大学入試は無事合格いたしました。反動でマギレコ見まくってサボっていました。すみません。
さて、そろそろ辺りロウリア戦終わりよ。ダメ押しにボッコボコにしてグヤーシュ(意味深)にしてやりましょう!
それでは第十二話です。どうぞ。
第十二話 マイハークを守れ
首都マイハーク。門前に鎧たちが立ちはだかり、冷や汗をかきながら待ち続ける。その心は弾むどころか、むしろ弦を弾いたようにぶるぶる震えていた。怖い。死ぬのが。街を燃やされるのが怖い。ワイバーンの火を吹くのが、魔道士の炎を放つのが怖くて仕方がない。エルフは苦笑した。もちろん、この気持ちを紛らわすだけでなく、城壁に佇む我々を嘲笑う意味もあった。この城壁に出来ることなら擦りつけてやりたい。伊曽保物語では例え武士ともあろうものでも、戦場で震える言ったが、その通りだと痛感したレーチェル一行。心なしか、心の琴線はギムの時よりも激しくジャカジャカなっている。
「ついに、来るな。」
西風に揺られて、ざあっと歌い始める森の木々。城壁の上で固唾を飲むピストル兵。兵士たちにはその全てが、ギムの虐殺のアミューズのように見えてしまったのだ。カナタにもそれはわかってるから、まるで子供をあやすように言う。
「皆さん、大丈夫です!私と、心強いハンガリー軍。何より、ここにみなさまがいます!ロウリアの暴挙を、我々の手で止めるのです!」
『オオオオオ!』
勝鬨が上がる中、森からまた西風が来て、レーチェルたちのヘルメットを撫でて行った。どうやら、風は僕らの敵らしい。エル隊長は深くヘルメットを被り直す。その目に恨みはない。ただそこにあったのは、ちょっとの覚悟と闘志。それでも、他のメンツがどうにも怖じけているからか少し浮いて見えるまであった。いや、エルはそう解釈したけど実際は違う。彼らは、死ぬのよりどうしても怖いことがあったのだ。その、森に向かって眼光を飛ばす一同を見て、首を傾げるエル。しかし、レーチェルだけはその意味がなんとなく理解できていた。この不思議な占い師には、何もかもお見通しというわけだ。
「どうするんだい。レーチェル大臣。」
「作戦なんてねえ。防衛だけだ。」
石のように冷たい地面を踏み締めて、彼が門の前を見る。そこには、ロウリア軍がまるで蟻の隊列のようにずらりと並んでいた。本当、コンピュータで作ったみたいに見事な整列具合だ。それに見惚れる敵味方。この、小さな美学を崩してもいいのか。森の怒りは、これを阻止するそれそのものではないか。そんな生暖かいジンクスを崩すためかエルはぺっと唾を吐いた。続けてこう言う。というか、全員がそれを見てやっと気付いたのだ。このアウトローは、自分の行動を以てして危険を知らしめたと。
「敵は、迫撃砲で一旦崩すかい」
「よし、やってやろう。」
何人もの男が門から降りると迫撃砲へと走る。冷たい風が頬を撫でた。マイハークに吹く風を、吸い込んでまた吐くレーチェル。見下ろせば、僕らの仲間たちがいた。
「半装填!」
「半装填完了!」
「撃て!」
同時に、手が離されて装填がなされる。すっと引いた流星群が、また飛び出して飛んでいく。流星がロウリアに向かう中、レーチェルはそれをただ見ていることしかできなかった。もう一度落ち着かせるようにレーチェルは深呼吸をする。森が答えるよう西風を吹かせた。どうしてだろう。まるで、何かいいことをしたみたいに清々しい。レーチェルはまたその梯子を登って城壁に向かった。手に棘が刺さっても、それすら知れずに。再び後ろを振り返ると、またその金色の砲弾を持つ兵士たち。レーチェルの役割は、これを防ぐことだった。これを防ぐことが出来なかったのだ。僕は馬鹿だ。レーチェルの頬に熱い水が流れ落ちる。まるで、先ほどロウリアへ向かった流星の如く。自分がさっきから感じていた思いや、違和感の正体。それは、自分がやってることがペナルティの取り返しでしかないから。それを心から誇ることなんてできない。まして、それが人殺しなら尚更。レーチェルが涙に顔を濡らしながらも梯子の奥を見据える。そこに、踊り列を見出す兵士たち。その様子がまるで、白雪姫の継母が鉄の靴を履いて踊ったようにも見えた。もちろん、興がらせるという意味じゃない。
そうではない類の気分が、レーチェルに取り憑いて離れないのだ。ロウリア兵に対する、同情。自らの国民も守れず戦争に突入させた無能が見た壮大な夢。まるで、反実仮想を見せつけているようなその同情に、レーチェルはどうにかしてしまいそうだった。軈て攻撃に気付いたロウリア軍がこちらへ来る。もう同情を向ける暇はない。戦場は、効率こそが正義。
「何ぼさっとしてるんですか大臣」
そう、声をかけられてようやく気づくレーチェル。そうだ、風が僕の敵だし、森も僕の敵だ。みんな敵だ。なら、敵を殺す。それが仕事。同情は、後からでもかけることはできるさ。レーチェルはまるで再びなんとも言えない焦燥に駆られた。何か、後ろにナイフでも突きつけられているようにぞっとする。
「いや、なんでも。」
迫撃砲を置く。弾丸を半装填する。手を離す。耳を塞ぐ。この単純な内容の割に合わないほどの汗をかく一同。だあんという衝撃波が撫で行くたびに、私たちが黄金色に揺さぶられていく。ロウリア兵を処すというのは、ここまで辛い作業なんだな。
「…射程内に捉えた。」
その一言を皮切りに、城壁の上にいる兵士たちが銃を構える。同時に鉛の弾丸たちがロウリア兵へと襲いかかった。オレンジの尾を引き、まっすぐ向かう彗星。その綺麗な彗星はやがて衝突して鋼を穿ち肉を割く。レーチェルはキリキリ痛む胃袋を押さえながら、右手に拳銃を持って撃ち続けた。これが、自分の尻拭いであり罰であることを悟ったように。
「……レーチェル大臣、やっと目の色が座りましたね。」
「ああ。そうですね隊長しかし……」
目の前にあるのは、やっぱり大群を率いる蝗ども。撃てばそれだけ消えるが、その方法では追いつかない。
「……突破、されそうですね。」
その未曾有の物量を前に、顔を青ざめるカナタたち。新武器を手にしたクワトイネ兵にも、それは言えた。この、圧倒的な武器を以てしても苦戦される。将来に、不安を覚えているのももちろんある。だが1番は死への武者震いだった。彼らは銃を構える。まるで、その玉虫色の未来へと目を向かわせないようにするためかの如く。
「さあて、ここからが本番だ。」
おそらく、僕らの元にミクラウスは来ない。この大きすぎる罪を抱えているから。だが、それでもロウリア兵を殺さねばならない。そう、求められるのは一騎当千の無双。全くもって「いい子」の振る舞いじゃない。レーチェルはエルを見る。この、エルという男は、そういう役割にうってつけの人間だなと思ってレーチェルは笑った。
尚も突撃をやめぬロウリア軍。そのまるで熊のよう強靭な精神と肉体にまた笑うしかない一同。だがその精神を讃える暇はない。そんな暇があれば、弾の一発撃つ方がいいのは明白だ。
まあ突撃というのももちろん蝗ほど馬鹿な突撃ではない。ちゃんと騎兵を起用し、弓兵が支援していく体制はある。
「撃てええ!」
その時そんな思惑を打ち砕くように機関銃が響き渡った。ハンガリー軍の攻撃にまろぶロウリア兵たち。
「くそっ!近づけない!」
なんというのか、もしハリセンボンが何かの間違いで針を飛ばすように進化したらこういう風になるのか。城壁から、ダンダンという銃声と、しゅぱっという弓の音が交互に響く。
「ふうううううう!最高だぜえええええ!」
最高の気分か、そうだな。そうだな。
「俺もやるぞ!ひゃっはああああ!」
そうしてエルも、スコーピオンを唸らせてロウリア兵を撃ち続ける。その仮面には、嬉しさに満ちた顔。反面、その皮を剥げばきっと。
「ハンガリーのために、クワトイネのために、やるぞおお!」
再び銃声が、中世を彷彿させる古城に響き渡る。
「ぐああああ!」
弓の反撃を受けるハンガリー・クワトイネの連合軍。あるいは腕に、あるいは頭の方に対して迅速に突き刺さった。
「負傷兵は下がらせろ!しつこいようだが絶対矢を抜くな!」
矢など、何かが刺さった場合は抜かぬのがいい。なぜなら、それが止血してくれるから。
「エルフの身体構造は!?」
「人間とほとんど変わりません!」
叫ぶカナタとレーチェル。双方その手には、拳銃が握られすぐそこに迫りくる蝗どもを追い払っていた。
「うわあああ!」
「な、なんだあの高速の魔道は!避けられない!」
言葉は通じることが、初めて嫌だと思った。思えば、この戦場という無双はなべて常識を覆してるじゃないか。
「ハンガリー無双。いけるかな。」
にやりと笑ってRPGを構えるレーチェル。
「レーチェル大臣!?そんな物騒なものをどこで扱ったんです!?」
「軍隊だ。」
目の前の密集地帯に向かって容赦のない科学の「やり方」が放たれる。
「ぐわああああ!俺の腕が!」
「な、なんだあの爆裂魔道はあああ!」
そこへすかさず縫い合わせる迫撃砲が飛翔した。ロウリア兵の目が闇に落ちる。
「私たちも負けてられるか!」
向かったは、すっかり忘れ去られたマールパティアとその部下。
「させてたまるか!対空バリスタ、用意!」
「くそっこのままじゃ」
「任せろ!」
しかしそこにまたRPGの嵐が来襲した。連携は息ぴったりにハマり、ロウリア兵を吹き転がすが如く最も簡単に蹂躙する。この場所は、ロウリア軍のワイバーンが来れない。ここは要するに、彼らにとってのバミューダ・トライアングル。そこに、あの厄介な火蜥蜴を持ち込むことはできない。
「うわああああ!バリスタがああ!」
故に、この木屑さえ排除すればもう終わり。彼らの邪魔をするものはないわけだ。彼らはまるで何か煩わしいものを掃き掃除するように銃を連射した。
「気に入らない…あいつら、俺たちを物品や虫ケラのように…!」
兵士の1人に恨みの炎が灯る。その横を切るように通る銃弾が少し涼しい。その場に転がる金色の絶望を、彼は黙ってみるしかできなかった。その横には、血色に錆びた銀の鎧が同じくして転がっている。そのロウリア兵は悟った。それが、成れの果てであり、回避できない命運だと。少なくとも、このハンガリー軍を相手にする内には。反実仮想の勝利を目指すだけでは、きっと死体の山を増やすだけだ。
ロウリア兵の横にまた1人山が加わる。上にはワイバーン。血みどろのタイマーが、時間がないと語っていた。元来より、こんな作戦めちゃくちゃだと思ってた。そんな、須くポーンの気持ちも分かるべきなのに、それも分からぬ猿のようなキングは捨ててやろうか。
「……くらえ!火炎弾!」
その時、マールパティアの竜が口を大きく開いた。対地攻撃に専念したワイバーンは強い。それに応えるように、レーチェルの方を見て手を上げる指揮官。時間はもうない。赤いタイマーは、すでに音を鳴らさんとしているのだ。徐に、決心するように目を瞑って、指揮官は口を開いた。
「降参だ…降伏する。」
「わかった。攻撃、やめ!」
エルが命ずると、全ての銃弾の行進が止む。辺り一体に沈黙が訪れ、また森の騒めきだけが空間を支配する。しかしそこへ、時代遅れの弓矢が飛んできた。
「ぐああ!」
その弓矢は、防弾チョッキを突き抜けて、1人の心臓を貫く。
「……そうか。何とか守れたか。」
「航空師団の出動は、要らないようですね。」
ヤーノシュはまたその首をポキポキと鳴らす。むず痒いのが一気に減った。彼がソファーにゆったりと腰をかけると、それが呼応するように深く沈み込んだ。外を見ると、ドナウ川をそっくり写したような空が広がっている。戦いが終わった、そんな空だった。レーチェル自身の震えもなんとなく収まっていた。あのシャンパンファイトはゴメンだが、それでも勝利は嬉しい。蝗どもは、思ったより賢かったようで安心した。そうして彼は赤いワインレッドのソファーをまた、クマのようにのっそり立ち上がる。腰に痛烈な痛みが走るが、それでも気に留めないヤーノシュ。
「ワインで乾杯しよう。これからはきっと、ワンサイドゲームだ。」
「そうなると、戦後処理も必要です。あの、海岸に大量に放置された木造船。あれどうするですか。」
「輸出しよう。いい収入になるさきっと。」
「いや、だとしても残り1000隻以上は過剰だ。同時に輸送会社も建てよう。」
「夢が広がるなあ。」
「水を刺すようで悪いが。」
ヴィクトルが、本当に申し訳なさそうに言った。一同が振り向く。
「まだ勝ったわけじゃない。気を引き締めよう。奴らに、決定打を与えねば。」
そうしてヴィクトルがまるで入試問題をぺらりとめくる受験生のような面持ちで地図を取り出した。その中には、赤く示された町がいくつか。
「いろいろ考えたけど、やっぱ首都を叩くのが1番だよ」
その、丸の置かれた場所の適切さにヤーノシュは面食らった。その穏やかな新人顔の向こうには、芭蕉扇を持つ将軍が鎮座している。そんなことを今更ながらに思い知ったヤーノシュたちだった。その丸を、優しくなぞるヤーノシュ。軍需工場に大規模な飛行場。造船所に京都のような聖都。さながら攻撃にぴったりの場所ばかり。しかも、そこに記された印通り、航空攻撃、陸上侵攻、艦砲射撃に上陸。どれが適当でどの程度の戦力と損害が予測されるか。その地形もわかれば書いてある。このヴィクトルとはなんだ。まるで、七福神の全てを頭の中に飼っているのか。この男はその位、苦いほどの頭脳を持っている。私がもし約束のネバーランドの鬼とかだったら、間違いなく飛びかかって脳髄を啜っていただろう。
「聞いているかい?まずはここを…」
その声もまるでラジオの雑音のようノイズチックにさえ聞こえた。心なしかソンバトヘイや、翠星石の顔も青ざめてる気さえする。この、流れる脂汗をどう止めよう。この策略から読めるのは、ただ一つ。天才なんて今に知ったことじゃない。それを、大天才に焼き直しただけ。では何か、この作戦から見えること。
このヴィクトルという男は、真性のサディストだと言うことだった。
「わかったかい?この通りやるんだ。」
「お、おい、ヴィクトル。おめえ怒ってるだろ。」
まるで蛇に睨まれた兎が如く、ソンバトヘイが恐る恐る言った。その目には、恐怖だけでなく、内在人格の警鐘も写っている。言い換えれば「嫌な予感がする」ということだ。その予感はおおよそ当たっていたのだろうか。ドナウ川の写しのように綺麗だったその空は、急にどよんと曇り始めてしまった。
「ああ。もちろん。なぜなら。」
そして、恐ろしく白い紙を突き出す。
「今回、初の死者が出たそうじゃないか。僕は容赦しないよそういうのには。」
「ま、待て!それは降伏後の事故じゃないか!」
「そんなことは知ったことじゃない!中世程度の軍隊に死者を出す、この不甲斐ない軍隊にも憤りを感じるが、それ以上にこの」
「やめないか!そんなのメチャクチャだ!それがこれを使っていい理由になるか!?」
「なに?」
ソンバトヘイは眉を八の字に寄せた後、また地図を捲る。先ほどの表情と、ヴィクトルの所作をちょうど合わせたように。ゆっくりと。
「こ、これはまさか……クラスター爆弾だと!?正気か!?」
「やめろヴィクトル、そこまでしてロウリアを貶める意味はない!」
ヴィクトルはその言霊をぎろりと睨み、右手をぐっと握りしめた。戦場のとは違う、赤い鉄分がぶわっと流れ出る。そのままそれは、ワイングラスに溢れてちょうど美しいワインのような様子に変わった。
「……奴らを降伏させる。それだけだ。」
「なら別の手段も模索してみよう。」
「いいやこれはそれ以上の意味がある。これは、劣化版をアルタラス王国にも一発送った。」
ヤーノシュの目が点になる。ソンバトヘイも同じく言葉を失った。アルタラス王国という新国家。どう言うことだ。この、まるで計算し尽くされた計画は。こいつは、七福神のみならずプランナーも頭の中に飼ってるのか。仕事が早すぎる。この早すぎるフットワークの前に驚いただけではない。この頭脳に驚いたわけでもない。既にこのヴィクトルの頭には、ゴールドマッピングが敷かれていたのだ。俺たちが、後回しにしていた、パーパルディアというゴールドマップが。
「……わからないみたいだね。で、これはパーパルディアに対する最高のブレーキという訳だ。」
ソンバトヘイは考えた。なるほど、そうすればいいのか。パーパルディアがこれからまた煙たい存在になるに決まっている。ソンバトヘイは思わず顔を逸らした。まるで兎が蛇から目を逸らす如く。この、言わば「プラセンタ」さえ使えれば。奴らに白旗をあげさせて、株を上げることもできる。民間人の死者はしょうがないのか。それを、どうすべきか。ソンバトヘイの中では二つの良い流派と悪い流派が争いを繰り広げていた。この、不思議ながら最高効率の兵器を使うかどうかで。彼はもう一度図面を見る。絶望のように深い黒色が目に飛び込んできた。
それ然り、代理戦争というのもいかがなものか。彼はかつて見てきたし、レーチェルのを見たことがある。人が死ぬ戦場での鉄臭さと悪辣を。ロウリア戦での散々のように、私はなんども黄金色の弾丸がびゅっと飛びかかって来るのを見た。風が刺すようにソンバトヘイの肌を超える。このままではいけないのか。どうすればいいのか。窓の外には変わらぬドナウ川。ヴィクトルという人間が、このドナウに収められてくれないものか。そんな望みをぼやきつつ彼は宥めるように言い放った。
「わかった。やろう。その代わり戦後処理を忘れるな」
「言わずもがな。」
ヴィクトルが透明のワイングラスに、血のように赤いワインをどくどくと注ぐ。ワインの匂いがふっと鼻を抜けていった。それをついぞ持ち上げると、まるでそれが戦場の権化のようで。ソンバトヘイは、緑色に透けるワインボトルをすっとずらした。外には、青いドナウ川がある。そして、上空にはそれを鏡に映したような穏やかな空。そうだ。俺たちはハンガリーの政治屋だ。ソンバトヘイが、もう一度目を合わせてみせた。ヴィクトルはやや不満げにワイングラスを揺らしている。豪奢な花瓶が置かれた、四角い机にそれをもう一つおくと、3つ目にもまた、ゆっくりと注ぎ始める。
「……ヤーノシュは、どうする。」
「……」
ヤーノシュもまたこの煩悶の答えを導けずいる。しかし彼はそれでも何度も演繹法を使った。こういう、演繹で解決できないものがヤーノシュは頗る嫌いだ。彼にとって結論というのは、海賊にとっての宝であり、軍人にとっての勝利である。それほどまでにして、ゴールを求め彷徨っても見つからない。だから、この推論で手に入る物以外は嫌いだった。このまるで玉虫色に輝く不思議な飛躍は、彼にとって未曾有のもの。この爆弾を使えばきっと自分は後悔する。でも使わなければ後悔する。それならばいっそのこと。
「わかった。使うよ。」
そういう時、ヴィクトルがいつもにかっと子供のように笑ってくれるのが辛い。かくして、クラスター爆弾試作品である「プラセンタⅠ」を使った、首都への攻撃が決定した。
ニコラウスってのはハンガリーのサンタさんです。12月6日に靴の中にチョコレートを入れてくれます。このチョコレート言わば良い子かどうかの合格発表みたいなものです。ちなみに不合格者の靴には「クランプス」という悪魔が金の鞭を入れてくれます。筆者は両方入れられたことあるよ、お得だね。
読んでくれるのは嬉しいですし、お節介ですがこの小説を夜中の2時に見ている皆様。早く寝ないとニコラウスさん来てくれませんよ。
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