これから受験結果が出次第、司法試験の勉強を順次初めて参ります。なので、更新速度がかなり低下すると思われます。ご了承くださいませ。
と言う訳で、九話、「忍び寄る者」です。一体、何が忍び寄るのか。宜しければぜひ考えてみてください。
第九話 忍び寄る者
迅速にエジェイを離れてから数日。ありし日にミドリと話をした、あの軍港へ着く。石油の輸送とヘリコプターの補給のためだ。そしてその中にはレーチェル回収も含まれている。
「よう!」
「おう!久しぶり!」
再会を交わす中隊とレーチェル、そしてリヒャルトと三兄妹。途中離脱のカナタと難民。全員が、ここに勢揃いして居た。
「あ、そういえば途中エルフ狩りをなんとかして止めたぜ。」
誇らしげに言う負傷兵とパイロット。その腕は包帯でぐるぐる巻きなので締まらないが。そして、赤包帯に包まれた腕を子供達にぽすっと置く。
「それで、補給後はどうするんだ。」
「ああ。それだが、お偉いさんからクワトイネに、これを供与するって、」
その場にいたカナタが目を輝かせて箱を開ける。そこには、ハンドガンが50丁ほど入って居た。モイジはそれを持って鑑定する。
「これを、クワトイネの部隊に。教官はすでに派遣済みです。」
それならば、首都防衛戦も成功するやもしれない。首根っこに攻撃を仕掛けてくることを早めに察知できて良かった。しかし、それでも何か不安という物がある。
「……おかしい。奴らにはギムでその力を誇示したはず。慌てさせるにしても、我々を封じる手段がまるで何もない。」
「もしかして、本当にねえんじゃないか?ほら、あ奴らが沈めたろう。」
「いやあ照れるなあ」
「そう言ってもらえると船乗り冥利に尽きるよ。」
「過信は禁物さ!」
「まだまだだよ私たちは。」
「待て待て全員一気に喋るんじゃないよ!」
さらにエルとレーチェルの間には、エレシアとアーシャがいつの間にか居た。
「おお、久しぶり?」
「お久しぶりですレーチェル様!」
「おい。GATEの菅原様と同じ臭いがするぞ。大丈夫だろうな。」
めちゃくちゃすぎる。情報量が多い。そこでモイジが柏手を打って注意を引いた。
「それより!その武器について教えてください!」
「ああ、すみません。これは、我が国の遠距離武器です。携帯性に優れて、初心者でも扱い易いので持って参りました。」
「なるほど?」
しかし彼らにはそれはただ手に馴染むだけの黒いブーメランにしか見えない。
「……まあ、詳細は後で!とりあえず飯にしようぜ!まともに食ってねえんだ!」
「……それもそうですね。」
こうして、再会を成し遂げた全員。しかし、そこに待ち受けるはゆくりなき試練であるのだった。
「しまった。読みが完全に外れた。」
ロウリアがそんな自殺行動に出るなんて誰が思うだろう。首都を攻撃して、戦力の消耗を抑えつつ王手をかける。一見すると別に違和感のない行動だが向こう目線我々ハンガリーは未知だ。無論、そこまで考えて先回りするだろうから、おそらくそこが読み合いのメインディッシュ。
「気味が悪いよ。いかにして向こうが我々にバインドをかけるか、全然見当もつかない。」
「まあきっと、航空戦力とヘリにこっぴどくやられてるからおそらく対空は強化してくるな。」
しかし、彼らは知る由もない。まさかロウリア海軍が動いているなんて思いもしなかった。
一方でロウリアでは、その作戦が立てられて居た。この国では、無謀な作戦の割に着実な手が考えられて居たのである。しかし流石にそうは言っても、この作戦には憤りを感じる。
「どう言うことですか国王陛下!シャークンの英断で温存した、あの艦隊を再び出すとは!」
「どうもこうもない。そのままだ。首都防衛戦では、クワトイネだけに集中したい。」
どう言うことだ。まさか、この国王はまさか。3000隻の艦隊をいわば魔の海域に送ろうとする理由がひとつだけ思いついた。でもそのまさかが。反実仮想でしかないと思って居た突撃が行われるなんて。
「余はこの艦隊を囮にする。ハンガリー海軍は忙しい。その隙間を縫いつつ、本土上陸を仕掛けるのだ。そうすれば必然的に国内防衛へと目が向こう。それならば、余計な茶々を入れられないで済む。」
彼は戦慄した。この国王は、何を考えているのだ。人的資源を、本当に無機物としか思ってない。まるで、あのロウリアの残忍なウイルスが移ったように、彼もまた狂ったのか。
「………」
言葉を失うパラディス。ここまで王が露骨に牙を向くことは無かった。
「シャークンには感謝しておるぞ。ここまで大量の艦隊を残さねば、こうは行かぬからな。」
そして、ハーク・ロウリア34世はふうっと満足げな溜息をつく。
「さあ、パラディス。やってしまえ!ハンガリーを叩き潰すのだ!」
パラディスは絶望に顔を暗めながら、部屋を出ていった。
「……ロウリアの狙いはエジェイじゃない…首都なのはわかった。」
先に拳銃という待駒を置いておいて良かった。これで多少は持つ。あとは航空支援。どうにか国内で待機している第二航空師団に掛け合わせねば。こうして受話器を取り、いつしかの翠星石に声をかけた。
「おい翠星石。第二航空師団は行けるか?」
「整備と補給がなんとか出来たので、一部飛べるですよ。」
「そうか。ならいい。首都上空を地獄にしてやれ。」
「はいはい。」
そういうと向こうから切りやがった。国防長官の電話を切るなど言語道断な奴め。
「おいヴィクトル。どうした。」
「……いや、いまいち向こうの作戦が読めない。どうする気だろう。」
フルで艦隊を運用しているのをロウリアが察知に、上陸を仕掛けるなんて夢にも思って居ないようだ。
「大丈夫だ。気を引き締めつつ、落ち着いていこう。」
「そうは言っても……」
なんと言っても彼は就任から2週間過ぎたばかりの政治屋に過ぎない。彼の洞察力や判断は素晴らしいが、なんせその分難問であっても何時間もかけて解こうとする、考えすぎで頑固な面が出て居たのだ。
「……ヴィクトル大統領。兎に角今は辛抱です。辛抱をのりこえれば楽になります。」
ヤーノシュの言葉も虚しく、彼の喉に食い物が通ることもなかった。思えば、この最悪な作戦を察知した故なのかもしれないが。
「よし、行くぞ!向かうはマイハーク!首都防衛戦を展開する!」
『おう!』
他方ではロウリアの鉄人兵団が跋扈し、そのマイハークのすぐそばにまで居る。
「我々は、ロウリアのため。亜人の殲滅のため!戦うのだ!」
『オオオオオ!』
今、勝鬨が二つ挙げられた。こうして、機械と鉄と魔法に満ちた、不思議な大決戦が、幕を開いたのである。
此度は超短め。すみません。力を貯めたいんですこれからに。
毎日投稿をしたいというしょうもない自尊心が本体でs…いえなんでもありません。
それでは、次回も楽しみに。
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