冒険者ワイ、薄汚れたハーフのエルフとダークエルフ(幼女)を買う 作:冒険者モブ
一方その頃、街では
「ゴブリン
街を囲う石壁の上で、ギルドマスターである男は戦況を見つめていた。
街の外では熟練や中堅の冒険者、聖騎士達がゴブリン相手に無双級の活躍をしている。
ある意味当然の事だ、ゴブリンが脅威となるのはその繁殖力からなる数の暴力、そして学習能力にある。
例えば、一体のゴブリンが木製の槍の作り方を閃いたとする。
太い枝を折り、硬い石などを使って整えて簡素な木製の槍を作り、実際に小動物を狩れた…という実績を得る。
そうなれば、便利な物だと学習したそのゴブリンは即座に同じ群れのゴブリンへ、その作り方を伝える。
そして作り方を覚えれば、当然ながらどう使うと良いか、どうすればより良い物になるか…と考えがシフトされて行く。
ゴブリンの群れの数が増えれば増える程、蓄えられる知識、経験は飛躍的に増加する。
それ故にゴブリンは初心者の冒険者にとっては最初の試練となり、同時に増え過ぎたゴブリンの群れは街一つを飲み込める程の脅威となる。
しかし、所詮はゴブリン、通常個体であれば、平地かつタイマンであるなら初心者の冒険者でも倒す事が出来る。
ただし、魔法が扱えるシャーマン、狼に騎乗して槍を振り回すライダー、製鉄技術を習得した場合に発生するゴブリンの暗殺部隊となるレッドキャップ等は初心者の冒険者には荷が重い相手だ。
更にそれらを指揮する事が出来るジェネラルもいるならば、脅威度は跳ね上がる。
「…数が多いだけだ、ただ数によってすり潰されない様にしなければならないがな」
そう言って、狩人の女性は弓を引き絞ると空へ向けて矢を放った。
放たれた一射は、空中で煌めくと瞬く間に無数の矢が空から降り注ぐ
降り注ぐ矢は冒険者や聖騎士達に当たらずに、的確にゴブリン達の四肢の関節部分へ突き刺さる。
そして身動きが取れなくなったゴブリンはその首を刎ねる事で倒される。
「……このペースであれば、半日で片付くかもしれんな」
「…む、一部がアンデッド化したな…あれは……邪教の紋様…どうやら邪神の手先な様だな」
首を刎ねられたゴブリンの皮膚に紋様が浮かぶと、体を起こして近くの冒険者へと襲い掛かる
「うわっ!?コイツ首がないのに動きやがる…!オラっ!」
しかしアンデッドになろうともゴブリン、振り払われ上半身と下半身で真っ二つにされ、無効化される。
「…邪教、それもアンデッドであるなら…彼女の出番か」
「はいはーい、そう言われると思って来てましたよー」
そう言って、いつの間にかグレイのよく行く教会にいるシスターが直ぐ横に居た。
「…流石だな、教会から現聖女と認定されるだけはある」
「当然です、邪教…そして死者が相手であるならば…私が出る必要があるでしょう?」
そう言うと、シスターは右手を空へと向ける。
そうするだけで、空中には無数の金色に輝く魔法陣が現れ、甲高い音を立てて駆動し始める。
「数も多いですし、グレイさんが心配ですからさくっと殲滅して元を断ちましょう……『ホーリー・スレイ』」
そう言って、右手を振り下ろせば、魔法陣から眩い無数の光の柱が現れ、死体のまま動くゴブリンや、邪教の紋様を刻み付けた装備を身に付けたジェネラルらに至るまで、全てをその極光で消し去った。
「流石は聖女様だ!!」
「うぉぉぉ!聖女様が付いているなら、オレ達は無敵だ!!ゴブリンどもの巣を目指せぇぇぇ!!」
冒険者や聖騎士達は雄叫びを上げて森へと向かって行く
「変異種のゴブリンロードは面倒だ、私も行くとする……弟子達が来たら、前線に投げ込め、ギルドマスター」
そう言って狩人の女性は姿を消した。
「ああ、彼らが来たのなら前線に送ろう」
ギルドマスターはそう呟くと、その手に槍を持つ
鉄で作られただけの質素な槍だ。
「さて、ギルドマスターとして何もしないのは沽券に関わる…どれ、冒険者達の経験の為にも……目印だけは付けておくとしよう」
そう言えば、投擲の構えをする。
「むぅん!!」
勢い良く投げられた槍は、森の奥へと飛んで行き……大規模な爆発を起こした。
「……わぁ…これで準備運動程度とか、ギルドマスターさんってバケモノですね」
シスターの呟きに、ギルドマスターは笑って答えた
「はっはっはっ…狩人の彼女からすれば荒削りも良い所なモノだよ。私は強者ではあるが、あの様な精密な範囲攻撃は出来ないからな」
「…言えてますね〜、私も敵味方巻き込んだ上で負傷者なしの範囲攻撃をしろって言われたらムリって答えますし」
シスターはそう言って微笑んだ。