俺は(妹の幸せを願う)お兄ちゃんだぞ   作:覚め

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内臓が痛む日と、外皮が痛む日。気分はクソです。


お兄ちゃんと傷み

紅魔館に来た。レミリアに用事があるからと言って通ろうとすると、万番に止められた。どうやらレミリア自身が聞きたくない話らしい。悪いが主な用事はノーレッジなんだから黙って通してほしい。じゃあ変えるか。今日はノーレッジに用事があると言ったら、それでもダメだと言われた。困る、今日でなければ。ので、押し通らせてもらう。ちなみになのだが、咲夜曰く何かを守るために動く門番はかなり強いらしい。ので、バルムンクを出す。140センチとかいうでかい剣でも力があれば片手剣だな。

 

「それなら私はこれですね」

 

「…何だそれ」

 

「三節棍です。そのような長い武具は私に対しては弱点として働きますよ?」

 

「使うのは初めてだからなぁ」

 

「それで来ないでくれますかね」

 

突きを放ったところ、途中でズレた感触。どうやら、三節棍でずらされたようだ。なるほどそういう感じか、と納得していると横から衝撃。三節棍を回して俺の頭に当てたらしい。危うく身体が浮きかけた。ので今度はしっかり踏み込み、横から切りに行く。が、三節棍に防がれた。…バルムンクを一つ増やす。2本なら防げる量を超えるはずという狙いである。が、門番はそれでも余裕だという顔を崩さない。ので、突きと同時に横から振る。

 

「残念でした」

 

「お前がな」

 

三節棍を起用に使われた。が、知らん。門番の腹に手を置き、魔力を放つ。その後腹に空いた穴に小さな魔法陣を出し、爆発させる。勝利だ。勿論こいつは手を抜いていた。本気で来ていれば多少は違っただろう。でも俺が勝ってた。

 

「よっ」

 

「…美鈴の奴、負けたのね」

 

「慢心と手抜きだな。身内じゃなかったらもう少しマシだったぞ」

 

「視えるから、正和が止めても来ることは。面倒ねぇ」

 

今日の用事は、俺の死後の話だ。バルムンクを消して、恐らく用意されていたであろう椅子に座る。話すこととしては、俺の死後心臓に刺してる剣が咲夜のものになる、くらいしかない。俺は人のまま死ぬ。そこから先に咲夜の危険を助けるものはその剣のみだ。無論咲夜に危機は来ない前提だが、その前提が崩されることも考えての対処だ。兄として、死後残すものは妹に有意義なものでなければならない。その考えのもとに剣を残す。効果は知らない。俺の心臓に刺さってて使ったことないからね。

 

「…愚かね。人を辞めないなんて」

 

「強がるな。眷属を増やして勢力を増やしたい気持ちはわかるが、俺が逃げに徹したら…おいそんな顔するな。」

 

「どんな顔?ごめんけど分からないわね」

 

「そうか。鏡に写らねえからな。で、俺が逃げに徹したらお前くらいからなら逃げられる。だからお前は俺を眷属にはできない。」

 

舐めるなよと言われるように凄まれるが、表情がな。何とも情けないのに凄んでくる。人間一人消えたくらいでこいつは何で凄んでくるのか。…舐められたからか。妖怪の大多数は逃げられることを恥と捉える奴が多い。ある程度の社会を築いてようやく恥を捨てることが増える。野生的な妖怪はかなりしつこい。そんな習性を持つ奴らが、面と向かって舐めてますよ足遅いねと言われたようなものか。なら仕方ない。だが言葉は撤回しない。そんなことしたらもっとキレてくる。

 

「…今なら穏便に帰す。人を辞めると言いなさい」

 

「悪いが用事があるのはノーレッジだ、レミリアにもう用事はない」

 

「待て」

 

作った魔法陣を、グングニルで壊される。割と大きめに作ったんだけどな。グングニルは壊すこと専門に作られてるのか?だとしたら作ったのはかなり頭の悪い奴だな。おそらくノーレッジだろうが。作ったやつへの愚痴が止まらない中、レミリアに腕を掴まれる。少し苦戦するが、振り払えた。腕に跡が付いてる。かなり本気で掴まれたようだ。…勘弁して欲しいな。しれっと俺の防御魔法を貫通しないでもらいたい。これが無ければそこら辺の人間と変わらないくらい脆いのに。

 

「待ちなさい」

 

「待たない」

 

「咲夜はどうするの」

 

「お前が決める」

 

「死ぬ前の正和は」

 

「老いて死ぬんじゃない。心臓残して爆散するつもり」

 

「許さないわよ」

 

「え、なんで?」

 

舐められてそのまま死なれたら、勝ち逃げされたことになるからか。自分で納得して魔方陣を通ろうとすると、後ろから引っ張られ、そのまま館の壁を突き破る。人間一人に何故執着する。寿命が長い人外なんて、勝ち逃げ以外したことがないだろ。空を見れば曇天。館に入るまでは晴れてた気がするのだが、さてどうだったろうか。とても面倒に思える。ノーレッジには咲夜にかけた魔法をどれを解いたのか聞きたかったのだが、どうにも叶いそうにない。そして、レミリアの全力とはどう足掻いても負け戦。逃げに徹するしかない。

 

「もう穏便に済ますことはない。正和、貴方は今日ここで、吸血鬼の眷属になるのよ」

 

「え、やだ」

 

勝負が始まってすぐに一歩引く。目の前に反射魔法を発生させると、見事にレミリアが引っかかった。が、無理やり破って来た。気持ち悪い顔してたぞお前。さて先ほどまでの泣きそうなのかわからない顔から一変したレミリアは、やはり強い。まあ勝つこと諦めるよねと。面倒なので空間移動を行う。目の前に発生させるとレミリアが怯むはずなので、突っ込めば空間移動ができるってわけだ。ちなみに行き先はノーレッジのいる大図書館。最悪怯まなくても一歩引くくらいの余裕は作れるはずだ。

 

「っ」

 

「じゃあな」




正和君が勝つためにするべきことの一つ
純孤を呼ぶ
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