俺は(妹の幸せを願う)お兄ちゃんだぞ   作:覚め

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狐「天狗に言われて訪ねてきました」
人「何言ってんだおめえ」


お兄ちゃんと健康

狐。目の前に狐がいる。適当に撫でてやる。秋姉妹は何かを怖がって近寄らない。が、なんともまあ狐。それしか言えないくらいには狐。しかし、狐がいては邪魔だ。見たところ狐は狐でも妖怪の類。調理場からでかい鍋を持って来て、いつも焚き火してるところの上に置く。それを見て何を察したのか狐が逃げようとしたので捕獲、鍋に放り込む。魔法陣で蓋をして、さて具材はどうしよう。肉は今あるから、野菜だな。野菜…狐に合う野菜ってあるのか?適当に放り込むか。

 

「ぷはっ!ごめんなさいちゃんと人型で話すので殺すのだけは勘弁してください」

 

「…駄目だろう出て来たら。まだ焼けてないんだから」

 

「いや、あの、本当に、あ、えっ、もしかしてこれ本当?本気で喰われる感じですか?」

 

「まーちゃん、妖怪の狐は不味いからやめておいたら?」

 

「あと少し火傷してる腕がグロテスク…」

 

「姉さん、グロに耐性がないのよ」

 

「…すまん」

 

不味いらしい。仕方なく鍋から取り出し、要件を聞いてみる。なんでここに来たのか、何をしに来たのか。答えとしては大天狗に言われて来た、ここの神社について調べてこいと言われた、とのこと。なんとも変な奴である。適当に話を聞いて、返すしかないか。大天狗となれば…どれくらい強いんだろ。まあ大天狗じゃなくても、天狗の大群が襲いに来ると思えば手は出せないな。…そう考えると俺今やばかったな。あと少しで軍勢相手にどうにかすることになってたのか。おー、そりゃ怖い。恐ろしくて何もしたくないね。

 

「後、ここの管理人に依頼が…」

 

「何だ?今度は山なのか?」

 

「…最近噂の、空飛ぶ船。ご存知で?」

 

「知らん。よし妖怪の山まで送り返してやる」

 

「あっあっいやっ許してっ」

 

「まーちゃん!」

 

「そうやって急かさないの。」

 

狐はここからが本題だと言わんばかりに咳払い。魔法陣を見せると小声で怯えた声を出す。依頼としては、空飛ぶ船の調査をしてもらえないか、とのこと。霧雨の家まで空間移動できるようにして、狐を放り込む。…よし、これで終わりだな。悪いが咲夜が絡まない依頼なんぞ俺には受け取る義務も気もない。送り返すか斡旋するかの二択だけだ。というか俺は妖怪の山に住み着いたわけでもないのに何で俺に来るんだ。狐もバカだが、その上にいる大天狗も相当な馬鹿だろう。

 

「まーちゃんどこか行くの?」

 

「永琳のところ」

 

「お医者さんのところ?あ、じゃあこの芋届けてね」

 

「はいよ」

 

「…姉さんは何もないの?」

 

「えっ!?」

 

健康診断。鈴仙が俺に対して言って来たことだ。俺がそもそもどこ生まれなのか、血液型、あとは…なんて言ってたかな。覚えてない。とにかく、俺のことを検査したいらしい。そのついでで健康診断すると言うことだ。若干実験動物のような扱いを感じなくもないが、まあとにかくやってみることにしたのだ。ちなみにだが、鈴仙がウダウダ言ってきた理由の一つに電気信号を倍増させる魔法がある。あんな電流流して来るやつが普通なんて信じられない、だそうだ。知らんわそんなこと。

 

「…じゃ、まずは採血ですね。後で検便もしますからね」

 

「けんべん?」

 

「…うんちを、採ります」

 

「鈴仙、恥ずかしくないのか」

 

「このでかい針でいいですね!行きますよ!」

 

「ん」

 

「…いや違う、まずは血圧でした」

 

「恥ずかしくないのか?」

 

血圧測定。その後に採血。その後に検便。…あとは何やったかな。聞いても覚えられないような単語が並び、鈴仙の指示に従うだけにした俺の記憶にはそんなものが残っているわけもなかった。今現在、俺はよくわからない箱と紙に向かって睨めっこ、或いは顰めっ面で向かい合っている鈴仙を眺めている。こいつ、顔は良いよな。勿論人里の外にいる奴はほとんどが美形なのだがな。俺の顔?知らん。適当にマジックペンで書けば終わりだろう。鈴仙がため息を吐き、こっちに向き直ったことで検査は終わりを迎えた。

 

「どうだった?」

 

「骨密度と筋肉の密度がおかしいですね。後内臓が妙な位置にありますけど、心当たりは?」

 

「…鬼に殴られたくらい?」

 

「それですね。なるほど…今までに熱を出したりとかは?」

 

「熱?」

 

「…怠かったり、頭がくらくらしたり…鼻水が緑だったり。」

 

「ないな。」

 

「鉄人ですか貴方…」

 

「実際どうかは置いておき、珍しいのよね。結構な健康体じゃない」

 

「師匠!?」

 

「…ヌルッと出て来るのやめたらどうだ?」

 

八雲紫とか言うやつの真似みたいなことをやめろと言われた。あの紫ババア、そんなこともできたのか。初めて知ったな。というかあいつと話したことあんまりないんだよな。一回くらいはあると思うけど。記憶にないのが正直なところ。すると永琳の横から空間を裂いて上半身だけの八雲紫が出てきた。…なるほど、俺はあいつと同じことをしていたのか。そう考えると気持ち悪くなってきたな。今度から空間移動は控えることにしよう。ちなみに八雲紫は何故か変な字が書かれたようわからん服を着ていた。

 

「…えっと」

 

「見なかったことにしてやろうか」

 

「霊夢に話した瞬間足元に2キロの穴が開くと思いなさい」

 

「その服で威厳出すのは無理でしょ…」

 

「多分今のはお前にも言われてるはずだぞ鈴仙」

 

「えっあっ…お帰りいただいても?」




ちなみにtシャツに書いてあった字は『スキスキスキマ』
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