(前回のあらすじ)
ほむら、2つ目のバイト先が確定する。
↑No Side
☆☆☆ーーー☆☆☆
パート① 杏子・なでしこ編
(杏子 Side)
杏子「ごちそうさまでした。」
なでしこ「むうぅ...これは笛吹市、これは甲府、ここも甲府......あ!身延!!」
杏子「なでしこ、それ私たちじゃ無理な案件だぞ。」
なでしこ「無理ってどういう...バス運転手だった......むわーーーーーバイトないよぉ!!!!!!!」
3学期が始まって1週間が経った木曜日の朝。なでしこは求人誌を見ながら朝食をとっていた。
杏子「っていうかこれアタシがこの前見た求人誌じゃんか。どおりで見たことあるなぁって思ったわけだ。」
なでしこ「そうなんだ...お母さん、この辺で高校生のアルバイト募集しているところ無いのかなぁ?」
静花「そうねぇ、前にすぐそこのオギノキャロットでパート募集していたみたいだけど、今はもう終わっちゃったみたいだし...」
なでしこ「そっかぁ。」
杏子「富士宮の方も駄目だったし、アタシらはいつになったら定職に就けるんだぁ!」
なでしこ「このままニートは嫌だよぅ!!」
桜「朝から騒がしいわね。」
リビングのドアからカイロを持った桜さんが入ってきた。
静花「おはよう、桜。」
桜「おはよ。お母さん、使い捨てカイロの買い置きこれで最後?」
静花「あら、もうなくなっちゃった?後で買いに行ってくるわね。」
桜「ないなら私が買ってくよ。一番使ってるし。」
あれ、桜さんっていつも車移動だよな。カイロ使う必要ってあるのか?
なでしこ「お姉ちゃん、車なのになんでそんなに使うの?」
桜「外出たら手冷えんのよ。」
杏子「へぇ、桜さん寒がりなんすね。なでしこみたいに強いのかと。」
桜「杏子ちゃん、私はなでしこみたいに強くないのよ。」
あ、そっかぁ。
桜「ところであんたたち、特になでしこは随分とのんびりしてるじゃない?」
杏子・なでしこ「うん?」
桜さんに言われ時計を見れば7時20分。なんだ、電車が出るまで30分もあるじゃないか。
杏子「あ、歯磨きしてないや。急ご急g」
なでしこ「うわぁもう20分だ!?まだ着替えてないよ~~~~~!!!!!!」
杏子「ウソだろ!?急げ急げ!!」
ギャーギャー!!!
桜「まったく、杏子ちゃんみたいにすぐ出られるようにしなさいよ...」
静花「あはは...」
桜「それにしても......この辺本当に求人がないわね。」
☆☆☆ーーー☆☆☆
千明「次のバイトなぁ...」
なでしこ「うん、やっぱなかなか見つからなくて。求人あっても甲府の方だし、身延あった!!って思っても朝から晩までのフルタイムだったりしてさー。」
放課後、いつもの狭い部室に集合し、バイトについて相談する。
千明「そういや近所のコンビニでバイト募集の張り紙見かけたんだけどさ、2日くらいしたらもう剥がされてたな。」
杏子「やっぱ求人少ないせいでどこも競争率上がってんのな。」
あおい「2人はどんなバイトがええん?」
なでしこ「そうだなぁ。特にこれというのは無いけど......やってて楽しい仕事がいいな。」
杏子「右に同じ。せっかく採用されたのに合わない仕事だったら嫌だし。」
あおい「楽しいバイトかぁ。」
あおいは少しだけ考え込み、「せや!」とひらめいた表情になる。
あおい「そないなら期間限定やけど、リゾートバイトなんて面白そうやない?」
千明「あぁ~スキー場とか旅館でやるバイトか。」
あおい「あと山小屋とかなー。去年の夏に山中湖のキャンプ場で住み込みのバイト募集しとったみたいやで。」
なでしこ「キャンプ場のアルバイト!?住み込みってことは毎晩仕事が終わったらキャンプできるのかな!?」
杏子「実際どうなのか別だけど憧れるよな~。」
あおい「わかるわ~。」
その後、千明が「うちらの店でも募集あったらすぐ連絡するわ。」と言ってくれたので、どうしても見つからなかった場合に甘えさせていただくことにした。
千明「ビバークの新刊借りて来たけど読むか?」
なでしこ「うん、読む読む~。」
ーーーーーー
杏子「実は冬のキャンプって流行りつつある感じ?」
あおい「最近はテレビ特集される機会も増えて来たしな。」
千明「ま、あたしらは前々から注目してたんだけどな!」
杏子(いうて始めたの最近だろ。)
☆☆☆ーーー☆☆☆
ヴー!ヴー!
千明とあおいの最寄り駅で別れてしばらくたったころ、2台のスマホが同時に振動する。スクールバッグからスマホを取り出し、通知のあるグループチャットを開く。送り主は桜さんだった。
桜{@なでしこ @Kyoko 身延駅近くで美味しい天丼の店みつけたんだけど来ない?
桜{あんたたち帰り道でしょ?
このグループチャットは家族間のものなので、修一朗さんや静花さん、なでしこも当然見ることができる。
杏子・なでしこ「おいしいてんどん......」
電車が身延駅に到着しドアが開いた瞬間に猛ダッシュ!駅前ということもあり2分くらいで天丼の店にたどり着いた。
なでしこ「来たよ、お姉ちゃん!!」
杏子「お待たせしました!!」
桜「ん、早かったわね。」
桜さんの隣で立っている従業員の方に会釈をし、なでしこは桜さんの前に、アタシはなでしこの隣に座った。
桜「大海老天重セット3つで。」
店員「かしこまりました。」
おおえびてん...でっかい海老天ってことなんだろうが、いったいどのくらいのサイズなのだろう。
なでしこ「晩御飯一緒に行こうなんて珍しいね。どうしたの?」
桜「ま、たまにはね。」
しばらく待てば、お重のフチからはみ出るほど大きくて肉厚な海老天が2尾、ご飯の上に乗った料理が3つ運ばれてきた。
店員「お待たせいたしました、大海老天重セットです。ごゆっくりどうぞ~。」
杏子「でっか!!」
なでしこ「ふぉぉ~~~~~!!尾頭つきだ!!」
目の前に出されたエビは今まで見てきた中でダントツに大きく、初見のインパクトがかなり強い。まさかここまで豪華だとは思わなかった。
杏子「こんな豪華なもの本当に食べていいんですか!?」
なでしこ「今日って何か特別な日だっけ?」
アタシらの問いかけに桜さんは想像を絶する回答をした。
桜「2人とも今日が給料日でしょ?たまには奢ってもらおうかと思って。」
杏子・なでしこ「」
今後の旅費やデスクまわりを弄るために年末年始で頑張って稼いだバイト代、その一部が今ここで溶けるという事実に、アタシの頭は一瞬にして真っ白になる。
なでしこ「ああああれはガスランプ買ったりキャンプの資金にしようかとおおお思ってて.....」
杏子「デスクまわりにかけられる予算が......」
桜「冗談よ。あれ探してたんでしょ?」
桜さんは1枚のポスターを指さす。
なでしこ「アルバイト募集中......」
杏子・なでしこ「高校生OK!?」
それはアタシたちがずっと探してきたもの___高校生でもできるバイトの求人だった。
なでしこ「ここバイト募集してるの!?」
信じられない!という声色で聞くなでしこに対し「そう書いてあるじゃない。」と冷静に返す桜さんは次のように述べる。
桜「ここ、募集を始めたばかりで求人誌にも載せてないって。」
杏子「桜さん......本当にありがとうございます。」
桜「お礼はいいのよ。私は手伝っただけだし。」
普段表に出ないだけで実は誰よりも妹思いな桜さん。今回も連日バイトが見つからないと嘆いていたアタシたちのために探してくれたのだろう。
なでしこ「はいっ!やりますやります!!」
桜「うるさいわね。天丼冷めるわよ。」
そう言う桜さんだが、彼女の顔はいつもより綻んでいるようにみえた。
アタシとなでしこがこの店にバイトとして採用されたのは、今から1週間くらい後のことである。
↑杏子 Side
☆☆☆ーーー☆☆☆
↓桜 Side
桜「行ってきます。」
まだ日が出ていない土曜の朝、私は家族を起こさないよう静かに自宅の玄関を後にする。
桜(寒っ......この感覚はまだ慣れないわね。)
18になってすぐに車の免許を取ってから私は1人でドライブすることが増え、いつしかそれが趣味となっていた。早朝に出発するのはゆっくりと余裕をもってドライブを楽しむため、今日みたいにノープランの場合はなおさらだ。
桜「......うん?」
私がラシーンの運転席に座ったとき、2枚のカードとラッピングされた箱が置かれてることに気づいた。
"お姉ちゃんいつもありがとう!山梨の冬は寒いけど負けないでね!!なでしこ"
"桜さん、バイトの件で本当に助かりました!これからもよろしくお願いします!!杏子"
2人の妹からのメッセージを読んで箱を開ければ【ハンディカイロ】とかかれたパッケージが出てきた。表面が金属でできているので繰り返し使えるオイルタイプのものだろう。
桜「まったく、キャンプ資金だのデスクだの言ってたくせに......2人とも無理してんじゃないわよ。」
今日はちょっといいお土産を買ってこようかな。
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パート② 神崎姉妹編
(晶 Side)
晶「姉御、アンチジョーカー400万再生おめでと!乾杯!」
伶「ありがとう!まさかたった1週間で400万いくとはね......」
3学期が始まって1週間が経った木曜日の夕方、ウチと姉御は身延駅前にあるレストランにやってきた。今朝アンチジョーカーが400万再生を突破したのでその記念にって感じである。ちなみにほむらは新しいバイト先が決まったみたいで、今日はそのシフトが入っているからここにはいない。
伶「いや~元の本家が凄かったからなんとなく予想してたけど、実際に目の当たりにするとビビるなぁ。」
晶「現に今でも衰えてないしな~。」
伶「んね。どこまでいくんだろ。」
晶「案外すぐに1000万いったりして。」
伶「いやいやいや、数年はかかるでしょ。」
晶・伶「あっはははは!!」
っと、いかんいかん。料理もドリンクと同じタイミングで来てるんだった。冷めてまう。
晶・伶「いただきまーす!」
ウチはローストビーフ丼を一口放り込む。うん、ローストされた肉の旨味とご飯が口の中でいい塩梅に絡んで美味い。
晶「ローストビーフ丼うま~。」モグモグモグモグ
伶「カルボナーラも美味しい。」モグモグモグモグ
あまりの美味さに双方が頼んだ料理はあっという間になくなってしまった。
伶「あ、あっという間に食べ終わってしまった......」
晶「美味すぎるのがいけないんや。ウチら悪くない。」
伶「ソレハ=ソウ___お、なんだこの紙?」
姉御が見つけた1枚の紙。その内容を確認してみると___
晶「......高校生バイト募集中。」
伶「何人でも歓迎......」
晶・伶「.........マジで!?」
ウチらは急いでドリンクを飲みほし、お会計をするためにレジへ駆け込む。
店員「お会計3000円です。」
伶「じゃあこれで。あと、バイト募集の張り紙を見たんですけど、2人分応募できますか?」
店員「!?て、店長!!高校生2人の応募来ました!!」
???「なんだって!?」
しばらくすると身長170cmくらいの女性が急いでくる様子が見えた。
???「お待たせしました!君たちがバイト希望の?」
晶・伶「そうです!」
???「実はここのところ人が足りなくてね、君たちのような若い人材を探していたんだ。もし明後日あいていたらそこで面接しようと思うんだけど大丈夫?」
伶「もちろんです!」
晶「お願いします!」
???「わかった。じゃあこれ名刺ね。」
伶「あっ、どうも。じゃあ私たちからも。」
???「あ、どうも......」
ウチらは店長と名刺交換をする。なるほど、【
晶「では出雲店長、日曜日にまた伺わせていただきます。」
伶「よろしくお願いします。」
出雲「こちらこそ!またのご来店をお待ちしております。」
↑晶 Side
☆☆☆ーーー☆☆☆
↓出雲 Side
出雲「......」
店員「店長、難しい顔してどうされたんですか?」
あれ、ボクってそんな怖い顔してたかな。
出雲「いや、あのくらい若い子が名刺持ち歩いてるの初めて見たなーって思ってね。」
店員「たしかにそうですね。」
「すみませーん!注文をお願いします!」
店員「あ、行かないと!」タタッ!
出雲「......」
従業員の子が注文をとりに向かったのを確認して、ボクは再び2枚の名刺に目を移す。
出雲「神崎さん......ね。面白くなってきたじゃん♪」
39話でした。どうにか5人のバイト先が決まったようです。
それでは次回もよろしくお願いします。
番外編を書こうかな~って考えてます!どのお題がいいか選んでください!!
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ほむらの断髪式
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少女の突発弾丸旅
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球技大会 in 3月
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その他(感想欄に記載をお願いします)