俺は(妹の幸せを願う)お兄ちゃんだぞ   作:覚め

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心を病みそうなやつでもある。


お兄ちゃんと心を読むやつ

主人に会った。何と言うか、根暗そうな奴だ。もっともそれ以上に重要視すべきことがあるとすれば、恐らくはその横に星熊勇儀がいることだろう。すみませんめっちゃ怖いんで帰って良いですか。ことの顛末を知っているあの死体回収も、流石には連れて来ないはずだろう。つまりこの根暗第三の目開眼してるふりの自称悟り妖怪のせいだ。つまりこいつが悪い。こいつが一番悪いはずだ。おのれ悟り妖怪。許せないことである。全くレミリアも何故こんなことを押し付けて来たのか。痛む内臓を抱えて考える。

 

「…残念ですが、思考も筒抜けですよ」

 

「さとり、こいつはなんて?」

 

「雇い主への反感と、私に対する恨み言。後勇儀さんに対する恐れですね」

 

「はっ、そりゃ滑稽だ」

 

「…で、レミリア率いる紅魔館については知ってもらえた?」

 

「ええ、まあ。本当に名前だけですがね。」

 

「どーせ半端なやつなんだろ?知る価値もない」

 

「言えてる」

 

「お前雇われてんだよな…?」

 

とにかく。俺の目的は果たした。帰るとしよう。悟り妖怪が何やら星熊勇儀に耳打ちしているが知らんふりだ。俺は何も見てないし、何も知らない。帰って適当に飯食って寝よう。あ、でもレミリアに仕事を終えた報告をしなきゃならんのか。…すこぶる面倒だ。ノーレッジに手紙を送ってそれで終わりにしよう。なんなら今書くか?…ダメだ星熊勇儀がいる。空間魔法で地上までの道を作る。ここに星熊勇儀が来たら魔力も尽きるレベルで死にかけてるからな。帰って早く寝ないと。

 

「行かせないよ」

 

「お前ふざけんなよ鬼バ」

 

「鬼ババアとか言ったか?ん?お前は温泉二百時間漬けだな」

 

「頭悪いだろお前」

 

「死ね」

 

誰よりも早く一歩引こうとして、星熊勇儀に捕まる。くそっ、この脳筋が。振り解き、席に着く。先ほどの星熊勇儀が発した言葉から、ここにはおそらく温泉があるのだと思われる。…温泉か。良いな。何せここ最近は湯を沸かすのが面倒だからと言って滝で済ませていたところだ。あの山の滝はちょうど良い強さだから助かる。そんなわけだから、俺は温泉に心が惹かれた。どうせ手紙を書くならここの温泉を咲夜に進めてみても良いだろう。吸血鬼は入れないが知らん。

 

「…なんでお前らまで来るんだ。雌の体をしているならどっか行け」

 

「お、やらしーな。さとり」

 

「無駄ですね。何故か汚いと罵られています」

 

「お前ぶち殺すぞ」

 

「…死体回収は何故猫に?」

 

「そもそもあたいは元が猫だからねぇ。水に触れる面積小さくしてんのさ」

 

人外特有の感性だ。そのくせ自分の裸体を侮辱されたらキレる。意味がわからんな。いや、こればかりは俺の言ったことでもないのだが。実際、俺は女の趣味を聞かれても困る人間なので反論しようにもどこをどう褒めれば良いのかわからないと言ったところ。温泉に浸かっていると、少しだけ楽になる。体の中にまだまだ響いてる振動がどこかに吸収されていくし、痛む内臓も楽になる。断言することは、二度と地底には来ないことだろう。魔法陣で星熊勇儀達と俺との間に壁を作り、空間移動の魔法陣に無理やり飛び込んで帰宅する。空間移動で服を取り戻し、完全に帰宅した。

 

「あら、遅かったのね」

 

「レミリアに言われたことでなければ後少しはマシだった」

 

「でしょうね。私全部見てたから知ってるわよ」

 

「性格が悪いぞ」

 

「…で、雇用主に対してあの口ぶりは何かしら?」

 

機嫌が悪そうだ。が、今回ばかりは俺ばかりも悪いとは思わない。そのままレミリアを無視、境内の中に生えているよくわからない草を集め、すり鉢で潰す。そこから適当に塩をかけ、食う。食ってる気はしないが、味はするためにこればかり食べている悲しき現状を誰かに知ってほしい。普通に辛い。と言うのも、秋姉妹の食材を見て俺は何が何やらわからないのだ。だから適当に塩をかけて食っている。哀れなたぬきと同等の飯を食いながら生きている。なんかそう考えると楽しくなって来たな。

 

「…うわぁ」

 

「境内の土地は俺持ちだから、食っても良いのは俺だけだ。」

 

「いや、流石に気持ち悪いと思っただけよ。それで、地底はどうだった?」

 

「全治二週間」

 

「…あ、そう言うことね。」

 

「今回は流石に殺意が三割増で出て来たぞ。次からはなんとかしてくれ」

 

「…善処はするわ。ま、貴方がさっさと紅魔館に帰って来てくれると嬉しいのだけれど。フランも貴方がいるとよく外に出てくれるのよ。」

 

「魔法でも与えれば出て来る。俺はそれしかしてない」

 

「それができる奴、パチェだと思う?」

 

「無理だな」

 

よくよく考えずとも、あの二人は俺の知る限りでは中々に会話をしない。そもそも関わりがあるのかもわからない。もしかしたらないのかもしれないな。先生と大した関わりを持たないけど質問する時だけはなんの躊躇いもなく話しかける奴みたいだ。先生はノーレッジしか知らないけどもな。小悪魔あたりは話しかけそうだが。さて本題から少しズレたか。とにかく俺は紅魔館には戻らないし、悟り妖怪には紅魔館の名を売ったし、途中のクソ面倒な鬼もなんとかしたし、目的は達成された。

 

「…なんだ?」

 

「いや、丸くなったわねぇって」

 

「?」

 

「昔の貴方なら、多分『あの鬼絶対殺す』とか言ってたはずよ」

 

「咲夜の前ならどれだけ力の差があろうと逃げさせるし勝つ。それが俺と言うお兄ちゃんだ」

 

「…ごめん何言ってるかわからないわ」

 

「知らん」




レミリアは今作では強さランキング上位です。月を除いてね?
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