俺は(妹の幸せを願う)お兄ちゃんだぞ   作:覚め

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紅魔館で一番怖いのは身内に手を出された時のレミリア


お兄ちゃん春の魔法祭り

「騒がしい」

 

「騒がしいも何も、お嬢様が喧嘩を売った相手でしょう。なぜ私たちが相手をするんですかね」

 

木っ端の妖怪たちがこれでもかと集まり、大群を成している。なんか館の主人が勝手に喧嘩売ったとかなんとか。今現在時刻は昼。つまり喧嘩を売った主人自身が起きてない。だからかベンチに座っていた俺と門番が対処することとなった。木っ端な妖怪とは言え、数が多ければ咲夜が怪我をすることがあるかもしれない。万が一にもその可能性があるなら対処しておくべきだ。咲夜が怪我をする未来は全てその未来が実現する前に摘んでおかなければならない。

 

「だからって魔法陣でペシャンコにしますか!?」

 

「寝る」

 

「というか、これじゃあ木っ端な妖怪たち可哀想ですよ!私の踵落としで全員潰されるとか!!」

 

「妖に情けは無い。」

 

「正和さん、咲夜さんが妖怪になったらどうするんですか?」

 

「食われる」

 

「重度のシスコンですね…」

 

とは言え。木っ端な妖怪もまだまだ少しだけいるようで。魔法陣で潰してやろうかと思ったが位置がばらつき過ぎている。これでは潰そうにも範囲が広過ぎて魔力の無駄。なので門番に任せたかったのにその門番は俺に任せる気らしい。職務怠慢ではないのか。魔法陣を出し、極々小さいマスタースパークでそれぞれを撃退する。終わり。何故こうもあの門番は仕事をサボりたがるのか。咲夜を危機に陥れる為か?たまに寝ているところさえ見ている。館の主人は俺の勤務態度より門番をどうにかするべきだろう。

 

「…あの」

 

「何だ」

 

「私と手合わせ願えますか?」

 

「断る」

 

「お嬢様も呼んで、そうだ咲夜さんも!館の皆さんに見てもらいましょう!」

 

「門番が地面に埋まる姿か?」

 

「お兄ちゃんの情けない姿ですよ?」

 

「……」

 

「……」

 

魔法陣で壁を作り、肘と魔法陣で体を押し出し首を掴む。掌に仕込んだ魔法陣からマスタースパークをいくつか放つ。貫いたところに魔法陣を仕込み、掴んだ手を離す。こいつは何を考えているんだ。お兄ちゃんが負けるわけないだろう。咲夜を前にしない時はともかく、咲夜が見ている前で負ける?ありえない。その時は天地をひっくり返し月明かりでさえも日光のように眩しく照り輝くだろう。それほどまでにあり得ないことだ。というか門番が俺をお兄ちゃんと呼ぶな。悪寒がする。

 

「…あれ、治らない…魔法陣を仕込みましたね!?」

 

「断る」

 

「いや、解いてもらえないと仕事できないんですけど」

 

「断る」

 

「…えー…」

 

まあ門を潜れば直ぐに魔法陣は消えるわけだが。言わずに置いて、ベンチに座り直す。体を二つに切ってやっても良かったのだが、それをやっては館の主人が黙ってはいないだろう。流石に辞めた。空の流れを見て、冬が明けて来ていることを日の入りの時刻が遅れていることで確認する。この時期はこれくらいの時刻が日の入りだ。意味のわからない時刻に日の入りをしないでもらいたい。そもそも季節が異変一つでコロコロと変わらないでもらいたい。どう考えても一人の持つ魔力量で収まるわけがない。

 

「…どうした」

 

「どうしたもこうしたも、妹様が呼んでいましたよ、と」

 

「断る」

 

「断れません。大体分かりますよね?」

 

妹君の家という名の地下室に飛ぶ。どうやら大量の壊れた残骸を退かして欲しいということらしい。その多くは無機物なのだが、たまに変な生き物が混じっているのが侮れない。今まではの話だが。今なら簡単に廃棄処分が行える。ゴミ山の下に魔法陣を展開し、飛ばす。飛んだ先は極々普通、いつもの廃棄場所。つまりは門番の横にある小屋である。俺がベンチに座る意味の一つに、小屋から漏れ出る臭いでゴミ山がちゃんと処理されているかを確認するというものがある。咲夜の鼻を捻じ曲げるわけにはいかない。ちなみに処分は門番がやっている

 

「そういえば、美鈴に魔法でも撃ったの?」

 

「撃った」

 

「ふーん…まあ、その傷のなさを見ると美鈴はボロ負けしたみたいだけど」

 

「当然の結果だろう」

 

「パチュリーとやってみたら?」

 

「断る。勝ち目がない」

 

「あ、そういうところは認めるのね。」

 

ちなみに負け筋もない。俺の魔法陣をパチュリー先生は貫けず、俺の攻撃魔法はパチュリー先生の攻撃魔法に掻き消される。つまりは完全に引き分けしかないというわけだ。魔力切れまでやられたらそれこそ俺が負けるだろうけど。咲夜の前なら必ず勝つだろう。断言する、二百回やろうと俺が勝つ。と、呑気に考えていたらまた使い魔が現れた。こいつ暇か。暇だからここに来たらしい。暇だったのか。この使い魔、暇が出来たら勉強ではなく遊ぶ方に傾くのか。怠惰な使い魔だ。

 

「正和も使い魔を呼んでみたら?」

 

「…気に入らなければ消す」

 

「それで良いのよ、使い魔なんて」

 

「あ、私に対する否定的な意見は言ってますかね?」

 

魔導書を一冊借りて魔法を唱える。出て来たのは…少し暗めの赤色の肌、もじゃもじゃとしか言えない髪、その中から少しだけ見える謎のツノ、極め付けに黄色と黒の謎のパンツ。後金棒。身長は四メートルと言ったところか。…鬼が出て来た。即刻送り返す。使い魔として使うには大した問題はい。が、鬼というだけで少し嫌いだ。妙なことをして来そうだから。完全な偏見にはなるが、しかし俺から見た鬼というのはそういうものだ。というかあの童歌の通りだったな。パンツの布だけでももらっておけば良かったか…?

 

「鬼…だった」

 

「そうだ」

 

「送り返すの早くないですか?使い魔なんですよ?折角の鬼の使い魔なんですよ!?」

 

「黙れ」

 

「きゃいんっ」




鬼が嫌いな理由
ヒント→主人達の種族
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