俺は(妹の幸せを願う)お兄ちゃんだぞ   作:覚め

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空間移動魔法について
・目の前と目的地周辺に魔法陣が二個出現する(この時の魔法陣は前回の説明の通り透明にも出来る。)
・移動に使う時間のみを短縮しているイメージ。消費エネルギーは魔力で換算されるだけ。馬鹿長い一歩の馬鹿長い部分を魔力で飛ばしてるに過ぎない。
・後は特に無い。そもそもこんな説明もあんまり必要ない。スキマの空間無しバージョンで通じるから。


お兄ちゃんの魔法

魔法使いたちがなかなか帰らない姿を見るに、魔法使いは魔導書を好む傾向にあるらしい。どうにも皆それぞれが本に釘付けだ。一名を除いてだが。まあそんなことを言っては二人だから皆と言うほどではないだろうと。無論それは何度も繰り返し読んでいるパチュリー先生なわけだが。最初は自慢げな顔をしていたのに何故か紅茶を一杯口に含んだ途端に顔を歪めた。恐らくはすぐに感想を聞きたかったのだろう。それがどうだ。折角集めたのに話すらしないと言う現実を突きつけられている。

 

「私の感想でよろしければ」

 

「使い魔の感想なんかいらないわよ」

 

「いつまでも拗らせてるからそうなるんですよ!」

 

「パチュリー、すごいわねこの本。家に持ち帰って読みたいくらい」

 

「私はもう持ち帰る準備を」

 

「正和」

 

「はいはい」

 

空間移動魔法で、帽子の中に落とすつもりであったのだろう本を俺の手に回収。どうやらアリスと言う魔法使いには許しが出ているらしい。まあ泥棒常習犯にはそのような対応を取ることは当然だとは思うが。霧雨からの抗議の声を聞き流し、使い魔に魔導書を渡す。そのまま倉庫へ。使い魔を追いかけた霧雨をパチュリー先生の指示で空間移動魔法を使い席に座らせる。申し訳ないが、常習犯相手にはこうする。最近では正門以外から入った霧雨は俺の魔法でパチュリー先生の目の前に飛ばしている。労力が途方もない。嫌いだこいつ。

 

「ぶーぶー」

 

「魔理沙が悪いわね。私は良いの?」

 

「貴女も常習犯になるなら許可は出さないわ」

 

「約束するわ。私も被害者の一人ですもの」

 

「霧雨。盗み癖は人として終わりだぞ」

 

「その気になれば家盗める奴は説得力が違うねぇ」

 

「私の弟子をこき下ろすつもり?」

 

マジギレ寸前のパチュリー先生を見て身を引く。妹君よりも面倒くさそうだった。関わるのはやめておこう。帰って眠った方がいい。と、そこで呼び止められる。アリスとか言う魔法使いに。心底だるいが、今日一日はパチュリー先生の孤独気分紛らわしの会を支援する立場にいなければならないので話を聞く。何やら人形遣いの魔法を習ってみないかと言うことだ。その魔法を見せられたが、よくわからない。しかし魔法の糸というものに興味を持った。魔力のない人間相手なら操れそうだ。

 

「やっぱり教えるのはやめるわね」

 

「えっ」

 

「そんなキラキラした目で人間を操るとか言う人間に魔法を教えるわけないでしょ」

 

「倫理観か」

 

「この館にいる時点でどこかしら頭おかしいとは思ってたけど、まさかそこがおかしいなんてね。まあ妥当か」

 

「今のは聞き逃さんぞ」

 

「私と戦うの?一色の魔法で?」

 

「やめてくれます?散らかった本を片付けるの私なんですけど」

 

やめておく。今度こそ何もせずに椅子に座る。妹君が座っていなかった為に簡単に座れた。しかし、驚いたことが一つ。アリスとか言う魔法使い、人間ではなかった。不老長寿の魔法を使ったのだろう、証拠はない。しかし元から人外だった可能性も外せない。俺の見た限りでは人外という結論だが、それが生まれた時からなのかでも変わる。もしそうでなければ価値観は大きく人間に寄る。もし人外なら、警戒する妖怪が一人増えるだけだ。なんら問題はない。

 

「何よ、流石にそこまで迷惑だとわかってることをやるわけじゃないのよ」

 

「人外の価値観は俺にはわからん」

 

「だよなぁ!やっぱ人間とそうじゃないやつにはわかんないんだよ!私がみるべき魔導書かどうかってのがさ!」

 

「盗人の気持ちもわからん」

 

「あれぇ…?」

 

「情けない…」

 

「アイツなんなのよ本当」

 

「知らないわね。少なくとも私は。」

 

「うわ断言した」

 

「パチュリー!?」

 

鬱陶しいと思うのは俺の心が狭いからなのか、それとも咲夜にしか心の領域を許さないからなのか。まあともかくとしてだ。椅子に座ったまま空間移動魔法で俺の部屋からマジックアイテムを取り出す。目玉のような、よくわからない物。遠隔でものが見えるわけでも無く、かと言って義眼として使うにはかなり危険な目玉。実を言うと、妹君から譲り受けたものだ。妹君の秘蔵のコレクションにあるマジックアイテムにはこのような気持ちの悪いものが大量に置かれている。その中でもマシな部類ではあるが。同族の羽とか言われた時はかなり引いた。

 

「正和、私と勝負しようぜ」

 

「訳を」

 

「私が勝てば図書館か一冊持ち出しの許可が出る。お前が勝てば私は本を返す」

 

「そうか。断る」

 

「えっ」

 

「なんだ?」

 

「いや、勝負してくれよ!私だって恥を忍んで頼んでるのに!!」

 

「よく言ったわ正和、後で強制送還しといて。私疲れた…」

 

「魔理沙、帰るわよ。そろそほ日も沈むし…ちょっと?」

 

「…コレとコレも」

 

「許しを出した覚えはないわね。罰よ」

 

「えぇっ!?」

 

どこからともなく雷が降ってきた。どうやったかまではわからないがどうやら魔法らしいことはわかった。もしかしたら火と水でも操って雷を発生させたのではないだろうか。あまり詳しいことは覚えてないが、火と水みたいなもので雷が発生出来たはず。よく覚えてないけど。もしかしたら温度だったかもしれない。あまり思い出せないな。泥棒が処罰されたのを見送り、いつも通りベンチに座り込む。なんか今日は長く感じた。その癖まだ夜が来ない。魔女の話し合いも今後は増えていくのだろうか。ほぼ全てでよくわからないことが起きている。少なくとも魔女の話し合いは消えてもらいたい。理由は様々だ。

 

「伝書鳩で魔理沙さんに本棚の修理材料要求しときます」

 

「殺しに行っても構わないわよ」

 

「本当ですか!?」

 

「マスタースパークで焼かれて死んでしまうか」

 

「呪いを送るだけにしておきます!」

 

「届くとは思えないわね。貴女みたいな妖怪の呪いなんて。」

 

「ひどくないですか?」




盗み癖があるのに嫌われない(パチュリーもアリスもある程度理解しており、貸してと言われたら貸すけどそれはそれとして挨拶のない泥棒は別だよねって思ってる)魔理沙さんじゃないか…!」
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