俺は(妹の幸せを願う)お兄ちゃんだぞ   作:覚め

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特に凝った設定などはしてませんが、お兄ちゃんは咲夜のために戦ったりした翌日に毎回筋肉痛に悩まされていると言う設定にしています。理由はありません。今後使う予定もありません。


お兄ちゃんと満月

「…何、これ」

 

「何って、満月よ」

 

「いや違くてだな。」

 

俺は今、何故拘束された状態で紅魔館にいるのかと言うことを聞いている。いや、秋姉妹が連れて来たことはわかっている。何なら拘束もこの程度の魔法と縄なら、恐らくはノーレッジが手加減して作ったものだろうが解ける。横でフランドールが変に言葉を濁したことを見て失態だったことを悟るが、まあ知らん。俺が何故と聞いているのはその理由であって、どうやってここに来たかではない。咲夜、俺は酒は飲めないぞ。押し付けるな。お前酔ってるな?

 

「後で介抱してやるから」

 

「今がいぃ…」

 

「仕方ないな咲夜の部屋はどこだ?」

 

「聞いた話を無視するな。お前の悪い癖だぞ」

 

「治す気はない。」

 

「まーちゃんってばワガママ〜」

 

「…ごめん、私も介抱して…」

 

「静葉は酒に強かっただろ。神なんだから」

 

連れて来たのは静葉だろう。拘束までは恐らく穣子のやったことだ。縄の結び方が何故か農家みたいな結び方だったし、なんならそれを自負していた。咲夜の介抱を終え、静葉も適当に寝かせる。…月見が始まって何時間か知らないが、いったい何があるのか。フランドールがこの場にいるのはまだわかる。門番はなぜいるのか。一番の疑問は、ノーレッジだ。好きじゃないだろう、こういうものは。

 

「レミィが言ったのよ。満月だから月見をするって。」

 

「発案はフラン。メンバーは私が集めたわ」

 

「ガチクソ迷惑だな。穣子はいつまで呑むんだ」

 

「潰れてもまーちゃんが運んでくれるもんねぇ」

 

「信頼されてるじゃない」

 

「フランドールの破壊衝動よりは信頼されてないぞ」

 

「は?」

 

言葉と裏腹に手が出る様子はない。怯えて損した。代わりにフランドールは手にあった酒を一気飲みして、どこかに消えた。かと思えば魔導書を持って来たり。何がしたいんだ?親に構ってもらえない子供がする行動ですらない。ノーレッジとレミリアは何故か二人で酒を飲み始めた。俺は酒が飲めないので、何も飲まず何も食わずに月を眺める。…そういえば、あのマジギレ豊郷耳はどうなったのだろうか。霧雨魔理沙に押しつけはしたが、両者乗り気でないのならばすぐに終わると思うのだが。

 

「正和さん、一緒にこれ食べましょうよ」

 

「なんだそれ」

 

「蛙の丸焼きです!私の得意な中華料理なんですけど、何故かいつも余ってしまって…味ですかね?」

 

見た目だろうな。そろそろ帰るつもりでいるのだが、それを許さないのか門番がやたらと話しかけてくる。正直言って面倒くさい。帰らせて欲しい。門番のマシンガントーク、それを取り巻く参加者の目線。気づいて欲しい。この場においてそんなに饒舌なのはどう見てもお前だけだと。門番はそれに一切気が付かない。ヘルプの目線をフランドールに送りたいが、先ほどあんな態度を取ったので出しづらい。…帰れねえか、これ。最悪の手段に酒を飲むことがちらつく。ので、空間移動で見てない隙にフランドールと入れ替わる。

 

「いやぁ正和さんとこんなに話すのは初めてですねぇ。精々一言二言で終わりますから。ねぇ?」

 

「…ねえ、うるさいよ」

 

「え!?い、妹様!?あれ、え、正和さん!?」

 

帰ろうと静葉と共に眠ろうとしている穣子の体を揺らす。…倒れたところを見て、酔って眠ったことを確認。一人で帰ろうと魔法陣を開くと、レミリアにそれを止められる。何か大事な話があるようだ。が、無視して帰らせてもらおうとしたら魔法陣が消えた。大きく聞こえたため息から、ノーレッジの仕業であることが分かった。フランドールは門番に謎のイラつきを押し付けている。あまり見たくない姿になっている門番を手で隠してしまうほどには見たくなかった。仕方なくレミリアに向き合う。

 

「正和、後5年もしたら紅魔館に戻って来なさい」

 

「断る」

 

「命令よ」

 

「断る」

 

「…お願い」

 

「断る。」

 

空気が凍る。…何かミスったか?と思うが周りを見渡すことはしない。門番の悲鳴が聞こえなくなり、フランドールが虐める声も聞こえず、視界の端にいるノーレッジは持っていた魔導書に目を向けず、こちらに目を向けている。…何か、ミスったか。

 

「珍しいじゃない。お姉様がお願いするだなんて」

 

「訳があるのよ」

 

「心当たりがない」

 

「本人はああ言ってるけど」

 

「ない訳がない。私の話を聞けばすぐに心当たりが出るはずよ」

 

「もしかして、寿命の話だったりします?」

 

「…フラン、美鈴はそのまま胸の下で分割して良いわよ」

 

「はーい」

 

「あだだだだっちょ、あ、これマジだじっ」

 

豪快な音が聞こえ、思わず耳を塞ぐ。気持ちの悪い音がしたとだけ言っておく。どうやら俺の寿命が早い遅いではないがそれに類する話らしい。なんか面倒だな。なんか、後十年もすれば俺は肉体のピークを過ぎるらしい。そこから老いていくんだと。そんなに歳食ってたのか。初めて知った。まだ二十歳とかそこらへんだと思ってた。そこからの老いはバカ早く、それを防ぐためにも俺を不老にするためにも紅魔館で魔法をノーレッジが教えてくれるらしい。門番は能力の性質上当てたとかなんとか。上半身だけで喋るな。治ったと思って直視しちゃっただろ。

 

「…何で俺が人外になる前提なんだ?」

 

「なるわよ。咲夜がどうなってるかわからない貴方じゃないでしょ」

 

「それはお前が絡む話かどうかだけ聞いておく」

 

「関わっているし関わってないとも言えるわ。とにかく、捨虫の魔法を覚えた先は自由にして良いから。咲夜を悲しませるような貴方でもないはずでしょ」

 

「…面倒な」

 

「というか正和はやろうと思えばできるはずよ。しないだけで。」

 

「パチェ、そういうことは早めに言いなさい。」




レミリアから見た正和は(抜けた後も咲夜繋がりで)一応大切な家族
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