先に断りを入れておくと、今回の内容は次回投稿予定の小説を読まないとわからない部分が多少あります。順番が前後してしまって申し訳ございません......
前回のあらすじ
宮古上陸。
↑No Side
☆☆☆ーーー☆☆☆
↓晶 Side
あれからウチらは送迎バスに乗り、観光名所である浄土ヶ浜にあるホテルに到着。ただ、着いた時はちょうど日暮れ時ということもあり辺りは暗かったので、もともと予定していたホテル周辺の散策は明日に回すことにした。
晶「ぬああああん疲れたもおおおおん!!!!!」
綾乃「晶......?」
今日泊る部屋は和室なので、畳の上でダラダラとやりたい放題できる。ウチは例の語録を叫びながら、畳の上をゴロゴロ転がりまくった。綾乃が若干引き気味なのはスルーしておこう。
しばらくすると、どこからかヴー!ヴー!とバイブ音が鳴った。
綾乃「なでしこからだ......晶、ビデオ電話ってできる?」
晶「うん?」
ーーーーーー
なでしこ『綾ちゃん昨日ぶり~!』
綾乃「昨日ぶりー。」
晶「昨日ぶりて......そっか、この人ウチの家来る前に寄ったんだった。」
ウチは持参したiPadをリュックサックから取り出し、なでしことビデオ通話をつないだ。それにしても......
ほむら『久しぶりね、綾乃。』
綾乃「ほむらは本当に久しぶりだね。」
晶「なんでなでしこがほむらの家におんねん。」
失礼だけど2人ってこんな仲良かったっけ?いや仲いいのはそうだけど、家に遊びに行くほどだったか?
なでしこ『私と杏子ちゃんは今日バイトなんだけど、シフトが1個ズレちゃってて。』
ほむら『で、なでしこは「杏子お姉ちゃんと一緒に帰りたいから、それまでここでいさせて。」って言ったのよ。』
なでしこ『ちょっとほむらちゃん!』
ほむら『あら、間違ってないでしょう?それとも、あなたが怒っているのは、杏子の呼び方の件を言いふらされたからかしら?』(・∀・)ニヤニヤ
なでしこ『......ほむらちゃん。』
ほむら『あら、何かしら?』
ゴッッッッッッ!!!!
ほむら『グハァ』
画面越しに鈍い音とあまりも速い拳が映った気がするが、ほむらは果たして生きているのだろうか......
ほむら『ま、まぁ......話を戻すと、私も伶がバイトでヒマしてたからちょうどよかったのよね。ゲホッゲホッ...』
晶「すげぇよお前。よう生きとるな。」
ほむら『何年生きていると思っているのよ......いい拳だったわ.........』
なでしこ『ほむらちゃん、次今の事でからかったらどうなるか......わかるよね?』
晶・綾乃・ほむら「『ヒィッ!!!』」
怖っ!!なでしこのこと怒らせないようにせんと......
綾乃「そ、それでなでしこ。どうしてビデオ電話をしようと思ったの?」
なでしこ『あ、そうそう!2人とも今日泊まるとこ着いたんだよね?どんな景色が見れるのかなーって思って!』
晶「日が暮れてるからあんま見えんと思うでー?」
と言いつつ、ウチはiPadのカメラモードを切り替えて部屋の窓のそばに持っていく。時刻は17時前、日の沈むスピードは速く、ホテルに着いた時よりも暗くなっていた。
なでしこ『うーん、なんにも見えないねぃ。』
晶「おいこら。」
綾乃「も~なでしこ、晶は疲れてるんだから迷惑かけちゃだめだぞー。」
なでしこ『あ!晶ちゃんごめん~~~~!!』
晶「許さん。」
なでしこ『えぇ!?晶ちゃ~~~ん!!!』
晶「ウソウソ冗談やから。」
ーーーーーー
晶「______っ」
10畳ほどの和室に広がる、冷えた空気で意識が入る。体に何か掛けられているのを感じ、無造作に手を動かすと、分厚くてフカフカな質感を覚えた。
晶(これ、布団......?)
そこで初めて、ウチは寝落ちしていたことに気が付く。
えーっと確か、畳でひたすらゴロゴロして夕食を食べ、母親組と交互で温泉に浸って......あー思い出した。温泉上がってロビーにあるドリンクコーナーを堪能していたら
晴香「お!カラオケルームあんじゃ~ん!」
真弓「そこの若い2人は強制ねー。」
と、酒をキメていた母親2人組に連行され、もう一度温泉に浸る羽目になって___で、そのまま流れるように爆睡といったところだろう。なんか前にもシームレスにぶっ倒れてた気がすんな。
それにしても、分厚い掛け布団で体を覆い、加えて
晶(ん~、外はまだ暗いか......)
部屋のカーテンをめくるが、外は少し明るいとはいえまだ暗いのが実状だ。寒さに加え脳が覚醒してしまったのも相まって、二度寝するにもできないから余計にツライわけで。
晶(せや、せっかくだからホテルの周りをうろつきがてら浄土ヶ浜行ってみよう。綾乃は___)
綾乃「すーっ......すーっ......」
晶(ま、そりゃそうだわな。)
しゃーない、1人で行くとしよう。綾乃を起こさないように着替え、1室につき2つあるの鍵の片方とスマホ、カメラをウエストバッグに入れ、ダウンジャケットを身に着けて部屋を後にする。3階のロビーに着くと女性の従業員さんがフロントで出迎えてくれた。こんな朝早くからお疲れ様です......
そうだ、せっかくだから部屋の鍵を預かってもらおうかな。その方が安心だし。
晶「朝早くからお疲れ様です。部屋の鍵を預かっていただけますでしょうか。」
従業員「構いませんよ。」
晶「ありがとうございます。これ鍵です。」
従業員「確かに受け取りました。これからお1人で散歩に行かれるのですか?」
晶「そうですね。私だけ目が覚めちゃったので......」
従業員「そうでしたか___ふふっ。」
晶「?」
従業員さんはウチの顔を見てクスっと笑うそぶりを見せた。
従業員「いえ、なんでもありません。ただ、もう1人の方に愛されているんだなぁと思いまして。」
晶「はぁ...?」
愛されている?もう1人の方って言うのは綾乃のことなのは間違いないと思うが、いったいどういうことなんだろう?___まぁいいや。考えてもわからんし。
晶「それじゃ、行ってきます。」
従業員「はい。お気をつけて行ってらっしゃいませ。」
ーーーーーー
晶「綾乃に愛されている......か。」
まだ薄暗い中、木々に囲まれた階段を歩きながらさっきの事を考える。ウチは彼女のことを、一緒に旅に出てくれる心強い友人という認識でいる。
一方、ここ最近の綾乃はやたらグイグイと絡んでくるようになった。実のところ、年末年始のツーリングを境に、綾乃から何の用も無いのに「ビデオ電話した~い!」と連絡が来るようになっている。彼女の態度に変化があったのも丁度その頃なんじゃないかな......
証拠の裏付け___といってはなんだが、今回の旅は綾乃からのスキンシップが今までに比べて増えたように思える。先ほど従業員さんに言われたことがどうも引っかかるのはこれが原因だ。
晶「向こうはウチのこと......どう思ってんねんやろ。」
なんてボヤいていると、少し広めの2車線道路に合流する。少し先には海が見えているので、浄土ヶ浜はこの近く______あれ?
晶(どうして、ウチは向こうの気持ちを知りたがってるんだろ......)
やがて道路が海岸沿いに出ると、少し広めの砂浜と申し訳程度に置かれたバス停、白を基調としたレストハウスが視界に入る。ここが宮古市の誇る景勝地、浄土ヶ浜海浜だ。昼間であれば白く輝く岩肌と緑に染まった松が見れるのだが、日が僅かにしか出ていないこの時間は全部見えなくて、冷えた海風が強く吹いているのみである。
晶「5時45分......少し早かったな。」
真弓「おや、晶ちゃん?」
晶「うわぁ!?」
ってなんだ、真弓さんか。急に話しかけられてびっくりしたわ!
真弓「ごめんごめん、脅かすつもりはなかったよ?」
晶「あはは......真弓さんも来られてたんですね。」
真弓「うん。なんか目が覚めちゃって、はるちゃんはガチ寝してたから1人で来たの。」
晶「あ、ウチもです。」
真弓「そうなんだ~。」
晶「はい。」
真弓「......」
晶「......」
真弓「.........」
晶「.........」
か、会話が続かねぇ~~~~~~~~!!!
前お邪魔させていただいた時とは違って綾乃がいないから、マジでなに話せばいいかわからん。というか今気づいたんやけど、そもそも真弓さんと2人で話したことってこれが初めてでは!?
晶(ぬぉぉぉぉぉぉなおさら話題が見つからん!海風むっちゃ寒いわクソ気まずいわ、どないすればええんや!!)
真弓「......晶ちゃん。」
晶「はいっ!?」
1人で頭を抱えているところを話しかけられ、思わずビクッとしながら返事する。心なしか真弓さんの体が少しだけ後ろに寄っているのは気のせいだろうか。
真弓「......ありがとう。」
晶「へ?」
ウチ、真弓さんにお礼を言われるようなことしたっけ?
真弓「あはは、戸惑うのもわかるよ。もっとも、私がお礼を言っているのは娘のことなんだけどね。」
晶「綾乃、ですか?」
真弓「うん......少しだけ暗い話になっちゃうけど。」
そう言って真弓さんは一呼吸おいて口を開く。
真弓「その前に確認なんだけど、晶ちゃんは、綾乃となでしこちゃんが幼馴染だってのは知ってるよね。」
晶「はい、初めて会ったときに本人から聞きました。」
真弓「おっけーおっけー。それでね、なでしこちゃんが引っ越すって聞いた時、あの子は「なでしこが連日泣いてて大変なんだけど―。」って困った顔しながら言ってたんだけど......」
晶「えぇ...」
あいつ引っ越しで悲しい思いしているやつにそんなこと言ってたのかよ。
真弓「晶ちゃんがそういう反応をするのも無理はないよ。だけど、同時に私はあの子なりに強がっているんだな。って何となく感じた。」
晶「!」
真弓「なでしこちゃんがいなくなった後、娘は
晶「表面上、ということはやっぱり......」
真弓「うん。実際は枕カバーがびしゃびしゃに濡れてたし、ちゃんと寝れてない日が1週間くらい続いたのかな。そんな時に出会ったのが、晶ちゃんなんだよ。」
晶「......」
真弓「その頃には1人で大泣きすることが無くなったからマシだったけどね。でも、あの時晶ちゃんと会ったおかげで、娘はようやく前を向くことができた。」
そっか......
真弓「だからね、私の娘と友達になってくれてありがとう。」
晶「......」
真弓「ごめんね、朝からこんな話しちゃって。」
晶「いえ、気にしないでください。」
ーーーーーー
結局、真弓さんは海風の寒さに耐えられず、
真弓「あ、そうそう。娘は覚悟もってるからね。あと泣かすなよー。」
と意味ありげな言葉を残してホテルに戻ってしまった。うーん、あと少しでここから日の出見れたんだけどなぁ。非常にもったいないことをしてる自覚はあるのだろうか。
ウチはレストハウス内で解放されている展望台に移る。空はオレンジ色に染まり、岩肌と松の木がシルエットになっている。
晶「6時___もうすぐ日の出か。」
写真を撮ろうとウエストバッグからカメラを取り出そうとしたとき、ダウンジャケットの背中側がグイっと引っ張られる。振り向けば、少し俯いた様子の綾乃がウチの背中を摘まんで立っていた。
晶「おはよ。」
綾乃「......」
晶「......」
綾乃「.........」
晶「.........綾乃?」
バチン!!!
晶「......?」
え?今特大ビンタされた!?なんで!?
綾乃「......ばか。ばか、晶のばかぁっ!!」
晶「はぁ!?」
綾乃「何も言わずに...ぐすっ...どっか行かないでよぉ!!!」
晶「あ!?1人で散歩いくのはウチの勝手や......ろ......」
いきなりビンタされた挙句ブチギレられて流石にムッとなり、強く言い返そうとするがそれもできなかった。
綾乃「うぅ......ぐすっ......あきらぁ、ひっく......いなくなっちゃやだよぉ......」
晶「ちょ!?どしたん!?」
大粒の涙をボロボロとこぼしながら泣きじゃくる綾乃に対し、ウチは強く言い返すどころかおろおろと慌てしまう。
綾乃「私のこと......ぐすっ......嫌いにならないでぇ.....」
晶「なるわけないやんか。どうしてそんなこと言うん?」
綾乃「あのね、私ね...晶のこと______
ずっと好きだったんだ。」
晶「___ん?」
待って????どゆこと????
49話でした。多忙によって1か月更新できませんでした(白目)
最後に爆弾投下しましたが、そのあたりも次回ちゃんと書きます。なるはやで更新するつもりですのでお許しを......
番外編を書こうかな~って考えてます!どのお題がいいか選んでください!!
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ほむらの断髪式
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少女の突発弾丸旅
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球技大会 in 3月
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