恥ずかしながら帰ってきました。絶対に書き上げるという意思を持って執筆していきます。
「ここは私が食い止めるからあなたは早くあの方の元へ!!!」
「・・・すまない。」
『よくぞきた、我が子よ。己が命を賭してまで何を望む』
「・・・この子を・・・私が醜くも美しいと思えたあの世界に。」
『・・・お前も、あの女も長くない命、そんな中望むことが我が子の転生か、良いだろう。』
「あぁ・・・よかった・・・。」
『・・・己が命より子の安全・・・か。それに我が子が望んだかの世界・・・ふむ。』
「・・・。」
気づいたら知らないところにいた。いや、ここどこ?
バコォ!
「・・・?」
音がする。人か?とりあえずここがどこだか知りたいし聞きに行こう。
ボコォ!
それにしても何の音だろうか?あまり聞いていて心地の良い音ではないが・・・まあ少なくとも人がいるということだろう。
バキィ!
もうすぐで音の発生源につくだろう。それにしても聞いていて顔を顰めるような音だ。とりあえずここがどこかと人がたくさんいる場所を聞けたらいいけど・・・と人がいた、あの人に聞くか。
「あの・・・」
ドゴォ!
「約束の!大切さを!叩き込む必要が!ありそうだなぁ!!!・・・あぁ?」*1
・・・・・これはマズイ。すぐに逃げなければ!
・・・どこに逃げればいいんだ!?
「はぁ・・・はぁ・・・。」
無我夢中に走って逃げていくうちに人がたくさんいる広場に着いた。あの約束の大切さを教えていた男は追ってきてはいないみたいだし、ひとまずは安全かな?
「ふぅ・・・。」
一息つけそうだし、一旦状況の整理をするか。まず俺のことだ。俺は・・・
「俺は・・・俺は・・・?俺の名前・・・あれ?」
自分の名前は思い出せない・・・。つ、次に・・・というか自分のことについて何もわからない。この場所についてもわからない。
「何も思い出せない・・・この場所についてもわからない・・・な、何もわからない。」
結構詰んでいないかこの状況・・・。
「・・・これが俺?」
店の中が窓で覗けるようになっていた。その反射で自分の姿を確認してみたが・・・前の自分を覚えているわけではないが、それでも前の姿とはかけ離れている事だけはわかる。灰銀色の髪と琥珀色の瞳を持つ男の子だ。服はかろうじてその機能を保てているがボロボロだ。
「必要最低限の服って感じか・・・。」
ひとまず自分の事についてはこれぐらいだろう。次にこの場所についてだな。といっても道ゆく人たちに聞くしかないか。誰か聞くのに丁度いい人物は・・・いた、ベンチに座っていいるお爺さんがいた。暇していそうだし話しかけてみるか。
「あの・・・。」
「ん、どうした坊主。儂になにか用か?」
「ここってどこなんですか?」
「どこって、そりゃ17区だが?」
「17区・・・?」
17区・・・どこかの街の中なのか?
「なんだ坊主、そんなことも忘れちまったのか?」
「その・・・まだ何も分からなくて。」
「そうか、坊主はまだ幼そうだからな。儂の教えられる事なら教えてやろう。」
よかった、優しそうな爺さんで。是非とも教えてもらうとしよう。
「_____だから夜は皆外に出ず家に籠る。お前も夜は建物で過ごすといい。それで・・・」
なげえよ
あれからどれだけ時間が立ったのやら。情報をくれるのはありがたいがいかんせん長すぎるわ。年寄りかよ年寄りだったわ。まあおかげでいろんな事を知れた。
ここは都市と呼ばれる場所とのこと。その中の26区あるうちのここは17区と呼ばれる場所らしい。
各区には代表となる超巨大企業がある、それが翼と言われるものらしい。翼では超技術を発明しておりそれを特異点と言う。特異点を用いて都市のありとあらゆる場面で生活の質を高めている。各企業に名前はあるが基本的にはA社とかB社とアルファベットで呼ばれているらしい。
で、翼の庇護を受けている場所が巣と呼ばれる場所。言ってしまえば金持ち連中しか住めない場所らしい。代わりに安全は比較的確保されているとのこと。で、それ以外の場所、俺たちが今いる場所が裏路地。翼の庇護が得られない、いつ死んでもおかしくない場所らしい。夜になると何か大変なことが起こるらしい。建物の中にいれば大丈夫らしいが・・・何が起こるんだ?
そんな都市の外側、外郭と呼ばれる場所では化物が跋扈しているらしい。到底人が生きられる場所では無いらしいがそもそも外郭から都市に戻ることが困難らしく、あまり外郭の詳しいことは分からないそうだ。
あとは体の一部な名前をとった組織もいるらしい。頭とか親指とか・・・まあ今はどうでもいいか。
あとは・・・フィクサーっていう便利屋達がいるらしい。金さえ貰えば何でも依頼を受ける、迷子の猫探しから人殺し、治安維持や戦争まで何でもやる。多くは翼や事務所に所属して各々の業務を行っているらしい。
「あとは協会に所属する奴もいるな。ツヴァイやハナとか・・・。」
「ツヴァイ?ハナ?」
「12のフィクサー協会があってそれぞれが得意とする依頼と事件が舞い込んでくるわけだ。例えばリウ協会であれば戦争専門とかな。あとは協会毎で武器も違ったりするな、剣だったり拳だったり青龍偃月刀だったりな。」
「リウ協会について詳しいね?」
「かくいう俺も昔はフィクサーだったからな。」
爺さんがフィクサーだった・・・。どうりでフィクサーについて詳しいと思った。
「・・・まあ、左脚を無くしちまってからはやめたけどな。」
「フィ・・・フィクサーって大変なんですね。でもなんで?何でフィクサーになろうとしたの?」
「儂は腕っぷしだけで頭は良くなかったからな。とにかく敵をぶっ倒せば良かったからそれは楽なもんだったよ。それに金払いも良かったからな。女子供養えて遊べるぐらいには金払いは良かったよ。逆に店なんてやってたら今頃潰れて路頭に迷ってただろう・・・女も子供も養えなかったし出会えなかっただろうな。」
「奥さんとお子さんがいたんだ。」
「___ああ・・・儂にもいたんだよ。と、もうこんな時間か。坊主、もうすぐ暗くなり始める。最近じゃ人攫いが多発してるって噂だ。老若男女問わず攫われて何処かに消えてしまうっていう事件が起きているらしい、坊主も気をつけろよ。」
「わかった、気をつける。」
「・・・これを持って行け。」
「それは・・・ポンチョ?」
「俺にはもう必要のない物だ。坊主が着ておけ、そんな寒そうな服装じゃ風邪引くぞ。」
そういって爺さんは俺に白いポンチョを渡してきた。まあ、こんな服じゃ確実に風邪引くだろうしすごく助かるけど・・・遠慮なくもらっておくか。
「ありがとう、大事に使わせてもらうよ。」
「・・・さ、坊主は帰んな。そいつは返さなくていい。」
そういって爺さんは歩いて帰って行った。・・・そういえば爺さん脚無くなったって言ってたけど脚あるじゃん。義足か何かなのか?・・・わざわざ聞くことじゃないか。
「・・・そういえば帰るところ無いんだけど、どうしようかな。」
「あの子はちゃんと家に帰れただろうか?例の誘拐犯に攫われていなければ良いのだが。」
長い事ここに住んでいたが見かけない子だった。最近17区に越してきた子だろうか?
「ついあれを渡してしまったが・・・まあ良いか。願わくばあれを使う機会が無ければいいが。・・・そのために儂がいるのだがな。」
年老いても儂にできることは敵を滅することのみ。別に金も年老いて死ぬ分は稼ぎ切った。だから金はいらない。しかし、これ以上女や子どもが犠牲になることだけは許さない。だからこそ
「この誘拐犯だけは滅さねばならん。・・・ウミ、リク、もう少しだけ待っていてくれ。形見、持って行けなくて済まない。」
そう言い残し老人は夜の街に消えていった。
主人公
今回は名前が出なかった少年。自分のことを何も覚えていない、が自分の姿には違和感があった模様。
老人
元フィクサー。引退してからは17区のある広場のベンチで誰かを待ち望むかのように座っているらしいが・・・?