゃう!急いで歯を磨いて準備してバイクを起こさないとアカン!!

 

晶「綾乃、急ごう!」

綾乃「うん!」

 

ーーーーーー

 

綾乃『じゃあお母さん、そろそろ行ってくるね。』

晶「真弓さん、行ってきます!」

真弓「2人とも、気を付けて行ってくるんだよ。あと、なでしこちゃんたちにもよろしく伝えておいて!」

晶・綾乃「『は~い!』」

 

時刻は8時15分、綾乃の家を出発したウチらはまず県道49号線を道なりに北上していく。

 

綾乃『伶とほむらは佐久米のホテルにいるんだっけ?』

晶「そそ!あいつらは浜名湖佐久米駅で集合するよ。あとリンもこっちの方来るみたいだよ。」

綾乃『たしか前一緒に走ったビーノに乗ってる子だよね?』

晶「うん、モロに凍結の影響喰らったらしい。」

 

姉御とほむらのホテルは浜名湖佐久米駅近くにある、浜名湖が一望できるホテルに泊まっている。ただ、東京から浜松までほぼぶっ通しで走り抜けたうえで、そこからさらに浜名湖の対岸までバイク移動するのは精神的にまずい。なので、彼女らのバイクは土岐家のガレージに置かせてもらい、夕飯を一緒に食べたあと列車を乗り継いで浜名湖佐久米駅へ向かった。

ちなみに今回、なでしこの祖母宅にお邪魔するのはリンもである。もともとは綾乃となでしこ、杏子の3人が2日間遊びに行く予定だったのだが、我々東京組と磐田でキャンプしていたリンが路面凍結で帰れなくなってしまった。そのタイミングで

 

なでしこ{私、杏子ちゃんと2日~3日に浜松のおばあちゃんの家に泊まりに行くんだけど、良かったらみんなも泊まりに来ない?奥浜名湖のほとりにあってすっごくいい場所なんだ!

 

と助け船を出してくれたのだ。宿泊場所が確保済み&親負担確定の東京組とは違い、リンは宿泊費がかさむのを防げることから「お願いします!」と即リプしたそう。

 

綾乃『いや~路面凍結って大変だね~。ところで、晶って誕生日いつなのー?』

 

えらい唐突に話変わるな。

 

晶「9月18日やで。」

綾乃『えー意外!めっちゃ元気だから8月とかかと思ってた。』

晶「よく言われるなぁそれ。姉...伶も結構言われるって言ってたなぁ。」

綾乃『よく言われるんだ。』

晶「綾乃はいつなん?」

綾乃『7月25日だよー。』

晶「おぉ早いな!じゃあバイクも早めに乗れた感じ?」

綾乃『そうそう!』

晶「いいなぁ~。」

 

やがて、浜名大橋との分岐点が見えてくる。この先はまっすぐ行ってしまうと有料道路を使わなければいけなくなってしまうので,左折して浜名大橋を横断する。

そうだ、ちょっと気になってたこと聞いてみよ。

 

晶「綾乃はさ、なんでバイクに乗ろうと思ったん?」

綾乃『おじいちゃんが昔バイク乗ってて、小さい頃は後ろによく乗せてもらってたんだよ。』

晶「へぇ~、綾乃の原点はタンデムかぁ!」

綾乃『うん。まぁ腰痛でもう乗れなくなっちゃったんだけどね。晶は?』

晶「ウチは旅先で出会ったおじいさんがきっかけやね。」

綾乃『旅先で出会ったおじいさん?』

晶「うん。受験終わった後の春休みに、例のバカップルと3人で長野に行ってたんよ。その時におじいさんが乗ってたバイクに興味持ったの。」

綾乃『へぇ~、じゃあそれがきっかけで?』

晶「うん。誕生日迎えた後2か月くらいで小型普通二輪免許取った。」

綾乃『早っ!』

 

そんな会話をしているうちに浜名大橋を渡り終え、左には村櫛の砂浜が見えていた。この先にある万歳坂を超えれば舘山寺まで半分といったところ。そこでウチは綾乃に提案をする。

 

晶「綾乃、坂超えた先にあるコンビニで少し休憩しない?」

綾乃『いいねー!しよしよ!』

 

☆☆☆ーーー☆☆☆

 

晶・綾乃「舘山寺、到着!!」

 

5分のコンビニ休憩を経て再びバイクを走らせること15分、ウチらは舘山寺に到着した。

 

晶「それにしても結構車止まってるなぁ。」

綾乃「多分初詣なんじゃないかな?」

晶「あそっか。初詣って言っても必ず元日に行くって決まりちゃうもんね。」

 

ふと駐車場を見渡すと水色のビーノがちょこんと止まっているのが見えた。

......あれ、リンの原付だよな。もしかしてアイツも舘山寺に?

 

綾乃「どうかしたの?」

晶「あぁ。あそこに水色のビーノが止まっているから、もしかしてリンもここに寄っているのかなって。」

綾乃「お、ほんとだ。」

 

途中にある大量の鰻屋さんの暴力に耐え抜くこと大体2~3分、駐車場を抜けて裏参道(?)に出てすぐのところに【しず花】は鎮座している。

 

晶「鰻......うなぎ......ウナギ......Unagi......」

綾乃「だ、大丈夫?」

 

店舗敷地内にはどういうわけか何台か車が停まっていたが、お客さんは1人の少女以外誰も居なかった。そしてそこにいる少女が誰なのか、ウチはすぐに分かった。

 

晶「リン!あけましておめでとう。」

リン「うおぁびっくりした!あ、あけましておめでとうございます...」

綾乃「リンちゃんあけおめ~。」

リン「あけおめ。アヤちゃんも一緒に来てるんだ?」

綾乃「そだよー.........もしかして、整理券もう配ってる感じ?」

リン「そうだな。」

 

うん?整理券??まだウチらしかおらんのに?

 

綾乃「晶、私たちも整理券貰おう。」

晶「お、おん。」

 

なぜか急ぐ素振りをしながら店頭窓口に向かう綾乃にウチは慌ててついて行く。整理券は店に貼られた紙を持っていくシステムで、番号は【24】だった___うん、24?

 

綾乃「あちゃー、やっぱ遅かったかな...」

 

その言葉を聞いてウチははっと息を呑んだ。

 

晶「......ねぇ、もしかしてだけどこれって...!?」

綾乃「晶、そういうこと。」

リン「え、どういうこと?」

 

そのとき、開店5分前となったからか店舗駐車場に停めていた車からぞろぞろと、さらに追い打ちをかけるように別の駐車場からぞろぞろと人が集まってきた。

 

リン「なっ...!」

晶「車の中で待機してたんか...!!」

綾乃「冬の浜名湖畔は寒いからねぇ。」

店員「おはようございます!」

 

お店の入り口から店員のおばちゃんが顔をだし、皆に聞こえるように声を張り上げた。

 

店員「これから【いちごの雫】の注文を承ります。買われる個数をお教えください!」

客A「50個ください!」

客B「私も50個!」

客C「僕も50個お願いします!」

客D「私も50個で!」

客E「50個で!どうぞ。」

客F「50個お願いしまーす!」

晶・綾乃・リン「な ぬ ! ?」

 

ちょちょちょちょっと待って!?50個買う人こんなにおるん!?!?

その後も「50個クレメンス」とコールが続く。ちょっと早く着いたリンの整理券番号は【23】。つまり、この調子で行くと50個×22組の計1100個売れる計算だ。

 

晶「み、みんな買いすぎやろ!?」

綾乃「お母さんはいつも20個入り買ってたからその想定だったんだけど......」

リン「ちょ...ちょちょちょ......!

 

   ちょっと私達の分も残して!!10個でいいからぁぁぁぁぁぁ!!!

 

☆☆☆ーーー☆☆☆

 

リン「ふぅ...佐久米駅到着っと。」

晶「なんとか買えてよかったな。」

綾乃「それなー。」

 

名物【苺のきらめき】をなんとかゲットしたウチらは舘山寺周辺を軽く巡り、再びバイクを走らせて姉御らとの待ち合わせ場所である【浜名湖佐久米駅】にたどり着いた。時刻は11時25分、待ち合わせの11時31分の列車までにはなんとか間に合った。

 

晶「そろそろ列車来るからホーム行ってくるわ~。」

綾乃・リン「ういー。」

 

少し疲労を重ねた2人をよそに、ウチは単式1面のホーム掛川寄りでカメラを構える。今は【あれ】がおらんのかと思いつつ待つこと5分、姉御たちが乗っている1両の気動車がやってきた。

 

カシャカシャカシャカシャカシャ___

 

とシャッターチャンスを逃すまいと連写する。新所原寄りのドアからはなでしこと杏子の2人が降りるのを確認できた。

 

なでしこ「あ!晶ちゃ~ん!」

晶「気づくの早。あ、先にホーム出ちゃってて!」

なでしこ「うん?分かった~。」

 

2人が駅舎をくぐったの同時に下り列車は浜名湖佐久米駅をあとにする。それから上り列車が来るまでの20分間、駅ホームのスナップ写真を撮ったりベンチで小休止したりして時間を潰した。

やがて上り列車が来る5分前になったとき、複数の白い鳥が羽ばたいてホームに飛来してきた。

 

晶「来た来た...思った以上に来とるな!?」

 

想像以上に鳥が来て少し驚きつつ、鳥にピントを合わせてシャッターボタンを押す。

 

なでしこ「みんな、こっちこっち!面白いのが見られるよ!」

 

となでしこが他のみんなを駅のホームへ連れてくる。浜名湖佐久米駅は無人駅なので、入場券を買わずに駅構内へ入れるのだ。どうやら姉御とほむらも無事に合流できたみたいだ。

 

リン・ほむら・杏子「うわっ!?」

伶「すげぇ...」

なでしこ「かわいいでしょ?ユリカモメ。冬になると沢山集まってくるんだよ」

ほむら「結構人馴れしているのね。」

 

綾乃を除いた4人は初見なので、この光景に驚いていた。

 

なでしこ「どう?すごいでしょ......?」

 

なでしこは言葉を失う。なんと、杏子の両肩と頭の上に3羽のユリカモメが止り木代わりで羽を休めていたのだ。

 

杏子「ひ、人馴れしすぎだろ......」

綾乃「たまにあるんだよねー。杏子ちゃん、ラッキーガールだね!」

杏子「ラッキーなのはわかったけど身動き取れないぞ。」

なでしこ「あはは...」

 

その様子をウチは逃さずシャッターを押す。

 

晶「みんなお疲れ。伶、カメラ出さんでええの?」

伶「うん?」

晶「あの光景が見れるんやで。」

伶「あの光景......あぁ、あれか!列車来るまであと何分?」

晶「あと2分。」

伶「げ、意外と時間無いな。」

 

姉御は急いでカメラを取り出し、諸々の設定を1分で終える。

 

伶「よし、何とか間に合った!」

 

フィー!フィー!!フィー!!!

 

新所原方面から爆音警笛をかましながら入線する列車に反応し、大量のユリカモメたちはバッサバッサと羽ばたき始める。その波に巻き込まれ、浜名湖佐久米駅のホームから2つのシャッター音と7人の笑い声が発せられていた。

 

☆☆☆ーーー☆☆☆

 

リン「なでしこ、ここからおばあちゃんの家まで近いの?」

なでしこ「歩いて20分くらいかな?あ!その前にお昼食べてかない?近く美味しい鰻屋さんがあるんだよぅ!」

晶・伶・リン・ほむら「え"」

 

鰻___それは、日本では土用の丑の日に夏バテ予防としても食べられる高級魚。その鰻をなでしこは今から食そうと言うのだ。

 

杏子「お、ついに鰻が食えるのか!」

なでしこ「そうだよぉ~!杏子ちゃん待望の【浜名湖うなぎ】!」

杏子「なぁなぁ、早く行こうぜ!」

綾乃「な、なでしこ?もしかしてあのお店行くの?」

 

念願の浜名湖うなぎが食べれると舞い上がっている杏子とは対照的に、綾乃は今までにないくらいの冷や汗をかきながらなでしこに聞く。

 

なでしこ「うん。この辺で一番近いのあそこだし。」

 

そう言いながら、なでしこは少し先に見える鰻屋さんを指さした。

 

綾乃「あのお店、一番安くて2000円くらいした気が......」

晶・伶・リン・ほむら「」∑(゚Д゚;)

 

ダァァァァァァニィィィィィィ!?!?!?!?一番安くて2000円だとぉ!?

 

リン「あ、あの、私今1200円ちょっとしか持ってなくて...」

晶「う、ウチ今手持ちが...」

伶「なでしこ、この辺って銀行___あれ、あいつらは?」

なでしこ・杏子「うっなぎ~♪うっなぎ~♪」

なでしこ・杏子以外「もう店に入ってるし!」

 

ルンルンで扉を開けた2人を追いかけるようにウチらも慌てて入店する。否、してしまったという表現が正しいのかもしれない。

奇跡的にカウンター席が7人分空いていたので、左から杏子、なでしこ、リン、ウチ、綾乃、姉御、ほむらの順で座ることになった。

 

なでしこ・杏子「特上7人分お願いします!!」

板前「あいよ、特上7ね。」

 

2人は木製の椅子に座るや否や、流れるように特上を7つ注文した___特上7つ?

 

なでしこ・杏子以外(特上7つぅ!?)

 

特上のお値段を確認するためにおそるおそるメニュー表を除くと......縦に「四〇〇〇円」と毛筆体で強く書かれていた。

 

なでしこ・杏子以外(4 0 0 0 え ん ! ? ! ?)

 

多分目ん玉がスポーン!と飛び出ていたに違いない。ウチは財布を取り出して中身をチラリ...北里さんが3人コンニチハ___足りねぇぇぇぇぇ!!!!!!

 

晶「な、なでしこに杏子?その、ウチr」

なでしこ「大丈夫!!」

 

手持ちが少ない貧民たちが絶望に瀕していると、なでしこと杏子の懐からそれぞれ渋沢さんと樋口さんの2名、計4名がカウンターにドン!と召喚される。

 

なでしこ・杏子「お代は任せて(任せな)!!」

なでしこ・杏子以外「え...?」

なでしこ「実はね___」

 

↑晶 Side

☆☆☆ーーー☆☆☆

↓なでしこ Side

(元日)

 

なでしこ「お父さーん、杏子お姉ちゃん。ちょっと良い?」←身内だけの時は杏子のことを「杏子お姉ちゃん」と呼んでいる

杏子「お、なでしこ。」

修一朗「どうしたんだ?」

なでしこ「色々あって2日に友達5人が浜松に遊びに来ることになって...」

修一朗「浜松の美味いもんを食わしてやりたいってか?」

なでしこ「そうなんだよぅ。」

修一朗「実はちょうどそのことを杏子ちゃんと話しててな......ほい!」

なでしこ「え!?」

杏子「修一朗さん!?」

修一朗「なでしこと杏子ちゃんが日ごろお世話になってる友達だからな!そいつで浜名湖の鰻を食らわせてやるんだぞ!」

なでしこ・杏子「ありがとう(ございます)!!」

 

↑なでしこ Side

☆☆☆ーーー☆☆☆

↓晶 Side

 

杏子「___というわけで、修一朗さんがお金出してくれたんだ。」

なでしこ「そういうことだから、心配せず味わってくれたまえ!」

なでしこ・杏子以外「は、ははー!!!!!」

 

なでしこパパさん、本当にありがとうございます!こんど改めてお礼をしなければ!!

そうこうしているうちに7人分の鰻が板前さんの匠な包丁さばきによって解体されていく。丁寧であるのはもちろんだが、そのスピードはとても速く、あっという間に解体作業が終わった。これがプロの技...

 

リン「なでしこ、目を覆ってどうしたの?」

なでしこ「私、血がダメなんだよぅ...」

なでしこ以外「じゃあなんでカウンター選んだんだよ。」

板前「...特上お待ち!」

 

板前さん、その間はなんなんすか......いや、そんなことはどうでもいい!目の前にはめったにお目にかかれない特上うな重がそこにあった。

7人分揃ったところでお重の蓋を一斉に開ける。香ばしい香りが鼻に流れると、そこには秘伝のたれによって煌々と輝くうなぎの姿が!

 

なでしこ「じゃあ、食べよっか!」

全員「いただきまーす!!!!!!!」

 

箸を入れると鰻の身がスッ__と切れる感覚に驚きながらも、たれがしみ込んだごはんと共に口へ運べば......

 

う、うますぎる!!

 

外はカリッと、中はふわふわな鰻の食感に、お店自慢のタレの風味とご飯のほんのりとした甘さが絶妙なバランスで口内に絡み合う。このうまさが一口重ねるごとに更新されていく。あまりにうますぎて左隣で食べていたリンと目が合ってしまうほどだ。

 

なでしこ「おいひぃねぇ~。」

 

なでしこが満面の笑みでそうコメントする。ウチらも深くうなずき、杏子に至っては感動で手が震えていた。

 

リン(だめだ、こんな味を覚えたら...)

ほむら・リン「また浜名湖まで来なきゃいけなくなる...!」

綾乃「おーい、心の声漏れてるよー。」

伶「まずいな、私の右隣にいるやつの飯目当て訪問先が増えちまったよ。」

晶・綾乃「あぁ......」

なでしこ「ぷはぁ!」

なでしこ以外「ってもう食い終わってるし!?」

 

そういえば、なでしこは一度に食べる量が多いだけでなく食べるスピードも速かったわ...

 

ーーーーーー

 

全員「ごちそうさまでした!!!!!!!」

 

鰻屋さんを後にし、ウチらはなでしこの祖母宅へ歩き出す。

 

杏子「終わっちまった......」

なでしこ「だねぃ......杏子ちゃん?どうしたの杏子ちゃん!?」

杏子「...あれ、アタシはなんで...?」

 

なでしこと杏子は前を歩いていたから顔が見れなかったが、なでしこがハンカチを杏子に手渡ししている。あぁ、そうだよな。と、ウチはなんとなくだが泣いている理由を察した。

 

晶「なぁ、少しだけゆっくり歩かへん?」

伶「別にいいけど、唯一おばあちゃんの家を知っているなでしこと離れて大丈夫なのか?」

晶「なでしこにはお宅までの道を教えてもらうからさ。」

 

ウチはスマホを取り出し、なでしこのDMタブを開く。

 

晶{なでしこ、ウチらはゆっくり行くから杏子と先に行ってていいよ

晶{ついでにおばあちゃんの家までの道を教えてくれると助かる

なでしこ{く(`U´)了解です!!

なでしこ{(Googleマップの写真)

なでしこ{ルートはこんな感じだよ~

晶{さんきゅ :D

なでしこ{杏子ちゃんのことは私にお任せあれ!

晶{よろしく :)

 

なでしことのやりとりを終え、ウチは後ろにいる4人に振り返る。

 

晶「じゃあのろのろ散歩していきますか。」

リン「晶、急にどうしたの。」

晶「まぁまぁ、良いではないか。今は2人だけにしてあげよ?」

伶・綾乃・ほむら・リン「......!」




35話でした。なでしこが家族内で杏子のこと何ていうかなーって考えた時に「杏子お姉ちゃん」がシンプルになでしこっぽいなと思ったので「杏子お姉ちゃん」と呼ぶことになりました。
で、浜名湖のうなぎ一度でいいんで誰か食わしてください(他力本願)
それでは次回も何卒。

番外編を書こうかな~って考えてます!どのお題がいいか選んでください!!

  • ほむらの断髪式
  • 少女の突発弾丸旅
  • 球技大会 in 3月
  • その他(感想欄に記載をお願いします)
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