精霊幻想記 ~術士たちの新たな旅~   作:山上真

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スパロボYをプレイしてイオリたちへの熱が再燃した結果、魔法という共通項があり、生身での戦闘も可能な部分を加味してイオリを主人公に起用しました。
また、精霊幻想記の主人公であるリオとの対比も狙っています。

本作ではイオリを主人公にしてますが、ゲームでは専らアマリを主人公にしています。
Xとは若干使い勝手が変わりましたが、Yでもゼルガードは強いです。ただ、最強武器が移動後不可なので、イオリをサブにして勇気を覚えさせた方が使い勝手は増します。アマリがサブだと愛でした。
最終的な強化パーツはプラーナコンバーター、ハイパージェネレーター、SRスピリットで固定ですね。
もっとも、それ以上にキラ様が猛威を振るってますが……。うちのプレイデータだと一人だけ撃墜数がぶっ飛んでます。
Yだととにかくクレジットが必要なので、連撃を使用しての幸運マップ兵器が一番です。
その点、キラは味方識別可で自機中心型5マスのマップ兵器を所持、自前で与ダメアップを所持、狙撃と突撃で位置調整も楽、魂も所持、最強武器はエネルギー消費型なのにマップ兵器は弾数制と棲み分けもできています。
Yのキラはスパロボ史上で最優のキラだと思います。難点を挙げれば、自前で加速を持っていないことと、特殊セリフが少ないことくらいです。


プロローグ

 人通りのない路地裏がパッと光り輝いた。かと思いきや、光はそのままとどまり続ける。そして、光はその中に人影を生み出し、やがて消えていった。

 人影は男の女の二人組だった。未だ年若い。服装から断言はできないが、高校生か大学生か、とにかく学生で通じそうな年頃だ。少年・少女と評するのが妥当だろう。

 

「え~と、着いたのか……?」

 

 少年の方がキョロキョロと周囲を確認しながら口を開く。

 地球の日本。そういう大きな枠組みでは目的地に着いたことに間違いはないと信じている。しかしその一方で、枠を狭めれば目的地近辺かまでは定かではないことを予め説明されていたからだ。できるだけ努力するとは言われたが、結局は結果から判断するしかないのが現実だった。

 だからこそ景色に見覚えがないか周囲を確認したわけだが、路地裏のためか生憎と心当たりはなかった。表通りに出ればまた違うのかもしれないが。

 

「間違いなく着いてますよ、イオリ君。マップによるとここは○○市みたいですね」

 

 最近は久しく使うことのなかった携帯端末を確認しながら少女の方が口を開いた。

 

「ありがとう、アマリ。しかし○○市か……。歩きだと家まで時間が掛かるけど、電車なりバスなりを使えばそうでもないな」

 

 アマリに礼を言ったイオリは、記憶を漁りながら口を開く。

 

「まあそうですけど、問題なのは手持ちが足りるかなんですよね……」

「ぐっ、その問題があったか……!」

 

 二人の表情に苦いものが走る。二人は高校三年の下校時に自らの意思によらず異世界へと召喚され、紆余曲折を経て漸くそこから帰ってきたばかりなのだ。

 一度だけアクシデントにより戻ってきたことはあったが、長居はできず、精々が家族に連絡を取ったぐらいである。それとて、当時のアマリは精神制御をされていたこともあり、家族に連絡を取ったのもイオリだけだ。

 高校生ということもあり、余分なお金は通帳だったり自室の中だ。当然、手持ちは高が知れている。確認したところ、端末の電子マネーも残額が少ない。

 召喚先の異世界はある意味でここ以上に発達した世界であり、最終的に二人はそこで結構な立場を築いた。収入も負けず劣らず上々で、少なくとも乗車賃金に困ることはない。まあ、如何に発達していようと田舎の方は本当にど田舎なので乗り物自体に困ることはあったが。

 

「仕方ない、歩こうか」

「……ですね。まあ、徒歩でも今日中には着くと思いますし」

 

 顔を見合わせた二人は頷きあう。

 

「お前もそれでいいな、ホープス」

 

 自分の肩に止まるオウムへと目をやり、イオリが口を開く。

 

「好きにするがいい、マスター。余暇の過ごし方についてまで口を挿もうとは思わん。私が同行してきたのは、あくまでも向こうに帰る際の道先案内人としてだ」

 

 すると、そのオウムが口を開いた。正確に言うと、その生き物はオウムに似ているだけでオウムではない。その実は『聖獣』と呼ばれる高次元生命体の幼体である。

 異世界間移動というものは、一朝一夕でできるものではない。『神隠し』に代表される突発的なアクシデントならまだしも、自発的に狙って行おうとすれば相応のモノが必要となる。

 召喚先の異世界で魔法を習得し、その道では類稀なる実力を身に付けた二人ではあるが、その魔法は未だ習得していない。実力的にやってやれないことはないだろうが、安全面を考慮すると心許ないのが実情だ。

 しかし、ホープスであればその限りではない。単純問題、魔力総量という点では二人を軽く凌駕する。

 二人としては、あくまでも一時的な帰省のつもりでいる。いずれは再び件の異世界へ赴くことを考慮すれば、そのための手段を用意するのは必然であった。

 今回帰省したのは、家族への顔見せもあるが、こちらの世界での諸々の問題に対処するためでもあった。前述の通り、二人は高校在学中に突発的に異世界へと召喚されたのだ。

 イオリに関しては一度家族に連絡を取ったが、同時期に巨大ロボット騒動が起こり、再び連絡が取れなくなっているのである。タイミング的に家族の心配はピークに達するだろうし、アマリ共々行方不明として扱われていてもおかしくはない。

 今後、どちらの世界を主軸として過ごすかは未だ決めていないが、それでも生まれ育ったこちらの世界が基軸となるのは間違いない。そしてこちらの世界で過ごそうと思うなら、高校くらいはきちんと卒業しておいた方が良いのも事実である。

 

「はいはい。ま、余計な口を開かないならそれでいいさ」

 

 路地裏から出た二人は、端末のマップを頼りに足を進める。

 

「今は学校終わりなんですかね?」

「……みたいだな。学生がチラホラと視界に入る。正直、端末の現在時刻はアテにならないからな。補導されそうにないのは幸いだ」

 

 異世界間においては、時間軸などアテにはならない。時が過去から未来に向かう点では同じだが、必ずしもリンクしているわけではないのだ。

 そんなことを話しながら歩を進めていると、前方からとあるグループがやって来るのが視界に入る。

 見た感じでは年齢差が激しいグループだった。高校生と思しき男子が一人、小学生と思しき男子が一人、高校生と思しき女子が二人、中学生と思しき女子が一人。

 判断材料は各々の服装である。男女の違いはあれ三人は共通項の高い制服であり、少し幼い少女がまた異なる制服で、最年少だろう少年が私服だったことから、高校生、中学生、小学生の組み合わせだと判断したのだ。

 

(家族とご近所さんの仲良しグループてところかな?)

 

 そんな感想を抱きながらすれ違う。――その瞬間だった。高校生の男子と女子の一人を軸にして、色違いの魔法陣が浮かび上がる。

 

「これは……異界召喚だと!?」

「なっ!?」

 

 ホープスの声が耳に届く。流石というべきか、ホープスは瞬く間に魔法陣の構成情報を見て取ったらしい。

 余りにも予想外ではあるが、自分たちという前例もあるのだ。それを否定はできないし、どうこう言っている余裕もない。手の届く範囲でこんな光景を目撃しては放っておけないし、何より自分たちも巻き込まれている。

 

「アマリ、ホープス、女の子たちは任せた!」

「分かった!」

「仕方あるまい!」

 

 それだけ突発的自体や鉄火場に慣れたということなのだろう。分かった情報を基にイオリは即座に判断して指示を下した。

 この場合、重要視すべきは『召喚の対象外にも拘わらず、自分たちと残りのグループメンバーが召喚に巻き込まれている』という事実だ。

 召喚先がどんな場所なのかまでは分からないが、魔法陣による召喚である以上、魔法が存在するのは間違いないだろう。

 また、異世界ともなれば言葉が通じるかどうかも分からない。魔物の類が存在する可能性だってある。

 それを思えば、召喚対象の二人も心配ではあるが、巻き込まれ組の方がより心配だ。 

 言うだけ言ったイオリは、小学生の男子へと手を伸ばし、ガッチリと掴んだ。アマリとホープスは気に掛けない。その余裕はないし、心強い返事が届いた以上は必要もない。

 直後、光は最高潮に達し、イオリたちはその場から姿を消したのであった。

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