俺は(妹の幸せを願う)お兄ちゃんだぞ   作:覚め

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お兄ちゃんの力はレミリアより上でフランドールより下…ククク。
こんな設定にしておいてあれだけど、これでフランドールと互角なレミリアすげえな…ククク…


お兄ちゃんと武術

「勝負事には手加減はしません!いざ!」

 

「んー」

 

「…締まらないんですよ!何か、こう、ないんですかね!?」

 

そう言われても、俺からすれば今の俺は本気だし。魔法陣を幾つ展開してると思ってるんだ。驚けよ26個だ。少ねえ。と、下を向いた途端に門番が走り寄ってきた。魔法陣の一つを移動、腹を狙った拳を受け止める。咲夜の前だぞ、余裕は崩さない。傷も負わない。押されもしない。その気概で俺は今ここにいる。興は知らない。というかぶっちゃけ紅魔館の中における力関係では調子の悪いノーレッジさんを除けば、俺の下は門番だけ。だから普通に負けるわけにはいかない。というか負けてたまるか。

 

「〜〜いっったぁ〜!」

 

次、足元に反射魔法を敷きながら後ろに一歩下がり、跳び膝蹴り。門番の腹に深く食い込み、そのまま少し飛んだ。魔法を覚えてからというものの、肉弾戦の幅が広がった。が、普通にどうやれば強く殴れるのかを知らない。のでやはりダメージは少ないわけだ。

 

「ちょっと。美鈴、早く本気」

 

「ちょ、お嬢様!?」

 

「早く。手も足も出ないわよ、このままじゃ」

 

「…分かりました。では、正和さん。お願いします」

 

「っ」

 

さっきよりも早い。魔法が間に合わない。片足を軸に体を回し、相手の直線上から消える。が、門番はその場で横に飛んだ。もちろん俺に当たる。背中で押してくるか。掌に魔法陣を浮かべ、大量にぶっ放す。空間移動は基本無駄だ。門番は何故か気配で接近に気付ける、らしい。

 

「いってえな」

 

「魔法、使ってもらっても構いませんよ。むしろせっきょ」

 

「そうか」

 

首根っこを掴む。反撃が色々とくるが、魔法陣によって塞がれる。すると首根っこを掴んでいる手を壊そうと色々と打撃を繰り出される。が、それよりも早く首を魔法で貫く。空間移動の魔法陣に頭を突っ込ませ、首を掴んでいない方の手で魔法陣越しに殴る。

 

「ズルです!私の本気の一撃を喰らって勝ちを自慢してください!」

 

「俺が勝ったよな?」

 

「…美鈴。恥を上塗りしないの。」

 

「まさか一生タコ殴りとは思わないじゃないですか!?」

 

「兄さんのやり方だと、お嬢様もタコ殴りに出来そうね」

 

「…待て、俺はやらないぞレミリア」

 

「兄さんできないのね、残念」

 

「レミリアとの余興なんぞやったらここら一帯の酒が消し飛ぶぞ」

 

「じゃあやめね。霊夢〜?」

 

人間が好きになったのかな、レミリア。咲夜を大切に扱うならそれで良いが。咲夜は従者としてレミリアの後ろをついて歩き、咽せた瞬間に背中をトントン叩いてあげていた。俺も昔は咲夜によくやったものだ。なんか詰まってそうだったから肺の部分潰す勢いで抱きしめたり、な。あの時の後遺症とかないだろうか…本当はとんでもなく心配だけども、妹が心配だからと肌の下を見るのはいかがなものかと。鈴仙は鈴仙だから別に良いけど。あ、目があった。怯えられた。なんでだ?

 

「正和って強かったんだ」

 

「あの美鈴と殴り合いなんて聞いた時は正気かと疑ったわ」

 

「…霧雨はともかく、フランドールは知っていたことだろ」

 

「魔法込みの時を知らない筈だけど?」

 

「あ、そうだ。正和!お前にクレームがある!!」

 

「なんだよ」

 

「私のマスタースパークは基本技じゃないんだぞ!そのせいで咲夜に『なんで一発だけなの?』って聞かれたからな!」

 

「…なるほど?」

 

「ダメだこりゃ…」

 

なんだかよくわからんが落胆されたらしい。よくわからん。俺は飲めない酒を持って、二人に酒を注いだ。秋姉妹酒だ。あの二人がなんかえっほらこっほらとやってた作業の末にできた酒らしい。是非とも俺を巻き込まないで欲しかった。ちなみにそのお披露目の場に偶然居合わせたとある妖怪の講評として、『うまいけど飲んだらむかつく』がある。そこから一切変わってないことは問題点だが、まあそれはおいておき。実際そんな酒が気にならないわけではない。なので、二人に毒味させることにした。咲夜はだめだ。何入ってるかわからないものを食わせたらダメだろ。

 

「舌に合わないわね。正和、ワインでもどう?」

 

「頂かない」

 

「んー、美味いな!飲んでて喉が治っていく感じがする!」

 

「なるほどな」

 

「…あ、でもこれ結構酔いやすいな。こんな危険なお酒ぇはぁ…私が頂ぐっ」

 

「分かりやすい酔っ払い」

 

「これくらい分かりやすいと可愛げがある。お前にはないぞフランドール」

 

「分かってるわよ」

 

わざわざ会話に付き合わせてやったのに、何故この妹は…わけがわからない。俺は酒を握りしめて動かない霧雨から酒瓶を奪い、無防備な寝姿から少しの意識で俺の酒瓶を返せと言って足を掴んでくる。姿が重なる。怪我をした咲夜を妖精の住んでいた木に入れ、木の実を探しに行った時。しがみついてきた咲夜と。右頬を切る。片方の頬の筋肉だけで支える顎はなんともおかしな角度にはなったが、少し現実に戻った。重ねてはならない。俺は咲夜の兄であって、霧雨の兄などでは到底ない。そのはずだ。

 

「ちょっと」

 

「何だ」

 

「血、放っておくの?」

 

「そうだ。吸わせないぞ」

 

「…頬を切った。」

 

「だからなんだ」

 

「人間ならすぐに死ぬんでしょ?手当を…」

 

「魔法で治した」

 

「気持ち悪っ」

 

単純な拒絶を吐かれるも、無視。酒瓶を博麗の巫女に捧げ、守矢の巫女に帰ることを伝える。最低限のことはした。帰ったら秋姉妹が何か言うだろう。酒の評判でも聞いてくるのかもしれない。ちなみにだが宴の中心は霧雨が唐突に開いた弾幕ごっこ大会(霧雨抜き)であった。騒々しい時にハブられたからと言ってこっちに来ようとしていた霧雨もまた、咲夜と重なろうとしていた。両目を削る選択肢が頭に浮かんだが、流石にやめておく。咲夜と判断する方法は別に視界だけではないのだが、色々と不便だからだ。

 

「…酔って帰れない」

 

「匂いだけで酔うんですか!?いやぁお酒弱いんですねぇこの人!ね、霊夢さん!」

 

「うるさい黙って」

 

「吐き袋ならここに」

 

「ゔぇ」

 

「なんで持って来てるんですか!?」

 

「咲夜のために使おうと思ってただけだ」




早苗「(友達から聞いたお兄ちゃんってこんな感じじゃなかったような…?)」
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