デート・ア・サバイブ外伝 龍騎&555&デート・ア・ライブ 天宮ライダーズ 作:亜独流斧
更に、斬月とバロンが主人公になった鎧武の外伝もVシネマで発売が決定になりました。
平成ライダーは基本的にみんな好きなのですが、二期の中では斬月、斬月・真とバロンがずば抜けて好きなので嬉しいです。
さて、いよいよタッくんが初変身です!
「あわわ…。お、オルフェノク……」
「な、何よこいつらは…」
「嫌…だ、だーりん……助けて」
クリーニング屋の息子にして現在店長代理を務めている青年・菊池啓太郎と二人の少女は、文字通り絶体絶命の状況であった。
少女のうち一人は、全国で大人気のアイドルであり、とても美しい歌声を持つ、紫紺の髪の少女・誘宵美九。
もう一人は、ボリューム感のある緑色のロングヘアに、翡翠の瞳を持つ小柄で細見な少女・七罪。
三人の現在置かれている状況とは、
「いい加減諦めな!もう逃げらんねえだろ」
「何も取って食おうというわけじゃないんだ。オルフェノクになるというのは、悪いことではないのだよ?」
二人組の灰色の体色をした怪人に追い詰められている、という状況であった。
遡ること一時間ほど前。彼はいつも通り仕上がった洗濯物をバンで配達しに店を出て、店から遠い順に家をまわった。お人よしな彼は、いつもならここで奥様方の愚痴や悩み事を聞いたりするのだが、今日は店が人手不足ということもあり、迅速に配達だけをこなした。
そして最後の一軒、店からもっとも近い家に洗濯物を届け、止めておいたバンに戻ろうとした矢先のことだった。
「「キャー!!」」
それほど離れていない場所から、二人の女性らしき叫び声が聞こえたのだ。
「え、何?悲鳴?…もしかして痴漢とかひったくり!?」
優しさが服を着て歩いているかのような、この菊池啓太郎という青年は、荒事は得意ではない。しかし同時に正義感とお節介が異常に強い彼は、考えるより前に体が動いてしまっていた。
「大丈夫ですか!?どうしたんで……す…か…」
「ん?」
とっさに声の元に駆け付けた啓太郎が目にしたのは、怯えている二人の少女。このうち一人は全国的に有名なアイドルだったのだが、その時の啓太郎にはそのことに気付く余裕は無かった。
少女たちを襲っていたのは、ひったくりでも痴漢でも、それどころか人でもなかったから。
「おや、見られてしまったか。まあ幸い他に人もいないようだし、君にも我らが同胞になっていただこうか。…なれればの話だがね」
彼女らを襲っていたのは、イカの姿をした
啓太郎がスクィッドオルフェノクと遭遇してから数分後。余裕の現れか、ゆっくりとしか追いかけて来ないスクィッドオルフェノクに対し、最初こそ逃げ切れるかもと考えていた啓太郎だったが、その目論見はすぐに崩れ去ることとなる。
後ろからの追手を警戒していた彼らの前に、ウサギのような姿をした、新手のオルフェノクが現れたのだ。
「手間かけさせやがって!オレは沢山の手柄をあげて、『ラッキークローバー』に入るんだ!あんたらには、そのための生贄になってもらうぜ!」
「!?そんな!別のオルフェノク!?」
「な、なんなんですか一体!?もう嫌です!!」
咄嗟に引き返そうとする啓太郎たちだったが、振り返ると既にスクィッドオルフェノクが近くまで迫って来ていた。
「私は新入りのオルフェノクの教育係を受け持っていましてね。そこの彼は期待の新人なんですよ。小林くん、よくやってくれました」
「さあ、おとなしくしやがれ!」
二人のオルフェノクに囲まれ、三人の退路が完全に絶たれる。啓太郎が死を覚悟したその時、バイクのエンジン音が聞こえてきた。
それだけならどうとでもないことだったが、その音は彼らの元へと近づいて来る。そして、ラビットオルフェノクの後方に現れたバイクを目にしたとき、啓太郎の脳裏に一人の男の顔が浮かんだ。
「オラァ!」
「何!?うお、危ねえ!!」
バイクに乗った男は、オルフェノクの姿を目にしても怯む事無く、それどころかスピードを上げ、そのままラビットオルフェノクめがけて突進してきた。
「なんなんだよお前は!」
ギリギリのところで躱したラビットオルフェノクが騒ぎ立てるが、男は全く意に介さずゆっくりとヘルメットを外す。それによって男の素顔があらわになった。
そこにいたのは、クリーニング屋で店番をしていた青年・乾巧だった。
「タッくん!」
「啓太郎、お前出かけるたびに襲われてねえか?」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!それにお店はどうしたの!?」
「木場たちに任せた。つーか、お前こそそんなこと言ってる場合じゃねえだろーが。しかもお前が呼んだんだろ」
「無視してんじゃねえ!何者なんだお前はよ!」
巧と啓太郎の口論に、先程から無視されていたラビットオルフェノクが割り込む。
しかし巧は全く気にせず、携帯電話型トランスジェネレーター『ファイズフォン』を取り出し、コードを入力した。
―――――――――――――5、5、5―――――――――――――
「変身!」
巧はファイズフォンを腰に装着した機械作りのベルトにはめ込む。すると次の瞬間、彼の全身を超金属『ソルメタル』が覆った。
「なんだ…お前その姿は!?」
目の前に現れた超金属の騎士に慌てふためくラビットオルフェノク。そして、彼ほど動揺してはいないものの、スクィッドオルフェノクもまた驚いた様子を見せる。
「そうか…。貴様が最近噂の『ファイズ』か!」
「へえ、知ってんのか。だったら話が早いぜ」
ファイズは腰を落とし、手首を軽く振る。それは彼が戦闘態勢に入った事を示していた。
「かかって来いよ…」
ファイズはそう言って、人口複眼『アルティメットファインダー』をスクィッドオルフェノクに向けた。まるで獲物を見つけた野獣の目のように、アルティメットファインダーが黄色く輝いた。
それと同じ頃、ミラーワールドに飛び込んだ龍騎とリュウガは、予想以上の敵の数に苦戦を強いられていた。
「クソッ…なんて数だ。しかもなんか薄気味悪いな…」
「ああもう!オレはこいつら嫌いだよ!ロクな思い出が無い!!」
龍騎はそう吐き捨てながら、ドラグセイバーを振り下ろした。
それもそのはず、彼らが戦っているモンスターは、ヤゴ型モンスターのシアゴースト、そしてその進化型であるトンボ型のレイドラグーン。
つまり、真司を一度
「真司、このままじゃ埒が明かない。まずは数を削ぐぞ!」
「おう!ならこれだ!」
『『ADVENT』』
龍騎とリュウガがそれぞれカードを召喚機に読み込ませる。すると、どこからともなく二匹の色違いの龍が現れた。
ドラグレッダーとドラグブラッカー、彼らの契約モンスターである。
ドラグセイバーを手にした龍騎とリュウガ、そして二匹の龍は次々とモンスターを倒していく。
その甲斐もあって、少しずつ敵の数は減っていった。しかしそれと同時に、龍騎とリュウガにも着実に疲労が蓄積していった。
「くっ!こいつら!数が!多すぎだろっ!!」
複数のシアゴーストに囲まれ、リュウガは苛立ちのこもった声を上げながらドラグセイバーを振り下ろす。
しかし、疲労が蓄積した上、複数の敵に囲まれていたリュウガは、上空から近づいて来るレイドラグーンに気付けなかった。
「士道!危ない!!」
「!?しまった…」
避けきれないと感じたリュウガは、咄嗟に目を瞑る。しかしその瞬間、
『FINAL VENT』
という電子音声と共に、何かがリュウガのそばでぶつかり合う音が聞こえ、数泊遅れて爆発音が響き渡った。
「な、何だ!?」
リュウガは恐る恐る目を見開く。すると先程レイドラグーンが飛んでいた辺りで、ドラグブラッカーたちと共に、ピンク色のエイが宙を舞っていた。
「あれは…エビルダイバー?ってことは…」
「遅くなってすまない。士道、城戸」
そう言ってリュウガたちの元へ近づいてきたのは、エビルウィップを携えたライアだった。その横にはマグナバイザーを手にしたゾルダもいる。
「まーたこいつらか。全く、いつ見ても数多いよな」
「だよな?けど、これでも士道とオレで大分減らしたんだぜ」
「ふーん…なるほど、結構頑張ってたみたいね。お前らの体、粒子化始まってるけど」
「え!?うおマジだ!!」
ゾルダに指摘され、龍騎とリュウガは初めて自分たちの体が粒子化し始めているのに気が付く。慌てる彼らに、ライアは落ち着いた様子で声をかけた。
「早く離脱しろ。そのためにオレたちが来たんだ」
「オレらが入って来たのはもっと離れた場所だったけど、来る途中でカーブミラーがあった。すぐそこの角だ」
「サンキュー手塚、北岡さん!行こう士道!」
「すいません、後を頼みます!」
龍騎とリュウガはライア、そしてゾルダに感謝しながら、二人がやって来た方向へと走り出した。
そんな彼らを見送ったライアは、辺りをぐるっと見渡しながらゾルダに話しかける。
「さてと…。カッコいいこと言ったはいいが、まだ少し多いな。…北岡、頼めるか」
「やれやれ、どうせ最初からそのつもりだったんでしょ?」
そう言いながら、ゾルダはマグナバイザーに契約モンスターの描かれたカードをセットし、読み込ませる。
『ADVENT』
カードが効果を発揮し、ドラグレッダーやドラグブラッカーと同じようにゾルダの契約モンスターが召喚された。
鋼の巨人・マグナギガ。全身に銃火器を装備した、二足歩行のバッファローのようなモンスターである。
「けどまあ確かに……こういうごちゃごちゃした戦いは好きじゃない」
『FINAL VENT』
ゾルダはマグナギガの背中にマグナバイザーを装着し、その引き金を引いた―――――――――
「…っとぉ!オラァ!!」
「ぐうっ!クソ…なんなんだこいつ、滅茶苦茶強え…」
いざ戦闘が始まってみれば、二人のオルフェノクはファイズの敵ではなかった。ファイズは荒々しいラフファイトで二人を同時に相手取り、そして圧倒した。
殴り、蹴り、倒れたところに追撃を仕掛ける。次々と繰り出される攻撃に、スクィッドオルフェノクはともかく、オルフェノクになって日の浅いラビットオルフェノクが敵うはずも無かった。
「これで…終わりだ!」
『Exceed Charge』
ファイズの手には、ミッションメモリーを挿入し、パンチングユニットとなったデジタルカメラ『ファイズショット』が握られている。そこにベルトからフォトンブラッドが注入され、ストロボ部分が赤く輝いた。
「ハアッ!!」
ファイズはそれを叩きつけるかのように、ラビットオルフェノクに勢いよくパンチを放つ。ファイズの必殺技の一つ、『グランインパクト』だ。
ファイズショットを通して多量のフォトンブラッドを注ぎ込まれたラビットオルフェノクの体に、真っ赤なギリシャ文字のΦが浮かび上がり、同時にその体が青い炎に包まれる。そして最後は、その体は灰となって崩れ落ちた。
「後はお前だけだな。観念しやがれ」
ファイズはスクィッドオルフェノクの方を向き、再び手首を軽く振る。流石に二対一ということもあって、少し呼吸が荒くなっていた。
とは言え、ファイズがもう戦えないかというと、そこまででは無い。このまま戦っても勝ち目は薄いだろう。スクイッドオルフェノクはそう判断し、ファイズ目掛けて口から黒い墨のような液体を吐きだした。
「うおっ!きったねえなぁ、何しやがる!!」
液体を躱したファイズはスクィッドオルフェノクに怒鳴りつけたが、既にその場にはスクィッドオルフェノクの姿は無かった。どうやら液体を躱すために目を放した一瞬、その隙に逃亡したらしい。
「ちっ、逃がしたか」
ファイズは変身を解除して巧の姿に戻る。すると、それまで黙っていた少女たちが、恐る恐るといった様子で口を開いた。
「す、すごい…一体何者なのあんた?」
「……もしかして、あなたもだーりんたちと同じ『仮面ライダー』なんですか?」
「あん?仮面ライダー?なんだそりゃ」
聞き慣れぬ単語に、巧が訝しげに問い返す。しかし美九たちが答えるよりも早く、
「ギリギリセーフ!って痛ってえ!」
「っと…。大丈夫か真司?全く、出口もカーブミラーって分かってて、なんで頭から飛び込むんだよ…。地面に頭打つの分かるだろ…」
すぐそばに設置されていたカーブミラーから、ミラーワールドを脱出した真司と士道が現れた。
「あれ?美九?それに七罪と…さっきのクリーニング屋さん?なんでこんなとこに?」
「…お前、さっきの客か?ってことは、そこで悶えてんのは、あの時いたもう一人の奴か」
「痛たた…え?クリーニング屋?」
「たたたタッくん!かかか鏡の中から人が!!」
「大変!だーりん、頭大丈夫ですかー!?」
「いや…美九あんた、それだと意味が違ってくるんじゃ…。あながち間違ってないけど…」
先程までの緊張した空気はどこへやら、一気に騒がしくなる一同。
「あーもう、お前らうっせーよ!!」
巧はたまらず大声で叫んだ。
彼らはまだ知らない。この出会いが、やがて彼らを戦いの運命へと巻き込んでいくことを。
映画公開記念おまけ(鎧武ネタ、貴虎キャラ崩壊注意)
凌馬「さて、我々とドライブの映画が公開になった記念に、新しいロックシードを開発しようと思うんだ」
貴虎「唐突だな」
凌馬「カチドキや極など、私の知らない力で強くなっていく葛葉紘汰は脅威だ。貴虎、君もそう思うだろう?」
貴虎「極が出たときにはオレは葛葉と和解していたがな」
凌馬「既に試作品は出来ている!アシスタントの時崎くん、カモーン!」
狂三「イエッサー、ですわ!こちらがその試作品ですわ!」
貴虎(何故だろう…初めて会う子なのに、この子がこのテンションなのはヤバい気がする…)
凌馬「名付けて『デート・ア・ライブロックシード』セットだ!」
凌馬「まずこの士道くんの顔を模したのが『士道ロックシード』…否、『士道ロックシドー』だ!」
貴虎「ドヤ顔するな。別に面白くない」
凌馬「これを戦極ドライバーにセットして…変身!」
『ソイヤ!士道アームズ!いざ出陣、口説いてキッス!!』
貴虎「もう少し音声何とかならなかったのか!?」
狂三「しかもあながち間違ってないのが何とも言えませんわね」
凌馬「続いてこの士織ちゃんを模した鍵。極ロックシードを参考にした『士織ちゃんロックシード』だ。…変身!」
『男の娘バスケット!』
貴虎「だから音ォ!なんだ男の娘バスケットってェ!!」
凌馬「これを士道ロックシドーに差し込み、鍵を開ける!」
『自分の本当の気持ち…ロックオープン!』
貴虎「だから上手くないからァ!士道くん好きで女装してるわけじゃないからァ!!」
『士織アームズ!大、大、大、大、大丈夫!』
貴虎「何がだッ!?」
狂三「士織アームズ…まさに禁断の果実をもぎ取って生まれる姿ですわね」
貴虎「上手くないし士道くん別にアレ取ってないからァァァ!!」
狂三「ハッ!!夢…ですの?…わたくしの深層心理って一体…」
終わり
…おまけ、調子に乗ってしまいました。本当にすみませんでした。
ご意見やご指摘、ご感想などお待ちしています。