俺は(妹の幸せを願う)お兄ちゃんだぞ   作:覚め

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MK5
マジで殺される五秒前
本作は星熊勇儀強化キャンペーンに伴う圧倒的化け物化が進んでいます。


お兄ちゃんとMK5

何故こうなったのかは知らない。だが、多分やらかしたのだろう。鬼の四天王、星熊勇儀。かの化け物に追われるとは、俺としては信じがたい現実だ。というか起こり得ないはずだ。そもそも地底にだって来る気はなかったのだ。守矢での宴会の後、周りには内緒でレミリアとの契約を結んだ。レミリアが度々出す命令を実行すればその分咲夜にとって素晴らしい運命を伝える契約。即了承して、今これだ。契約しなかったらレミリアが咲夜に対してアドバイスを一切しなくなったり…とか考えた結果だ。

 

「見つけたぞ」

 

「っ」

 

「ふんっ」

 

一撃一撃がおかしい。永琳の矢でさえ通さなかったはずの魔法陣が、腕を振るうごとに割れていく。フランドールの力さえ抑え込むはずの魔法陣だぞ。これと並ぶとか言う伊吹萃香と戦うことにならなくてよかった。空間移動、防御魔法を組み合わせてなんとか擦り傷を保っているものの、星熊勇儀の体力が尽きるのが先か、俺の魔力が尽きるのが先かの勝負である。無論、俺の負けが確定していることは想像に容易い。そこら辺の鬼でさえ中々、肉弾戦は苦労するのに。魔力が尽きたら負け、魔力が尽きなくても死ぬから負け。無理だろ。

 

「はぁっ…嘘だろ!?」

 

「逃げ回るな!!」

 

「ぅ」

 

腹に直撃。振り払うような一撃で腹を下した時のような絶望感を味わう。強すぎんだろ嫌味か?おむすびでもないのにすってんころりんと転がりまくり、壁に激突。バカ痛い。こんな一撃を放つやつは大体空間移動させてもエネルギーが大きすぎてそこまで移動させれないと言うのが常だ。つまり空間移動魔法は俺にしか使えない。一回他の鬼を身代わりにもしてみたが、冷静に退かされた。なんだよあの反射神経、なんだよあの優しい手つき。対して壁の中から策を練る俺。ゆったりと歩いて来てる長優しさだと捉えれるかどうかで今の状況の見え方が違うだろうな。

 

「それで、その鬼でもないのに鬼の名を冠する吸血鬼ってのはどこにいるんだい?地上にわんさかいるのか?」

 

「使ってる語彙がいちいち可愛いなお前」

 

「茶化すな」

 

空間移動で逃げる。良かった、後少しでも遅れてたらビンタで首が飛んでた。いちいち喰らう威力が規格外なんだよあの鬼。前にレミリアと咲夜の教育方針で喧嘩した時に経験した威力を軽々と変えてやがる。気持ち悪いなこいつほんと。空間移動に手を突っ込み星熊勇儀の顔面を殴る。が、動じる様子なし。レミリアでさえ少しよろめくんだぞ。あのフランドールに中々と褒められる威力だぞ。どうなってんだよこいつ、どうやってこんなに強くなってんだよこの鬼。紅魔館の名を広めるだけでいいとか言われて来たのに、殺されかけるなんて。

 

「いった…」

 

「で?鬼ごっこは終わりだろ?」

 

「マスタースパーク!」

 

「おっ」

 

攻撃は最大の防御。と思いたい。少し練り上げるのに時間を費やしたせいで接近を許したが、それでもこの距離、この威力なら殺せる。殺されるくらいなら逆に殺してやる。それが俺流だ。門番と出会った時から貫いている姿勢だ。だから死んでくれ。せめて気絶か、吹っ飛ぶかしてくれ。ツノの一つくらい折れててくれ。マスタースパークを放ち続けている間に、目的の場所を探す。地底にいるらしい悟り妖怪。こいつを探し出さねば、まず紅魔館の名も広がらない、らしい。本当に地底ってよくわからん。走り出そうとした時、足首を掴まれた。

 

「は?」

 

「…服が破れちゃったじゃないか。ん?どうしてくれる!」

 

「ばっ━━」

 

足首を掴まれ、そのまま地面を叩かされる。どんな力をしてたらこんな勢いで人を振り回せるのか。思い切り力任せの振り方だ。どうにか魔法陣で衝撃を緩和しているが、中々に痛い。と言うかもう、少し考えるだけで頭がどこか抜けていく気がする。数回地面に激突した後、投げ捨てられる。反射魔法を準備し、星熊勇儀の攻撃に備える。最大級の魔法陣でなら、少なくとも一撃は返せるだろう。移動しながら最大級の魔法陣は作れないため、マジでこれで無理なら俺は死ぬ。

 

「…また何か仕込んでるね。好きじゃないけど…私も本気で殴らせてもらおうかな」

 

本気?…今こいつ、本気って言ったか?は?んん?は?いや、跳び込みながらの拳が本気とは思わない。そりゃ、今の俺みたいに溜めて放つような殴りは存在するだろう。確かにフランドールやレミリアもそうだった。ただ、途中で何度か思い切り振りかぶってたよな?その後空振りでバランスも崩してたよな?…ハッタリか?

 

「っぁぁああ!!」

 

そこから先の記憶はない。断片的なもので言えば、轟音と未だ体に残る気がする激しい振動だけだ。結果から言おう。マジで殺されるかと思った。と言うかなんなら未だにここを地獄だと思っている。目の前には悟り妖怪…ではなく、そのペット。星熊勇儀が暴れた結果人間である俺が死にかけ、そこを通りかかった死体回収をしているこのペットが俺を見つけ、嬉々として持ち帰ったら主人に生きていると指摘されて泣く泣く介抱してくれていたとかなんとか。その主人も少し酷いな。

 

「…そういえば、なんでお兄さんは星熊勇儀と殴り合わされてたんだい?」

 

「そんなに気になるのか」

 

「あたいは乙女だからねぇ。」

 

「…知り合いの財宝を自慢してたら、なんか地雷踏んだらしくてな。酒に宝石に力…これってそんなに凄い重要か?」

 

「多分、力の自慢を始められたから怒られたんじゃないかな。鬼ってそう言う単細胞だし」

 

「バケモンかよ」




肉弾戦の力関係図 紅魔館
同率一位 レミリア、フランドール
二位 パチュリー
三位 咲夜
四位正和
五位 美鈴
六位 妖精達
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