俺は(妹の幸せを願う)お兄ちゃんだぞ   作:覚め

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どんなものにもすごいと言える点はあります。
知らなければそれまでです。だから些細な食い違いは知らない。寝ていろ。


お兄ちゃんと関係ないところ

何があったのか。人里の荒れ具合が落ち着いたと思えば変な城出現。とりあえず魔法で大部分を削ったが、何も起きない。まあ何も起きないならそれまで。秋姉妹神社に籠る。どうせまた知らないうちに終わるのだ。なら俺は知らんふりを決め込む。秋姉妹もなんだあれはと騒いですぐに落ち着いた。なんなら気にしなくて良いなら良いやと言わんばかりにだらけている。もうそろそろ秋なのだが、何もしなくて良いのか。そう聞いても曖昧な返事だけが帰ってきた。知らんぞ。

 

「…そんな中、どうして来たんだ?」

 

「兄さんがこの異変でどうなってるか気になって」

 

「何でだよ…」

 

「兄さんがダラけてたりしたら面白いから」

 

「…少なくとも、咲夜の前ではそんなことしないぞ。」

 

咲夜が来ているのだから、あんな城になんぞ構ってられないのだ。あんなものに構うことで失う時間は、それ相応に貴重なものなのだ。比較対象としては、豊郷耳とか言う女に構う時間が挙げられる。余程やることのない、スキマ時間にすら数えられないような何にも変えられない時間にのみ多少の価値の低下を見逃してようやく構えるような時間。咲夜と過ごす時間にはかなりの差が出る。そんな咲夜が、俺に対して気になる質問をしてきた。俺と咲夜の出生地。または俺と咲夜が出会った場所はどこかと聞いてきた。

 

「…すまん、わからん。森でも山でもなかったのは覚えてる。かと言ってそんなに特徴のない場所でもない。とは思う」

 

「どう言うこと?」

 

「俺からしてもな。咲夜、お前は『いつのまにかいた奴』なんだよ。」

 

「意外…てっきり兄さんのことだから、座り込んでる私を誘拐したのかと」

 

「ない。咲夜がいつのまにかいた。事実だ」

 

「…わからないってこと?」

 

「嘘はない。というか実際、俺もどうやって紅魔館に出会うまで生きてたのかは覚えてない。飯もなかなか手に入らなかったのに」

 

「そう…お嬢様がたまに聞いてくるから、答えを知りたかったのよ」

 

「…あの吸血鬼がか。変なことだな。」

 

「兄さんと一緒に揶揄えなくて寂しいわ。帰ってきて…?」

 

「この世にある言葉のうち、最も優しい言葉で断る」

 

一瞬揺らいだ。レミリアめ、こんな手で俺を紅魔館に…。しかもかなり今更だぞ。わかってんのか?あの子供が妙に狡賢くなったものだ。まだフランドールの方が扱いやすかったのに…。話を聞けば、最近の咲夜はそのフランドールを使ってレミリアを揶揄っているらしい。良い傾向だ。しかしそんなことをしていながらも心酔はしているらしく。俺が適当に悪口を言うとムッとする。口をへの字に曲げる昨夜が、これまた可愛らしい。嫌われるから控えるが。ちなみにこの話をしている最中、秋姉妹は布団に篭っていた。

 

「前来た時も思ったんだけど、あの人たちは何なの?」

 

「神様だ。俺としては土地を貸してやっている気分だ。」

 

「へぇ…新しい主人なの?」

 

「どちらかと言うとこちらが主人だな。まあ対等ではあるか」

 

「ふーん…兄さんが、ねえ。人外に気を許すとは思えないけど」

 

「人に依存する神はある程度信頼する。今のあれは…よくわからん。」

 

そこで話を切り上げ、そろそろ休憩時間が終わるからと言って紅魔館に帰る咲夜を送る。空間移動で。送った後は秋姉妹を起こし、季節的にそろそろ仕事しろやと怒鳴る。二人とも嫌そうな顔をして布団に篭る。穣子はまだ良いとして、まさか静葉まで。何やら妙な出来事が起きているな。…人里の荒れ具合がようやくここにも届いたのか?それにしては荒れるのイメージがかなり違う。何だお前ら、夏休み終えて髪型変えた不良みたいな荒れ方しやがって。漫画でしか見ないぞ。

 

「…咲夜が帰ってしまったと落胆してる時にお前かよ」

 

「そんなに嫌われてるとは、悲しいな」

 

「嫌ってるなんてとんでもない。とりあえず俺の不安であるあの城ぶち壊してこい豊郷耳」

 

「…君、私を何でもしてくれる便利人と思ってないかな?」

 

「信仰の自由だろ?はよいけ」

 

あしらえず。逆に居座られた。今日は俺にとって関係のない話をされる日らしい。咲夜?咲夜は勿論我が身のことのように案じている。否、我が身よりも数倍。それに比べてこの女の話は。やれ仏教がなんだ聖白蓮がなんだ。うるせえ気持ち悪い。黙れ。喋るな。この場に存在することさえ俺は許した覚えがないぞ。後訪ねてくるなら最低玄関から来い。空間を開けてくるな。…聖白蓮に頼めばこいつ対策の何か貰えたりしないかな。いや、こう言うのは早苗や霊夢の領分だな。時間があれば聞いてみるか…

 

「私に対して嫌悪感を抱くのはよいが、少しは隠そうとしてもらえないかな。顔とかさ。」

 

「人外に使う配慮はない。」

 

「元人だ」

 

「モトヒト?誰だそりゃ」

 

「君、本当に私のこと嫌いだね。」

 

首元に、鞘に収まった剣を突き付けられる。こんな女に生殺与奪を握られる。吐き気がする。咲夜が来なければ最悪の日として認定し、秋姉妹を叩き起こすか殺すかして寝ていることだろう。つーか多分無理だこれ。普通に吐く。鞘にかかる。情けない声を挙げる重い女と、口を拭く俺。少し喉が痛むか。でもその程度。それに対して重い女は、鞘についた吐瀉物を水で洗っていた。人の家の水場を勝手に使うな。請求するぞ。金払ってないけどな。さっさと帰ってくんないかな、こいつ。

 

「こ、これは私の依代なんだぞ!?」

 

「じゃあ喉元に突きつけるな。頭湧いてんのか?貸せ、これから先寒いから湯たんぽ代わりだ」

 

「…どうやら、私を怒らせたいみたいだね」

 

「ちょっと待ってろ、霧雨呼ぶから」




聖から見た豊郷耳
なんか、勝手に入ってくる…
一輪から見た豊郷耳
次来たら右ストレート。まっすぐ飛んで右ストレート。
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