昆虫食の描写があります。
あの思考からしばらく時が過ぎた。私自身の変化したことは、背丈が高くなり、筋肉量も増えたことだろう。自慢になるがこの村で一番大きい。
農業は体が資本と言うことをよく理解し、体作りをできる範囲で行ったからだ。まあ、豊かとはいえない村でできることは限られている。
好き嫌いをしないことは大切だ。
虫を食べた、厳密には幼虫だが。知識としてサバイバルで虫を食べることは知っていたが実行するまでは時間が掛かった。できることがこの村では少ないから腹をくくった。味は大トロだった。
もちろん始めは変な目では見られた。
しかしここで現代知識というか弁で乗り切った。
幼虫が葉っぱだけ食べてあんな大きな虫になるんだ。きっと幼虫には体を作る素があるはずだ。この幼虫には毒もない、味は美味い。それに森にいくらでもいる。というか私は腹が減っているんだ、食べれる物は何でも食べる。
簡単な理論、一応筋は通っている。これで乗り切った、ということにしておいた。
「悪食マーク」と呼ばれたがやっぱり食べられるのなら食べるのが人間だ。
そしてファーストペンギンの私がおいしそうに食べていれば興味を持つ者が現われる。
ジョンとカミュ。この2人が接触してきた。
もちろん分けた。1人で食べるよりはみんなと食べた方が良いことを知っているから。
感想は「おいしい」であった。
噂は広がる、今では誰も気にせず食べている。
今では幼虫探しは子どもの立派な仕事だ。
結果、私の取り分が減ったのだが誰も気にしていない。トホホ…
この幼虫を使う料理は私がトロみたいといったことからトロまたはトーロと呼ばれるようになった。
ちなみに本当の意味でのトロが何であるかは村人たちは知らない。みんな困惑していたが響きが面白いからトロになった。
トーキン村の名物の完成である
でもやっぱり他の村から見たらおかしいことではあるのでトーキン村の秘密となった。
そしてトーキン村はムキムキが多い、秘密の食べ物があるらしいと都市伝説が完成する。
はるか未来の話ではあるがディービルダー兼研究者であるシュワーシュワー・ビネガーが土下座までして真実を突き止め、幼虫の栄養素の解析、そしてプロテインの重要性に気づくのはまた別の話。
「マーク、新しい味付けをしてみたんだ。食べてみてくれ。」
カミュが私に新しいトロを持ってきてくれる。彼女は健気でかわいらしいんだ。
では早速、一口。
まあ、美味いよ。
素材の甘みに塩加減がとても合っている。
彼女は頬を少し赤らめこう言った。
「何度でも作るからね」
心の臓がドキッとした。あぁ、逃してはならない。
カミュ、結婚しよう。