「なんだよこれ」
「私に聞かないで。私だってわけが分からないのに」
「…博麗の巫女でも分からんやり方で捕獲されたのか」
時間は遡らず。神社に来て遊ぼうかな、とか思ったらこのザマである。遊ぼうかなはおかしいか。霧雨に聞きたいことがあったから来たのだが、不在。結果、謎の罠に捕えられたと言うことだ。仕掛けた本人が来るまでは博麗の巫女でも手が出せないのだとか。…なんだろうか。霧雨が突撃しまくった後の図書館を彷彿とさせる。至る所に捕まえるための魔法陣が仕掛けられており、何度か死にかけた。あれ嫌い、本当に許さない。少なくともあそこの召使いは仕掛けた場所をわかっていたようだが俺は知らん。三回くらい死にかけたし。
「…はぁ。」
「お!引っかかってやんの!!」
「っ」
「え、萃香が仕掛けたの?」
「んー…仕掛けたって言うか、酒に転がった気分で魔法使いに頼んだんだよ。ほら、ぱ…ぱ…ぱられりーみたいな名前の、寂しがりや」
「パチュリー・ノーレッジ」
「そう、そいつ」
つまりは引っかかったのはほとんど道理に近い物である、と。ふざけんなよお前。通りで抜けられねえわけだわ。あの人の罠絶対抜けられなかったからな。クソ笑いやがって。これでお前星熊勇儀より弱かったら承知しねえぞ。萃香に罠を解いてもらい、身体のあちこちに異常がないことを確認する。…さて、鬼の四天王とは関わらないことを決めたので魔法陣を作り空間移動魔法を起動、一歩引いて帰るつもりが、萃香もそのまま神社に来てしまう。当初の目的である霧雨には会え無さそうだ。
「…まーちゃん、連れ込むなら言ってくれないと」
「お赤飯?お赤飯なの!?」
「殺していいぞあの神」
「いや流石に神殺しはさぁ…酒を上手くしてくれる神だっているんだぞ?」
「そうか」
つまり俺はこいつにとって変な酒のつまみであると。萃香を振り払い、飛んで神社を去る。あいつは空間移動ができた。つまり、力は星熊勇儀ほどではないと言うことだ。そう言うことであれば、魔法陣に乗ってさっさと逃避行する。人里では流石の兄も手を出さないだろうか。最悪暴れた奴が悪いと言うことで俺に対するお咎めはないかもしれない。そうする。人里に着き、ちゃっちゃと入らせてもらう。入ってすぐに金がないことを思い出したが別にいい。宗教勧誘やってる奴らの話でも聞くか。
「…」
「おー、いたいた」
「ちっ」
「人里だったら私が暴れないとでも思ったのか?不正解だぞ」
「博麗霊夢」
「大正解だぞっ♡」
「気持ち悪」
「は?」
いや凄まれてもな。俺には少しも効かない。そんな物で怯えるのなら、おそらく吸血鬼のゴミみてえな威光にビビり散らかすだろう。咲夜と同じでなければ生きていられないみたいなことになる。あんなガキにビビったり、あんなガキどもを慕ったりしない。普通に無理。あいつら敬愛したくない。話がズレたな。俺が宗教の馬鹿みたいな話を聞きにこの場に来た意味としては、鬼がもし暴れても…多分、聖白蓮ならなんとかできるのではないだろうか?と言う期待込みである。聖白蓮の力量を霧雨に聞きたかったのに。実戦が先ですかね。
「…げっ」
「お」
「知り合いか萃香」
「そうだな。んー…でも、んー…」
「えっと、人里だとたまに会うんですよ!ね!?」
「あ、そうそう。」
「…ふーん。」
恐らくは人外。その人外がたまに会う。そんでもって訳ありな空気感。なるほど大体察した。気まずい関係だな。フランドールと霊夢みたいなものだろう。フランドールが一方的に崇拝していて、霊夢は何それ知らんとしているため互いに齟齬が発生、結果的に話しづらくなる。…これは霊夢のぶっきらぼうさとかが原因かもしれないが。まあ、訳ありなところを指摘しても指摘しなくてもあんまり関係はないだろう。俺の人間関係に入ることはない。つーか全身真っピンクの片腕包帯なんぞ加えたくない。なんだこのキモいやつは。
「人の服装に対してこうも…萃香、貴女の使いか何かで?」
「私がこいつを使役するなんて無理だな。勇儀に殴られた後で温泉入ってたらしいからなこいつ」
「勇儀を…そこまで鍛えているようには見えませんが」
「魔法だよ、魔法。」
「
「あっ」
「…私は悪くないぞ」
何してんだか。帰って寝てろこの全身ピンク女が。お前気づいてるか?その頭のよく分からんキャップ。それ、髪の毛を収納してるならまだわかるけどさ。周りの髪の毛見る限りは収納されてないよな。髪の毛を収納するには小さいし。つまりお前、ツノ生えてたよな。と、勝手に考察しても口には出さないでおく。何をどうすれば、そんな変な変装ができるのか。そしてそれで人間に近しい存在だと言い張るのか。頭がおかしいな。まあ全身ピンクにするくらいだ、頭はおかしいのだろう。
「…ま、正和になら話しても良いよな。」
「ちょっと萃香!」
「実はな、華扇…知らないか。お前の隣にいる女は、私と勇儀みたいに鬼の四天王やってたんだぞ」
「やっぱり鬼か」
「やっぱり!?」
「下手くそ〜!」
「私の得意技である卍固めで上下分離したいのならそこに座っててくれる?」
「だってよ正和」
「俺?」
で、出たーーーーー!!!
華扇様の照れ隠し、上下分離卍固め!!
身長差があると勝手に上下に裂けるだけなので身長差がないと上下分離はしない。